小逆転!ベレリアンド戦争!  ~if キャメロット王国参戦す~   作:koe1

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政治の季節が到来し、更にエルフィンド大反抗も開始


第10話「なにがおきた?」

星歴877年2月20日14時50分

なにがおきた?

俺の目の前にはエルフの女王陛下・・・エレンミア・アグラレス女王陛下がいらっしゃる。

女王陛下といっても、見た目は十代の女性のようだし、白エルフとしては若いとのことだ。

もちろん俺よりは年上のようだが。

で、俺の隣ではガチガチになっているどころか、さっきから顔を青くして震えている、似合わないエルフィンド陸軍礼服を着せられて化粧をさせられたギザ歯ソバカスがいる。

さらに女王陛下の左右には陸軍大将であるウィンディミア閣下や海軍大将であるファラサール閣下がいらっしゃる。

もちろん離れた壁沿いに侍従の白エルフ達もいるが、それなりに大きい大変美しい丸テーブルにこの4人だけで座っている。

1人分の余裕があるがな。

 

去年の12月5日に完了した『ファルマリア防衛戦』の功績にあった者達に『ファルマリア防衛章』という名誉勲章が作られて、キャメロット人、白エルフ、生存者、戦死者問わずに、あの防衛戦に関わった全ての者に叙勲された。

もちろん『防衛戦』ていうより『撤退戦』だが、色々とあるんだろう。

士気高揚とか、士気高揚とか、士気高揚とか。

で『特に勲功があった者』として、エルフィンド艦隊司令官であるカランシア少将殿を始めとして『ベレリアント半島東方沖海戦』でカランシア少将殿と共に戦ったキャメロット艦隊の提督、増援としてファルマリアに送り込まれた海兵隊指揮官の海兵隊大佐、ファルマリア防衛最高指揮官であったハルファン二等少将殿、さらに海兵隊の二等少将殿、ファルマリア旅団の二等少将殿、そしてファルマリア要塞司令だった二等少将殿を始めとする連中がエルフィンドの首都であるティリオンで、女王陛下より叙勲を受けることとなった。

で、どうしてかなぜかこの俺も『キャメロット民間人にもかかわらずファルマリアにて通訳や公文書制作補助で多大なる功績がある上に、帆船にてファルマリアの封鎖突破を成功させ、エルフィンド並びにキャメロット政府との連絡を成功させ、さらにファルマリアからの転進において艦隊と共に最後まで留まった勇気ある民間船の船長』という理由で、女王陛下より直接叙勲を賜ることとなった。

どうしてなんだよ・・・。

まぁ兄貴からの電信で色々と察したがな。

で、隣にいるギザ歯ソバカスは『エルフィンド軍人として初めて大鷲族を撃ち落とし、その後の軍における対空射撃技術向上に著しい功績があった』という理由で、女王陛下より直接叙勲を賜ることになり、連れてこられたらしい。

二ヶ月ぶり以上の再会だったが、会ったときからもう顔は真っ青だった。

俺はなんだかんだいって、こういったことにはそこそこ慣れているから平然としているが、心の中では『白エルフの女王様のご尊顔を拝し奉ることができる!!』と大はしゃぎだからな(笑)。

キャメロット船乗り一のエルフ狂いをなめんじゃねーよ(笑)。

ちなみにこっちの海兵隊の"Eagle killer"や『対空射撃諸元表』を作り上げた士官達も『対空射撃技術向上に対して効果大なる助言があった』ということで叙勲対象になり、ティリアンにて女王陛下より直接勲章を賜っていた。

で、その叙勲式があった後、なぜか、どうしてか、理由は・・・兄貴からの電信でちょっとは察しがついているが、俺が女王陛下と首相閣下、ウィンディミア閣下、ファラサール閣下とのお茶会にギザ歯ソバカスと共に招待を受けた。

ちなみにギザ歯ソバカスが招待を受けた理由はさっぱりわからない。

ただ首相閣下はお茶会直前にうちの特使閣下・・・開戦に伴い、公使閣下だけでは手が足りないと判断されたことと、公使閣下はエルフィンド本土から離れることが出来ないので、状況によってはキャメロット本土にエルフィンド政府からの秘密文書をもって一時的にキャメロットに戻ることが出来る立場として増派された方だ。

オルクセンからの宣戦布告をエルフィンドに届けた後に帰国したら、すぐにまたエルフィンドに向かってくれと内閣から依頼されたらしい。

大変だ・・・。

ちなみに魔種族大好きな俺の甥っ子の師匠でもある。

その甥っ子は秋津洲の公使館に勤務していたのに、外務省から急遽帰国を指示されて、今は特使閣下の秘書官として働いている。

秋津洲から1ヶ月ぐらいで戻ってくるなんてどんな魔法を使ったんだか・・・。

で、首相閣下・・・めっちゃ美人だが、なんというかお付き合いは御免被りたい雰囲気を漂わせている方を、その特使閣下と公使閣下がお茶会直前に『人間族に関わらず無礼にも』呼び出したため、このお茶会には首相閣下は急遽不参加となっている。

正直ホッとした。

女王陛下ならば緊張するだけで済むが、首相閣下は・・・その、なんか違うんだよな。

懐に拳銃か、腰にサーベルを佩きたくなる。

人間族として下に見ているんじゃなくて、そもそも生物として視線に入っていない気がする。

 

で、テーブルの上には現在もなお我が国とエルフィンド間で『発祥争い』をしているアフタヌーンティーセットが並べられて、俺も含めて皆様優雅にお茶を楽しまれている。

相変わらず真っ青なギザ歯ソバカスを除いて。

当然といえば当然だが、ギザ歯ソバカスはこういったことが初めてで、なにをどうしていいかもわからない様子。

さらにあの顔色じゃ喉も通らないだろう。

とはいえ、『招待された場で出されたものに全く手を着けない』のは無礼に当たるのは理解しているようで、なんとか食べようと努力しようしていた。

なので横にいる俺がつきっきりで教えながらお茶を飲んだり、スコーンにジャムとクリームを塗ったりしているが、ギザ歯ソバカスが、俺達のスコーンへのクリームとジャムの塗り方が2通りに分かれているのを見て

「あの・・・クリームとジャムはどちらを先に塗ればいいんでしょうか・・・?」

とおずおずと尋ねたときだけは、女王陛下を除いた俺と大将閣下2人、この3人の間に緊張が走った。

俺と2人の大将閣下は一瞬だけにらみ合った後、大将閣下2人側が先に視線を外してお茶を口にしたので、俺が

「好きな順で塗ればいい。ただ自分が気に入った塗り順でも他人にそれを絶対に強要するな。おかしいと指摘するな」

と真剣な顔で教えた。

ギザ歯ソバカスは俺の気迫に押されたのか、黙って何度も頷いていた。

なお麗しくも美しい我らがエレンミア・アグラレス女王陛下はニコニコとそれを御笑覧されていらした。

そうしている内に、いよいよ『雑談タイム』こと『政治の時間』が始まった。

どうしてギザ歯ソバカスがこの場に呼ばれたかがまだわからないが。

ちなみにギザ歯ソバカスは『女王陛下風スポンジケーキ』・・・これもうちとエルフィンド間で真剣この上ない発祥争いをしている・・・が大変気に入ったようで、俺があげた2個目を一心不乱に食べている。

というか、こっちに混ざりたくないから食べることにあえて集中しているようだな。

真っ青だった顔色もだいぶ良くなっている。

なんだかんだいっても度胸があるなこいつ。

 

で、まずウィンディミア陸軍大将閣下が口火を切った。

「キャメロットのおかげで武器弾薬の補充や更新が非常に助かっている。元々装備のほぼ全てはキャメロット製。特にオルクセンとの戦いで打ち負けることが多かった前装式砲を、少なくとも前線の分は発射速度の高い後装式に切り替えられたのが本当に助かっている。数が同じなら奴らと五分と五分の打ち合いが出来ている。弾の数も負けていない」

続いてファラサール海軍大将閣下が

「海軍は言わずもがなだ。艦艇やその備砲の全てはキャメロット製。軍服や組織そのものもキャメロット海軍のコピーと言える。石炭不足で訓練もままならなかったが、開戦以後キャメロットが石炭を低価格で提供してくれたり、現場に至っては無償で融通していただいたりと大変助かっている。大破したスヴァルタの修理にも工員の派遣と資材の提供をして頂き、感謝の極みだ。エルフィンド海軍を代表してキャメロット王国に感謝する」

と言ったが、俺はお茶を口にしながら『常に上から目線の白エルフが人間族を褒めるのはおかしい』と警戒していた。

下手なことを口に出さないようにしないと。

俺は一介の民間船船長だが、俺の兄貴がキャメロットにおける親エルフィンド派貴族の重鎮で国王陛下との連絡系統も有していることは当然知っていることだろうから、変な要求を伝える羽目にならないように気をつけないとなと気を引きはめたが、予想は外れた。

ウィンディミア陸軍大将閣下は突如としてギザ歯ソバカスに話を振ふって、ファルマリアで"Eagle killer"になれたきっかけについて質問し、ギザ歯ソバカスが偉い緊張しながらも『キャメロットの海兵隊員が師匠となって教えてくれた』『私の半分も生きていないのに凄い腕前です』『対空射撃諸元もキャメロットの士官の皆様が作り上げたものです』等々語った。

やはり度胸がある、こいつは。

そしてその後、急に生臭い武器代金支払い等の話しを両大将は振り始め、外債募集は順調だが戦後の支払いでエルフィンドは疲弊することは間違いない事、現時点でも我が国は自力で工業機械や資材を生産できずキャメロットからの輸入に頼っていること、近年に至っては農作物ですら輸入していること、対して我が国が輸出できる産物は少ないこと等を『まるで女王陛下に聞かせるように』2人の間でぼやいてみせた。

あ~・・・これは兄貴からの電信で含まされていた『オルクセンとの早期講和』の政治工作の一環か・・・とようやく理解した。

まずは女王陛下に、お茶会のぼやきという形で『エルフィンドの現状』を遠回しに伝えようというやつか。

『下であるはずの人間族・・・短命種がいないと我が国は既に成り立たない。技術的にも優秀であるはず私達白エルフよりも上の人間族が存在すること』ということを。

ならそれに乗るしかねーな・・・と俺は覚悟して全力に乗ることにした。

どおりで首相閣下を急遽公使閣下と特使閣下が呼んだはずだ。

もちろんこの場から引きはがすためだろうが、向こうでも戦費や外債の支払い等々生々しい話をしているんだろうな。

しかし現状じゃオルクセンはまだ退かないだろう。

どこかで1回は会戦で大勝利を収めないとな。

こっちはこっちで制海権を完全に有しているから、どこかの港街でも艦隊で艦砲射撃すれば講和への効果はあるかもしれないが、一歩間違えると『街の報復に奴らを滅ぼすまで戦うぞ!』になっちまうからな・・・。

難しい、難しい。

さてさて我が国とエルフィンドはどうするつもりなのか。

とりあえず、この場で即興で古アブールの詩でも書いて女王陛下に献じるかな。

短命種でも即興で古アブール語で詩を書けるほどの知性があることをご覧頂かないと。

遠回しにオルクセンの国力そのものの強さを記した詩を。

 

 

 

星歴877年2月25日16時50分

総軍司令部は未だに混乱していた。

今日の夜明けと共にエルフィンド軍の大反抗が始まったのだが、それは私達が当たり前の様に予想していたネヴラス方面でも、アルウィン方面でもなかった。

奴らはキャメロット海軍という後ろ盾を利用して、オルクセン本土であり、第二軍策源地であり、西部方面海域の防衛拠点であるクラインファス近郊の海岸に、エルフィンド海軍総力と思われる数の艦艇の支援をつけて、エルフィンド・キャメロット両海兵隊の総力と思われる規模の部隊を強襲揚陸させた。

流石にこの事態に艦隊温存策をとっている海軍もクラインファスから西部防備隊を全力出撃させたが、エルフィンド艦隊の前に鎧袖一触だったとのこと。

高空より偵察をしていた大鷲族とコボルトからの報告によると、ほぼ一方的な攻撃を受け、敵艦に命中弾は何発か与えたものの1隻も沈めることも出来ず、文字通り全滅したとのこと。

ただエルフィンド側は損傷が激しかったらしい2隻を分離させ、さらに戦闘海域に2隻を残して進撃する海兵隊と歩調を合わせるようにクラインファス方面に向かったとのことなので、沈没艦乗組員の救助だけはしっかりとしてくれている模様だった。

海戦後、幾分戦力を減少させたエルフィンド艦隊はクラインファスの砲台を攻撃。

砲台がエルフィンド艦隊との砲撃戦をおこなっている間にキャメロット海兵隊がクラインファスの砲台に接近し、艦砲射撃停止とタイミングを合わせて突入して砲台を制圧し、これを爆破。

さらにエルフィンド海兵隊が街中を駆け抜けて港を占領。

市民を避難させつつ、排除しようとして駆けつけたクラインファスの防衛部隊である後備部隊と戦闘に入ったが、後備部隊はエルフィンド艦隊からの艦砲射撃で大打撃を受けて後退。

残存部隊は阻止線を構築し、警察と共に住人避難に徹することとなったが、その時点で少人数の敵部隊がクラインファスに繋がる鉄道線路を爆破しており、住人避難すらままならない状況となった。

そうしている内にとうとう複数隻の輸送船が入港し、盛んにエルフィンド兵を揚陸させているとのこと。

少なく見積もっても連隊規模の部隊の上陸を確認したらしい。

とはいえ更に数隻の輸送船が確認されていることから、最終的な兵力はもっと増えると推測されている。

ちなみにクライファスから延びている電信も早期に切断されてしまったため、状況把握は大鷲族の偵察と魔術通信による逓伝。

そしてその魔術通信を受け取った、とある町の郵便局から軍人でもない一般郵便局員のコボルト族が懸命に発信してくれているらしい電信のみが頼りとなっている。

そのため現状では総軍司令部は第二軍との電信連絡すら取れない状況となっており、第三軍に電信を送り、そこから大鷲族で第二軍司令部に伝令を送っている状況となっている。

なので現状では最新のクラインファスの状況は不明となっている。

 

さらに昼過ぎには東部方面の洋上で、さほど沿岸からは離れていないものの洋上偵察をおこなっていた大鷲族が東進するキャメロット艦隊を発見。

その目的地は位置と進路から判断してドラッヘクノッヘンと推測された。

その数時間前に西部防備隊が全滅しているにもかかわらず、海軍は文字通り最後の水上戦力である東部防備隊にも全力出撃を下令。

第1水雷艇隊と第11戦隊を主力とする東部防備隊は、ドラッヘクノッヘン近海で迎撃を試みたものの、圧倒的戦力差を誇るキャメロット艦隊に全く打撃を与えられぬまま壊滅。

こちらでも敵艦隊は数隻を救助に残し、主力はそのままドラッヘクノッヘン沖合に。

沖合でほぼ停止した敵艦隊から1隻が分離し、白旗を掲げて港にゆっくりと入ってくると、発光信号と手旗信号で『2時間後に港湾並びに造船設備に対して艦砲射撃を実施する。一般市民は直ちに避難されたし』と繰り返し伝えたあと、戻っていったとのこと。

もちろんその間、軍港防備の砲台は一発も打たなかったそうだ。

街はキャメロット艦隊来襲の時点で既に大混乱となったいが、砲撃の話が広まると混乱はさらに深まり、警察の避難誘導もままならなくなったが、2時間後キャメロット艦隊は砲撃を開始。

むろんこちらの準備万端だった砲台や、慌てて据え付けられた砲も反撃し、凄まじい砲撃戦となったそうだが、砲台や各砲はすぐに沈黙。

キャメロット艦隊は港湾と造船設備、建造中や修理中の艦艇、砲台や各砲だけを正確に砲撃し、それらのみを破壊してから引き揚げ、つい先ほど水平線の向こうに見えなくなったとのこと。

現在も大鷲族が1羽追尾しているそうだが、距離が離れすぎて魔術通信が届かず、敵艦隊の動向は不明。

ただ2時間の余裕があったのと誤射がほぼ無かったため、市民被害は殆どなかったそうだ。

 

現状での判断ではドラッヘクノッヘンに敵兵力が上陸することはないが、クラインファスへは最低でも二個師団程度は揚陸されると判断している。

現状ではまだ重砲は揚陸できず、火力は不足しているだろうが、エルフィンド艦隊が火力不足を補うだろう。

なので、クラインファスの奪還について参謀内でも意見が分かれている。

なにせ本土だ。

絶対に放置するわけにいかないし、第二軍が孤立してしまう危険性もある。

ただどのように奪還するかで意見が分かれている。

取り残された形となっている第二軍を主力とし、南下させて奪還させるが、近隣の後備部隊等を掻き集めてそれを主力として奪還するか、その両方をとるか。

ただどれも難点がある。

その理由だが、キャメロット本島艦隊が総力を上げた場合、ドラッヘクノッヘンに襲来したのとほぼ同規模の艦隊を、最低でもあともうワンセット、普通に考えれば2セット、無理すれば3セット位は編成できる余力があると推測されているからだ。

つまりクラインファス救援に第二軍を南下させた場合、手薄になったノグロストにキャメロット海軍がエルフィンド陸軍かキャメロット陸軍を引き連れて襲来し、奪還されるのではないかという危険性だ。

逆に他地域からの後備部隊をもってきた場合、下手な位置に配置すると、キャメロット艦隊支援の元に海兵隊を近隣の海岸にまた再上陸させて、逆包囲されかねないという危惧だ。

勿論海兵隊自体、比較的軽武装ではあるが、それでも側面や後背から攻撃されれば危険であることには変わりない。

 

そして、全ての戦線に目を広げると、ここファルマリアも狙われる可能性がある。

なにせ敵は海の上を誰憚る事なく、自由に移動できるのだから。

つい先日ファスリン峠をようやく突破し、ネヴラス攻略まであともう一歩という状況だが、ネブラスを攻略し、さらに前進するにしても、ファルマリアとネヴラスに最低でも旅団規模の警備兵力を残さないといけないし、 アーンバンドの防備にも戦力を残す必要がある上、シルヴァン河の渡河点や東側河口にもそれなりの火力を置かなければならない。

なにせ私達がしたように艦艇を遡上させて渡河点を攻撃しないとは言い切れないからだ。

渡河点の浮橋や軽便鉄道用の仮設木橋を破壊されたら、補給路が遮断される。

ただでさえそろそろ迎える春で、シルヴァン河の水量が増し、浮橋や仮設木橋使用が危ぶまれている状況では考えたくもないことだ。

なので、ネヴラスを占領してもさらなる前進するための兵力が足りないと言っても過言ではない。

とにかく重砲が全く足りない。

いや砲自体は溶鉱炉と旋盤があれば作れるが、もはやそれを操る砲兵が払拭している。

後備役で砲兵、もしくは歩兵騎兵でも砲を触ったことのある者はもうほぼ全て動員している。

彼らは全て重砲の砲兵として配置した。

それでも必要数に全く足りない。

国内沿岸地域の防衛強化には全く足りない。

勿論、速成教育で砲兵増強を進めているが、それですら間に合うかわからない。

 

そして同時に、私達総軍司令部の参謀達はが今一番恐れていたことがついにやってきたのではないと、未だに誰も口にしないが考えている。

つまりキャメロット陸軍の動員が完了し、既にベレリアンド半島に第一陣が到着しているのではないかということだ。

そうでなければ、地上において劣勢気味のエルフィンド軍が、いくら制海権を完全に維持しているとはいえ、我が国本土に直接襲来する陸上戦力をどうやって捻出出来たのかという謎があるからだ。

つまり、キャメロット陸軍が一部戦線でエルフィンド軍と交代し、その抽出されたエルフィンド軍が今回のクラインファス襲撃の戦力になったのではないかということだ。

とはいえ、キャメロット本土から陸軍部隊が出発したという情報はおろか、動員が完了したという情報もまだない。

なのでまだ誰も口に出してはいないが…可能性としては否定できないのが現状だ。

そうでもなければこんな博打じみた作戦をおこなうはずがない。

普通に考えれば、ドラッヘクノッヘンにしたように艦砲射撃だけに留めるはずだろうに。

グレーベン閣下は地図を黙って見つめ続けている。

この事態にどう対応されるのか…。

 

 




スコーンにクリームを塗る順は、秋津洲国のモデルになった国の『キノタケ論争』並に触れてはならぬものだそうですw。
なお私や執筆者はその日の気分で塗る順を変える男ですw


ちなみに今更にですが、度々登場する帆船『愛しのエルフ号』の船長は、知人執筆の他の『野生のオルクセン』の作品である『封鎖突破船』の主人公です。
https://syosetu.org/novel/407386/

そしてその甥っ子で、特使閣下・・・アストン先生の弟子は、こちらも知人執筆の他の『野生のオルクセン』の作品である『秋津洲国における魔種族、魔獣報告』の主人公です。
https://syosetu.org/novel/367528/
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