胡蝶家の縁壱とお労しい姉上   作:科学大好き人間

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しのぶ視点です。サブタイトル通りですが結構話脱線してます。ガールズトーク回だとお思い下さい。


46話 カナヲの恋人候補

「姉さん。これは一体何の集まり?」

 

 

私は、蝶屋敷の客間に呼び出されていた。部屋には姉さんとアオイ、なほ、すみ、きよの計5名。

 

 

「あらあら~。しのぶ漸く来たのね~。姉さん待ちくたびれちゃったわ~。早く座って座って~」

 

「?」

 

 

私は促されるままに座布団が敷かれる場所へと腰を下ろす。姉さんは終始ニコニコしていた。やがて全員に目配せする。

 

 

「じゃあ改めまして! 祝! しのぶの恋愛成就お祝い会を開始しますっ! しのぶっ! おめでとう~!」

 

「おめでとう、しのぶ」

 

「「「おめでとうございます!」」」

 

「は? え? は!?」

 

 

私は固まる。どこから出現したかもわからないお菓子屋や飲み物が一斉に茶の間の卓へと並べられる。私は唖然としていた。

 

 

「ね、姉さん。そういうのいいから・・・」

 

「だって~! 姉さん本当に嬉しくて~! ああ、これで漸くしのぶも普通の女の子の幸せを手にしたと思ったら居ても経ってもいられなかったのよ~?」

 

「そ、そう・・・」

 

「しのぶ。甘露寺様から頂戴した本を参考にパンケーキを焼いたわ。是非食べてみて。口に合えばいいんだけど」

 

「アオイ。貴方私のことずっとゴミを見るような目で見てなかったけ?」

 

「あれは炭治郎さんを密室に引きずり込んでこっそり如何わしいことをするからです」

 

「ちょっ!? してないっ! 私そんなことしてないからっ!」

 

「でも私達憧れちゃいます~!」

 

「私も将来しのぶ様みたいにしてみたいです~!」

 

「ね~?」

 

「な、なほにきよ、すみまで・・・」

 

「ほら。しのぶのせいでこの子たちが変な憧れ持っちゃったじゃない。私がキツイ目で見てたのはそれが理由よ。今後は控えること。いい?」

 

「くっ・・・心外だけどわかったわ・・・確かにこの子達の情操教育に悪影響は及ばしたくないし」

 

「姉さんはもっと炭治郎君と仲良くしてて欲しいな~。あの日みたいにもっとしのぶから積極的に行っていいのよ~?」

 

「ちょっ・・・姉さん勘弁して・・・思い出すだけで顔から火が出そう・・・」

 

「きゃ~! 素敵です~!」

 

「しのぶ様幸せですね~!」

 

「ですです~!」

 

「貴方達まで・・・」

 

 

不意に開かれたお祝い会。しかしこれは呈の良い私を弄る為の口実では? 姉さんほんと私やカナヲのことになると舞い上がりがちよね。あ、そう言えば・・・

 

 

「ふと思ったんだけどカナヲは? カナヲは呼ばないの?」

 

「カナヲは私がお願いして炭治郎君や伊之助君、善逸君の稽古してもらってるわ~。今頃道場の方に居るんじゃないかしら~?」

 

「え? どうしてカナヲだけを省いたの? 私が言うのもなんだけど仲間外れは可哀そうと言うか・・・」

 

「そう! 実は今日の本題のもう一つがそれなの! ズバリ! 今後のカナヲの恋人問題よ! 今日はその作戦会議もするからしのぶも付き合いなさいっ!」

 

「え・・・カナヲに恋人? そもそもあの子そういうの必要としてるの?」

 

「何言ってるのしのぶ! カナヲだって女の子! しかももう十六なのよ!? もたもたしてたら結婚適齢期逃しちゃうわ! 急いで私たちが見繕ってあげなくちゃ!」

 

「・・・いや・・・いざとなったらお館様に頼んでいい人紹介して貰った方が・・・」

 

「それだと面白くないじゃない!」

 

「え~・・・」

 

 

姉さんが私の提案に即座に断固反対する。しかもさらりと面白くないとか本音まで暴露してるし。結局姉さんは只々私達で楽しみたいだけなのでは?

 

 

「そもそも姉さんこそ相手見つけたら? 言いたくないけど姉さんの年齢って結婚適齢期過ぎかけてるし・・・」

 

「しのぶ。知らなかったの? カナエ様は既に風柱の不死川様と婚約してるわ」

 

「は? え・・・えぇえええええっ!!?? ちょっと姉さんっ!! 私、初耳なんだけどっ!!!! どうしてそんな大事なこと私には教えてくれなかったのっ!?」

 

「うふふ~。だって~、しのぶの驚く顔が見たかったんだもの。それでよ~?」

 

「『それでよ~?』じゃないっ!! 普通妹には言うでしょっ!? アオイ達には教えてるのに!!」

 

「姉さんしのぶにドッキリ大成功して嬉しいな~」

 

「私の身にもなってよ!!!」

 

「そうですよカナエ様。第一もうご懐妊までされてますよね? いくらなんでも私達に口止めまでしたのはやり過ぎだったのでは?」

 

「は? 今何て?」

 

 

私は固まる。アオイ貴方今なんて言ったの? 姉さんがなんだって? え・・・

 

 

「ちょっと待って姉さん。今、聞き捨てならないことが聞こえて来たんだけど・・・」

 

「ん~? 何かしら~?」

 

「姉さん・・・妊娠したって本当?」

 

「きゃっ! 恥ずかし~!」

 

 

姉さんは照れ笑いして大げさに顔を隠している。凄くわざとらしい。絶対恥ずかしいとか微塵も思っていない。

 

私はその場を立ち上がる。

 

 

「ん? しのぶ? どうしたの?」

 

「風柱邸に行ってきます。姉さんを孕ませた悪漢をとっちめに」

 

「いや・・・しのぶ聞いてた? だからカナエ様と風柱様は既に婚約してて・・・」

 

「姉さんを孕ませやがった悪漢は私が潰すっ!! とっとくたばれ糞野郎っ!! 私が完膚なきまでに叩きのめすっ!!!」

 

「あっ! こら待ちなさいしのぶっ! しのぶ~! ううっ、やっぱり力強いわね。皆手伝って~?」

 

「もう、まったくしのぶは」

 

「しのぶ様駄目です~!」

 

「落ち着いて下さ~い!」

 

「顔怖いです~!」

 

 

私は総勢五名に取り押さえられ客間から一歩も出ることすら敵わなかった。

 

 

「はあ・・・だから言ったんです。しのぶには前々から教えた方が良かったって」

 

「うふふ~。怒ってるしのぶも可愛いわ~」

 

「あ、ダメだこの人。話通じない」

 

 

私は後ろ手で縛られその場に正座させられていた。不覚。まさか引退済みの姉さんや前線に出ることをやめたアオイに拘束されるなど。今は私の肩をなほ達が三人で仲良く押さえている状態だ。

 

 

「姉さん・・・私せめて・・・おめでとうって言いたかったのに・・・」

 

 

私が眉を八の字に寄せて泣きそうな顔を見せると姉さんの態度が一変する。

 

 

「あっ! こらしのぶ! 泣かないの! ごめんなさい! ごめんなさいね~? ほらこの通りだから!」

 

 

姉さんは私の頭を胸に抱き寄せ、そのまま手を回して包み込む。私はそのままポロポロと涙を溢す。

 

 

「酷いわ姉さん。私、誰よりも姉さんの幸せを願っているのに・・・」

 

「ごめんなさい! ごめんなさい! 私が悪かったわ~! 悪戯が過ぎたのは謝るから~! 許して~!」

 

「もうっ・・・怒ってないわよ・・・せめて後ろでの縄外して。こんな状態でお祝いの言葉なんて言いたくないわ」

 

「わ、わかったわ。アオイ、縄解いてくれるかしら~?」

 

「はいはい。全くカナエ様の我儘には振り回されるばかりです」

 

 

そうして私は縄を外され、そのまま姉さんに抱き着く。姉さんもそのまま私の背に手を回して抱き返してくれる。

 

 

「姉さん・・・おめでとう・・・不死川さんと必ず幸せになってね・・・!!」

 

「うん。ありがとうしのぶ。姉さんとっても嬉しいわ」

 

 

そうして暫くの間、私は姉さんの胸の中で泣いていた。ふとした瞬間アオイが口を挟む。

 

 

「あんまりもたもたしてるとカナヲ達の稽古終わりますよ? 今日はこれでもうお開きにしますか?」

 

「あっ! いけないっ! カナヲの恋人候補の話がまだよ! 今日はそれだけでも決めきらないと!」

 

「姉さん・・・カナヲに自分で選ばせてあげたら?」

 

「勿論最後に選ぶのはカナヲよ! でもあの子ほうって置いたらずっと独り身なんてのもあり得るわ! せめて選択肢だけでも私たちが用意してあげないと!」

 

 

そうして姉さんは私を抱きしめるのをやめて元居た場所へと腰を下ろした。全員がそれに倣う。

 

 

「そもそもカナヲもそうだけどアオイは?」

 

「えっ!? 私っ!? しのぶったら何言い出すのよ! 今はカナヲの話でしょ!?」

 

「いや・・・純粋に気になって・・・私とおない歳だしいい人とか居ないのかなと思って・・・」

 

「アオイ。善逸君と伊之助君だったらどっちが良い? あ、どうしてもって言うなら炭治郎君でも良いのよ?」

 

「はぁああ!!?? ちょっと姉さん!! 何言い出すのよっ!!!!」

 

「カナエ様・・・流石にしのぶの恋人を盗るのはちょっと・・・」

 

「うふふ~。冗談よ~?」

 

「冗談でもやめてよ姉さん!!」

 

「あらあら~? そんなに怒らなくてもいいじゃな~い? でもそうねぇ。いっそ炭治郎君にしのぶもカナヲもアオイも全員娶って貰うと言うのはどうかしら?」

 

「ちょっ!? 何言い出すのよ姉さんっ!?」

 

「だって~、宇随さんだってお嫁さんが三人も居るのよ~? だったら炭治郎君もアリかな~ってぇ」

 

「宇随さんは元忍びだからでしょ!? 少なくとも今の日本に重婚制度はないわよっ!!」

 

「カナエ様。私達に炭治郎さんの妾になれと言うんですか?」

 

「あ、違うわアオイ。私はただ貴方たちの気持ちを最優先にして欲しいって思っただけよ? アオイも以前炭治郎君が気になるって言ってたじゃない?」

 

「え・・・そうなの・・・アオイ・・・」

 

 

私は唖然とする。アオイに視線を向けるが、アオイは眉を寄せかぶりを振る。

 

 

「確かに私が選別を生き抜いただけの腰抜けだと自嘲した時、炭治郎さんはそんなことはないと優しく肯定してくれて、その時とても心が揺らぐのを感じました。でも・・・」

 

 

そこまで言って、アオイは私に視線を移す。

 

 

「炭治郎さんはしのぶが好きなのでしょう? なら私は彼の幸せを願うだけです。しのぶ。炭治郎さんのことを幸せにしてあげてね?」

 

「アオイ・・・」

 

 

私はアオイにそう伝えられ、何も言えなくなってしまった。その気まずい空気を姉さんがすぐさま吹き飛ばす。

 

 

「じゃあ善逸君か伊之助君のどちらかね~? アオイ。好きな方選んで良いのよ~?」

 

「姉さんっ!? 今の話の流れでそれは余りにも性急過ぎない!? アオイだって心の整理とか色々あるはずだし!!」

 

「しのぶ。恋はね。足踏みしてちゃいけないの。基本は早い者勝ちなのよ? もしかしたら炭治郎君はアオイとも恋仲になってた可能性だってあるんだから。しのぶ。そのことを今一度よく考えなさい」

 

「うっ! 確かに・・・」

 

 

私はずっと炭治郎に想いを伝えることを尻込みしていた。今思うと何をしてるんだと過去の自分に言って聞かせてやりたい程だ。もしそのうちにカナヲやアオイが炭治郎に告白してそのどちらかが恋仲になってたら?

 

想像するだけで胸を締め付けられるようだ。私は運よく炭治郎と付き合えるようになっただけ。確かに姉さんの言う通り、その事実を今一度認識し直さないと。

 

 

「大丈夫よしのぶ。私、もう炭治郎さんへの気持ちの整理はついてるから」

 

「ア、アオイ・・・」

 

「じゃあすぐにでも次の恋に進めるわね! アオイは誰が良いのかしら。善逸君や伊之助君以外に気になってる人が居たらその人でも良いのよ? 私が元柱として色々と根回ししておいてあげるからっ!」

 

「いや・・・流石にそれはしなくていいです・・・カナエ様に圧を掛けられたらどんな男の人でも首を縦に振らざるを得ないと思うので・・・現に不死川様だって・・・」

 

「アオイ? それ以上皆の前で不死川君のこと言うなら私も相応のことするわよ?」

 

「ひっ! な、なんでもありません! 言葉が過ぎました・・・!」

 

 

姉さん。その笑顔は怖いわよ。顔は笑ってるのに威圧感が尋常じゃない。妹の私でも流石に引く程に。

 

 

「えっと・・・実を言いますと最近は伊之助さんのことが少しだけ気になってて・・・」

 

「あらあら~。そうなの? いいじゃない! 伊之助君も素直で可愛いところあるし~」

 

「伊之助? でもあの子結構乱暴じゃない? 私みたいに注射器で脅す位しないと御せないわよ、彼」

 

「しのぶ・・・貴方そんなことを伊之助さんにしてたの・・・?」

 

「え?」

 

「し~の~ぶ~? それは流石に頂けないわ~? 今ここでアオイに謝りなさ~い?」

 

「ひっ!? ご、ごめんなさい。姉さん。アオイも。二度としないわ」

 

「良し! じゃあこれで伊之助君が脅されることもなくなったわ! よかったわね、アオイ」

 

「まあ・・・私が喜ぶようなことかはわかりませんが兎も角注射器で脅すのは駄目だと思います。しのぶ。今後は本当にやめなさいよ? 人としてやっていいことと悪いことがあるから」

 

「ハイ・・・モウシマセン」

 

「因みにアオイは伊之助君のどんな所が気になってるのかしら~? やっぱり素直な所~?」

 

「えっ、あ、はい。勿論それもあります。それに私が作ったご飯を美味しそうに食べてくれる所とか、私の料理は凄いと絶賛してくれる所とか・・・ですかね」

 

「あ、意外。アオイって伊之助の良い所一杯見つけてるのね」

 

「あと・・・言いにくいのですが・・・」

 

「いいのよ~? 遠慮せずに言っていいのよ~?」

 

 

するとアオイはもじもじし始める。頬を朱色に染めて年相応の女の子のような仕草をしている。え、もしかしてアオイの気持ちって結構固まってる感じ?

 

 

「その・・・一番良いなって思ってしまったのが・・・顔でして・・・」

 

「顔っ!? 伊之助のっ!?」

 

「あらあら~。いいじゃな~い。伊之助君の顔立ちって美形というか中性的で整っているっていうか、かなり容姿が良いわよね~。男の子の顔立ちに惹かれるのだって立派な恋よ~? 私、応援してるから~」

 

「あ、ありがとうございます///」

 

「そう言えば私、まだ伊之助の顔見たことないわ。そんなに整った容姿をしているのね。凄く気になる。今度それとなく確認してみようかしら」

 

「しのぶ~? 貴方には炭治郎君が居るんだからアオイから伊之助君盗っちゃ駄目よ~?」

 

「する訳ないでしょそんなこと。でも意外。アオイもそんなもじもじしたり照れるような反応するんだ。初めて見た」

 

「うふふ~? しのぶだって炭治郎君の前では常に恋する乙女の顔してるわよ~? 姉さんそれだけでご飯三杯は食べられるわ~?」

 

「えっ!? ちょっ!? 私って炭治郎の前ではいつもそんな顔してるの!? 初耳なんだけど///」

 

「してるわよ~? 姉さんそんなしのぶを見る度に抱きしめたくなっちゃう~!」

 

「た、炭治郎の前ではやめてっ! 恥ずかしいからっ///」

 

「そうねぇ。しのぶはやっぱり炭治郎君に抱きしめられる時が一番幸せそうだものね~。以前は姉さんがしのぶの一番だったのに何だか寂しいわ~」

 

「うっ! そ、それは・・・でも私にとって姉さんは一番大切な家族で・・・!!」

 

「カナエ様。いい加減しのぶの姉離れを促しても良いのでは? この先ずっと姉とべったりでは炭治郎さんが愛想尽かしてしまうかもなので」

 

「そうねぇ。それは頂けないわ~。という訳でしのぶ。これから先はしのぶを抱きしめるようなことはしないから。どうしても抱きしめて欲しい時は炭治郎君に頼むこと。良いわね?」

 

「うっ! 姉さんそんな・・・待って・・・そんなことしたら私禁断症状が・・・」

 

「しのぶ。いい加減姉離れしなさいよ。カナエ様だって不死川様に正式に嫁入りしたら夫婦で過ごす時間が各段に増えるのよ? 貴方には炭治郎さんが居るんだから我慢しなさいよ」

 

「ううっ・・・そんな・・・いきなり姉さん断ちなんて・・・」

 

「まるでお酒が辞められない飲兵衛みたいな言い草ね。カナエ様。今後はあまりしのぶを甘やかさないようになさって下さい。どうしても抱きしめる相手が欲しければカナヲにして下さい」

 

「ええっ!? そんなカナヲばかり狡いわよ姉さんっ!!!!」

 

「もう、しのぶったらまだそんなこと言ってるの~? 貴方には炭治郎君が居るんだからいい加減私に依存するのを止めなさい。良いわね?」

 

「ううっ・・・はい・・・姉さん」

 

「全くしのぶは。十六で姉離れ出来てない人なんて日本広しと言えど貴方だけよ。炭治郎さんと恋仲になれたのは本当に良い機会だったわね。今後はもう少し我慢を覚えなさい」

 

「ううっ・・・我慢します」

 

「さてさて~! もう余り時間ないわよ~? 残り時間で急いでカナヲの恋人候補洗い出さないと~!」

 

「はあ・・・漸く本題ですか。しのぶのせいで話が脱線しましたからね」

 

「うふふ~。姉としてはしのぶの可愛いところ一杯見れたから良かったわ~」

 

「・・・で誰が居るの? カナヲの恋人候補って」

 

 

私が冷静になりそう口にすると姉さんは片手の指を折り始める。

 

 

「そうね~。まずは冨岡君かしら~」

 

「ええっ!? と、冨岡さんっ!? なんでっ!? 姉さんそれ本気で言ってんのっ!!??」

 

「まずは候補よ。数上げないと駄目じゃない? ほらほらしのぶも。候補ちゃんと挙げて~?」

 

「・・・とりあえず善逸は無いわね」

 

「あら~? やっぱり~?」

 

「善逸さんですか。あの人はそもそも恋人になれる人なのでしょうか・・・」

 

「無理ね。アイツはずっと独り身確定よ。それ以外で考えるわよ。アオイからは何か意見ない?」

 

「う~ん・・・とりあえず交流の多い柱の皆さんから選んだ方が良い気がします」

 

「そうよね~? アオイやっぱりわかってるじゃない! じゃあやっぱりまずは冨岡君ね~! そしたらそしたら~・・・」

 

「時透君とかどう? 姉さんが引退後に柱になった子だけど歳は一番カナヲと近いし」

 

「あ~、あの子ね~! う~ん・・・でも彼いつも雲ばかり見てるじゃない? カナヲに関心向けてくれるかしら~?」

 

「それは多分鬼に襲われた時の後遺症のせいね。物忘れが激しいみたいでボーとしてることが多いってお館様が言ってたわ。でも記憶が戻れば素直な良い子って話らしいし一番カナヲと相性良いのかも・・・」

 

「なるほどね~! じゃあ他には? 他には候補居ないかしら?」

 

「まず妻帯者の宇随さんは駄目ね。これ以上嫁増やしてどうするとか言われそうだし。伊黒さんも駄目だと思う。あの人自分では隠してるつもりだけど甘露寺さんにぞっこんだし」

 

「確かに伊黒君って新しく柱になった甘露寺ちゃんに夢中みたいね~? そうなると後は悲鳴嶼さんと煉獄君位かしら~?」

 

「残る候補はそうね。カナヲって存外に悲鳴嶼さんの言う事には従順だし関係性だけはあの人が一番良いのかもしれないけど・・・」

 

「悲鳴嶼さんは元僧侶の方ですもんね~。結婚は余り前向きに考えてくれないかもしれないわ~」

 

「じゃあ残るは煉獄さんね。まあ、底抜けに明るい方だから案外カナヲを牽引してくれそうで良いのかも」

 

「いいわね~! 一杯候補あがったじゃな~い! これでカナヲも将来安泰よ~?」

 

「いや・・・まだそのうちの誰かと結婚するって決まった訳じゃ・・・」

 

「大丈夫! 姉さんに任せなさい! 長女として絶対カナヲが好意を寄せる殿方と婚儀を結ばせてみせるから!」

 

「姉さん・・・脅して婚約させるのだけは駄目だからね? わかってる?」

 

「勿論わかってるわよ~? そんなことするはずないじゃな~い」

 

「・・・だと良いけど」

 

 

そうして長きに渡るカナヲの恋人候補を巡った作戦会議は無事終結した。色々話が脱線したせいでとんでもない時間かかっちゃったけど。それにしてもカナヲまだ稽古してるのかしら。道場の様子見てこようかな。

 

そうして私は姉さんに断りを入れて道場に向かった。そこには立ち尽くすカナヲと、三体の生ける屍が床に伏していた。私は溜息をつく。

 

 

「カナヲ。お茶菓子あるけど食べる? アオイがパンケーキ焼いてくれたわよ?」

 

「っ! パンケーキ! 食べる!」

 

「じゃあ行ってらっしゃい。私はそこで伸びてる三人の死体を処理しておくから」

 

「? しのぶ姉さん。まだ大丈夫だよ。そこの三人息はまだしてるから」

 

「もう虫の息じゃない? 良いから食べに行ってらっしゃい。アオイが腕に寄りをかけて作ったって言ってたから」

 

「っ! わかったっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして私はカナヲを見送り、いそいそと三人の介抱に回るのだった。うん。完全に伸びてる。一体どんな鍛錬したっていうのよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




カナヲの恋人候補についてはアンケート出しときます。本作では誰と結ばれるでしょうか。もしご意見あれば投票下さい。ではでは。

カナヲの恋人候補は?

  • 冨岡義勇
  • 時透無一郎
  • 煉獄杏寿郎
  • 竈門炭治郎※しのぶ付き
  • 輝利哉君※産屋敷家へ嫁入り確定
  • 鬼が存在しないこの美しき世界※独り身
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