Fateにクソゲーマーをぶち込んでみた   作:botanK

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タイトルのまんまです


全身タイツを追いかけてたら人が死んでた

 

「どうして……どうしてよりにもよって、アンタがここにいるのよ」

 

 私の目の前には、胸を赤に染めた男。衛宮士郎が、おびただしい量の血で、廊下を染め上げていた。

 

 “何で”が頭の中をぐるぐる回っては、上手く消えてくれない。

 

「……いーースター!!」

 

 息が……上手く……吸え……

 

「おいマスター!!しっかりしろ!!」

 

「ーーあ」

 

 両手で頰を挟み込んで顔をこちらに近づけて、視界に目一杯に映るのはハシビロコウのお面。

 

()()()()()()、マスター!!」

 

 私の心に澱んでいて、まとわりついていた影が、一気に晴れた気がした。

 不甲斐ない。一度、聖杯戦争(この戦い)に身を投じると決めたのだ。こんな簡単に動揺してどうする?

 

 バチンッ!!

 

 もう一度、覚悟を決めるために思いっきり、自分の頰を両手で叩く。痛いけど、腑抜けた気持ちに喝を入れるには、ちょうど良い。

 

「ありがと、アサシン。もう大丈夫、落ち着いたわ」

 

「そうかい。まぁ、あんまり気負いすぎるなよ。マスター」

 

「えぇ」

 

 首にかけていた、大きなルビーがついたネックレスを外す。遠坂家の魔術は宝石に魔力を込めて魔術を行使する【宝石魔術】宝石に込められた魔力が大ければ、大魔術の使用も出来る。

 ーー10年、それがこのルビーに魔力を溜め込んだ年月。

 

「ーーこの出費は、高く付くわよ!!」

 

 夜の学校に、光が灯った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーほい、お疲れさん」

 

 士郎の胸の傷を治して、心臓が動いてることを確認した後、士郎が起きる前に学校を後にした。

 

 出されたのは、カップに入った()()()()

 

「私、紅茶が良かったんだけど……」

 

「文句言うなよマスター。俺は紅茶の淹れ方なんて知らないぞ?精々、ライオットブラットinカップラーメンの作り方ぐらいしか……」

 

「何なのよそれ。名前からして不味そうじゃない」

 

「おいおい、食わず嫌いはダメって親に教わらなかったのか?」

 

「少なくとも、そんなヤバそうな名前の食べ物を、食べる気にはならないわよ」

 

「かーー!勿体ねぇ。つっても、この時代にそもそもエナジードリンクってあるのか……?」

 

「さぁ?私にはよく分からないわよ」

 

 仰向けに寝転ぶと、視界に天井の染みがぽつぽつとあるのが見える。今回の戦闘で疲れた頭で明日の学校の事を考え……考え……

 

「ああーー!!」

 

「何だよマスター!?そんな大声出して」

 

「サンラク!今すぐ衛宮くん家に行くわよ!!」

 

「はぁ!?」

 

「ランサーが仕留め損なったって知ったら、もう一回殺しにくるじゃない!!」

 

「ちょっ、それを早く言えよ!!」

 

 私と同じく、ソファでくつろいでいたサンラクが跳ね起き、慌てて準備をしている。

 

「マスター!その、士郎ってやつの家分かるんだろ!案内してくれ!!」

 

「えぇ、初めからそのつもりよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすぐ着くわ!!」

 

「あいよぉ!!」

 

 サンラクに背負われる形で街中を駆け抜ける。絵面は半裸にしがみ付いてる女子と言う、一発で通報される絵面だが背に腹は変えられない。

 

 幸いにも、誰にも見つからずこれた。

 

「ーー待って!」

 

「どうした、マスター?」

 

「衛宮くんの家からサーバント反応……」

 

 夜闇を照らしつける月光を背に、一人の少女が降ってくる。青がよく似合う彼女に、見惚れてしまって……

 

「ーーあっぶねぇ!?」

 

 金属がぶつかり合う音で、ふと我に帰る。

 

「ーー大丈夫ですか!!」

 

「ーーえ?」

 

 降ってきた少女が()()()()()()()着地する。

 

「そこの半裸!!こんな夜道に、マスターである少女を襲おうとは何事か!!例え英霊、サーバントだとしても、許されざる事だぞ!!」

 

「いや、ちょまっ!!」

 

「問答無用!!」

 

 青の少女、剣兵(セイバー)が見えない何かを両手でしっかりと掴んで、サンラクにふるい上げる。

 

「はぁ!!」

 

「うおおっ!?」

 

 セイバーの不可視の剣と、サンラクの青色の両手剣が打ち合い、火花を散らすほど苛烈さを極める。

 

 両手剣であるサンラクに軍配が上がるかと思っていたが、“最優”と称されるセイバーには一歩及ばず。次第に押され始める。

 

「ーーこれで終わりだ!!」

 

 力任せにかち上げ、サンラクの両手剣を弾き飛ばして、無防備となったサンラクの体にセイバーの剣が迫る。

 

「ーー待ってくれセイバー!!」

 

 濃密な赤い魔力【令呪】による命令で、その剣は体に当たる寸前で止まる。

 声のした所を向くと、肩で息をした赤銅の髪をした青年。衛宮士郎がいた。

 

「何故ですかマスター!!確実にあの変態(アサシン)を殺せたチャンスなんですよ!?」

 

「セイバー、話を聞いてくれ。確かにあいつの格好に物申したいし、通報案件なのは同意するけど、何も殺しにかかるほどじゃ無いだろ!?」

 

 目の前でギャーギャーと夜中なのに騒ぎ始めた士郎とセイバー、あっけに取られてほうけた、やはり半裸のアサシン。

 

 凛の胃は、果たして保つのだろうか。

 

「ーー衛宮くん?ちょーっとお話し、しましょうか?」

 

 自然と顔に、青筋が出ていた。

 





 前話で、サンラクが宝具の【第一段階】のハザード手袋を使用していましたが。そこの部分について、説明と補足について。

 サンラクが持っている宝具である『臨海を超えて、天駆ける五つの雷火(プラティオン・ディス・トリガー)』は、段階的に解放していくタイプの宝具です。
 サンラクの持ってるスキルのせいで、何がとチートだとなんだと思っていると思いますが、この作品の英霊サンラクは宝具に関して燃費が悪すぎる英霊となってます。
 
 作中で、ハザード手袋は発動、使用中は魔力を消費しないと書いていますが、同じく作中で令呪を通して魔力が無くなる描写をしています。

 これはミスではなくて、サンラクの宝具は段階的に解放されていく特性があるので、手袋を使用した時を例に挙げると、まずサンラクは宝具を発動したと言う事実があるので、一回発動分の魔力が消費されます。
 それに上乗せする形で、手袋の分の魔力を消費する。つまり【第三段階】まで解放すれば、二回分の宝具使用分の魔力をゴッソリちょうだいされるわけです。

 凛でも令呪がなかったら厳しいんじゃないかなぁ……?
 
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