フリーレンに異世界、しかもファンタジー以外の異世界を体験させてあげたいとふと思い、吸血鬼すぐ死ぬの世界へと。葬送のフリーレンと吸血鬼すぐ死ぬのコラボ二次創作は既にありますが。まぁいいや、続行。ドラ公を例のふざけた人気投票パワーで暴れさせてみたいと思った事もあります。・・・でも、全く違うキャラになりました。
ちなみに、本作は何の関係も共通点もない2人のチート化対決第12弾です。

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・本件は創作作品キャラクターの二次創作作品であり、本編キャラとは全く関係ありません。
・本件では、二次創作者の「キャラクター元設定を生かした上で、二次創作者が想像できる上で魅せられる戦闘範囲で最強のキャラクターに変えて」戦わせる話です。ただし全能同士の戦いはつまらないと二次創作者は思っております。
・本件は『あえて何の関連性もない相手と戦わせる』というコンセプトです。海外のYoutube番組にデスバトルというものがあり、似たキャラクターを死ぬまで戦わせるというのがあるので、あえて似ないキャラを選択します。
・キャラクターは死にます。死んでも生き返ります。受け入れられない方は戻るボタンを。
・基本的には魔人ブウレベルの攻撃性不死性にするつもりです。受け入れられない方は戻るボタンを。
・キャラの姿を変えます。二次創作者が考える最強の姿に。変えない場合もあります。
・ストーリーを入れます。感情を入れます。そうしないと面白くないから。
・基本的には「何だか知らないけどこの相手と戦わなければいけない」という本能で戦いを進めます。戦いを拒むキャラクターも。人質は取りません。
・戦闘ルールはありません。どちらかが死ぬまで。降参するまでです。
・能力設定入れます。中二病的表現あります。受け入れられない方は戻るボタンを。


無限舞闘シリーズ #12ドラルクVSフリーレン

私達エルフは長寿の代わりに感情が欠落した種族で、その為に生への執着が希薄だ。

でも、私は生きていたいんだ。色々な理由があって。

そうなんだけど、どうしても、生きる事って曖昧なんだよね。

だから刺激を求める。

だからミミックの宝箱に飲まれかける。

そうだよ。私がよくやる「暗いよー!怖いよー!」とミミックの中でジタバタしているアレは生きる為の重要な儀式なんだ。意図してやっているんだ。

・・・本当だよ?

と、いう訳で今回は宝箱をのぞき込んだら、『思いもかけず』その中に入ってしまった。

 

・・・気が付いたら見知らぬ世界だった。

とりあえず、私の世界ではない事は確かだ。

周りの建物はとても高く、光を発していて、夜なのに明るい。

地面は石よりも硬い。何かで塗り固めているようだ。

周囲の人の服装・・・見た事がない。私は見た目からして、迷子扱いされるかと思ったが、突っ立ったまま5分経過しても、声もかけられない。薄情な世界だ。

 

「おや?お嬢さん。迷子かな?」

振り向いた。男がいた。・・・見るからに吸血鬼だった。

でもなんか様子が変だな?吸血鬼は肌色が悪いが、この男は普通の吸血鬼より更に血色が悪い。それを意に介していない様だが。そしてひょろ長い。吸血鬼って結構逞しいんだよ?私の世界では。

魔力で男を測る。

 

・・・何だ、こいつ。

 

魔力が一秒たりとも安定していない。大抵は私より低い魔力だが、稀に私よりも遙かに高い魔力に跳ね上がったりする。これでは満足な魔法も使えないだろう。

「夜の街を1人でいては危ないよ?私が安全な場所に連れて行ってあげよう。」

誘拐犯の常套句を言いながら、男は手を差し出した。

まぁいいや。危険を察知したら即攻撃すればいいし。

私は男の手を握った。

 

・・・スナァという独特な擬音を立てて吸血鬼は灰になった。

これが、私が生涯忘れない(と思う)新横浜という街の人々、その1人である吸血鬼ドラルクとの出会いだったんだ。

 

 

「・・・で。ここまで誘拐してきたのか、ドラ公。」

「失敬な。保護と言い給え、保護と。」

私が連れてこられたのは、ロナルド吸血鬼退治事務所という狭い部屋。

・・・何か嫌な気配が漂っているね。ここ、邪悪なモノが集まりやすいよ。

「で、フリーレン『さん』だっけ?あなたは。」

「さん付けするのは、好感が持てるね。君は処世術に長けているよ。」

「まぁロナルド君は、セロリとエロ系と編集者相手以外では落ち着いているからね。君は魔法使いだそうだが、セロリを出す魔法とかないkスナァッ!」

今、ドラルクを殺したのが、この事務所を個人経営しているロナルドだ。

・・・失礼だが、地味な雰囲気だね。派手な格好しているのに。

「しかし、異世界転移かぁ。遂に俺のロナ戦も流行りの異世界編に突入かぁ。・・・でも、異世界ものってアンチ多いって聞くよな。下手に書いて良いものか・・。」

彼は自伝小説を書いているらしい。ドラルク曰く、誇張した自伝を。

嘘は良くないね。私は正直に話すよ。

「ところで、フリーレンさんの得意な魔法って何?」

「赤リンゴを青リンゴに変える魔法とか、卵を割った時に殻が入らなくなる魔法とか。」

「・・・あなた、ギャグ漫画世界から来たんじゃないよね?」

「便利でいいじゃないか。まぁ私は卵の殻が入った経験なんて一度も無い訳だが。」

ちなみにドラルクは秒で復活した。

「あと、人を殺す魔法。魔族を殺す魔法。」

 

一気に2人は私から離れて、奥で何か話している様だ。

(オイ、クソ砂!なんだよあの子!超危険人物じゃねぇかよ!『吸死』の世界では殺し厳禁!)

(そんな事はわかっているよロナルド君!私とした事が、彼女の外見に騙された様だ・・・。

いや、まだ判断するには性急だ。実験を行おう。)

 

・・・私の目の前に何か丸い動物が差し出された。

「私の使い魔のジョンだ。・・・この子を見てどう思う?」

どうって言われても・・・。何だか甘いパンみたいに見えるね。

 

かじる。

 

「ヌー!」

「硬い・・・。痛い・・・。」

「ジョォォォォォォォン!!」

2人はジョンという使い魔を持って、また私から離れる。

(ジョンの可愛さが効かない!何という残酷な世界から来たんだ・・・。早急にお帰り願おう。)

(んな、異世界に送り返すって、そんなこと出来る奴・・・。いた。)

 

 

2人が話し合って、数分後。突然空間に穴が空いて、長髪の男が入ってきた。

「急な用事とは何でしょうか、ロナルドさん。原稿を早くいただけるのなら何よりです。」

「フクマさん!どーか、力を貸して下さい!」

私は、フクマという男をよく観察した。

 

・・・人間なのか?魔族では無い事は確かだ。何だ『コレ』は。

 

そもそもコレがここに来た方法も魔法じゃない。

すぐに分かった。戦闘能力等全てが桁外れだ。魔力測定不能。

そして、私が心の奥底で恐れを抱いている。この私がだ。

「力を貸してと言うのはですね・・・?」

ロナルドは、私が転移した事を説明した。

「異世界転移ですか。もちろんオータムでもそのジャンルの本を結構な数出版していますが、肝心な移動方法となると・・・。」

「君は空間移動しているじゃないか。」

「この中は・・・、秘密です。」

「あ、はい。」

ロナルドもドラルクも、このフクマに恐れを抱いている様だ。

 

そして、いつの間にか、フクマが私の目の前にいた。

凝視されている。嫌な感じだ。

「・・・フリーレンさん。もしかして、あなた。・・・他の出版社のキャラクターじゃないですよね?それも看板作品の。」

え?何?キャラクター?何を言っているんだ?こいつは。

「フクマさん!第四の壁突破発言を軽々しく言わないで!」

「おっと、これは私とした事が。つい他社の看板作品キャラクターだと思ってしまって。もしそうだとしたら、フリーレンさんの世界全てを、〇〇の世界に葬らなければならない・・・。」

「ロナルド君・・・、これは人選ミスだよ・・・。」

フクマは帰っていった。正直、この存在の手を借りて、私の世界に帰ったら、私の世界が根本から違う世界に変えられているかも?そんな気すらしたんだ。

 

 

私が、この世界に来て一週間が経過した。

すっかり夜型人間だよ。私は健康的な1日のサイクルを結構守ってきたのに。

でも、仕方が無い。大体知り合ったのは、吸血鬼ハンターやその研究をしている人なのだから。吸血鬼が日光を嫌い、夜に事件を起こす以上、彼らの生態に併せなければならない。

 

この一週間の内容を端的に話す。

まず、吸血鬼ハンターのギルド、正式名称:新横浜吸血鬼退治人組合に案内された。

ここは大抵のギルドの建物がそうである様に、酒場を兼ねている。

女性のハンター達に気に入られた為、彼女らにナデナデモミモミされる代わりにお酒や食べ物を奢って貰った。

いいね、未知の酒との出会いは。

大きいアームカバーをしている青年が私の頭を撫でたがっている様なので、撫でさせた。

その代わり高いお酒の注文を。ギブアンドテイクだよ。

とかしていたら、吸血鬼が街で騒動を起こしている報告が。

みんな即座に仕事モードになって急行。流石プロだね。

私も『お酒からアルコールを抜く魔法』で酔いを覚まして同行した。

 

今夜、新横浜で暴れていた吸血鬼達の名乗り口上をそのまま出す。

「俺達は、吸血鬼『龍舞(りゅうまい)』!延々と伸び続ける龍舞に強制的に参加させ続ける恐るべき吸血鬼!」

長い龍の作り物の頭と胴体の下に付いている棒を何人かの吸血鬼が担いでいる。その龍はどんどん胴体が伸びていき、フラフラと人が引きつけられ棒を持たされ、行進させられるのが力らしい。吸血行為を一切していない。

・・・吸血鬼だよね?お前達。

ハンターの人達が向かうも、次々と後方へ引き寄せられ、龍の胴体の棒を持たされる。強力な催眠効果を発しているようだ。ロナルドが銃で龍の作り物を破壊しようとしても強力なバリアで弾かれる。これらはいずれも魔法では無い。厄介だね。

ハンターが吸血鬼の近くに居るので、広範囲な殲滅魔法は使えない。さてどうするか・・・。

 

私は『体がポカポカする魔法』を、龍を掴んでいる全員に『強めに』かけた。

何となく思いついた案だった。

みんな身体がポカポカし過ぎて痒くなり、たまらず棒から手を離して身体をかいている。

次に『地獄の業火を出す魔法(ヴォルザンベル)』で、龍を焼く。やはり吸血鬼達も手を離したからバリアが無くなっている。龍を焼かれて、吸血鬼達は戦意を失ったらしい。

さて、止めを・・・。

 

「待ちなさい。殺してはいけません。」

ギルドマスターという人に止められた。彼は、ほぼギルドで留守番をしていると聞いた。

・・・私を危険視して監視していたのだろう。

「何故?相手は吸血鬼だよ?同じ事をするかもしれない。もっと恐ろしい事をするかもしれないよ?」

「我々の世界では、吸血鬼は人権を認められているんですよ。更生施設もある。

何より命は大事。それはあなた達の世界でも同じ筈ですよ?」

そうなんだけど、魔族は人を欺き、殺していて。こいつらも吸血等・・・。

ん?よく考えると、確かに言うとおりだ。こいつらは、そんなに悪事らしい悪事をしていない。でも吸血鬼は魔族だ。相容れる事なんて出来るのだろうか?

「ちなみに、身体を痒くするのは名案でしたね。あっちのドラルク君がやろうとしていた事より、怪我をするリスクが少ない。」

ギルドマスターに褒められた。

ドラルクの策は『バナナの皮を敷き詰めて滑らせる』作戦だった。

下らないという思いと、成程という思いが同居した。不思議な感覚だ。

 

 

その後、吸血鬼『龍舞』を護送する鉄の車に乗り、吸血鬼研究センターという所に行った。

ここの所長・・・、あまりに態度が傲慢すぎて名前を意図的に覚えなかった。まぁとにかく腹が立つ奴だ。その所長に色々研究施設を案内された。

対価は魔法の術式を教える事だ。所長は吸血鬼化した愛犬の遺灰を肌身離さず持ち歩いており、その復活が目的らしい。

「回復魔法とか試してあげようか?あまり得意じゃ無いけど。」

と言ったら、

「近づくな、愚物。貴様は魔法とやらの対価でここに立ち入る許可を、俺様の寛大なる心で許されたのだ。平身低頭を要求しないだけ感謝しろ、チンクシャ。」

と言われた。

チンクシャという言葉の意味を、後でロナルドに聞いた。その後、私は腹が立ち過ぎて、何も無い空に向かって、これまでの生涯最大級のゾルトラークを放ったよ。

 

話を戻すと、吸血鬼研究センターには無料で泊まれるらしく、宿屋代わりにしている吸血鬼が何人かいた。私も、元の世界に帰るまで、ここで寝泊まりした。ドラルクとロナルドの事務所は狭いからね。

今日同室になったのは、ゼンラニウム、へんな動物、野球拳大好きの3名。全員男だ。あの所長は、男女別室のマナーも知らないらしい。

この3名も、吸血行為をしていない。そして、変だ。

「なぁ、お嬢ちゃん。野球拳って知っているか?」

「知らない。それと、年上には敬意を払うべきじゃないかな?

私は多分君より年上だよ。年長者扱いすべきだね。

・・・もし、それが年を過ぎた敬称になった場合、君に未来は無い。」

私が、上記台詞を言っている間に、野球拳大好きが小声で何か呟いているのが分かった。

『払うべき』の時点で、からかう相手から敵に切り替えた様だ。なので、こちらも防御魔法も併用して構築していた。

「ヨヨイのヨイ!」

無効。異世界の能力でも防御魔法は効果があって良かった。

さて、仕置きの時間だ。『破滅の雷を放つ魔法(ジュドラジルム)』を死なない程度に・・・。

ん?野球拳大好きがまた小声で呟いている?

「ジュドラジルム。」「ヨヨイのヨイ!」

野球拳大好きはゼンラニウムに対して仕掛けた。強固なバリアが張られ、ジュドラジルムは四散した。威力を弱めているとはいえ、私の魔法を弾くとは・・・。

「殺気が出ているよ、『お姉さん』。それじゃあ野球拳を極めるのはまだまだ先だね。

ちなみに、俺の野球拳は、強力な催眠効果と野球拳をしている間は強力なバリアが張られる。

くだらねー能力だとよく言われるが、使い方だよ。結構勉強になるだろ?」

着ていたセンターの部屋着を脱ぎながら、野球拳大好きは言った。

ジャンケンと相手や自分の衣服を脱がすだけの強固な催眠能力とその間だけの強固なバリアか。実に下らない。

だが、確かに使い方次第だ。まさか、ここで戦術の勉強をするとは思わなかったよ。

 

「2人とも無益な争いはお止めなさい。」

四散したジュドラジルムを受けて焦げているへんな動物が言った。

「ごめんね。君に当てるつもりは無かったんだ。」

「良いのですよ。」

「・・・何でそんな変な姿をしているのかな?」

へんな動物は変身能力に長けた吸血鬼一族らしいが、常に卑猥な妄想をしているので、変身能力に影響を与え、奇妙な形態になっているらしい。しかし、言動は紳士的で卑猥な視線等は一切感じない。訳が分からない。

「君達は、おかしいよ。能力の強さと効果も辻褄が合っていないし、精神構造も分裂症レベルだよ?不合理だ。」

「逆に聞きますが、合理的になって何が楽しいのですか?それでは機械です。」

「え・・・?」

「その通りだ。私がこの格好をしているのは、合理的な意味もあるが、自由を体現する為でもあり、植物の生殖を促す為でもあり、その他様々な意味を持つ。予想通りの結果ばかりでは、進化をしない。」

名前の通り、全裸のゼンラニウムにも言われた。明らかに変質者だが、なんと植物であるらしい。

確かに言うとおりだ。合理的は退屈だ。でも、私も旅の道中の様々な事を楽しんでいる。反論したくなった。

 

「私の世界はね?常に魔族による虐殺の危険に晒されているんだ。

私はその根源たる魔王討伐に参加した事もある。・・・でも、魔王を討伐しても平和にならなかった。

戦いにおいて予想外は許されない。合理的に、計画通りに効果が出なければ、死ぬ。」

 

その後、私は自分の世界について大雑把に話した。まぁ知り合って会話した人には大体話している。所長以外。

「魔族との共存は出来ないのですか?」

へんな動物に悲しい目で言われた。

「難しいね。魔族は自分の種族同士ですら争いを続けている。話す言葉はほぼ嘘で、騙し合いが常だ。

私も千年生きているけど、魔族の精神構造は分からない。まるで自分達を含めた全ての種族を憎んでいるみたいだ。」

「何だ。俺達の世界の『人間』と変わりねぇじゃねぇか。」

野球拳大好きが言った。正直意外だった。ここは下らないけど平和な世界だと思っていたのに。

「平和じゃねぇよ?この世界。俺達が住んでいるこの国がたまたま戦争していないだけだ。

戦争をしている国の大義名分は、頭の悪い俺には良く分からねぇ。

しかも、何故か戦争で攻撃された国の応戦にすら大義名分が必要なのよ。

でも、正直それは理屈だけで、本音は『相手の国の人間含め全てが大嫌いだ。だから戦争をする。』としか思えんね。これは戦争を仕掛けられた国も同じ。

なら、はっきりと、そう言えば良いのにねぇ。お姉さんの世界の魔族の方が『俺達悪い事してまーす。』って正直そうに聞こえて、そっちの方が、まだ好感が持てるよ。

まぁ実際にその魔族とやらがこの世界に攻め込んだら、俺達はどんな外道な手段使ってでも潰すけどね。大義名分は『お前らは俺達を怒らせた。』で成立する。」

「人間の戦争の意味が分からない。それは私も同意だ。戦火の地は草木も無くなるこの世の地獄だ。だからと言って、今起きている戦争を止めたいが、それも出来ない。戦争をしている人間達と同じになってしまうから。」

重い空気になった。そうか、この世界も同じなのか。

それ以降、野球拳大好きが場の空気を明るくする為、冗談等を言いまくっていたが、私の心は晴れなかった。

何で平和な世界って実現が難しいんだろうね、ヒンメル・・・。

 

 

吸血鬼対策課という衛兵組織にも行った。

 

ドラルクがテレビゲームとやらを、特にクソゲーと称するゲームの数々をやらせてくれた。

これほど時間の浪費と感じたモノは無かった。人間より遙かに長く時間の浪費をしているエルフが、そう感じるんだよ?彼は何が楽しくてこれをやっているのだろう?実際楽しくないらしい。ますます、ドラルクの思考は分からなくなった。

 

でも、そのドラルクにも誰もが評価するであろう長所があった。料理だ。彼の料理は美味い。私は肉が好きで、それを言ったら、肉中心でかつ栄養バランスの整った料理を出してくれた。1日3食。7日間。そして、その内6回、セロリを混入させた料理をロナルドに出し、彼に灰にされている。臭いもまるで感じないのにセロリが分かるとは余程嫌いなんだね。

ちなみに、その料理はジョンが食し、あらかじめセロリの入ってない料理を作っていた。

「まるで夫婦喧嘩のようだね。」

そう冷やかしたら、2人に凄い殺気で睨まれた。面倒くさいコンビだ。

 

それと、ドラルクとロナルド達が、新横浜という街をブラブラと案内してくれた。

味わった事の無い食べ物。やった事の無い娯楽。

吸血鬼対策課のヒナイチという女性と共に、この世界の服も試着したりして。

それらは全て新鮮だった。心地の良い刺激だった。

この世界でも、私の世界と同じく血生臭い争いが起きている。この国も関係無いと言う事は出来ない。でも、戦火の国の火が、この国に飛び火しない事を祈りたい。

そうすれば、『この世界の一部は、あなたの理想を実現させているよ。』とヒンメルに報告できるから。

 

だけど、この国が、この街ですら、危ういバランスで保っていた事を、私は間もなく知る事になる。

 

 

Y談おじさんという長き時を生きる吸血鬼がいる。

その吸血鬼は長き時をかけた研鑽を、全て『相手に、自分の性癖を告白させる。それしか言えなくなる。』という下らない催眠能力に費やしている。まぁそれだけなら、『この世界の吸血鬼、催眠能力使いが多いね。』で、終わったのだが。

そのY談は自身の術を更に高める(どう高めるのか私には見当も付かない)為に、研究をしていた。それは失敗。平行世界の穴を開けてしまった。

その平行世界の名は『USODESU(うそです)』という。

そして、Y談はUSODESUの世界の自分である『悪意の男』に身体を乗っ取られた。

悪意の男はこの世界を一瞥し、ほくそ笑んだ。

「いやはや。思った通り、馬鹿馬鹿しくて面白くない世界だね。私が素晴らしき夜の世界に変えてあげよう!

まずは、この世界の竜大公の孫だ。想像通り、真の力を爪の先ほども使えていない。

私が目覚めさせて差し上げよう。この世界を深紅の夜に染め上げる序章に相応しいのは、彼しかいないのだから。」

悪意の男は、ドラルクの居場所を目指して飛んでいった。

 

 

「やっぱりさ。フリーレンさんの事は、御真祖様に頼むしか無いと思うんだよな。」

「嫌だよ!御祖父様と言葉を交わして、一言でも暇つぶしの琴線に触れたら、何日もフルスロットルで連れ回されるんだよ?知っているだろう?」

「ドラ公。お前のじいさんだろうが。多少は恩赦があるんじゃねぇの?多分。」

「無いよ!ロナルド君が頼み給え!」

 

「おやおや。偉大なる竜大公を罵るとは感心しない。やはりこの世界は次元が低いな。」

「テメェY談!勝手に人ん家に入ってくんじゃねぇ!」

「お前に用は無い。お前は、我が世界のお前より遙かに下等だ。何の価値も見いだせない。」

「・・・本気で撃つよ?Y談。」

「私の用は、あなた様だ。竜大公の血を引く者よ。」

「へ?私?・・・フハハ!お前のY談波は私には効かん!とっとと帰りアビャビャビャビャ!」

「おい!どうした?ドラ公!」

「ヌー!ヌヌヌー!」

「・・・・・・・・・。フハハハハ!ご苦労、悪意の男よ!清々しい気分だ!やっと本当の私を取り戻せたよ!

さぁ、手始めにこの街を明けぬ宵闇に変えよう。そして、世界全てを闇に染め上げる!

フハハハハ!アーハッハッハッハッハッ!」

「ヌヌヌーヌヌー!!!!」

 

 

センターで目が覚めたら、夜だったんだよ。いつもは夕方なのに。

窓の外を見た。夜が『作られていた』。

そして、大きな霧の様な影が空中を飛んでいた。

それは、黒いコウモリの形をした影がいくつも重なって出来た黒い霧。その端はまだコウモリの姿を残している。そして、その中心には鉤爪の付いた巨大な掌が2つ浮かんでいる。

そして、髑髏があった。髑髏なのに笑っているのが分かった。

もう一つ分かった事、アレはドラルクだ。魔力で分かる。いつもの不安定な魔力では無い巨大で邪悪な魔力を常に放出して。

 

私は、センターの部屋着からいつもの服装に着替えて窓から飛んでいった。

・・・勝算なんて無い。それを十分理解していながら。

 

 

ドラルクは、観覧車という巨大な輪をつまみ上げて、転がして、潰した。

また、ビルという建物を次々とぺしゃんこに潰していった。

・・・声が聞こえた。

「困りますな。事前に人をはじめとした生命全てを転移させている。今のところ怪我人すらゼロ。冗談はいい加減にしていただきたい。」

「・・・かつての私の意思だ。まだ抵抗を続けている。忌々しい。」

「では、私の力で更にあなた様の邪悪な力を解放させ・・・。」

 

「ゾルトラーク。」

躊躇無く、黄色を基調とした服の男を狙った。躱された。素早いな。

「・・・あー、君か。例の異世界からの来訪者は。まぁ私も異世界から来たと言えるのだが。」

「どうでもいい。ドラルクがこんな風になったのは、お前の仕業。魔力で分かる。

死んで貰うよ。正直、私は結構怒っているんだ。」

「そうはいかないし、良い案を思いついた。他の世界の存在であるお前ならば、竜大公の血を引く者も抵抗なく殺せるだろう。一度人を殺めたら、後は堕ちるだけ・・・。

要は、お前は贄だ。」

「ゾルト」

男が眩い光を放った。これは目眩ましであると同時に、ドラルクの邪心を更に活性化させる効果を持っていた。

男は消えていた。・・・戦うしか無いのか、ドラルクと。

 

 

私は、ドラルクの真正面に移動した。

「これはこれは、フリーレン君。いきなりで悪いが・・・私の為に殺されてくれるかな?」

「断る。お前は、ドラルクでは無い。認めない。

そして、彼を含めたこの街の人々との楽しい一週間の思い出に対するせめてもの例だ。

 

・・・お前を滅ぼすよ。死ぬというジョークは無しで。」

 

 

「フハハハハハ!面白い!今の私の戦闘力は、11溝9195無量大数1223不可思議209那由他5000阿僧祇3恒河沙18極1溝559 201垓5748京5175兆5550億9915万7125だ!

これはかつて人気投票で私が手に入れた投票数かつ戦闘力!

ちなみにドラゴンボール基準!

あの時は媒体の制約があって力を発揮できなかったが、もう何も怖くない!

竈門炭治郎君が現れても何も怖くないねぇ。

まして君の媒体、週刊少年サンデーは、週刊少年チャンピオンと発行部数に対して違いが無い」

私は、ゾルトラークを最大出力で、かつ連続で放出。ドラルクもどきに命中させた。

・・・何の効果も無かった。予想通りだ。このドラルクもどきは『実体が全く無い』。あの姿も全てが偽りだ。

「話途中で攻撃とは失礼だよ、フリーレン君。

さて、お仕置きしようか。手始めにメジャータイトルから。『FF8のエデン』。」

 

私の身体が成層圏まで急浮上させられた。そして、この世界は予想通り星の形だった、それが巨大な立体魔方陣となる。

そして、私を砲弾のように発射。私は光速を遙かに超えたスピードで飛んでいき、何処かの銀河と激突。大爆発を起こし、私は完全に消滅した。

 

「ぐはぁっ!はぁ!はぁ!はぁ!・・・。」

・・・気が付いたら、私は高いビルの屋上にいて、崩れ落ちた体勢で息も絶え絶えだった。

私がこんな声をあげる事は、千年に渡る生涯においてあまり記憶に無い。その位の衝撃と痛覚を浴びせられた。ショック死しないのがやっとだ。

 

「苦しそうだねぇ、フリーレン君。」

「・・・これは、催眠だ。」

「その通りだよ?この世界の吸血鬼が催眠を得意としているのは、君も気が付いているだろう。私はそれを、現実と同様に再現できる。

・・・もう一度見せようか。今度は『惑星インパクトを救え。』」

 

私は何者かに放り投げられた。

そして、星を飛び出し、やはり光の速さを超えて突き進み、星に叩き付けられては破壊し次の星を破壊するを繰り返す。一回星に叩き付けられるだけで大ダメージだ。そして星を破壊し、また大ダメージ。それを16回続けられた。

 

「かは!かは!はぁ・・・。」

気が付いたら、元の位置だ。私は這いつくばっている。

喰らったダメージは消えている。だが痛みや衝撃の感覚は消えない。

「よく原型を保っていられるね。君は知っているかな?あまりにリアルすぎる催眠は、肉体にもその影響が出るという事を。斬られたと思えば、その通りに身体に傷が勝手に開き、骨が折れたと思えば本当に折れる。私の催眠レベルはそれ以上だ。

君の精神力で、それを阻害しているに過ぎない。・・・いつまで抵抗出来るかな?」

知っているよ、そんな事は。少しでも気を抜いたら、私は死んでいる。

そして、私に、このドラルクもどきを攻撃できる手段が無い。詰みだ。

 

ドラルクもどきは、潰れた観覧車をつまみ上げ、空中に停止させた。

「催眠が生物にしか効かないと勘違いしている人々が多いが、違う。

森羅万象は、すべて原子やエネルギー、その他粒子で構成されている。そしてそれらは活動している。それに意思が無いと言い切れるかね?あるんだよ。

そして、意思がある限り、私の催眠からは逃れられない。

私が、実体が無いのに、観覧車を潰せるのはそういう理屈だよ。」

「・・・人間達を転移させているのも、それの応用かな?もどきの中にいるドラルク。」

「そうだとも。・・・忌々しい言い方をするね、君も。」

ドラルクもどきが、私がいるビルの屋上に観覧車を叩き付けた。

 

「はぁ・・・。はぁ・・・。」

何とか逃げられた。私は今、ビルとビルの間の細い道にしゃがんで隠れている。

だが、ドラルクもどきの霧が、この新横浜全体を覆っているのは分かる。本気を出せばすぐに見つかってしまう。

あの、ドラルクもどきの魔力がどんどん増しているのが分かる。そのうち、この世界は奴に完全に覆われてしまうだろう。

どうすればいいんだ。・・・何も策が思いつかない。

 

「しっかりするんだ!フリーレン!」

・・・聞き覚えがありすぎる声の方を向いた。人がいた。

私は、杖を構えて即ゾルトラークを放てる準備をしていた。

「何者だか知らないが、その姿を真似るのは、私への侮辱だ。

即刻止めろ。さもなければ、消す。」

 

言わなくても分かるだろうが、ヒンメルの姿をした存在だった。

 

「いやぁ。僕の本当の姿の存在はね?真面目に話すのが苦手なんだ。だから、君の心に最も強く在る存在の姿を借りたのだが・・・。

非礼極まりなかった様だ。許してくれ。」

「ヒンメルの姿で頭を深々と下げられるのは、更に侮辱と気が付かないのかな?

本気で攻撃するよ?」

「非礼に非礼を重ねた様だ。

だが、私の真の姿を晒す事もしたくない。今はシリアスの場。

そうすると、『私は』君の世界の魔族の様に享楽的に殺戮を繰り返す存在へと変貌してしまう。

よって、中間的な立ち位置として、ヒンメル殿の姿を借りて、『私』口調で話させてもらおう。」

「何が目的なのかな?私の願いとしては、あのドラルクの様な何かを滅ぼして欲しい。

・・・どうせ同類なんだろう?やるべきだ。」

「それも私はしたくない。アレは仮にも、私の孫だ。

だから『君の将来の力を目覚めさせる』。そうすれば、私の孫も滅ぼせるだろう。」

 

ヒンメル(仮)は、私に手をかざして光を与えた。光は、私を包んで、私を成長させ・・・。

身体的成長は止めた。姿を変えるのは、性に合わない。大人な私の姿なんて、現時点で、私含めたほぼ全てが望んでいないだろうから。

・・・だが、魔力がここまで上がるとは・・・。そうか、私はまだ子供なんだ。

そして、未来の私の根幹になる魔法に気が付いた。これは・・・。

「これは、反則もいいところだ。これでは『私に勝てる存在がほぼ思いつかない』。」

「君は『その様な存在になってしまうんだよ。』これは、確定だ。

そして、君がその領域に達するまでに、宿敵たる魔族とは、何らかの区切りをつけるだろう。

私の願いとしては、君には、君の世界を導く神の如き存在となってもらいたい。人は、知的生命は、すぐに君の世界の魔族の様に、過ちを犯す存在に成り下がってしまうから。」

「あなたも、この世界の、そういう存在になるべきじゃないかな?『同等の力を有している事は気が付いている』。」

「私の根源は、闇だ。滅ぼされるべき存在だ。だから私は『何もしない』。

それに、私は未来に期待しているよ。この街の、あるいはこの街に住む様な存在達が、私の様な存在を凌駕して、世界を導く事をね。」

 

その後、ごく僅かだがヒンメル(仮)と話した。本物のヒンメルと錯覚するくらい、ヒンメルの記憶を有していた。話し方は変えているが。

そして、話して僅かだが、ヒンメル(仮)の言う事は本心だと分かった。

その上で、理解した。あなたは勇者になれなかったヒンメルなんだね。

何もしない、というのは嘘だよ。あなたは、この世界で未来の勇者達を導いているんだ。見守っているんだ。

「・・・いいよ。私が、ドラルクもどきを滅ぼす。

どうせ、この力は『私が元の世界に帰る時には消えている一時的な力』。そう設定したよね?」

ヒンメル(仮)に頷かれた。

 

「では、行くよ。

この魔法は『詠唱しなくても常時発動だから必要ないけど』、記念に唱えよう。

『魔法を創造する魔法(ヴォアシュテルング)』。」

 

 

私は、再び空中に浮遊して、ドラルクもどきと対峙した。

「・・・少し探知が出来なくなったが・・・。まぁ良い。死ぬ覚悟は出来たかね?フリーレン君?」

「君の口から、相手を完全に滅ぼす際に『死ぬ』というレベルの形容は使わないよ?

それは一時的な行動不能。君が一番知っている事。

・・・やはり、お前如きはドラルクじゃない。もどきもいいところだ。」

「また煽るのか・・・。勝ち目が無いというのに。」

「相手の力量の変化すら分からない。次々とボロが出る・・・。

ドラルクなら、すぐに分かっていたはずだよ。」

「たった一週間程度の付き合いなのに、そんなに相手が分かるものかね?」

「一週間で分かる時もある。

・・・10年も共に過ごしたのに気が付かず、更に数十年後に気が付かされた事もある。

私は二度と過ちは犯さない。出会いは大事なんだ。例え一週間でも。たった数秒でも。

それは、私の中で確固たる『私』になって、永遠になっていくんだよ。」

 

 

「フッ・・・!フハハハハ!お姫様めいたきらきらした御講釈は結構だ。今度こそ滅ぼす。さて、ビッグバン連続なんてどうだろう。魂の崩壊すら免れま」

「世界構築。『たけしの挑戦状』。」

「へ・・・?」

 

私は、私が構築した『たけしの挑戦状』の世界へドラルクもどきを送り込んだ。

「フハハハハ!催眠か世界構築かは知らないが、私はこのゲームをやり込んでいる!

先ほどの意趣返しのつもりだろうが、浅はかだよ?フリーレン君。」

浅はかなのはお前だよ。私という素人が『聞きかじっただけの、クソゲー世界』が、まともな筈が無いだろう?

 

このゲームではコントローラーでカラオケを歌う。が、

「得点?こんな評価は無いぞ!」

甘いよ。ドラルクもどき。これは『私のたけしの挑戦状』なんだよ?

1億年は歌い続けてもらおうか。

このゲームでは「妻に離婚届を出す」「会社に退職届を出す」「地図を渡した老人を倒す」等をしないと、移動できない。ドラルクもどきはそれをして移動するつもりが・・・。

「離婚調停?なんだそれは!退職届棄却?ブラック企業が!老人倒せない!え・・・。返り討ち?まさかゲームオーバーって死・・・。ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

そう、このゲームのゲームオーバーは主人公の葬式だ。ドラルクもどきには火葬されるのを何度も数え切れないくらい体感してもらった。100億年くらいかな?

 

「ひっ!ひっ!ひっ!」

「お帰り。ドラルクもどき。」

「・・・ハ。ハハハハハ!これは催眠だ!催眠で私が倒せる筈」

「現実だよ?」

「え・・・?」

「さて次。世界構築。『マインドシーカー』。」

 

『マインドシーカー』というゲームは、超能力開発と銘打ったクソゲーだ。

プレイヤーは、透視、念力、予知を行うが、完全に運で左右される。超能力など育成されない。

そして、私が改悪。すると、ご覧の有様だよ?

「箱に隠された物品は!銀河破壊爆弾だ!・・・嘘。」ドォォォォォォォン!!!

「痛い!痛い!痛い!念力でスプーンじゃ無くて私の魂が捻じ曲げられる!花のつぼみ開花で私の魂がこじ開けられる!」

「次に私を轢く車の色は何か!青!・・・えっ私を轢く?ぎゃぁぁぁぁ!!!」

銀河破壊を味わった後に、車で轢殺なんて軽いもんだが、まぁお遊びだ。

 

「っひぃ・・・。」

「お帰り。ドラルクもどき。

教えてあげよう。私の魔法、ヴォアシュテルングは、常時発動だ。私が作ったあらゆる魔法を『戦闘前の時点で』構築し実行できる。そして、創造出来ない魔法が無い。魔力限界も無い。

さっきお前が講釈を垂れた森羅万象への干渉なんて容易き事。

じゃあ次行こうか。世界構築。『デスクリムゾン』。」

 

『デスクリムゾン』。正直、これが何故クソゲーなのか私にはよく分からなかった。他のゲームをよく知らないから。このゲームは照準を定めて撃つシーンが多いが、撃ってはいけない標的が沢山いる。ムササビとか。

・・・じゃあムササビで埋め尽くしてあげよう。

「ちょっ!敵撃とうとしてもムササビに当たる!しかも1回のペナルティダメージが凄まじ過ぎるんだけど?エデン以上なんだけど?聞いてる?フリーレン君!」

聞こえない。さて、このゲームの有名らしい名台詞。『上から来るぞ!気をつけろ!』

ゲームでも説明が無くよく分からないKOT症候群が降ってきた。KOTは糞や排泄物を意味する。私の世界の言語で似た様な意味がある。そしてKOTの威力をさっきドラルクもどきがやろうとした1発ビッグバンくらいの威力にしといたよ。

「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「がはぁ!ぐぐぐぐぐ!」

もう、「お帰り。ドラルクもどき。」とは言わないよ?

私は今、星の中にすらいない。

月の上だ。

ゾルトラークの魔法陣展開。よく見えるよね?この星より大きい魔法陣。当然、この星全てを覆い尽くすくらいの大きさの光を放つから。

「待て!待て待て!この星の他の人間達も殺す気なのか?・・・フハハハハ!やはり冷酷エルフ!他の世界なら人の命はどうでもいいという訳か!」

違うよ?この影響を受けるのは、ドラルクもどき。お前だけ。『他は除く』。

「は・・・・・?」

呪文を唱える必要も、そもそも魔法陣展開も本当はもう必要ないんだけど、気分で。

「ゾルトラーク。」

白い光線が、青い星を飲み込んだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ドラルクもどきは完全に消滅した。

 

そして、この星の、他の生命にも、建物にも、虫1匹、塵一つ影響は無い。完全に私が把握して除外したから。

さて、戻るか。・・・しかし、青い星は、月から見ると、まるで青い月の様で綺麗だね。

 

私は、元に戻り、新横浜の建物を全て元通りにし、生命も元に戻した。記憶は除いた。テレビやスマホとやらの記録媒体からも完全に消失。1時間くらいの出来事だ。その位の意識等の消失はたいした事じゃ無い・・・と思いたい。

・・・そうそう。あの黄色い男、悪意の男はどうなったのか?

今頃、ヒンメル(仮)が罰を下している筈だ。

 

「失敗か!忌々しい・・・。」

悪意の男は歯ぎしりしていた。

その男の頭を掴む、長身の男がいた。

「り、竜大公・・・。」

竜大公と呼ばれた、初老の吸血鬼は、台詞が書いてある手帳を出した。本当に真面目に喋るのが苦手らしい。

「さて・・・。随分舐めた真似をしてくれたじゃないか。低級な吸血鬼の分際で。

そんなに邪悪な世界が好みか?なら、望む世界へ送ってやろうじゃないか。」

竜大公・・・この世界では御真祖様と呼ばれているので、そう呼ぼう。

彼は、悪意の男とY談を2人に戻した。

そして、暗闇のゲートを開く。この先は、今の私でも『地獄』と感じる世界だ。

放り込む。

「「ひぃぃぃぃぃ!!!うわぁぁぁぁぁ!!!!」」

「・・・おっと、2人とも送っちゃった。・・・まっ、いいか。」

 

御真祖様は再びヒンメル(仮)に姿を変えた。私に何か言いたいらしい。

「この世界を救ってくれてありがとう。・・・そして時を戻さなかった事にも敬意を。

そう、今の君と、私なら、それも容易いが・・・。過ぎた時は戻らない。戻してはいけない。

私も、逢いたい友がいる。何度、時を戻そうと思った事か・・・。

だが、それは故人に対する最大の侮辱なんだ。それは、してはいけない。

そして、いなくなった者達は、我々が未来へ進む事を望んでいる。

私も未来へ進むよ。本当に何もしない方がいいほど不器用なんだが。

君も未来へ進んでくれ。・・・君の、君の世界の人々に幸多からん事を。」

ヒンメル(仮)は、無数のコウモリになって、飛び去っていった。

 

 

私は、ドラルクの魂と身体だけを復活させた。

「ん・・・?はて、私は何をしていたのか・・?」

「君のおかげで死者怪我人はいなかった。頑張ったね、ドラルク。」

「へ?私、そんな事したの?覚えてないなぁ?・・・そして、そんな言葉言われ慣れてないから、気恥ずかしいね。」

遠くから、走ってロナルドがやってきた。

「おぉ!ロナルド君!出迎えごくろスナァッ!」

ドラルクは顔面に拳をめり込ませて灰になった。

「何があったか知らねぇが、どうせお前が何かやったんだろ!クソ砂ァ!!」

やれやれ。面倒くさいコンビだね。生涯それが続く事を祈るよ。

 

 

あとがき

補足設定

ドラルク:能力名・NETA(ネタ)。

能力説明

①この状態のドラルクは、実体が無い為、自分より高位の存在以外のあらゆる干渉を受けない。

②能力は催眠。森羅万象あらゆる事象に催眠をかける事が出来、それは現実にもその通りに影響を与える。

③その他知能、身体能力、超能力の飛躍的向上。

付随能力:外見等の変化。

弱点:この状態の、自分より上位の存在に正攻法で抵抗出来る手段が無い。そう、正攻法で。本来の狡知に長けたドラルクなら今回の戦いでも抵抗出来た。

備考:ドラルクは、まだ成長期であり、いずれこの領域に辿り着く。身体的変化は除く。

 

 

フリーレン:能力名・魔法を創造する魔法(ヴォアシュテルング)。ヴォアシュテルングは、創造等を意味するドイツ語が語源。

能力説明

①あらゆる魔法を創造できる。それを、既に完成させた状態に出来る。この魔法を習得した時点以降、攻撃される以前に、常に対策魔法は完成している状態となる。

②その他知覚能力、魔力の飛躍的上昇。身体が大人になる・・・。は、全て、彼女が成長すればそうなるので、 能力とは言えない。なお、今回身体的成長は拒絶した。

弱点:なし。

備考:作中でも書いたが、フリーレンは必ずこの領域に辿り着く。

 

 

私が、元の世界に帰る事を新横浜で知り合った全ての人に伝えた。所長以外。

見送りに来てくれたよ。いつも感じるが、旅で見送られる事は、とても嬉しくて、寂しい。

「また、遊びに来てくれよな。フリーレンさん!」

ありがとう、ロナルド。ちなみに、私の事をロナ戦に書く事は止めてもらった。何となく。

ギルドのみんなも、吸血鬼達も、吸血鬼対策課の人達も来てくれた。

「握手をしたいが、また灰になるのでしないよ。」

「再び会う時には、握手が出来るくらい身体を鍛えて欲しいな。」

「その頃には、他の人達はみんな墓の下だよ、はっはっスナァッ!」

ドラルクはリンチを受けて、灰になるのと元に戻るのを繰り返した。

「ヌヌヌー!」

「ジョンも、またね。と言っている。また会おう、フリーレン君。なるべく早く。

長命の流れに乗らない様に。」

「そうだね。また会おうね、みんな。なるべく早く。」

 

私は帰還の魔法で、元の世界に帰還した。

 

 

私の元いた世界に帰った。

一週間が過ぎている。わざとそうした。

そして、私の魔法を創造する魔法(ヴォアシュテルング)は消えている。・・・それでいい。まだ、それを身につける『心』が出来ていない。

 

「フリーレン!一週間もどこ行っていたんだよ!」

シュタルクとフェルンだ。2人とも一週間探し続けていたらしい。私は謝り続けた。

私に若干の変化があったのは以下のやりとりだ。

「一週間も行方不明になってごめんよ。」

「・・・フリーレン様。一週間『程度』では無く、『も』とおっしゃられたのですか?」

「変かな?」

「いいえ。素晴らしい事だと思いますよ。」

フェルンとシュタルクに笑顔で褒められた。私も笑顔を返した。

 

私の旅は続く。

その目的は、魔導書集めと、人間を知る事だ。

そして、その中で感じたい。私が、次にどのような『私』に変化していくのかを。

それは、時を無為に過ごしては感じられない。一瞬一瞬を噛みしめながら生きるんだ。

私に残された悠久の時の一瞬全てを噛みしめて。


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