あの禪院直哉が、こんなにデレるはずがない。 作:masuda028
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。
◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。
「おい、面貸せ」
よりにもよって、この大事な時に真希ちゃんに襟首を掴まれよった。
部屋の中では、白無垢を着せられて「うにゃ?」と首を傾げとる最高に可愛いせいらがおるっちゅーのに。
「せいらは既婚者だろ! 何してくれてんだお前は!」
「真希ちゃん、呪術師の一妻多夫制を知らんのぉ? 俺は正々堂々と夏油の条件をクリアして、二番目の席を勝ち取ったんや。えらいやろ?」
驚愕しとる真希ちゃんを適当にあしらっていると、あいつがぽつりと「一夫多妻の方を選ぶと思ってた」なんて抜かしおった。……はぁ、これやから分かってへん奴は。
「──しゃーないやん。……せいらだけなんやから」
口に出してから、自分の顔が熱くなるんが分かった。
……そうや。他の女なんぞ、もう目に入らんのや。
部屋に戻れば、今度は親父(直毘人)や親族の男どもが、せいらを取り囲んでニヤニヤしとる。
「それで? 直哉のどこが好きなんだ?」
親父、余計なこと聞くなや! と制止する間もなく、あのアホな女は、無垢すぎる笑顔でとんでもないことを喋りだしよった。
「なおちゃんの好きなとこぉ? ええっとね、褒めると顔を真っ赤にして喜ぶところとかー……困ってる人がいたら、なんやかんや言いながら助けちゃうところ! なおちゃんって優しいよねっ!!」
──!?
心臓が跳ねた。
親族の男どもが一斉に俺を見て、ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべよる。
「や、やめぇやお前ッ……! そんなん言うたら、みんな勘違いするやろ!!」
耳まで真っ赤になっとる自覚はある。せやけど、止まらへん。
よりによって、親戚一同の前で「優しい」だの「顔を赤くする」だの……俺のこれまでの「格」が丸潰れやないか!
「ほえ?」
当の本人は、白無垢姿で首を傾げとる。
……クソ。眩しすぎて直視できへん。
俺の負けや。完敗や。
せいら、お前がおれば……もう、それだけでええわ。
──
【禪院直哉のセルフコメンタリー】
「おい、真希!! 真依らに言いふらすなよ!
誰が『せいら一筋』やねん! 俺はな、禪院家の血筋をより純粋に保つために、せいらという最高の個体を選んだだけや……。
……あー!! もうええわ! 認めればええんやろ!
せいら以外、いらんわ!! 満足かボケ!
それにしても、あの親族の男ども。
『あの直哉が照れとるわ』やと?
やかましいわ! あんな白無垢姿で、あんな真っ直ぐな目で『優しい』なんて言われて、平気でおれる奴がおったら連れてこい! 全員フリーズさせたるわ!
親父も親父や。
あんな楽しそうにせいらの話を聞きおって。
でも……まぁ、せいらが禪院家の連中にあんなに受け入れられとるのを見て、少しだけ……ほんの少しだけ、安心しとる自分がおるんも事実や。
せいら。お前、自分がどれだけ破壊力のあること言うたんか、分かっとらんやろ。
『お天道様』はお前や。
俺のドブカスみたいな性格を、お前が全部光で焼き尽くしよったんや。
……次は、乙骨の野郎に真希ちゃんを譲る相談でもしたるわ。
俺がこれだけ幸せなんや、みんなに少しは分けてやらんでもないからな!」
──
【禪院直哉からの完結メッセージ】
「……おい。これで見納めや。
『強制結婚お披露目会』……ふん、俺とせいらの晴れ舞台を最後に、この『なおデレ』の記録はひとまず幕引きや。
ええか。炎陽編が終わっても、本編の方では宵闇編、落陽編、そして廻星編と物語は続いていく。
俺が登場する一幕もちゃんと用意されとるからな。
せいらに振り回される俺の姿がもっと見たいっちゅー物好きな雑種共は、そっちを追いかけたらええわ。
今まで見てくれて、まぁ……おーきにな。
……それとな。
お気に入り追加が10人増えるごとに、俺のプライドを削るような『何か』を披露するんは、今後も続けていくように言うといてやったわ。
これからも俺のことが気になるっちゅー奇特な奴がおるんなら、どうぞご贔屓に頼むわ。
……次は、本編の戦場でな」