忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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第34話

 

「なんだアレは!?」

 

「アレが文字通り辰五郎のとっておきだ……詳しい事は知らねえが、見た目通りの強さを持ってやがる」

 

 ブルードラゴンを初めてみるカカシ先生は驚いていてサスケが俺のとっておきだと一応は説明をする。

 ただまぁ、サスケ自身も特に詳しい事は知らない。文字通り見た目通りの強さを秘めているだけしか分かっていない。

 

「出たわね、蒼い龍……」

 

「ああ、文字通りのとっておき……原理や理屈についてはイマイチ知らんがそれでも使っている」

 

 本気の俺を相手にする以上はコイツを避けては通れないと腹を括っていたサクラはやっと出てきたのだと息を飲み込む。

 やっぱりと言うべきかブルードラゴンは見た目からも圧倒的なインパクトを感じるものでサクラは威圧感を感じ取り……ここからはさっきまでとは別の戦いになると感じた。

 

「土遁 一万本髪拳」

 

 髪の毛を操る術と言っても、基本となるのはサクラの髪の毛だ。

 トリコのサニーは1人で100万本ぐらい髪の毛を持っていたが普通の女性で10万本あるかないかぐらいだ。10万本全ての髪の毛を束ねる事は出来ないが一万本ならば束ねる事が出来ると器用に髪の毛を……三つ編み?いや、なんて言えばいいんだ?

 

 とにかく純粋な髪の毛の塊で殴ってくるんじゃなくて、髪の毛を編み込んで強度を上げている。

 更に土遁の性質変化で硬度を上げており、ブルードラゴンはサクラのヘアパンチを受ける。そして笑みを浮かべる。

 

「どうした?そんなもんか?」

 

「お前、俺にも一部フィードバックあんの忘れんなよ」

 

 ブルードラゴンはサクラの一万本の髪の毛のヘアパンチを受けてもケロッとしているが、ブルードラゴンが受けるダメージの一部は俺にフィードバックする。実際に受けた打撃とかが体の何処かに痣として出るんじゃなくて、攻撃を受けた時の衝撃が一部俺に来る感じ。

 実際には殴られてないからこの場合は痛みだけが俺にやってくるって感じだ……ブルードラゴンはケロッとしているが、結構痛い。でも耐える事が出来ない痛みじゃねえ。

 

 土遁で鉄並みに硬度を上げて編み込んで更に密度を上げた一万本の髪の毛の拳は当然、凄まじい破壊力を秘めている。

 それでもブルードラゴンはまともに顔面に受けてもケロッとしていて俺に来ているダメージも痛いなの一言で済むレベルだ。

 

「大して痛かねえだろ」

 

「いや、結構痛いから……とは言え、今のが全力の一撃だったら勝てる……なんて甘えた考えは持たない」

 

 ブルードラゴンは強い。単純な強さならば一部の上忍を殺すことが出来るぐらいにはある。だがそれはブルードラゴンが真っ向から戦った場合であり、シカマルの影真似の術みたいな攻撃じゃない補助系の技を重視している搦手を使える奴には弱い。

 今は1対1のタイマンだが、なにも勝てばいいと言う話ではない。シカマルみたいに相手を完全に詰みの一手に持ち込んだりすればいい。

 

 中忍試験がトーナメント形式なのは優勝したら中忍になれるんじゃなくて勝ち進むことで忍として優れた忍と当たる。そうすることで自分が優れている忍である事をアピールするチャンスが増える……一応、三代目は優勝したら中忍に上がれるとは言っていないし、もしかしたら誰も突破出来ないとも言っている。

 

 サクラは幻術タイプだから搦手を持っている。

 

「上がるぞ」

 

 まだブルードラゴンを出した状態で高速移動しながら別の攻撃をする事は出来ねえが、ブルードラゴンを出した状態で移動する事が出来ないわけじゃねえ。ブルードラゴンは俺の影と繋がっているが一応は質量を持っているので……ブルードラゴンの背中に乗ることで空を一応は飛ぶことが出来る。

 

「あの爪楊枝が邪魔で撃てねえぞ」

 

「この状態でも出来ることはある……口寄せの術」

 

 サクラの髪の毛の範囲外に出ていけば口寄せの術を使うタイミングが作れたから口寄せの術を使う。

 今回呼び出すのはコラボ忍術を使う時にちょうどいいサイズのカラスであるゲイルを呼び出した。

 

「四羽陣をしたいが、向こうは中々の馬鹿力だから弱らせてから」

 

「りょ」

 

 ゲイルになにをしたいのかを言えばゲイルはバッサバッサと空中を飛んだ。

 サクラはこっちを見てくる……だが、なにもしてこない。文字通りの空中では土遁の術は基本的には役立たない。髪の毛を伸ばして殴って来ようにも、流石に伸びる範囲に限界がある。

 

 ブルードラゴンからゲイルに飛び移った……やっておいてなんだけど、やっぱり空を飛ぶことが出来ると言うのは戦略寄りの戦術だな。

 

「行ってこい、マトリフ」

 

「だからその名を呼ぶんじゃねえ!」

 

 マトリフの何処が嫌なんだよ……名前を呼ばれるのは嫌だと怒りながらもブルードラゴンは突撃する。サクラは驚いた顔をする。

 ブルードラゴンの詳細について知らないが俺の影からブルードラゴンは出ている。だったら影真似の術の様にブルードラゴンを伸ばせる範囲がある……と思っているのだろうが、ブルードラゴンの射程は思った以上に広い。遠距離戦と言える距離合いでブルードラゴンを伸ばして殴り合う事が出来るぐらいにだ。

 

「オラァ!!」

 

「っ!!」

 

 サクラの髪の毛に向かってブルードラゴンは殴る。

 岩をも一撃で粉砕するブルードラゴンの拳をまともに受けても後退りを少しするのは流石に驚いたが……

 

「何時までそれを維持出来る?」

 

 こっちはブルードラゴンで単純に殴っているだけで大してチャクラを使っていない。

 サクラは髪の毛を硬質化させた物で戦っているが、土遁の術や陽遁の術を使い続けなければならない。サクラのチャクラコントロールが桁外れなのは知っている。五代目同様に額に◇マークを、百豪の術とか使えたりする。

 

 チャクラを溜め込む技術に関しては紛れもなく1番だろう。だが、サスケとナルトと違って最初から出せるチャクラ量は違う。

 チャクラ=圧倒的な力と言う印象で、チャクラ量が物を言う術が大半だが、圧倒的なチャクラを持っていればいいってわけじゃねえ。現にガイ先生やリーは圧倒的なチャクラに物を言わせた術なんかじゃなくてチャクラコントロールと鍛え抜いた肉体でどうにかしてる。

 

「長期戦をすれば勝てる……が、それじゃあ意味が無い」

 

「どうする?」

 

 シカマルの時の様にコイツは優秀だと見られる様にしておかなきゃ今回の中忍試験で昇進出来ねえ。

 このまま普通に勝っても意味は無いのはゲイルも分かっているのかどうするのかを聞いてくる……流石にブルーエクスプロージョンは使えねえからな。髪の毛もある程度の硬度を持っているからラスティーネイルで切り刻むのも難しそうだし。

 

「はぁはぁ……」

 

 サクラのチャクラ以外の消耗も激しい。

 ただチャクラを使うだけじゃなく繊細なチャクラコントロールも要求される毛を操る術……例えサクラがチャクラコントロールが異常なまでに上手いとしても髪の毛1本1本にチャクラを練り込んでいる。それに意識を割かなきゃいけなくて、更には髪の毛を編み込んでいるから……チャクラの消耗以外にも集中力なんかがある……

 

「そう来たか……だが、乗ってやる」

 

 サクラの髪の毛が段々と乱れていっている。

 髪の毛を操る術、仮に毛人とするならばこの術はパワータイプの術にありがちな、何か特別なシステムでパワーが出ているがそれでも自分よりも純粋に上のパワーに当たったのならばその時点で負ける。

 

 パワー負けをしたのならばさらなるパワーを得るが、この場合だとチャクラになる。

 サクラは既にチャクラコントロールそのものは最高だ。だからコントロールじゃなくてチャクラの量とかそっちが重要になるが今は足りない。ブルードラゴンと殴り合いを成立させている時点でとんでもないパワーを秘めているが、それでも殴り合いが出来ているだけだ。

 

「ゲイル、四羽陣だ」

 

「うす」

 

 ゲイルに呼び出した目的を実行すると言い、ゲイルは急降下していく。

 振り落とされない様にチャクラコントロールでゲイルにくっつき、ゲイルはそれを利用して俺のチャクラと一部繋げる。

 

「クェエエエ!!」

 

「っ、来た!!」

 

「……解!!」

 

「!?…………読まれていたの!」

 

 急降下すると同時に四本の羽をサクラの四方に突き刺した。

 サクラは待っていたと笑みを浮かべるが、俺はチャクラを一気に放出し……幻術を解除した。サクラはそれをやってくるのは予想外でそれを使って来るという事は自分がなにをしようとしていたのかを見抜かれて焦る。

 

「方囲!定礎!結!」

 

 慌てている中でゲイルの四本の羽がサクラを囲う様に結界を貼る。

 正方形で立方体の結界であり、サクラは手を伸ばすが壁に触れている感覚で……サクラを閉じ込める事に成功した

 

「いったい、何時から気付いていたの?」

 

「その髪の毛を操る術、スゲえパワーを秘めてるがよ……お前は本来はゴリッゴリの体術タイプじゃねえ。それはカカシ先生からもお墨付きを貰ってる……写輪眼や白眼以外には見抜かれねえと思ってたのか?」

 

 髪の毛を編み込んで殴ってくる術を使って来ると同時並行で何本かの髪の毛を操っていた。

 それは殴るための髪の毛でなく俺に接触する為の髪の毛で、俺に髪の毛を接触させる事で幻術をくらわせる為の物だ……高速で殴り合っている横で細い髪の毛が近づいてくる。素肌で触れても下手したら感じないものだ……だが、気付く方法はある。

 

 髪の毛はチャクラを流している。

 だから目元にチャクラを集中すれば螺旋丸レベルの高密度なチャクラじゃない極薄のチャクラでもチャクラが流れているのならば見抜く事が出来る。

 

「っく……」

 

 苦無を取り出して囲まれている結界に突き刺すが苦無は折れる。

 

「コイツは四羽陣、四方に羽で囲んで結界で包むだけの忍術……俺のチャクラとゲイルのチャクラを練り込んでいる……」

 

 髪の毛で殴るのがチャクラが切れかけているのと単純に結界内部が狭いせいで出来ないサクラ。

 呼吸を整え……ジャジャン拳で来るならばそれで掛かってこいとブルードラゴンを目の前に置いた。

 

「どうした?まだまだやるつもりだろ?」

 

「っ…………はぁ……参った。降参よ」

 

 ジャジャン拳で結界を破壊する事が出来ても、目の前にはブルードラゴンがいる。

 ジャジャン拳よりも威力の強い一万本髪拳で殴っても大したダメージが無い相手に大してジャジャン拳の大振りをした後に倒せるのか、と聞けばそれは不可能な事でありサクラはこれ以上はチャクラ量的にも限界があると感じ取ってギブアップをした。

 

「勝者、寺田辰五郎」

 

「っち、つまんねえな」

 

 サクラから出てくるジャジャン拳を受けてやろうと考えていたのかブルードラゴンは面白くないと不満げに消えていく。

 サクラに髪の毛を操る術があるのを教えて土遁の術と並行で鍛えさせていたが……こっちが攻略法を見出しておかなかったら、普通に幻術にやられて負けていた。

 

 ゴリッゴリに殴ってくるインファイターな幻術使い、時には搦手も使ってくる……冷静になってみれば滅茶苦茶強い相手だ。

 色々と手を加えた事で原作よりも遥かに強くなっているのは確かで……やっぱりブルードラゴンの力が無かったら負けていた。

 

「最初から最後まで独壇場で……隠し玉すら読まれてたなんて予想外よ」

 

「俺が出来ないだけで出来るならやっている技術だからな」

 

 審判が俺の勝ちだと勝者宣言をすれば結界を解除した。

 毛人に関しては俺が教えたから見抜かれているが、毛を使って接触しての幻術を叩き込むのは予想外だから突破する事が出来ると思っていたが、俺ならば同じ事をしている。

 

「……なんつー威力だ」

 

 審判の人はブルードラゴンやサクラの髪の毛が殴った後を見る。

 純粋なチャクラコントロールでの怪力で殴った時よりも遥かに大きな破壊の後を残していて、明らかに下忍が出していい威力じゃないと言葉が出ない。

 

 取り敢えずは無事に勝つことが出来た……アピールする事が出来る所はそこそこあったし、サクラ自身をギブアップに追い込んだ。

 負けを認めたサクラが正しいのか負けを認めさせた俺が正しいのか、どちらが正解なのかは俺にはわからねえが……少なくとも勝つことは出来たとナルト達の元に戻れば……写輪眼を出してるカカシ先生に睨まれた。ですよねー

 

「辰五郎、あの青い龍はなんだ?」

 

「なんだって言われても、昔から扱えていたものっすよ……マトリフって名付けてるけど、それは嫌だって嫌われてて……」

 

「お前も腹ん中にあんなの飼ってんのか!?」

 

「いや、俺の影の一部みたいなところだ……お前の中に居るのとは根本的に違う。俺のチャクラで動かしてるし……ただ、普通に会話をする事が出来るし感情を持ってたりするからDランクの任務とかで出せば暴れる」

 

 ブルードラゴンを自分の中で飼っているのかとナルトも聞いてくるが俺の影の一部と答えて、ナルトの中に居る九尾と異なる。

 ただし普通に会話をする事が出来て感情を持っていることを伝えてじゃじゃ馬であることを伝えた。

 

「今の今まで何故隠していたんだ?」

 

「修業すればどうにかなるとは思いますけど、ブルードラゴンを出している状態で通常の剣術で戦うのが無理っす……隠していた理由としては……厄介なのに目をつけられたくないから」

 

「……大蛇丸か?」

 

「本戦に出るってことは他の国と戦争にならない為の抑止力になるって説明を受けて覚悟は出来た証っす……けど、行き過ぎた行いをしている馬鹿が居て上の椅子を狙ってる。波の国とか色々とあって俺は忍や抑止力になる覚悟は出来たけどあくまでも抑止力であって、裏で積極的に動いて全ては木ノ葉の里の為にを大義名分にあんまり動きたくない……九尾に対して箝口令を出している筈なのに情報を意図的に漏らした上層部の馬鹿の直属の部下とか反吐が出る」

 

 厄介なのに目をつけられたくないのとまだ完璧に使えていないことを言えば大蛇丸を話題に出すが、大蛇丸はまだいい。

 裏で大体ロクでもない事をしている代表格であるダンゾウのもとで働きたくない……それにやりたいことだってあるんだ。

 

「木ノ葉の里は勿論、火の国を守らなきゃいけねえのは分かる……だけど、それを大義名分に限度が越えている事はある。言っとくけど、あんまり口にしないけど三代目も三代目で、ナルトに対するアフターケアを全くしてないどころか忍として教えておいた方がいい技術を教えてくれる人を自分の孫にはつけてるくせにナルトには全くしなくて、下忍になったらやっとカカシ先生をつけて、そのカカシ先生は……放任主義でサスケを依怙贔屓してるっすよね?」

 

「……まぁ、それはだな」

 

「いや、いいんすよ。優先度合いで言えばナルトやサスケの方が色々と大事なのは分かるんで……でもだからと言って、俺が仮にスゴく優秀でも関わり合いを持ちたくない上層部が普通に居るわけで、裏でロクな事してない実害がある奴には関わりたくない」

 

 因みに大蛇丸に関しては基本的には関わり合いを持ちたくないとは思っているが、大蛇丸自身が技術開発関係が天才なので力を借りるしかない時とかがある。あいつ、絶滅危惧種のレアな能力とかスゴい技術とかを研究しているから場合によっては物凄く役立つ知恵袋だ。だからアレだ。仮にAと言う敵が居るのならばBで全く関係無い大蛇丸一派から情報を売ってもらうとか……大蛇丸とは全く無関係な敵に対して大蛇丸の高い知能や技術を借りるのがベスト。

 

 ダンゾウは言うまでもなくドス黒い黒で、大蛇丸も黒といえば黒なんだけども交流を持っておかなきゃ何処かの段階で詰みそうな感じがある……実際、火影達を穢土転生しなきゃ詰んでたしな。でも、裏でロクな事をしてない奴の代表格だからな。

 黒い交際がダメと言っているんじゃなくて、ダンゾウはちょっと限度がおかしい……あいつが原因で悪い方向にこの世界が動いているからな。

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