機動戦士ガンダム ロンド・ベルの究極、ネオ・ジオンの至高 逆襲のシャア前夜、ロンド・ベル寄港中の補給食堂
原作:機動戦士ガンダム
タグ:クロスオーバー 宇宙世紀 美味しんぼ 逆襲のシャア ブライト・ノア エル・ビアンノ ファ・ユイリィ チェーン・アギ クェス・パラヤ ナナイ・ミゲル キッカ・コバヤシ リィナ・アーシタ 機動戦士ガンダムZZ 飯テロ
和平交渉、ロンド・ベルの補給、避難者登録、大学施設の臨時転用。
逆襲のシャアへ向かう宇宙世紀の裏側で、ロンデニオン港は、軍需と民需の境目が最も曖昧になる場所になっていた。
軍の余剰品。
民間市場の端数品。
大学に回された試料扱いの食材。
避難履歴のない子供たち。
名前ではなく番号で読まれる荷札。
配給所の端末が「照合不能」と告げた日、キッカ・コバヤシは番号札の白い紐を拾う。
彼女は善意だけで動く少女ではない。
名前のない子供を見て、まず「知りたい」と思ってしまう記録係だった。
廃止予定の旧実習棟で、キッカはエル・ビアンノ、リィナ・アーシタとともに食文化研究部を申請する。
表向きは、温かいものを作る部。
実態は、補給線と配給制度の隙間に落ちた子供たちを、食材と記録の両方から追う場所だった。
そこへ、ロンド・ベルの補給線が接続する。
ファ・ユイリィが示すのは、民生食としての究極。
古米と麦は強く握らない。
塩を強くしすぎれば、水を求められない子は手を伸ばさない。
割れた卵は焼いて隠すのではなく、薄く蒸して舌に触れる面積を広げる。
軍用糧食は、兵を動かすための食事であって、傷ついた子供が2口目へ進むための食事ではない。
一方、補給交渉の場に現れるネオ・ジオンのナナイ・ミゲルは、軍用食としての至高を語る。
長い補給線。
少ない物資。
兵の士気。
部隊を動かし、作戦を維持するための香りと熱量。
1人の子供が2口目へ進むための食か。
100人の兵を動かすための食か。
ファ・ユイリィとナナイ・ミゲル。
民生食と軍用糧食。
一椀と補給線。
これは、ロンデニオンの台所で行われる、もう1つの究極対至高である。
エルは走り、余計なことを言い、失敗して場を動かす。
リィナは表を作り、表より先に本人へ聞くことを覚える。
キッカはそのすべてを手帳に書こうとして、書くことの卑しさにも気づいていく。
5thルナが落ち、アクシズが空を覆い、ロンド・ベルが出撃していく中、旧実習棟の鍋には、歴史に残らない火が残る。
食べさせたら勝ち、とは考えない。
手渡さない。
でも、下げない。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア × 美味しんぼ。
公式史の大筋は変えず、ロンデニオン寄港期間とその周辺の空白を、補給、配給、軍用糧食、民生食、記録の視点から描く宇宙世紀食文化クロスオーバー。