逆行魔竜の生き直し   作:【酒豪】御酒乱マン

1 / 1
プロローグ

「そうか……うぬこそが、王にふさわしい」

「王になんかなりたくねえよ」

 

 桜色の髪に白い鱗のようなマフラーをつけた青年のその言葉を最後に、竜王アクノロギアは消滅した。

 

 

 

 

 

 しかし、アクノロギアはそれでも終われなかった。

 

「何だ……これは」

 

 次に目覚めた時、アクノロギアは燃え盛る村、その上を飛び交うドラゴンの群を背にして立ち尽くしていた。

 それは間違いなく、アクノロギアが滅竜の道に歩み始めた最初の場所、竜への怒りと憎悪を募らせた場所だった。

 

(時を遡ったのか?黒魔道士の魔法か?時の魔力を喰らった弊害か?何にせよ、我は始まりへと立ち戻ったのか)

 

 理由はどうあれ、過去に立ち戻ったアクノロギアは右手で顔を押さえる。

 

「ククク、クハハハハ!!」

 

 アクノロギアは真っ黒な空を見上げ、高笑いをして踵を返し、その両手には暗黒のエネルギーが宿る。

 その心には、自らが王だと認めた桜色の髪の青年の言葉が宿っていた。

 

【本物のドラゴンはなぁ、強くて気高くて……優しいんだ】

 

 その言葉を胸に、アクノロギアは行動を開始する。

 

「クハハハハ!!そうか、そうだったのか!我は真なる竜王を見定めた!故に、我は憎しみに囚われ暴虐の限りを尽くす貴様等『紛い物』を滅殺する!」

 

 こうして、いずれ竜王に至る滅竜の道が、再び始まった。

 

 

 

 

 

 

 それからアクノロギアは人間を生贄として求める者、趣味趣向で人間を殺す者、強くて気高く、優しい竜以外の全てを滅殺し続けた。

 それはかつての暴走に近いものではなく、明確な意志として、炎竜王の様な強く、気高く、優しい竜を嘲笑う悪しき竜を殺す。

 怒りを忘れた訳ではない、憎悪を捨て去った訳ではない、ただ、己が認めた王の在り方と己の在り方を重ね、新たな道を歩む事を決めた1人と人間として、悪しき紛い物の竜を殺す。怒りの矛先を見定めたのだ。

 そして、竜王祭の日を迎える。

 殺す竜を見定めたとは言え、前世の記憶と経験と殺した竜の多さゆえに、結局アクノロギアは竜化を免れなかった。そして、竜王となった魔竜アクノロギアは炎竜王イグニールの元へ舞い降りた。

 

『貴様は……アクノロギア』

「顔を合わせたのはこれが初のはずだがな」

『人間を滅ぼそうとする竜を殺して回り、竜へと変じた元人間、話は聞き及んでいた』

「そうか」

 

 イグニールの背後にはかつて戦った桜髪の青年の面影がある少年がいた。

 

「ナツ・ドラグニル」

『何が目的だ!』

「そう気負う必要は無い炎竜王。悪しき紛い物の竜は全て滅した、我が滅した。これからは人間の時代」

『……』

「我は見定めたのだ。未来の竜王を」

 

 アクノロギアは人の姿で少年のナツに近づいて行く。

 

「強くなれ、小僧。仲間と共に我を打ち破った彼の竜王のように」

 

 ナツはそう言ったアクノロギアを見上げ、呆然としていた。

 アクノロギアが去った後、イグニールにさっきの人間は何なのか聞いたナツは次会った時は絶対に勝負すると心に決めた。

 悪しき竜を滅ぼした最強の竜王、そしてナツはそんな最強の竜が認めた竜王の後継者。それを聞いたナツは闘志を燃やし滅竜魔法の練習に精を出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 それから400年が経った現在、竜王祭以降ほとんど動きが無かったアクノロギアが再び動き出す。




1周目アクノロギア
全ての竜に怒りと憎悪を向け、全てを破壊しようとする悲しきモンスター

2週目アクノロギア
本物の竜ではない、悪しき紛い物の竜に怒りと憎悪を向け、未来の竜王に期待する暴走機関車

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

『刹那! トランザムは使うなよ!』『了解! トランザム!!』(作者:とんこつラーメン)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ガンダム好きの人間がいきなり転生!▼転生先の世界の事はよく分からないけど、ガンダム愛さえあれば何でも出来る!!▼ガンダムは最強! ガンダムは無敵! ガンダムに不可能はない!!▼そう! 俺が! 私が!!▼私たちが…ガンダムだ!!!▼


総合評価:3340/評価:8/連載:26話/更新日時:2026年09月09日(水) 21:06 小説情報

個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ!(作者:紡縁永遠)(原作:僕のヒーローアカデミア)

事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。▼ 以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する敵(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。そう、「ヒーロー」と呼ば…


総合評価:968/評価:6.12/連載:10話/更新日時:2026年09月21日(月) 00:00 小説情報

忍の世界とか割と詰みである(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:NARUTO)

面白いからを理由に転生させられる極々普通の転生者の話。▼それはそうとこの世界線、アニナルっぽいので割と手厳しいと言うかNARUTOの世界ってチートを貰ってようが普通に厳しくね?な話▼ヒロイン?最終回発情期とかあるし息子世代の話もあるし、まぁ、500話以上あるアニナルを見てどうすんか考えるっぺ。


総合評価:6724/評価:7.01/連載:66話/更新日時:2026年09月23日(水) 20:00 小説情報

転生ナルト物語(作者:ドロイデン)(原作:NARUTO)

 社会に絶望し、自殺した男が転生したのは、まさかのうずまきナルトだった。男はナルトとして、理不尽な迫害をしてくる木の葉で、今日も惰性のように生きていく。▼ 作者の原作知識が片寄っているので、暖かい目で読んでくれると幸いです


総合評価:8381/評価:7.69/連載:15話/更新日時:2026年08月01日(土) 04:01 小説情報

六眼と無下限持って生まれたけど何か世界観が違う(作者:杏鷲)(原作:僕のヒーローアカデミア)

呪力もなければ呪霊もいない世界で生まれた転生者が、高額納税者ランキングに名前を刻むためにヒーローを目指す話。▼───なお、その肉体は常に魔王に狙われているものとする。


総合評価:18012/評価:8.36/連載:24話/更新日時:2026年08月29日(土) 07:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>