今のうちに書いておきたかったと供述しており。

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何番煎じかは知らないけども、私にとっては今が旬だった。


KAYABAAAAAAAN

アインクラッド。

デスゲームと化し、1万人という人間をゲームの中に閉じ込めた恐ろしい電子世界。

制作者の名は世に知れ渡り、誰もがVRMMORPGを忌避するかに思われた……。

 

が、しかし。

とある一人のプレイヤーがあっさりとクリアした。

 

これはそのプレイヤーの一部始終である。

 

 

 

彼はまず武器屋でクイックナイフとショートソードとミニハンマーを購入した。

それを見ていたのは彼をベータテスト時代から追いかけてきたアルカという少女である。

彼女はその男に対して比較的異常な執着を見せ、既に隠密スキルと観察スキルを上げて彼を隠し撮りしていた。

 

彼はまず短剣を握り、枝と枝の間に挟み、凄い勢いでガコガコとぶつけ始めた。

そう、彼は挟まれた短剣によって挟み込んだ枝に対して攻撃をしているのだ!

ガタガタと何度もぶつかり続け、暫くしたら彼は片手剣を取り出した。

今まで短剣で酷使した木はもう使えない。

 

すると男は木と木の間に立ち、左右に片手剣をブンブンと振り始めた。

そして左右の木にヒットさせて攻撃判定を繰り出しているのだ!

 

 

 

暫くすると今度は片手斧だ。

左右の木は粉々、次は何を使うのか。

と思いながら追いかけていくと、なんと洞窟だ。

大き目な石に対して斧を振りかざし、一撃。

そしてその反動で天井に向かって片手斧をぶつけている。

 

(なにやってるんだろう……?)

 

ここまで見ていたアルカであったが、今更この疑問に辿り着く。

見ているだけで面白かったりしたのだろうか。

 

 

 

そして男は新しい動きを行い始めた。

まずは短剣スキルの《ステップスラッシュ》だ。

単純に前に出て斬り払う出の早い単発スキルだ。

するとなんと、アルカが気付かぬ内に男は短剣から片手剣に装備を持ち替えていた。

そして《ジャンプスラッシュ》を使用した。

前方に飛びあがりつつ斬撃を放つスキルだ。

更に流れるように男は斜め前方向へと飛び、いつの間にか持っていた片手斧を叩きつけていた。

《ランドスタンプ》というスキルだ。

空中から発動するちょっと特殊なスキル。

 

これらの攻撃は全て別の武器によるもので、連続して発生させるにはその都度武器を切り替えなければならない。

逆に言えば、切り替えることができれば発動ができるということだ。

 

ダッシュジャンプ振り下ろしダッシュジャンプ振り下ろし。

ソードスキルのサポートもあり疲れることなく爆速で進んでいく男。

それを自前のスペックだけで追いかけるアルカ。

 

さて爆速移動技を覚えた男であったが、これだけではただ移動の速いだけの変態だ。

それを眺めているアルカも変態ではあるが、それは今は関係ない。

男はフィールドの中心よりも少し離れた場所に辿り着くと、そこで足踏みを始めた。

しかも滅茶苦茶速い。

まるで全力疾走でもするかのような速さだ。

 

 

 

そして、暫く経つと……。

 

(あ、浮いた)

 

浮いた。

高さにして3cmほど。

それを皮切りにすさまじい勢いで上昇していく男。

そして天井らしき場所まで到達したと思いきや、まるで空中で体制を制御しているかのように爆速で回転して着弾し、消えた。

 

 

 

ボスを倒したアルカは男の姿を見つけた。

無事に階層を突破していたようだ。

普通に突破はしていないのだが。

 

それはともかく。

 

男は先程可能になった移動技を駆使して移動。

今度は森の中に踏み入った。

そしてそこで茂みの中に飛び込み、すーっと沈んでいった。

 

(沈んだ……)

 

と思ったらロケットのように茂みから飛び出し、天井に届く前に空中で姿を消した。

 

 

 

ボスを倒したアルカは再び男を見つけた。

ジャンプした状態のまま横滑りしていた。

すーっと移動しつつ巨大な木の根元まで進み、木に半分めり込みながら飛び去った。

 

 

 

ボスを倒したアルカはまたもや男を発見した。

目の前には何やら言い争いをしている男と茅場何とかがいた。

 

遠くからでは会話を聞き取ることができなかったが、なにやら男に対して茅場何某が怒っている様子だった。

しかしそれはお門違いだ。

あんな風に遊べる方が悪いのだ。

もっとしっかり作れ。

アルカの正直な気持ちがたくさんのクリエイターの心に刺さる(1敗)。

 

 

 

そして急に茅場何某が剣を抜く。

唐突なバトル展開だ。

 

しかしそれはまずい。

茅場何某はゲームマスターであり強力なスキルを好きに使えるかもしれないが、男はまだ全然スキルを見せていない。

下手をすれば3つのスキルしか使えないのだ。

 

と思ったら杞憂だった。

男は全てのスキルを同時起動して分身、全ての攻撃を茅場何某に直撃させた。

 

「1Fに2回以上スキルの発動を指示することで入力猶予時間が生まれ、その4Fの間に発動したスキルがすべて同時に起動する」

「今俺は4Fの間に12回スキルを発動した。12ヒットだ」

 

アルカにはよくわからなかったが、凄く早く動けば凄くたくさん技が出ることが分かった。

そして茅場何某の体力は0になった。

 

 

 

男は大事件を未然に防いだ英雄として扱われた。

自殺やPKがほとんど発生することなくクリアされたからである。

しかし肝心の茅場何某は見つからなかった。

どこかに身を隠しているのかもしれない。

そう考えて、警察などは警戒をしていた。

 

しかし。

茅場何某はもっと上を行った。

 

『アインクラッド・改』

 

新しいゲームを叩きつけてきたのだ。

しかも名指しで男に言い放った。

 

『もうバグはない』

 

これはもうデスゲームではなかった。

茅場何某と男による意地の張り合いとなったのだ……!

 

 

 

デレデレデーン

 

 

 

制作者 茅場晶彦

 

プレイヤー IGA

 

観測者 アルカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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