僕の後悔   作:忘れない


オリジナル現代/日常
タグ:R-15 残酷な描写
忘れないための日記


懺悔

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注意、ただの日記です。



僕の後悔

私は生きていない

 

 

 

死んでいないだけ

 

 

 

 

これは後悔

 

2025年5月10日

父が死んだ。

がんだった。

4年前からステージ4だった。

2021年の夏、最初の手術が成功して私は治ったのだと思い込むことにした。父が亡くなるなんて思いたくなかったから現実から目を背けたのだ。

 

父は死なないと言った。

私たちを安心させるための嘘だったのだろう。

あの頃の私は大学についていけず不登校になっていた。奨学金を借りていたのに不登校になったのだ。今思えば思うほど罪深い。

大学から父から母から逃げギャンブルをしていた。

 

しかし父が病になってから学校を卒業するために頑張った。授業全て1番前で受け単位もとった。

 

父は治療を続けてた。

経過観察で付き添いに行く日があった。

がんは切除し肺の転移もみられないとのことだった。

 

もう大丈夫だと思うことにした。

足のリンパの手術も成功した。

父は死なない。これからも一緒だと現実逃避をした。父が手先が弱くなり洗濯物が辛いと言った。代わりにやったが一月も持たなかった。

これも後悔だ。

 

もっと早く親孝行できたのに。サインは出たのに、何もしなかった。

 

死ねば良い

 

2024年秋から父の食が細くなった。

お腹が減ってないのかと現実逃避した。

食事の準備は行った。

この時は亡くなるサインが食べられなくなることなんて知らなかった。

知ろうとしてなかった。

 

死にたい

 

茶碗いっぱいを頑張って食べていた。

気力で食べていたのだと今思う。

知らなかった。知ろうとしなかった。

 

言い訳はいっぱいある。

一年目の社会人、任された仕事に潰れかけていた。残業が常となっていた。

そんな言い訳はいっぱいある。

 

でも出来たはずなのにやらなかった。

父には愛情をたくさんもらったのにもっといっぱい返せたのに。

 

2025年1月

父が仕事を辞めて私の扶養に入ると言った。

私は嬉しく思った。これからは父を支えるんだ

私が支えるんだ。頑張ろう、辛いけど頑張ろう

でも扶養に入る前に亡くなった。

 

3月から肺に水が溜まってるって話してた。

大変だと思った。でも仕事も辞めるしこれからは自分の時間ができるねって話してた。

違った

もう治らないところまで来てるっていえなかったのだろう。もう長くないって心配させないために言わなかったのだろう。

大事なことは伝えずに心配させないために。

 

4月

検査で肺に水が溜まってるから手術で肺を膨らませるって話を聞いた。ゴールデンウィーク前に手術をやってゴールデンウィークには退院予定だった。

 

 

 

 

 

 

忘れもしない4月22日

父の検査の日に肺に大量に水が溜まってるから、緊急入院になった。

 

急いで着替えを持って行った。

連絡が来て必要なものは全部持って行った。

 

初めてわがままを言ってくれた。

何でも持って行った。

 

帰れるから、すぐに帰れるからって言われた。

安心させるために

心配させないために

ついた嘘だった

 

 

4月25日手術をやった

簡単な手術って聞いていた、

すぐ終わる予定だった

笑顔で言ってた

すぐ帰るから

 

死にたい

 

手術は失敗した

 

肺は広がらなかった

 

ご飯が食べれなくなった

 

氷で水分を得るようになった

 

 

ここからは早かった

 

 

 

死にたい

 

 

 

5月4日

先生からもう時間がありません。

家族と親戚に伝えてくださいと言われた。

 

母には伝えるなって言われてた

 

でも言った

 

 

母には怒られた

 

何で伝えなかったと

 

 

 

帰って来れるって言ってたから

すぐに帰るって言ってたから

お母さんには言わないでって

 

 

言い訳だ

 

 

親戚に泣きながら電話した。

 

 

おじさんは7日に来た

 

 

親戚のおばちゃんもすぐに来た

 

 

 

何でもっと早くに知らせなかったのかって

言われた

 

 

 

すぐに帰るって言ったのに

 

 

僕は間違えた。

 

7日にはもうしゃべるのも辛くなって

掠れ声になってた

 

でも意識はあった

 

8日田舎のおじちゃんと来てくれたおじちゃんたちで電話しながら思い出話をしてた。

 

 

9日お前にあとは頼むって言われた

 

 

やだよ

 

帰ってくるって言ったじゃん

 

 

 

すぐに帰るって

 

 

なんで

 

 

 

 

10日

もういつ息を引き取ってもおかしくないと

覚悟をしといてくださいと先生に言われた

 

お母さんは泣いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10日夜僕が泊まることにした

 

 

 

痰を吸引するから外で待っててと看護師さんに言われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生が走ってきた

 

 

 

もう持ちません

 

 

 

みなさん呼んでください

 

 

 

 

泣きながら電話した

 

 

 

やだよって言いながらみんなを待った

 

 

 

みんなきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父さんは眠った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今にも起きそうな顔で眠った

 

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃんは立てなかった

 

 

 

 

 

おばちゃんたちは頑張ったって言ってた

 

 

 

 

お母さんも泣いていた

 

 

 

 

兄も泣いていた

 

 

 

 

 

僕は泣いた

 

 

 

夢だと思った

 

 

 

 

帰るって言ってたからこれは悪い夢だと

 

 

 

 

 

 

 

 

覚めることない夢だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葬式はゴールデンウィーク明けで予約がいっぱいですぐには出来なかった

 

 

 

 

1週間後になった

 

 

 

 

 

 

 

無理を言って度々お父さんに会いに行った

 

 

 

 

 

 

今にも起きそうなのに冷たい

 

 

 

 

芯まで冷たい

 

 

 

 

あったかくすれば起きるんじゃと

何回も思った

 

 

 

今から肺の手術をやれば起き上がるんじゃないかと

 

 

 

触って起こしてみたりもした

 

 

 

 

帰るよって

 

 

 

 

 

 

起きなかった

 

 

 

 

 

 

額は

 

顔は

 

手は

 

 

冷たかった

 

 

 

 

 

 

会社に連絡をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喪主をやった

 

 

 

 

 

 

 

これからは家族で支え合って生きていきますって

 

 

 

涙は出ないと思った

 

 

 

 

他人事みたいだった

 

 

 

 

自分のことではないと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焼いた

 

 

 

 

 

少なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

おじちゃんたちは帰った

 

 

 

 

 

 

お父さんの知り合いいっぱいきた

 

 

 

 

 

 

1人も知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

知ろうとしなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死にたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日から私はうつ病になったらしい

眠れないだけなのにね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日からずっと動かない

 

 

 

 

 

 

体育座りしてる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父さんの部屋はそのまま

 

 

 

 

 

 

一年たってもそのまま

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父さんの匂いがする

 

 

 

 

 

 

死にたい

帰るって言ってたのに

 

僕の肺を上げればよかったのか

 

 

どうすれば父は死ななかったのか

もっと出来たはず

いろんなことができたはず

 

 

 

いろんなことをしたかった

 

 

 

 

お父さんと田舎に行こうと計画してたのに

 

 

 

 

 

僕はしにたい

 

 

だれかへ

あなたは間違えないでください


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