東京喰種 ‪√H   作:黒山羊の卵

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見切り発車ですが楽しんで頂けたら幸いです


No.1 交流

 

 

「ハァ⋯ハァ⋯⋯ッ!!」

 

「ウフフ⋯⋯♡」

 

人目の付かない薄暗い路地裏。息を上げ、血の跡を飛び散らせながら逃げる男性。それを追う影が妖艶な笑みを浮かべる。

 

女性的な凹凸に富んだ影は背から突起物を生やし、更に影を伸ばす。

 

「や、やめろッ!!?来るなァ!」

 

女性から伸びる赤黒く発光する尾。路地裏を微かに照らすそれを見た男は叫喚を上げた。生命最大の危機に見舞われ、男は半狂乱となり、半生まで殆ど手を付けなかった能力を繰り出す。

 

髪を毟り、毛を硬化させる。鋭利な針と化したそれを何本も自身の血で濡れた女に投げつける。

 

「いい、いいわ、その表情。もっと私を感じ(ゾクゾク)させてェ!」

 

だがその抵抗はネズミがネコに小さなチーズを投げつけるようなもので。被捕食者と捕食者の立場が逆転することは無い。

 

投擲された毛を全て尾で弾き、女は恍惚な表情を浮かべた後、捕食者の爪を振り下ろす。

 

「が⋯⋯ぁ⋯⋯」

 

ぶすり、とそんな生々しい音が暗い路地で奏でられ、その音を最後に男から叫び声が発せられることは二度となかった。後に響くのは咀嚼音と女の嬌声だった。

 

「んん⋯⋯おいしい」

 

 

 

 

ある日を境に、特異体質持って生まれる人間が続出し、今ではそれが人口の約八割占める超人社会。見た目に色濃く特徴が現れる者や、正に超常的な力を持つ者まで多種多様。

 

人類はそれに適応するように個性と記号をつけ、人々に親しみやすい職業――ヒーロー業まで確立し日々を営んでいた。

 

しかし、その個性群から外れた亜種がこの世界には存在していた。食物連鎖の頂点に立つヒトを『食糧』として狩る者たちが存在する。

 

人間の死肉を漁る化け物として、彼等はこう呼ばれる。

 

――『喰種(グール)』と

 

 

 

 

 

 

『――二十八日。千葉県、〇〇市の結田付ビルにて男性の遺体の一部が発見されました。現場には喰種のものと思われる体液が残されており警察は連続捕食事件の凶悪犯、通称『大喰い』の仕業だと見ており――』

 

「おっかねぇなー、結田付ビルって結構近いぞ。ヒーローいなかったのかよ」

 

こんじんまりとした喫茶店内で溌剌としながらもどこか不安げな少年の声が響く。

 

「カネキなんかあっという間に食われちまうだろーな。良くわからん本ばっか読んでるモヤシ野郎だし」

 

「よ、よくわからんとはなんだ⋯⋯」

 

そんな陽気な少年とは対照的に大人しげな雰囲気が漂う少年がささやかな反論を呈す。

 

「エイ⋯お前は書をとれもっと活字に触れろ」

 

「無理無理⋯⋯。五秒でぐっすり眠れるぜ」

 

売り言葉に買い言葉。しかし互いの線引きを理解し強い言葉を使わない二人は他所から見ても、仲のいい友、もっぱら親友という絆で結ばれているのが見て取れる。

 

片やカネキ、片やエイと渾名で呼び合う二人の正式名称は、金木研と切島鋭児郎。二人は幼稚園からの付き合いだ。現在は中学生であり、高校への進路に向けて学生なりに悩んでいる。

 

「⋯⋯というか僕、喰種なんて一度も見たことがないんだけど。本当にいるのかなヒトを食らう怪物が」

 

金木は渋い風味が漂う珈琲を啜ると、店内で放送されている事件、その首謀者である喰種の存在の有無に疑問を投げた。

 

「いるだろそりゃあ。こうして報道されてる訳だし」

 

頬杖を付いて言葉に反応した切島は、ため息をつくと唾棄するような眼差しでテレビを見据える。

 

「人を喰う()()がなくなったとは言っても、奴ら本当に世界に必要なのかよ。喰種はその存在自体が危険だってのに」

 

「まあ⋯⋯そうだよな」

 

珈琲を啜り金木は同じくテレビに視線を上げると、取り付けられたテレビの中では事件性の凄惨さに対する専門家の意見が取り上げられていた。

 

こうした喰種の凶悪犯罪は少なくないと人並みだが金木は思う。忌避され、嫌悪される喰種は『人工食糧』を与えられたのにも関わらず犯罪を犯す。

 

何故、慎ましく平穏に生きられないのかと考える事もあるが、知ろうとは思えない。

 

「喰種は人食う以前に、加虐性や悪辣な思考性の偏重があるって歴史や論文が語ってるから。もうこれは喰種の(さが)なのかも」

 

「なら尚更じゃね?また超常黎明期の時みたいなことが起こらないとも限らないだろ」

 

「いやそれは流石に話が飛躍しすぎ⋯⋯それに今はヒーロー社会だし仮にそうなる前にオールマイトとかが解決してくれるだろ」

 

そりゃそうだな、と切島は楽観的な笑みを浮かべると一度テレビを一瞥し金木に振り返る。

 

「こりゃ明日は休校確定だなー。なぁカネキ、明日こっそり俺ん家来いよ。受験近いし勉強教えてくれ」

 

「あー、うん全然いいよ。でもどうかな?ヒーローが捕まえちゃうかもだし」

 

「捕まるに越したことはねぇけど、これは捕まらない可能性の方が高いだろ。そんなこと言って本当は読書したいだけだな、お前」

 

「い、いや?そんな事ない⋯⋯ぞ?」

 

バツが悪そうに顔を横に向ける金木に、切島はジーッとその横顔を見詰める。歯切れの悪さから完全に図星だと切島は見抜くが、問い詰めることはしない。

 

見詰めた体勢のまま暫し間を置くと、切島は何かを思い付いたように顔を弾かせ、意地悪そうに口角を歪ませた。

 

「本の読み過ぎで自分(空想)の世界に引っ張られてんじゃんカネキ。友達との交流を蔑ろにするなんて、やっぱ活字は毒だな」

 

「なっ⋯⋯!た、確かにそこはちょっと悪い所もあるけど、それが本の醍醐味、良い所じゃないか――」

 

安い挑発、だが我に返すには効果覿面。

 

ムスッとした顔を全面に出す金木に切島は期待通りといった笑みを浮かべる。本のことをイジると、こうした熱い反論が返ってくるのが二人の通例。

 

「――そして僕を小説の魅力にハマらせ、今最も敬愛している作者がいる!」

 

しかも、それには金木なりのグレードがあり今回、活字中毒が手に持つ『作品』は最も熱意が高いものだ。

 

「それがこの高槻作品!ダークな作風で力強くも繊細な文章が読者の想像力を駆り立てるんだよ!」

 

滑舌を総動員させ作品の魅力を捲し立てる金木。ダメ押しとばかりに本のページを広げるが、逆効果も良い所である。

 

微塵も興味がない切島は適当にあしらうと、脱線まみれの果てようやくこの店に来た本題を切り出した。

 

「はいはい、じゃあ明日家に持ってこいよ。つかさ、本のことは置いといて、この店にいる例のかわいい子ってどれ?」

 

「あっ⋯⋯!?声デカいって⋯!あんまキョロキョロするなよ」

 

中学生が少ない小遣いでチェーン店に居座るのではなく洒落た喫茶店――『あんていく』で高いコーヒーを啜る理由は金木の目的にある。なんでも一目惚れをしたという女の子がこの喫茶店にいるのだと。

 

「あぁ、もしかしてあの子?」

 

「いや、あの子はお店のバイト。僕が言ってるのはこの店に来るお客さんだから」

 

店のウェイトレスの女の子を小さく指す切島に、金木は彼女へ視線を向けて否定する。ダークブルーの髪に片目を隠したショートヘア。パチリとした目や端正なその顔立ちは確かに可愛いと金木は思う。

 

見た目的に自身と同じぐらいの年齢にも見えるが仮にそうならバイトはできない筈なのできっと違うのだろう。

 

「でもあの子結構可愛いいよな。ちょっとあの子から注文してみるわ」

 

「おまっ、魔が差したか?そんなキャラじゃないだろ」

 

「俺だって男だ!少しぐらい惹かれる気持ちはある」

 

「ああもう、そうかよ」

 

勝手にしろと、言外に態度で示しつつスッと金木はメニューを差し出す。切島はそんな真逆な行動を笑いつつ目当ての女の子を呼んだ。

 

「すいませーん!」

 

「はい⋯⋯ッ」

 

切島の狙い通り彼女はこちらのテーブル席まで注文を取りに来てくれた。のだが、

 

「え、えっと、カフェラテを一つお持ち帰りで。い、以上で」

 

「はい⋯⋯⋯ッ」

 

不機嫌、否、彼女は見て分かる程憤慨していた。ドスの効いた声で応対される切島は動揺だけでなく汗すらかいてしまっていた。

 

注文を聞き離れる彼女を訝しげに見た後、二人は声を潜める。

 

「お、俺なんかした??なんであんな不機嫌なの」

 

「いや僕も何度かこの店来てるけど、いつもはもっと愛想いいよ?エイ、本当になんかした?」

 

「してねーよ!今日が初来店だわ」

 

「だよな。でももう変なことするなよ!この店が僕と例の子の唯一の繋がりなんだから!」

 

金木の潜めていた声が荒らげ始めた、そんな時。

 

――カランッカラン、と客の来店を知らせる鈴が鳴った。丁度来店した客の姿が見える位置にいた金木はその姿に目を見開く。

 

「ん?どしたカネキ?⋯⋯って、あっ」

 

一点を見て固まった金木の視線を追い、切島は全てを察した。そして全てを悟り、涙を流して漢らしく、親友に現実を突き付けた。

 

「⋯⋯カネキ!!悪いことは言わん、諦めろ!!」

 

「な⋯⋯!?」

 

女の趣味があまりない切島でも分かる。あれは無理だと。制服から高校生だと察せられるが、大人顔負けの女性的な魅力な富んだ身体に紫紺の長髪。眼鏡を掛けていても隠せない美形。

 

本を片手に優雅に読書に耽る彼女は店の雰囲気ととてもマッチしていた。

 

「いくら何でもあんな美人無理だろ⋯⋯。俺らみたいな中坊じゃ相手にすらされないぞ、きっと」

 

「ぼ、僕だって分かってるよ⋯⋯。僕とじゃ釣り合わないことぐらい」

 

友に現実を突き付けられ落ち込む金木。しかし未だ目線は彼女にチラチラと向けられる。

 

「僕は見てるだけでも十分幸せなんだ、それに彼女は⋯⋯」

 

ふと、両者の視線が絡み合うと、紫紺の女の子は朗らかな微笑みを浮かべた。

 

「僕と目が合うと、少し微笑んでくれるんだ。ひょっとしたら向こうも僕のこと⋯⋯」

 

頬を赤らめる金木の姿に、切島は口を半開きにして唖然とする。

 

「お前、ちょっとアレだな⋯⋯気持ち悪いな」

 

「な⋯⋯ッ!」

 

正直引くわ、と続け様に切島は言葉の棘を妄想少年に突き刺す。当の本人は口を尖らせるも理解しているのか口を噤む。

 

「それはお前が凝視してるから苦笑してんだよ」

 

「ば、馬鹿な⋯⋯」

 

苦し紛れな言葉を絞り出す哀れな親友に、切島は思わず苦笑すると徐に席を立った。

 

「ま、お前の言う人も見れたし⋯⋯俺用事だからそろそろ行くわ。⋯⋯っとその前に」

 

切島はテーブルに自身の分の代金を置き、丁度カフェラテを運んで来ていたショートヘアのキレ気味ウェイトレスからそれを受け取ると、頭を下げ謝罪した。

 

自身の失態に気づいたのか、他所から見てもハッと顔を弾かせたウェイトレスは何度も切島へ謝罪していた。

 

「よかった⋯⋯」

 

いつも通りの雰囲気に戻ったウェイトレスに金木はホッと息をつく。彼女を正気に戻し、こちらに歩み寄る彼にちょっぴり尊敬の眼差し送ってしまう、が。

 

「じゃ、頑張れよ妄想漢!」

 

「グ⋯⋯ッ!!」

 

そんな最後っ屁を残す彼に、金木が尊敬の念を抱くことはもう二度となかった。

 

 

 

 

「よし、よっし!!」

 

夕暮れの日に照らされる街路に金木の歓喜が漏れ出す。思わず口にまで出してしまった大きな喜びに怪訝な視線が行き交う多種多様な人々から向けられるが、金木は気にしない。

 

事態が急変したのだ。それもいい方向に。実は切島が退席した後、例の女の子と進展があったのだ。

 

金木が彼女――神代利世(かみしろりぜ)と名乗ったその人に惹かれた理由――見た目の美しさ以外――の一つ、金木と同じ読書家であるということと、

 

「リゼさんも『黒山羊の卵』楽しそうに読んでたし、本当にラッキーだ」

 

もう一つ同じ趣向の本、高槻作品を読んでいる。そしてそれが何の因果か、金木が本を落とし、彼女がそれを拾ったことが契機となり二人を共通の作品で繋いだのだ。

 

兎に角、そんなアクシデントのお陰で本屋で小説語り――事実上のデートをすることとなった。

 

「楽しみだなぁ⋯⋯」

 

現在、精神的に少々苦しい金木とってこの機会はまたとない明日へのモチベーションとなったのだった。

 

 

 

平凡なマンションの一部屋――205号室とプレートに描かれたドアを開け、金木は呟く。

 

「ただいま⋯⋯」

 

「⋯⋯⋯」

 

人影が降りる明かりの灯された奥のリビングから『お帰り』の返事が返ってくることはない。気付いてないと、金木が更に声量を上げて声を発することも、最早ない。

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

靴を脱ぎ、できるだけ音を立てないようリビングの扉前を曲がり数歩進んだ廊下の左奥、そこにある一室へ金木は入った。

 

「また⋯⋯何か置いてる」

 

電気のスイッチを押し、部屋の変化に気づいた金木は一人呟く。端から端までダンボールやガラクタなどが置かれた、物置き部屋。

 

金木によって整理され、かろうじて確保していた寝床スペースに今日はゴミが置かれていた。燃えるゴミ、燃えないゴミ、生ゴミ。

 

「うっ⋯⋯」

 

乱雑に詰め込まれパンパンに膨らんだゴミ袋。それが放つ異臭に金木は鼻を曲げる。しかし自身で処理するしかない上、寝床をこれ以上汚される訳にもいかず手を付ける。

 

「⋯⋯っ」

 

ゴミの横に置かれていた三つ袋を見てその意図を察す。これを分別しろと、そう暗に示されていた。理解した直後、胸の奥が張り裂けそうな感覚に陥るも、積年の諦観がそれを沈めた。

 

「う⋯⋯く⋯⋯っ」

 

金木は何度かえずきながらもその作業を終える。分別したゴミを端に寄せ、順番に捨てて行こうと考えていたその時。

 

「お〜い。人でなし」

 

「⋯⋯っ!!」

 

当たり前のように発せられる罵倒の言葉に、金木はちょうど笑顔のように口角を吊り上げて声の方に振り向いた。

 

「僕がどうかしたの?叔母さん」

 

「黙れよ。今日さーお前の汚い部屋見てたんだけど、何コレ?」

 

「⋯⋯ぁ」

 

ヒラヒラと伯母(お義母さん)の手から下がる一枚の用紙が視界に映り金木は声を漏らす。同時に理解もする、自身が決して破ってはならなかった掟を破ってしまったことに。

 

「ち、違うんだよ叔母さん!その進路希望は先生を一応納得させる為に書かなきゃいけなかったもので――っが」

 

必死に弁明を述べていた刹那、座り込んで無防備だった顔面に押し込まれるような衝撃が走った。

 

「ねえ、ねえねえねえねぇぇ!?」

 

鼓膜を劈く伯母の奇声に身震いを起こしながら自分が思い切り蹴られたことを鼻血と共に実感する。

 

「誰が死んだ彼奴()からお前を拾ってやったの?『個性』もないゴミクズのお前を。ねぇ、普通はさ働いて恩を返すよね。ああ〜〜〜やっぱゴミの子はゴミだな。ゴミゴミゴミゴミ」

 

伯母は発散を止めず、踵を甥の脳天目掛けて落とす。

 

「やめ⋯⋯テ」

 

何度も何度も、勢いのままに振り下ろす。頭から逸れた腕や脚を合わせ都合二十の暴行を終えた叔母は一瞥もなくそのまま部屋を出た。

 

「もう、嫌だよこれ以上⋯⋯」

 

頭や鼻から垂れる血を拭き取り、金木は縋るような声を出す。叔母は金木の両親が亡くなった四年前、身を引き取ってくれた唯一の親族だった。

 

妹には恩があると声高らかに挙げており、最初の頃は『個性』のない金木に寄り添ってもくれていた。いや、今思えばただの安い同情だったのかもしれない。

 

そんな関係に変化が起きたのは、金木が頭の良さを叔母に褒められたのが始まりだった。金木が『夢』だった職を幼くも早々に諦め、せめて良い仕事に付けるよう前を向き勉強に精を出していた時だ。

 

ある日、満点を取ったテストを伯母に渡すと、

 

『ふーん⋯妹に似て賢いのね。ウチの優一も見習って欲しいくらい。せっかくだし、今日の夕飯は研くんの好物にしましょうか』

 

『やったあ!』

 

当時心細かった金木からすればその言葉は本当に嬉しかった。伯母の家族としてちゃんと受け入れられているのだと実感できて、嬉しいからがんばった。

 

そしてまた、返ってきたテストの答案を伯母に見せた。てっきりまた褒めてもらえると思っていた金木に浴びせられたのは、伯母の思いもよらない言葉だった。

 

『なに⋯⋯?当てつけ?』

 

『⋯⋯え⋯⋯?』

 

伯母の一人息子、優一はあまり学校の成績が良くなかった。きっと、彼と自分を比べて腹が立ったのだと思った。

 

――違った

 

『ずるいのいもうとは!アイツ、ほんとうに要領ばかり良くていつも私は悪者扱い⋯⋯。腹が立つッ、そもそも自分の子じゃないのになんで私が――!』

 

伯母は金木の母と自分自身を比べていた。そして叔母はその日を境に劣等感を丸出しにし、悪意として金木へ向け始めた。

 

日を経つ事に罵詈雑言は激化していき、穀潰しや『個性』のない金木を皮肉るように『人でなし』と何かある度怒号を浴びせ続ける。

 

それだけならまだいい。だが、今日はとうとう自身へ暴力を振るい始めた。エスカレートした悪意は戻ることは無い、それを金木は身をもって知っている。

 

「明日は、エイのところにすぐ行こう」

 

狭い寝床に身体を押し込め、瞼を閉じる。部屋の肌寒さを感じながら金木はここではない唯一居場所を思い浮かべた。

 

 





東京喰種原作でもあったおばさんの虐待描写ですが、ヒロアカではもっと酷くなってます。無個性への蔑視がある世界なので

喰種の誕生と世間での扱いについてはこれから描写していこうと思います。

ご覧いただきありがとうございました。
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