ソードアート・オンライン CHOSE the start Over 作:鉄血
「ワイズマンさんのこと・・・ですか?」
ユーリはワイズマンの事について話があると言われて私は首を傾げる。
だが、ユーリの口から出た言葉の先に私は呆然とするしかなかった。
「・・・ああ。
「・・・・・・ぇ?」
最初、有り得ないと思った。何かの聞き間違いだと。
「嘘・・・ですよね?ワイズマンさんが・・・死んだなんて・・・だってワイズマンさんは死なないって・・・」
「・・・・・」
動揺する私にユーリは黙ったままだった。
だからそんな彼に私は思わず詰めよった。
「ユーリ!」
彼の顔に自身の顔を近づかせる。そして私はユーリが今、どんな顔をしているのか見てしまった。
「・・・・!」
「馬鹿野郎だよ・・・アイツは。死ぬつもりなんてないって俺達を安心させてからアイツは一人で勝手に死にやがった。あの時、俺が無理矢理にでも連れていくべきだった・・・クソッ!!」
そう。ユーリが誰よりも悔しそうにしていまからだ。ワイズマンさんをサーユさんを死なせてしまったことを。
止められた筈だった。でも止められなかった。
「俺だけ生き残って・・・彼奴等の親にどう説明すればいいんだよ!!」
ダンッ!と近くの木に八つ当たるように拳を叩きつけた。拳が木に当たる直前、紫色のウィンドウが現れその拳は阻まれる。
「・・・・ユーリ」
誰かに背中を押してもらわなければ何も出来ない私。嫌な事から目を背け、逃げ続ける私。
逃げたくない。逃げたくないのに、私の身体はいうことを聞いてくれない。
・・・教えてよ。どうしたらいいの・・・未来を変えるには・・・どうしたら・・・。
その夜の事を私は一生忘れることが出来なかった。
◇◇◇◇◇
二千二十二年。十二月四日。
私達はアインクラッド第一層の攻略に成功した。
でも・・・すでに二千人以上ものプレイヤーが死んでしまった。たった一層で・・・。現実から逃げてきたこの世界は、現実よりもずっと残酷だった・・・。
もう攻略を諦めた人もいる。この世界に耐えられなくて自ら終わりを選んだ人も・・・。でも、私は逃げたくない。苦しんでいる人たちも見捨てたくない。
助けたい───守りたい。でも・・・出来なかった。
私は、弱い。
今を生きるのに精いっぱいで、一人じゃ何も出来ない・・・
今だって私一人じゃユーリ一人を慰めることだって出来ない。
でも、このままじゃ駄目。
私は変わるんだ。変わってみせるんだ。・・・もう、逃げ続けるだけの私は嫌だから。