「ハァッハァッハァッハァ!」
一人の男が裏路地を必死の形相で走る。その顔は恐怖に歪められ、誰かから逃げているのだろうとわかる。
「ハァッハァッハァッハッ!?」ズシャァ.....
男が転んだ。
「ぐ、う.......」
(に、逃げなければ......あ、あい、あいつが来る......!)
タッ.......
「!?」
「ようやく追いついたぜ......」
「な、なんなんだよお前は! 急に銃を撃ってきやがって! お、俺の後ろに誰がついてんのか分かってんのか!? あの
男の顔面に謎の黒い男の蹴りが入る。
「知るかよそんなもん」
「う、グゥ......わ、分かった! 金なら払う! だから助けてくれ! 頼む! ほ、ほら、お前が望むなら100万だって出す! だから...」ババァン!
二つの銃声が路地に響き渡る。男の眉間には二つの穴が空き、そこからは血が流れ続けている。
「金じゃねえ。重要なのは金じゃあねえ。お前はこれまでたくさんの命を奪ってきた。これはその報いであり、当然の結果なのさ。そして、俺にもいつかこんな日が来るってわけだ。もう、聞こえてるわけねぇか......」
謎の黒い男が路地を立ち去っていく。そこに、死体とタバコの煙を残して.....
_______________
「......ふぅ、今回の依頼も達成っと......」
男────
「......さぁ、今日も見るとするか.」
「やっぱり仮面ライダーWはかっこいいな! 最高だぜ!! それに俺と同じハードボイルドを目指すモノ同士、仲良くできそうだしな!!」
そう、彼、
「うおお! やっぱりマキシマムドライブはかっこいいな!」
......今日はどうやらもうお休みのようだが......
_______________
時に、彼、
「......あの日から、もう32年か.」
腰につけた愛銃のシルバーバレットを撫でながら、彼は過去を振り返る。
時は32年前......
「お父さん! お母さん! 今日は一緒にかくれんぼしよ! お父さんが鬼ね!」
「お!
「あらあら、じゃあ、一緒に隠れましょうか」
「うん! 僕ね、いい隠れ場所見つけたんだ!」
「あらあら、じゃあ、そこに一緒に隠れましょうか」
「うん! ついてきて!」
ピンポーン......家のチャイムが鳴る。
「あら、宅配かしら。ごめんね
「はーい......」
「ありがとね。さて、はーい! どちら様でしょうか?」ガチャ
彼女、
「......ぇ?」パン!
乾いた音が響く。彼女が困惑の声を漏らすその瞬間、彼女の眉間には一つの穴が空き、彼女はズシャリと崩れ落ちた。
「......お母さん? ねえ、どうしたの? お母さん!」
「......こいつはどうします?」
「命令だ。殺れ」
「了解」
武装した男の一人が
「何してんだテメェら!」ブゥン!!!
奥から猛スピードでナイフが飛んでくる。そのままナイフは飛んでいき、銃を向けていた男の喉にぶっ刺さった。
「な、は、ぁ......?」ドシャリ......
「
「で、でもお母さんが!」
「あいつは......もうだめだ! 行くぞ!!」茜の方を見て、少し心苦しさを見せながらも、彼は言う。
「う、うわああああ!!」
彼らは走った。遠くへと。家を離れ、街を離れ、県境をも超えた.それでも、どこまで行ってもそこは日本国内。やはり限界はあったのだ。彼らはやがて追いつかれ......
「! 危ない!」ドン!
「!? と、父さ......」
パパパパパパ...!!
銃の乱射音が聞こえる。夜の暗闇を、銃のマズルフラッシュが明るく照らす。その凶弾を受けたのは、父、
「ぐはっ......」バタリ......
「と、父さん、やだ、死んじゃやだよ、もう、僕には、父さんしか...」ガシッ
「す、
「...う、うわあああああ!!!!!」タッタッタッタッタッタッタッタッタ......
足音は遠ざかっていく。
タッタッタ......
「ようやく諦めたか。貴様、息子はどうした?」
「へ、へへ......さあな......ところで、お前ら、狙いはなんだってんだ? 急に俺たちを襲ってきやがって......」
「......いいだろう。冥土の土産だ。お前達家族を狙った理由......それは、あのお方がそう指示したからだ」
「あのお方......? そいつは、一体......」
カチャ......
「そこまで知る必要はない。さらばだ」
パァン......
あたりには乾いた銃声が響いた。
.....................
「ハァ、ハァ、ハァ、う、ぐ......」バタン
体力が尽きた
「ああ......ごめん、ごめんなさい。父さん、母さん......僕.........もう..........」
「おい! 君! 大丈夫か! ...ひどく衰弱してる! すぐに手当てしなければ......」
朧げに聞こえる声に反応することすらできず、彼の意識は地の底まで落ちていった......
ーーーーーーーーーーーーー
「.......んぁ?ここは.....」
「お?起きたか。どうだ、調子は大丈夫そうか?」
「うわぁ!だ、誰ですかあなた!?」ビクゥ!
「おいおい、覚えてねえのか?お前さん、うちの事務所の前で倒れてたんだぜ?どんどん衰弱してるしボロボロだし、なぜか銃で撃たれたような跡もある。流石に気になったんでな、治療させてもらった。」
「......あ、ありがとうございます。.......そうだ!父さん!近くに父さんはいませんでした!?と、父さんはあいつらを足止めするために残って、う、撃たれて......い、いないんですか!?」
「おいおい落ち着け。あー......少なくとも、お前さんの近くにはいなかった。一応探してみるが.......相手はその父さんとやらとお前を撃ったんだろ?じゃあ多分......生存は望み薄だろう。」
「そ、そんな......父さん......」ポロポロ....
「お、おいおい泣くなよ!まだ諦めるなよ。望み薄ってだけで死んでるとは限らないし.....えーと.....うーん.......まあ、頑張るからよ。お前も諦めんなよ。一応、協力はしてやるからよ。だから泣くな、ほら。」
「.......あ、ありがと......そういえば、お兄さん名前は?」
「俺か?俺は
「よ、傭兵!?本当に!?ま、まさかこんな身近に傭兵がいるなんて......あ、自己紹介がまだでしたね。僕は
「......!?お前さん、幼いとは思ってたが、5歳!?嘘だろ、なんでこんな子が命を狙われてんだぁ!?」
「わ、わかりません!でも、家のインターホンが鳴って、そ、それでお母さんがドアを開けて、そしたら......」
「分かった。みなまで言うな。......いっても辛いだけだろう。大丈夫だ。ここにはそんな奴らは来ない。きたとしても、俺たち傭兵が全員ぶっ飛ばしてやるからな!」
「......あ、ありがとうございます。......あれ、なんか.....突然.....ねむ...く.......」パタン...
「あんだけ衰弱してたんだ。まだ完全に治ったわけじゃねぇ。とりあえず安静にしときな。お休み。」
数週間後............
「あー......
「.......なんとなく、分かってました。覚悟も、してきたつもりです。でも......やっぱり、辛いです......」ポロポロ
「ああ、気持ちはわかる。......俺も、子供の頃に親を失ったからな。.......なあ、こんなタイミングじゃあないとは思うが.......お前さん、この会社に入る気はないか?」
「グスッ.....ど、どう言うことですか......?」
「いや、お前さんたちを襲った奴らを調べたところ、結構でかい組織が動いてたことがわかってな、このままお前を外に出せば、まず間違いなくすぐに殺される。......だから、ここでお前が守られなくても良くなるくらい強くなるまで鍛えてやる。」
「い、いいんですか?僕、何も返せないです......」
「いいのさ。よく言うだろ?子は宝だってよ。」
「......ありがとうございます。」
そして月日は流れ、数年後......彼は!
「......死ね。」パァン!
裏路地で依頼対象を射殺していた!
「おお、お前さんも銃の扱いが上手くなったもんだな。おじさん、感動しちゃうよ。」
「ありがとうございます。師匠。......師匠もいいお年なんですから、無理はしないでくださいね。」
「はははは!お前も言うようになったな!.......まあ、確かに俺ももうすぐ還暦だからな。」
「まあ、任せてくださいよ。師匠の代わりに、僕もここで働き続けますから。」
「はは、そいつは頼もしい。......ところでだ、そろそろ、伝えても良いかと思ってな。」
「?何をですか?」
「お前の、父と母を殺した組織についてだ。」
「......一体、なんて組織なんですか。」
「組織の名は
「魔術?そんなものがあるんですか?」
「ああ、それにはいろんな種類があるんだが.....そこらへんは後で教える。それで、お前さんはどうする?」
「......決まってるでしょう。復讐です。あの日、父さん達が死んだあの日から、僕はずっっと奴らを殺すために生きてきたんです。」
「.......そうか。なら、お前にこいつを渡そう。俺の愛銃であり、相棒だ。」
そう言うと、
「これは.....。ありがとう、ございます。」
「礼はいい。......死ぬなよ。」
「もちろんです。......今まで、ありがとうございました。」
その時、
「......!危ねえ!」ドンっ!
「.......ぇ」
凶弾が
「クソが......邪魔しやがって......」
「っ!死ねぇ!!!」バン!
「師匠......師匠......!」
どれだけ揺らそうと、どれだけ呼びかけようと、息を吹き返すことはない。
彼には分かっていたはずだった。人とは簡単に死ぬものだと。いつだって世界は残酷であると。幸せの絶頂にいるとき、必ず不幸がやってくるのだと。
「......こいつだけじゃない。こうやって、人の幸せを奪っていくのはいつもクズどもだ。宗教にハマって人の不幸なんて気にしない奴ら。自分のために人を犠牲にするクズども。そんな奴らがいるから不幸な奴らができるんだ。」
「......なら、俺は復讐を果たすだけじゃない。この世界に住むすべてのクズどもを殺す。この命が潰えるその時まで、俺はクズどもを殺す。......たとえ、俺があいつらと同じクズになったとしても......」
死んだ師匠に手渡されたシルバーバレットがギラリと光る。まるで、新しい主人を認めたかのように......
そうして、彼は会社を辞め、裏の世界へと足を踏み入れていった.......
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「.......ここに来るまで、いろいろあったな。あのクソ宗教の支部をいくつか壊滅させたり、
「他にも、謎の闘技場や孤島に飛ばされたこともあったな......」
「だが、俺はまだ生きている。そこら辺を彷徨くガキどもは笑顔に溢れ、老人どもは穏やかに過ごせている。......ここら辺のクズや化け物どもはだいたい狩り尽くしたか.....それに、依頼もほぼ無くなった。そろそろ拠点を変えるとするか」
「......あぁ、早く
西武の話は面白かったでしょうか?こんなにも弱々しく可哀想な普通の男の子がまさかあんなハードボイルド(笑)になってしまうとは.......。