小逆転!ベレリアンド戦争! ~if キャメロット王国参戦す~ 作:koe1
複数の書簡を読んで歴史について学ぼう!
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オルクセン連邦国立公文書館館長決定
オルクセン連邦国防総省同意
オルクセン連邦女王陛下並びに王女殿下同意
当公文書を星歴1025年4月1日一部機密指定を解除し、一部分の一般閲覧これを可とする。
なお閲覧対象は当該工文書を電子複写したものを加工したものとなる。
原本の公開は私的な部分が多々あるため、現時点では無いものである。
オルクセン連邦第一次星欧大戦関係機密書簡類集
書類整理番号 916-12-KY001
書簡開始時期 星歴916年12月以降
書簡種類 国王陛下並びに女王陛下、王女陛下に関わるキャメロット国人往復書簡
書簡題名 第一次星欧大戦に関する私的書簡
書類通称 ▉▉▉▉▉▉ ※通称が不敬なため公文書館館長権限にて機密指定とする
特記事項
当書類にある個人名は極一部を除き、外国籍の者や存命多数のため、一部役職階級も含めて黒塗りとする部分があるが了承されたし。
なお本文部分の黒塗り部分や非公開部分は私的内容や国家機密を多大に含むため、公開はほぼ不可能と推測する。
閲覧者に関しては了承されたし。
以下各書簡より一部を抜粋したもの
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ディネルース姉様、約2年半もの間続いたようやく戦争も同盟国の実質的降伏という形で終わり、ようやく星欧に平和が訪れました。
グスタフ陛下がそれを知ったときには頭を抱えたという、うちの人が手配した出稼ぎということになっているオルクセン人の沖仲仕や仲仕、工事夫としてキャメロットやグロワールに出稼ぎに行っていた方たちも続々とオルクセンに帰国されていると思います。
そしてあの戦争の後にキャメロット人兵士と結婚して、私のようにキャメロット国籍を持ち、その中で既に夫を亡くした元エルフィンド兵の白エルフ達が一兵士として志願し、戦場にたった者達も戦場より帰国しつつあります。
中にはオルクセンから飛び出し、義勇兵としてキャメロット陸海軍に志願した元エルフィンド兵も若干いたそうですが、彼女たちも比較的早期にオルクセンに帰国するかと思われます。
もちろんあの『ファルマリア撤退友の会』の元エルフィンド海兵隊中将・・・イスマイルの首都を陥落させるべき実施された第一次上陸作戦が大失敗した後に、うちの人を介して民間人アドバイザーとして請われて戦場にたったあの方が実質指揮を執った第二次上陸作戦は大成功を収め、イスマイルを早期に同盟国から脱落させたといっても過言ではないあの方も、この手紙が姉様の元に着く頃にはオルクセンに帰国されているかと思います。
うちの人からグスタフ陛下への手紙にも記されているでしょうが、国王陛下自らキャメロット国内での凱旋式参加やキャメロット名誉中将任官等の打診を元海兵中将にされましたが、彼女は全て断り『これは参戦はできなかったものの貴国の準同盟国であるオルクセンがおこなった精一杯の支援の一部であるので一個人としてはお受けするわけにはいかない。なので代わりに我がオルクセンの今大戦での寄与を心に留めて頂きたい』と口上を述べたそうです。
そしてあの戦争の頃から、それまで『艦内治安維持、接舷戦闘、艦砲操作補助、港湾警備』が主任務といえた海兵隊は、それまでどちらかというと補助的と考えられていた『上陸』が新たな主任務として加わり、それが『敵前強襲上陸』として花開きましたが、今回の戦争でそれは完全に発展しきったといえると思います。
少なくともキャメロットにおいては後続する陸軍部隊の橋頭堡を確保する、危険を顧みずに一番最初にブーツとズボンを海水で濡らす勇猛果敢な部隊としての地位を確固たるものにしたと思います。
大きな犠牲と共に。
もちろん請われなかったにも関わらず義勇兵として彼女に勝手に付き従っていった大勢の元エルフィンド海兵隊だった者達にも上陸戦やその後の戦闘において犠牲者は出ていますが、これもオルクセンと・・・私達魔種族と人間族の和親のためには致し方ない犠牲かと考えております。
我が国の国王陛下からも書簡が届いていると思いますが、グスタフ陛下と姉様においては彼女らを処罰されないよう伏してお願い申し上げます。
そしてアスカニア軍の大塹壕戦線を『地に水が静かに染みこむが如く』と表されるほどの戦線突破をキャメロット軍単独で見事に成功させ、アスカニア軍を完全包囲した作戦を実質立案した、こちらもうちの人を介して民間人アドバイザーとして戦場に向かったマルリアン元大将とカランウェン元中将もそろそろ帰国されると思われますが、彼女達にも処罰はされませぬように私からも伏してグスタフ国王陛下と姉様にお願いいたします。
ご存じかと思いますが、お二人の立案した突破作戦は素晴らしく、それまで連合軍、同盟軍でおこなわれていた強襲突破と全く違う、キャメロット人白エルフ兵や義勇オルクセン人白エルフ兵達が通信と索敵を担当して夜間におこなわれ『浸透作戦』と命名された、役に立たない上に情報漏洩が激しいグロワール軍に対して無連絡で実施されたキャメロット軍単独での静かな大攻勢は、アスカニア軍の戦線の間隙を中隊単位で静かに突破し、夜明けと同時にアスカニア軍の戦線を後方から、さらに後方の司令部や鉄道設備を一斉に襲撃し、アスカニア軍主力を壊乱させ、完全包囲することに成功したのは見事といえます。
これもキャメロット陸軍からは『白エルフの魔法無くしては為しえなかった大戦果』と評されているそうです。
なおマルリアン元大将とカランウェン元中将も国王陛下に対し『先の戦争におけるオルクセン国民となった白エルフ種族としてキャメロットへの恩返しであり、準同盟国であるオルクセンの陰からの支援であるので、個人としての栄誉は辞退する。ただ戦後に関してはオルクセンに対してご高配を賜りたく』と述べられたそうです。
ちなみにうちの人は『これで特需が終わった・・・船腹どうする・・・・』と頭を抱えていますが、戦争を早く終わらせることに荷担し続けていた人が何を言っているのかと、正直呆れています。
もちろん口に出すことはせずに、真っ白になってしまった頭を黙って撫でてあげました。
だけど姉様、『ファルマリア撤退友の会』とか、浮気だと思いませんか?
一昨日のことですが、元海兵隊中将やこちらも民間人アドバイザーとしてキャメロット軍に参加していたハルファン元中将を始めとした元ティリアン防衛隊の一等少将達とお茶会を開くというのを私に伝えてきたので、私も参加したいとお願いしたのに、あの人は『すまんが参加資格がない。我慢してくれ』と言うんですよ。
確かに私はファルマリア撤退戦には参加していません。
ですが、私は彼の妻です。
なので『私は貴方の妻だから参加資格はありますよね?』と言ったのに、それでも駄目だというので、ついカッとなって隠し持っていたカットラスで斬りかかったんですが、あの人の杖は中に鉄芯を埋め込んでいるみたいで、しっかりと杖で受けきったんですよ!
しかも『いきなり斬りかかるなんて、殺す気か!』なんて怒鳴ったんですよ!
妻に対して怒鳴るなんて酷いと思いませんか?
姉様はグスタフ陛下に怒鳴られたことはありますか?
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以下便せん数枚相当、完全に私的な内容のみのため、非公開とする。
なお手紙に記されている日付は『星歴916年12月18日』である。
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いよいよ完全な冬を迎え、我が友である魔王陛下においては如何お過ごしでありましょうか?
最近体調が悪いと先日の手紙に記されておりましたが、友として、星欧平和のためにもご自愛の程をお願い致します。
もっともこのくたばりかけの爺に言われたくはないでしょうがね!
短命種である私たち人間族からしてみるとずっと若々しい魔種族が大変羨ましい限りですよ!
ついさっきも妻をちょいと怒らせてしまい、どこに隠し持っていたんだがどう考えても謎なんですが、カットラスでいきなり斬りかかられて、念のために芯に鉄棒を仕込んでいた杖でなんとか受けることができましたが、あれは完全に殺す気でした。
いくら何でも酷いと思いませんか?
やっぱりエルフって、白闇問わずに情熱的なんですかね?
今は自身の安全のために、念のために部屋のドアに前に家具を移動させてバリケードとしてこの手紙を書いておりますが、年寄りの身体で家具を移動させるのは辛かったです。
そしてこの手紙を書き終わった後は、『ファルマリア撤退友の会』のお茶会の予定で、戦場帰りといえる皆様より貴重な話しを必ずや収集し、我が友にお伝えすることをお約束します。
まぁ彼女たちが帰国したら陛下も同じことをされるのでしょうがね。
もっともその前にこの部屋から無事に出られるかも心配ですが。
出られると思いますか、陛下?
まぁそんなことは脇に置いて、約2年半もの間続いた戦争も連合国の勝利で終わりましたが、グロワールとロヴァルナのあまりの不甲斐なさと戦後の新国際体制構築のために、『参戦はできなかったものの、有形無形の大支援をしてくださったオルクセンにはこれから始まる講和会議に準参戦国として立派な椅子を用意するつもりだ』と我が国首相からの言付けがございます。
え?お前が口入れ屋になって、勝手にオークやコボルト、ドワーフ、白エルフ達をキャメロットやグロワールの地に攫っていったんだろって?
確かにオークやコボルト、ドワーフ達を半年契約の季節労働者として連れて行くべく笛を吹いたのは私めでございますが、白エルフ達に関しては無罪を主張致します。
もちろんあの戦争の後に我が国の兵士と結婚して我が国民となった白エルフ達に関しては、不敬ながら内政干渉であると主張致します。
そしてイスマイル首都強襲上陸作戦に大失敗したキャメロットより急遽請われて『民間人観戦者』として来てくださった元海兵隊中将殿に付き従っていった元エルフィンド海兵隊の白エルフ達については完全に自主的なものですので、私は彼女たちの輸送の手配以外関係ございません。
まぁ元海兵隊中将殿をはじめとする、現在は完全に民間人となっている元エルフィンド将官達に関してはキャメロット軍からお願いをされて仲介をしたのは確かに私ですが、行くと決めたのは彼女たちなので、私は無罪ではないかなと我が友である魔王様との友情にすがりつく所存であります!
無罪ですよね?
そして彼女達も無罪ですよね?
私はともかく、彼女達を無罪にしてくれないと私は泣きますし、ありとあらゆる手段を使って彼女達をキャメロットに亡命させますし、私が手を一切下さなくともオルクセンに対するキャメロットの好印象は確実に霧散してしまうと思います。
無罪ですよね、彼女たち?
実際に戦場に向かう際にオルクセン国内法をありとあらゆる方向から調べ尽くしましたが、法令で外国軍に属することや戦場見学に行くことを禁止している法は一切無いことを確認していますし。
陛下、もう一度だけお尋ね致します。
無罪ですよね、彼女達?
で、戦場にキャメロット、グロワールの若者が大量に投入されたせいで、後方は大変な人手不足となりましたが、オルクセンから沖仲仕・・・港湾労働者や、鉄道駅の仲仕・・・荷役人、戦場後方の土木作業員として半年単位での入れ換えを想定して半年契約で雇ったオーク、コボルト、ドワーフ達のおかげで何とかなり、彼らの大活躍なくしては私たち連合国の勝利はなかったといえるほどです。
少なくとも我が国内の世論は完全にそうなっておりますし、グロワールの世論でも評価は高くなっており、グロワール世論でも『オルクセンも参戦国』としてみなされています。
もちろん彼らだけではなく、戦場で血を流した我が国、オルクセン国籍問わず、白エルフ達の努力も認めて頂きたいです。
因みにこれは陛下にご心配をかけるかと思って今までの手紙では記しませんでしたが、オルクセンで雇った沖仲仕の連中なんですが、なぜかマフィア一歩手前といえる組合役員共もついてきしまって、到着してすぐにこちら側の沖仲仕達や手配人達と一触即発な事態になっちまったんです。
連れてきた手前と元々船乗りなので沖仲仕の捌き方に慣れていたので、俺が前面にたってそちらの組合役員と交渉したんですが、最初のうちは冗談抜きで憲兵隊を投入するかと本気で考えたほど酷い勝手な要求を繰り返していたんでが、俺が陛下と友人だと知った途端に態度を軟化させてくれ・・・後は給食や寝床を契約以上にさらにしっかりとしたのもありますが、大変協力的になってくれて助かりました。
もちろんと言うべきでしょうが、気の荒い沖仲仕達ですから、こちらの人間族の沖仲仕達と時折個人的な喧嘩はありましたが仲良くなり、全体的にはしっかりと協力して働いてくれました。
元々半年契約だったにも関わらず、中には戦争が終わるまでずっと契約を延長してくれた奴もいて、助かりました。
組合連中も和解した後はオルクセン人側のトラブル解決や人工管理等に尽力してくれ、こちらの手間が大変省けて助かりました。
そしてこれは偶然の産物ですが、こちらの沖仲仕の組合とそっちの組合がいろいろと話し合いを持ち、こちらの各船会社も巻き込んで、荷役の効率化についてもだいぶ進みました。
特にあの刻印式の荷物管理が素晴らしい。
もちろん魔法が使えるオルクセン人がいないとどうしようもないですがね。
というわけで、流石に勲章は無理でしょうが、沖仲仕組合の連中に陛下からの感謝状の1枚でも出してくださると大変有り難いです。
欲を言えば、組合の連中と会食をしてくださったり、出稼ぎに来てくれた者達全てに対して尽力に感謝するという談話でも発表してくだされば、嬉しい限りです。
卑しき短命種が伏してお願い致します。
もちろん土木作業員としてやってきてくれたオルクセン人達も大変評価が高かったです。
流石に前線の塹壕掘りはさせませんでしたが、後方の軍用道路や鉄道敷設に関しては大活躍で、兵達が塹壕掘りに集中できたおかげで、重厚な戦線を構築することができました。
まぁコボルトやドワーフは兎も角としてオークは喰う量が凄いので、その辺は苦労したのは確かですが。
で、ここからは内緒なお話しになるのですが、
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以下便せん数枚相当、国家機密に関わる内容のみのため、非公開とする。
なお手紙に記されている日付は『星歴916年12月16日』である。
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ディネルース姉様、戦争が終わって最初の春がやってきましたが、如何お過ごしでしょうか。
我がシルバー社が有する船舶も、戦時中に数隻がアスカニアの武装飛行船やオストリッチの潜水艦に撃沈されたりしたので、今はあの人が戦後に大減少している船腹を勘案しつつ、代船を何隻建造するかで頭を病ませています。
であの人ですが、あの人の数少ない欠点がまた出てしまい、頭を抱えています。
もしかしてグスタフ陛下にも何か欠点がおありなのでしょうか?
あの人は、白エルフ文化に大変造詣が深いのですが、絵画に関する感性と造詣だけはどうしても感覚がズレているようで、先日アスカニア出張より帰ってきたときに、一人の背の低い人間族の男を連れて帰りました。
最初は我が社の社員として雇用するかと思っていたのですが、話を聞きますとあの人が個人的に雇った画家見習いだそうです。
現在はあの人が付きっきりといっていい感じで、アブール語の勉強をしています。
ある程度以上アブール語が話せるようになったら、一人でベレリアンド州に住む著名な白エルフ画家の弟子にさせると言っていて、既に相手の画家の了承は取っているそうです。
ただその人間族・・・ブルーノ・ガンツという、30才ほどの鼻の下にだけ髭を生やした人間族の絵なのですが、正直私の感性ではさほど上手いとは感じないのです。
実は戦前にもあの人がオストリッチに行った際、絵はがきを買ってきたのですが、あの人は凄いと絶賛していたのですが、私は大した絵では無いと思っていたのですが、その絵葉書を画いたのがそのブルーノ・ガンツでした。
あの人がブルーノ・ガンツを連れてきたときに教えてくれたのですが、アスカニア出張の際にたまたま軍人だったブルーノ・ガンツに会って、アスカニア国内情勢の情報収集のためにパブに誘って話を聞いている内に絵の話になり、元々オストリッチで美術大学を目指していたが入れなかったこと、絵葉書を画いて生活費の足しにしていた等の話を聞き、それを聞いたあの人がまさかと思い、戦争前に気に入って買った絵はがきの構図について尋ねるとまさにその絵はがきだったそうで、ブルーノ・ガンツはうれしさのあまりその場で泣いてしまったそうです。
その後、何があったかはよくわかりませんが、あの人が個人的な支援者となり、エルフィンドで著名な画家に弟子入りさせるという話になり、ブルーノ・ガンツは翌日にすぐに軍を辞めて、あの人についてキャメロットまでやってきました。
私は彼の絵葉書を見たことがあるので、私はあの人に『ブルーノ・ガンツに才はない』と言って止めたのですが、あの人は『確かに荒削りだ。素人に毛が生えた程度の手前ぐらいといえるが、俺はにブルーノの絵には光るものがみえる。自身の持つ今の技術を一旦全て棄てさせて、1から技術を身につけてからブルーノの感性と新たに身につけた技術が融合すればすごい画家になると感じている。だからやらせる。許してくれ。それに俺達も男爵家になっちまったから、少しは芸術活動に金を出さなければ回りからいろいろと言われるから許してくれ』というのですが、私にはとてもではないですが、彼には才を感じません。
実際、お亡くなりなったアストン卿の魔種族研究家としての名声を継いだと評されているあの人の甥っ子さんやその奥様にもブルーの・ガンツの絵を見せたのですが『特にそれといった光るものとは感じません』や『失礼ながら才は感じませんね』という言葉を頂きました。
私としてはお金の無駄だと思い、あの人に考え直すように言ったのですが、
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以下便せん数枚相当、完全に私的な内容のみのため、非公開とする。
なお手紙に記されている日付は『星歴917年3月20日』である。
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偉大なる我が友である魔王陛下におかれましては如何お過ごしでしょうか?
まずは元エルフィンド将官や元海兵隊兵士達を誰1人として罰せないどころか、戦死者も含めまして、名誉かつ名目は文民勲章とはいえ勲章を授与してくださいましたことにお礼申し上げます。
そしてそちら港湾労働組合の連中からも礼状が届きましたが、彼らにも勲章を授与してくださったとのこと。
ありがとうございます。
連中からの手紙には陛下にお会いできたことや会食もしてくださったこと、そして勲章授与や会食前にふらっと非公式で連中のところにやってきた陛下より、グロワールやキャメロットでの活躍に対して感謝の言葉を賜ったことや、その場で彼らと同じ食事を取ってくださったことにこの上ない名誉を感じたと記してありました。
さらにただの沖仲仕や仲仕、土木作業員達にも勲章をくださったとか。
我が願い以上のことをかなえてくださり真にありがとうございます。
そしてここからは少し私的な話しとなりますが、私は先日、戦後処理の露払いとしてアスカニアに行ってきたのですが、そこで素晴らしい才能の原石に出会い、ついうっかりキャメロットに連れてきてしまいました。
人攫いの天才だとか言わないでくださいよ。
で、オストリッチ人のくせにどうしてかアスカニア陸軍の兵長だったその男ですが、兵長では与えられないはずの一級鋼十字章を授与されたほどの男です。
もっとも本人は伍長だったと言い張っていますが、野戦任官で正式なものではないので、俺は兵長として扱っています。
奴はそれに対しては不満たらたらです。
で話しをもどし、その素晴らしい才ですが、絵画です。
実は戦前にオストリッチに行った際に土産の1つにと、たまたま目に入った気に入った絵はがきを数点購入したのですが、その絵葉書を画いた男でした。
元々は情報収集のつもりで下士官のそいつに声をかけて、言葉巧みにハブに誘い込み、いろいろとアスカニアの情勢についての情報を収集していたんですが、話している内にそいつの個人的な話になり、アスカニア人でないことや戦争前は画家だったこと、悔しいが美術大学には入学できなかったこと等を話していたのですが、その時になにか胸にひっかかるものがあり、前に買った絵はがきの構図を口にしたところ、そいつが書いたものだと言ったので、では試しに1枚画いてみろと言って紙と鉛筆を渡したすと、そいつはささっと1枚仕上げたのですが、確かにあのとき買った絵はがきに似たタッチでした。
正直言えば、技術的なものだけをみれば全く大したことがない絵描きです。
ただ俺はその絵の中に、ほんの少しだけが辛うじてみえる輝きを感じました。
なので俺はその場でそいつを口説き倒し、アブール語を習得させてからベレリアンド半島に住む、とある著目な白エルフ画家に伝手がある・・・あの戦争で偽札造りに協力してくれた奴の1人が戦後に画家として花開いた奴に弟子として押しつけて、今もっている技術を全て捨て去り、1から技術を学び直させるつもりです。
そうすればあいつは、ブルーノ・ガンツは世界に名を残す画家になると確信しています。
もっともアブール語については俺が教えていますが、高慢ちきな白エルフの指導に耐えられるかどうかについてまではちょっと自信はありませんが、今のところ俺の秘書という名目でシルバー社社員として雇っているブルーノの奴は凄まじい活力でアブール語を身につけており、もしかすると古アブール語も習得できるのではないか?と思うほどです。
なので、上手くいけば高慢ちきな白エルフの指導にも耐えきるのではと思っています。
ちなみに正直なところ、もしブルーノの才が輝き始めたとしても私はその頃には死んでいると思います。
そして妻の奴は白エルフのくせにブルーノの奴の才が花開くことに懐疑的です。
なので我が友である陛下にお願いがあります。
もし将来的にほんの少しでも画家としてのブルーノの奴の名を聞いたり、才を感じたりしたら、あいつに陛下の肖像画を描かせてやって頂けませんか?
アグラレス王女様にもお願いするつもりです。
もしあいつの名を画家として少しでも耳に挟んだり、才があると感じたら肖像画を描かせてやってください。
お願い致します。
そろそろ神の御許か地獄のどちらかに旅立つ男からのお願いです。
それでは続きまして我が国首相陛下より許された範囲での情勢並びに私が収集した独自情報を我が友である陛下にお伝え致します。
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以下便せん数枚相当、国家機密に関わる内容のみのため、非公開とする。
なお手紙に記されている日付は『星歴917年3月14日』である。
ちなみに当便せんの最後に、グスタフ陛下と思われる筆跡にて『悪魔が消えるのか?』との走り書きあり。
意味は不明。
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ベレリアンド戦争が違った形で終結したことにより、第一次世界大戦の歴史も変わり、短期で終結した世界となりました。
そして・・・未来に誕生するはずだった悪魔が消え去ったかもしれない?
以上にて『小逆転!ベレリアンド戦争! ~if キャメロット王国参戦す~』は完結となります。
ありがとうございました。