筆者がTRPGでよく使うキャラの一人、西武砂鷲。彼にはどのようなストーリーがあったのか、どのようなことがこれから起きていくのか。それらを綴った作品......彼はこれからどうなっていくのか、それは創造主すら想像できないどこかへと向かっていくのだろう......

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どうもこんにちはAki47です。基本的にここに綴られるのはオリジナルストーリーと他の方々のキャラとの関わり合いなどです。万が一にでもシナリオのネタバレがないようにしますので、どうかご安心ください。といっても、今回の話ではTRPGについてなどほぼ書いてないのですがね。では、どうぞお楽しみください。


第零話 プロローグ

「ハァッハァッハァッハァ!」

 

 一人の男が裏路地を必死の形相で走る。その顔は恐怖に歪められ、誰かから逃げているのだろうとわかる。

 

「ハァッハァッハァッハッ!?」ズシャァ.....

 

 男が転んだ。

 

「ぐ、う.......」

 

(に、逃げなければ......あ、あい、あいつが来る......!)

 

 タッ.......

 

「!?」

 

「ようやく追いついたぜ......」

 

「な、なんなんだよお前は! 急に銃を撃ってきやがって! お、俺の後ろに誰がついてんのか分かってんのか!? あの坂魔家(さかまけ)だz......」ドガァ!!! 

 

 男の顔面に謎の黒い男の蹴りが入る。

 

「知るかよそんなもん」

 

「う、グゥ......わ、分かった! 金なら払う! だから助けてくれ! 頼む! ほ、ほら、お前が望むなら100万だって出す! だから...」ババァン! 

 

 二つの銃声が路地に響き渡る。男の眉間には二つの穴が空き、そこからは血が流れ続けている。

 

「金じゃねえ。重要なのは金じゃあねえ。お前はこれまでたくさんの命を奪ってきた。これはその報いであり、当然の結果なのさ。そして、俺にもいつかこんな日が来るってわけだ。もう、聞こえてるわけねぇか......」

 

 謎の黒い男が路地を立ち去っていく。そこに、死体とタバコの煙を残して.....

 

 

 _______________

 

 

 

「......ふぅ、今回の依頼も達成っと......」

 

 男────西武砂鷲(せいぶすなわし)が依頼の紙に印をつける。

 

「......さぁ、今日も見るとするか.」

 

 西武(せいぶ)がテレビをつける。そこに映されたのは.

 

「やっぱり仮面ライダーWはかっこいいな! 最高だぜ!! それに俺と同じハードボイルドを目指すモノ同士、仲良くできそうだしな!!」

 

 そう、彼、西武砂鷲(せいぶすなわし)はハードボイルドに憧れるただの傭兵である。依頼をこなし、人を殺して生計を立てる。そして、その先に待ち受ける結末を知りながらも、"目的"を果たすため、今日も今日とて依頼をこなすのだ! 

 

「うおお! やっぱりマキシマムドライブはかっこいいな!」

 

 ......今日はどうやらもうお休みのようだが......

 

 

 

 

 _______________

 

 

 

 

 

 時に、彼、西武砂鷲(せいぶすなわし)は過去を振り返る。目的を忘れないために。そのためのモチベーションを、自身の心を保ち続けるために。

 

「......あの日から、もう32年か.」

 

 腰につけた愛銃のシルバーバレットを撫でながら、彼は過去を振り返る。

 

 時は32年前......

 

「お父さん! お母さん! 今日は一緒にかくれんぼしよ! お父さんが鬼ね!」

 

「お! 砂鷲(すなわし)は元気だなぁ! いいヨォ! お父さん、すぐに見つけちゃうからね!」

 

「あらあら、じゃあ、一緒に隠れましょうか」

 

「うん! 僕ね、いい隠れ場所見つけたんだ!」

 

「あらあら、じゃあ、そこに一緒に隠れましょうか」

 

「うん! ついてきて!」

 

 ピンポーン......家のチャイムが鳴る。

 

「あら、宅配かしら。ごめんね砂鷲(すなわし)ちゃん、ちょっとお母さん出てくるから。ちょっとだけ待っててね」

 

「はーい......」

 

「ありがとね。さて、はーい! どちら様でしょうか?」ガチャ

 

 彼女、西武砂鷲(せいぶすなわし)の母である西武茜(せいぶあかね)が扉を開ける。そこにいたのは、武装した大量の男達だった。

 

「......ぇ?」パン! 

 

 乾いた音が響く。彼女が困惑の声を漏らすその瞬間、彼女の眉間には一つの穴が空き、彼女はズシャリと崩れ落ちた。

 

「......お母さん? ねえ、どうしたの? お母さん!」

 

「......こいつはどうします?」

 

「命令だ。殺れ」

 

「了解」

 

 武装した男の一人が砂鷲(すなわし)へと銃を向ける。その時......

 

「何してんだテメェら!」ブゥン!!! 

 

 奥から猛スピードでナイフが飛んでくる。そのままナイフは飛んでいき、銃を向けていた男の喉にぶっ刺さった。

 

「な、は、ぁ......?」ドシャリ......

 

砂鷲(すなわし)! 逃げるぞ!」

 

「で、でもお母さんが!」

 

「あいつは......もうだめだ! 行くぞ!!」茜の方を見て、少し心苦しさを見せながらも、彼は言う。

 

「う、うわああああ!!」

 

 彼らは走った。遠くへと。家を離れ、街を離れ、県境をも超えた.それでも、どこまで行ってもそこは日本国内。やはり限界はあったのだ。彼らはやがて追いつかれ......

 

「! 危ない!」ドン! 

 

「!? と、父さ......」

 

 パパパパパパ...!! 

 

 銃の乱射音が聞こえる。夜の暗闇を、銃のマズルフラッシュが明るく照らす。その凶弾を受けたのは、父、西武輝(せいぶあきら)だった。

 

「ぐはっ......」バタリ......

 

「と、父さん、やだ、死んじゃやだよ、もう、僕には、父さんしか...」ガシッ

 

「す、砂鷲(すなわし)...逃げろ。あいつらは、俺が絶対にそっちまで行かせないから......逃げろ。奴らが追って来れないところまで、逃げ続けるんだ.......!」

 

「...う、うわあああああ!!!!!」タッタッタッタッタッタッタッタッタ......

 

 足音は遠ざかっていく。(あきら)は、己の心臓の鼓動が弱々しくなっていくのを感じていた。

 

 タッタッタ......

 

「ようやく諦めたか。貴様、息子はどうした?」

 

「へ、へへ......さあな......ところで、お前ら、狙いはなんだってんだ? 急に俺たちを襲ってきやがって......」

 

「......いいだろう。冥土の土産だ。お前達家族を狙った理由......それは、あのお方がそう指示したからだ」

 

「あのお方......? そいつは、一体......」

 

 カチャ......

 

「そこまで知る必要はない。さらばだ」

 

 パァン......

 

 あたりには乾いた銃声が響いた。

 

 

.....................

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ、う、ぐ......」バタン

 

 体力が尽きた砂鷲(すなわし)は、膝から崩れ落ち、バタリと倒れた。

 

「ああ......ごめん、ごめんなさい。父さん、母さん......僕.........もう..........」

 

「おい! 君! 大丈夫か! ...ひどく衰弱してる! すぐに手当てしなければ......」

 

 朧げに聞こえる声に反応することすらできず、彼の意識は地の底まで落ちていった......

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「.......んぁ?ここは.....」

 

「お?起きたか。どうだ、調子は大丈夫そうか?」

 

「うわぁ!だ、誰ですかあなた!?」ビクゥ!

 

「おいおい、覚えてねえのか?お前さん、うちの事務所の前で倒れてたんだぜ?どんどん衰弱してるしボロボロだし、なぜか銃で撃たれたような跡もある。流石に気になったんでな、治療させてもらった。」

 

「......あ、ありがとうございます。.......そうだ!父さん!近くに父さんはいませんでした!?と、父さんはあいつらを足止めするために残って、う、撃たれて......い、いないんですか!?」

 

「おいおい落ち着け。あー......少なくとも、お前さんの近くにはいなかった。一応探してみるが.......相手はその父さんとやらとお前を撃ったんだろ?じゃあ多分......生存は望み薄だろう。」

 

「そ、そんな......父さん......」ポロポロ....

 

「お、おいおい泣くなよ!まだ諦めるなよ。望み薄ってだけで死んでるとは限らないし.....えーと.....うーん.......まあ、頑張るからよ。お前も諦めんなよ。一応、協力はしてやるからよ。だから泣くな、ほら。」

 

「.......あ、ありがと......そういえば、お兄さん名前は?」

 

「俺か?俺は逆叉霊人(さかまたれいと)、49歳。ここ、民間軍事会社「(アルセーヌ)Arsène」で働いてる、ただの傭兵さ。そういうお前さんは?」

 

「よ、傭兵!?本当に!?ま、まさかこんな身近に傭兵がいるなんて......あ、自己紹介がまだでしたね。僕は西武砂鷲(せいぶすなわし)。5歳です。」

 

「......!?お前さん、幼いとは思ってたが、5歳!?嘘だろ、なんでこんな子が命を狙われてんだぁ!?」

 

「わ、わかりません!でも、家のインターホンが鳴って、そ、それでお母さんがドアを開けて、そしたら......」

 

「分かった。みなまで言うな。......いっても辛いだけだろう。大丈夫だ。ここにはそんな奴らは来ない。きたとしても、俺たち傭兵が全員ぶっ飛ばしてやるからな!」

 

「......あ、ありがとうございます。......あれ、なんか.....突然.....ねむ...く.......」パタン...

 

「あんだけ衰弱してたんだ。まだ完全に治ったわけじゃねぇ。とりあえず安静にしときな。お休み。」

 

 

数週間後............

 

 

「あー......西武(せいぶ)、残念なお知らせだ。どうやらお前さんの父さんは死んじまってるらしい。お前が俺たちに拾われた日の次の日に、お前の父さんが日本海に沈められたのを確認した。」

 

「.......なんとなく、分かってました。覚悟も、してきたつもりです。でも......やっぱり、辛いです......」ポロポロ

 

「ああ、気持ちはわかる。......俺も、子供の頃に親を失ったからな。.......なあ、こんなタイミングじゃあないとは思うが.......お前さん、この会社に入る気はないか?」

 

「グスッ.....ど、どう言うことですか......?」

 

「いや、お前さんたちを襲った奴らを調べたところ、結構でかい組織が動いてたことがわかってな、このままお前を外に出せば、まず間違いなくすぐに殺される。......だから、ここでお前が守られなくても良くなるくらい強くなるまで鍛えてやる。」

 

「い、いいんですか?僕、何も返せないです......」

 

「いいのさ。よく言うだろ?子は宝だってよ。」

 

「......ありがとうございます。」

 

 

そして月日は流れ、数年後......彼は!

 

 

「......死ね。」パァン!

 

裏路地で依頼対象を射殺していた!

 

「おお、お前さんも銃の扱いが上手くなったもんだな。おじさん、感動しちゃうよ。」

 

「ありがとうございます。師匠。......師匠もいいお年なんですから、無理はしないでくださいね。」

 

「はははは!お前も言うようになったな!.......まあ、確かに俺ももうすぐ還暦だからな。」

 

「まあ、任せてくださいよ。師匠の代わりに、僕もここで働き続けますから。」

 

「はは、そいつは頼もしい。......ところでだ、そろそろ、伝えても良いかと思ってな。」

 

「?何をですか?」

 

「お前の、父と母を殺した組織についてだ。」

 

西武(せいぶ)の息を呑む声が聞こえる。空気が瞬時に張り詰める。

 

「......一体、なんて組織なんですか。」

 

「組織の名は神乃思(かみのし)。さまざまな神を信仰する宗教団体であり、背後にあの坂魔家(さかまけ)がいる。......正直、うちの全戦力を投入したとしても、勝率は五分五分ってところだ。あいつらの恐ろしいところは、人智を超えた力、魔術を使うもの達がいるところだ。」

 

「魔術?そんなものがあるんですか?」

 

「ああ、それにはいろんな種類があるんだが.....そこらへんは後で教える。それで、お前さんはどうする?」

 

「......決まってるでしょう。復讐です。あの日、父さん達が死んだあの日から、僕はずっっと奴らを殺すために生きてきたんです。」

 

「.......そうか。なら、お前にこいつを渡そう。俺の愛銃であり、相棒だ。」

 

そう言うと、逆叉霊人(さかまたれいと)は腰につけていたシルバーバレットを二丁手渡した。

 

「これは.....。ありがとう、ございます。」

 

「礼はいい。......死ぬなよ。」

 

「もちろんです。......今まで、ありがとうございました。」

 

その時、逆叉霊人(さかまたれいと)は気づいた。始末したはずの依頼対象が、こちら側へと銃を向けていることに。

 

「......!危ねえ!」ドンっ!

 

「.......ぇ」

 

凶弾が逆叉霊人(さかまたれいと)を貫いた。彼は血を吐き......倒れて動かなくなってしまった。

 

「クソが......邪魔しやがって......」

 

「っ!死ねぇ!!!」バン!

 

西武(せいぶ)が撃った銃弾が、依頼対象の眉間を貫き、今度こそ息の根を完全に止めた。

 

「師匠......師匠......!」

 

どれだけ揺らそうと、どれだけ呼びかけようと、息を吹き返すことはない。

彼には分かっていたはずだった。人とは簡単に死ぬものだと。いつだって世界は残酷であると。幸せの絶頂にいるとき、必ず不幸がやってくるのだと。

 

「......こいつだけじゃない。こうやって、人の幸せを奪っていくのはいつもクズどもだ。宗教にハマって人の不幸なんて気にしない奴ら。自分のために人を犠牲にするクズども。そんな奴らがいるから不幸な奴らができるんだ。」

 

「......なら、俺は復讐を果たすだけじゃない。この世界に住むすべてのクズどもを殺す。この命が潰えるその時まで、俺はクズどもを殺す。......たとえ、俺があいつらと同じクズになったとしても......」

 

死んだ師匠に手渡されたシルバーバレットがギラリと光る。まるで、新しい主人を認めたかのように......

 

そうして、彼は会社を辞め、裏の世界へと足を踏み入れていった.......

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「.......ここに来るまで、いろいろあったな。あのクソ宗教の支部をいくつか壊滅させたり、坂魔家(さかまけ)を襲撃したり......何度か、バケモノとも戦った。特に、あの玉虫色のスライムみたいなやつは強敵だった。」

 

「他にも、謎の闘技場や孤島に飛ばされたこともあったな......」

 

「だが、俺はまだ生きている。そこら辺を彷徨くガキどもは笑顔に溢れ、老人どもは穏やかに過ごせている。......ここら辺のクズや化け物どもはだいたい狩り尽くしたか.....それに、依頼もほぼ無くなった。そろそろ拠点を変えるとするか」

 

「......あぁ、早く死にてェ(楽になりたい)なぁ.......」




西武の話は面白かったでしょうか?こんなにも弱々しく可哀想な普通の男の子がまさかあんなハードボイルド(笑)になってしまうとは.......。

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