この作品は、私の作品
【HG ガンダムビルド⋯ビビッドアーミー】
https://syosetu.org/novel/370819/
のスピンオフです。
 

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HG ガンダムビルドビビッドアーミー外伝—メグロの赤い星—


 

日本とアメリカの間にあるG国—。

 

G国から南へ300キロ離れた場所にある、今から200年前にG国人に征服されてG国領となったビビッ島がある。

 

そのビビッ島南部のブルービーチ海峡の対岸に南ビビッ島…通称・七尾島(ななおとう)がある。

 

七尾島の東部にはメグロという街がある。

 

そのメグロにある、とあるガンプラバトルアリーナで行われているガンプラバトルを観戦する女性の姿があった。

 

彼女の名はショウ。25歳。

 

【挿絵表示】

 

ビビッ島の先住民族である

七尾人(ななおじん)

である―。

 

 

試合は、いよいよ決勝戦だ。

 

MAV戦(2on2)が主流となっている現代において、1対1(タイマン)という珍しい試合方式だ。

 

しかも、この決勝戦に出場する20代の男性の

3連覇

がかかっている。

 

彼が勝てば、彼は

二代目メグロの赤い星

の称号があたえられる。

 

もっとも、このアリーナで行われているガンプラバトルは

非公式大会

なため、その称号も名誉でしかないのだが、それでも、観客達は勝敗の行方を固唾を呑んで見守っている。

 

 

(そうか⋯。

あれから、もう

10年も経つ

のか⋯。)

と、ガンプラバトルステージを見つめるショウ。

 

 

そう—。

 

この、ショウこそが

初代メグロの赤い星

なのだ―。

 

 

 

 

ショウがガンプラバトルを始めたのは10歳の頃だった。

 

その当時のショウは、ガンプラバトルにはまったく興味も無かった。

 

そんなショウがガンプラバトルを始めたきっかけは、たまたま、友達と一緒にガンプラバトルアリーナに行き、そこで生まれて初めてガンプラバトルをしたことだ。

 

当然だが、結果は惨敗⋯。

 

だが、その敗北がショウの闘争心に火をつけた。

 

歴代ガンダム作品を視聴し、自分のバトルスタイルに合うようなガンプラを探し求めた。

 

一方で、娘の突然のガノタ化に、ショウの両親は奇異の目で見ていた⋯。

 

 

ショウが生まれて初めて買ったガンプラ⋯

 

それは1/144 HG バクトだった。

 

全身にビーム射撃を干渉・拡散させて無力化できる電磁装甲を持ち、ドラゴンのような飛行形態に変形する事で機動性を向上させることができるバクトが、ショウのバトルスタイルに合致した。

 

 

12歳の頃には、メグロでも、それなりに名の知られたガンプラファイターとなっていた。

 

周囲は、全身を赤く塗ったバクトを愛用するショウのことを

『メグロの赤龍』

と呼ぶようになった。

 

 

この頃、とある噂を耳にする。

 

七尾島西部の都市ナガノで

商店街のガンプラバトル大会で5連覇

をしたガンプラファイターの存在だ。

 

しかも、そのガンプラファイターは、ショウと同じ12歳の女の子らしい。

 

ガンプラファイターなら、そんな人物と対戦したいと思うものだが、しかし、ショウは、そう思わなかった。

 

ショウは

七尾島の西部は田舎

という差別意識を持っていた。

 

そんな田舎の大会で5連覇など、大会そのもののレベルが低いと、勝手に見下していた。

 

だが、ショウはのちに、その田舎の大会を5連覇した少女と出会うことになる―。

 

 

13歳の頃、初めて参加した非公式のガンプラバトルジュニア大会で、ショウは優勝した。

 

決勝戦の相手は、ジムコマンドを使用するザマという少年だった。

 

「さすが『メグロの赤龍』じゃケン☆

まいったケン☆」

と、対戦後に手を差し出すザマ。

 

「ジムコマンドじゃ、(ソレガシ)には勝てんケン☆」

と、ザマと握手するショウ。

 

これが、ショウとザマの出会いだった。

 

こんな些細なことで、ショウはザマと付き合い始めた―。

 

 

14歳の時―。

 

(ソレガシ)の家で期末テストの勉強をするケン⋯。」

と、ザマから言われた。

 

男が自分の家に女を呼ぶ―。

 

その意味がわからないほど、ショウも子供ではなかった⋯。

 

 

案の定、ザマの家に行ってザマの部屋に入っても、ザマは勉強の用意などしていなかった。

 

もちろん、ショウだって、そんなの、わかっていた⋯。

 

 

キスをして⋯

 

服を脱ぎ捨て⋯

 

ベッドで熱く激しく⋯

 

お互いの想いをぶつけあった―。

 

 

その年の非公式ガンプラバトルジュニア大会で、ショウは二連覇を達成した。

 

ガンプラバトルを始めて4年―。

 

メグロで『メグロの赤龍』の名を知らないガンプラファイターはいなかった。

 

ショウは、メグロでも最強のジュニアガンプラファイターの一人となっていた。

 

だが⋯

 

 

初めて参加した七尾島ガンプラバトル大会で

初戦敗退

した⋯。

 

初めての挫折

だった。

 

そもそも、ショウの戦績のほとんどは

非公式大会でのもの

だった。

 

初めて参加した公式大会で、ショウは

自身の弱さを痛感

するしかなかった⋯。

 

 

「ダーリン…

(ソレガシ)は、どうすればいいケン?」

と、ザマの家で、ベッドで全裸になっているショウは、全裸のザマに訊く。

 

「そろそろ、無改造じゃ厳しいケン。

改造せんとな。」

と言うザマ。

 

「改造?」

と、首をかしげるショウ。

 

「でも、やり方がわからんケン⋯。」

と言うショウに

 

「そこは(ソレガシ)にまかせるケン☆」

と言うザマ。

 

「さすが、(ソレガシ)のダーリンじゃケン☆」

と、ザマに抱きつくショウ。

 

ザマもショウを抱きしめキスをする―。

 

 

10月―。

 

こ⋯これは⋯!?

と、ザマの家に来たショウは、ザマの手で改造された愛機(ガンプラ)に目を輝かせた。

 

「これが、生まれ変わったショウの愛機(ガンプラ)

アンターレス

じゃケン☆」

 

ショウの新たな愛機(ガンプラ)

アンターレス

 

【挿絵表示】

 

それは、バクトとゼイドラのミキシングで、右の翼に

Sを図案化した黄色の稲妻が描かれた星のマーク

が描かれていた―。

 

 

さっそく、ガンプラバトルアリーナに行き、アンターレスを使ってみる。

 

機動性はバクトより1割高い程度だが、それでも、バクトよりも速いという実感がある。

 

新兵器である、ゼイドラのビームバスターを撃ってみるが、イマイチ、命中率が悪い。

 

《機動性をいかして、一気に敵に接近して撃つんじょ!!〉

というザマからのアドバイスを受け、試してみると、なるほど、たしかに当たる。

 

のちのショウの定番(バトルスタイル)

近距離射撃戦(アサルトファイト)

が確立した瞬間だった―。

 

 

15歳の時―。

 

毎年参加している非公式ガンプラバトルジュニア大会で、ショウは3連覇を果たした。

 

アンターレスの右の翼に描かれた

Sを図案化した黄色の稲妻が描かれた星のマーク

から、ショウは

メグロの赤い星

と呼ばれるようになった―。

 

 

 

 

それからだ。

 

メグロでは、公式非公式を問わず、ガンプラバトル大会で3連覇したガンプラファイターに

メグロの赤い星

という称号があたえられるようになったのは…。

 

しかし、ショウ以降、そのようなガンプラファイターは現れなかった⋯。

 

 

ショウ自身も、高校卒業後の19歳の時にザマと結婚した。

 

そして、1男1女を出産し、育児に明け暮れている間に、ガンプラバトルとは、すっかり疎遠になってしまい、周囲からも、ショウが『メグロの赤い星』だったことは忘れられた。

 

だが、10年ぶりに、新たな『メグロの赤い星』が誕生しようとしている。

 

今や、2児の母となり、ガンプラバトルの世界からも身を引いたショウだが、それでも、新たな『メグロの赤い星』の誕生に興味はあった―。

 

 

6年ぶりに訪れたガンプラバトルアリーナの観客席に姿を見せても、観客達は、その女性がかつて『メグロの赤い星』と呼ばれた人物だと気づく者も、知る者も、思い出す者もいなかった⋯。

 

 

平原のバトルフィールドで、この大会を2連覇している20代の男性の、赤と黒で塗られているブラックナイトスコード・ルドラが、紫色に塗られたジークアクスを圧倒していた。

 

ブラックナイトスコード・ルドラが右手に持つOWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀を横薙ぎに振るい、ジークアクスが火花を散らして吹き飛んだ。

 

ジークアクスはうつ伏せに倒れ、爆発のエフェクトにつつまれたのち、自動的に退場ゲートに向かっていった⋯。

 

『Battle Ended.』

という試合終了のアナウンスの直後

 

『今、ここに、10年ぶりに「メグロの赤い星」が誕生しました!!』

というアナウンスが流れるや、観客席からは怒涛のような歓声があがった。

 

ショウは、新たな『メグロの赤い星』の誕生を見届けると、怒涛のような歓声につつまれた観客席から、静かに去っていった―。

 


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