※本作に登場するオリ主は、いずれも仮面ライダーシリーズの登場人物と(性格と名前が)よく似た別人の生徒というていになっています。
銃ライダー中心に気が向いたときに書いていければ、という代物。
仮面ライダーデルタとブルーアーカイブって結構相性よさそうなのに誰も取り上げないな、なんて思いながら書きました。
断章
エデン条約締結をめぐる争乱に端を発したアリウススクワッドとその主・ベアトリーチェとの因縁は終局へ近づきつつあった。
「これこそが本来の姿──偉大なる大人の姿なのです………!!」
至聖所のステンドグラスを背に、その身を異形のそれへと変えたベアトリーチェは、自身に反旗を翻した者たちへ吠える。
"それが正体なんだね、ベアトリーチェ"
そう言って倒すべき相手を見据える人間──シャーレの先生。アリウススクワッド──いまはベアトリーチェに贄とされた『姫』を除く三人だが──を背にして珍しく敵意を滲ませるもう一人の大人は、教え導くべき生徒たちとともに決戦に移る。
激しい闘いの末に、劣勢に傾きつつある戦局と、至聖所に木霊した賛歌に激昂したベアトリーチェは、新たな贄としてスクワッドの長である錠前サオリの身を頂かんとする。一時は彼女自身も承諾したことで、ほかの生徒ふたりにも緊張が走る状況となったのだが。
「……っ! このエンジン音は!?」
だが、この場所へ向かってくる何かを感じ取ったサオリの叫びで、状況は一度白紙に戻ることになった。
「こんな時に、誰……?」
「は、え、も、もしかして……」
サオリが振り向いた方向を見やるメンバー──戒野ミサキと槌永ヒヨリたちの目に間もなく飛び込んだのは、何者かがバイクで入り口から突入してくる姿だった。
やがてブレーキターンで勢いを殺すことで停車したその人物をはっきりと認識したスクワッドに、少なくない動揺が広がる。ゴーグル付きのヘルメットで頭部の半分が隠されていたにも関わらず彼女らが正体を看破できたのは、任務等で接点があった同校の生徒だからだった。
「ほう……」
面白げに洩らすベアトリーチェの声が聞こえる中、ヘルメットを脱いだ乱入者は、物言わぬまま至聖所の面々を視界に映す。
"……リナ"
名を呼んだ先生の方へ視線を一瞬よこした乱入者──
「……ふん、よいでしょう。その力を以て、彼女らを退けてみせるのです」
リナに向けたのだろうベアトリーチェの言葉に、スクワッドが息を飲む声が響く。その元凶は、いまベアトリーチェが言及した
その中から機械然としたベルトらしきものを手にしたリナは、それをノータイムで腰に巻き、銃のグリップ部分にも見えるデバイスを口元に近づけこう呟いた。
「──変身」
間もなくデバイスから「Standing by」と電子音声が流れると、ベルト右部に取り付けられていたビデオカメラ型の装備に差し込んだ。
『Complete』
すると、先ほどと同じ声質の電子音が流れたと思えば、白いフレームらしきものがリナを覆うように形成される。それが全身を覆うと、フレームが一際大きく発光し、周りの世界を白で覆った。
"……くっ! "
直視できず腕で光を遮った先生たちが、再度リナの方を見やると、主にモノクロの色彩で構成されたメカニカルな姿に置き換わっていた。
やや暗がりな至聖所の中でも存在感を示す白いストリームライン──そして、「変身」を終えたことを警告するかのように発光したオレンジの頭部センサーが、ひとりの生徒を異形たる存在へと導いたことを主張していた。
「来るか……!?」
敵対を確信したサオリがアサルトライフルを構える。
間もなく変身の際に差し込んだばかりのグリップ型デバイス──いまはビデオカメラ型の装備と合わさってハンドガンを形成していた──を握りベルトから取り外すと、頭の高さまで持ち上げ「ファイア」と告げたのちスクワッドの方へ歩き出した。
「さあ、裏切り者に刻みつけるのです……
人ならざる両腕を広げ叫ぶベアトリーチェに、先生含むスクワッドの面々により一層の緊張が走る。
いまはデルタと呼ばれるらしい姿になったリナと、ベアトリーチェに挟まれる格好だ。最悪の二正面作戦を命じる腹を先生が決めかけたところで、銃口を前へ向けたリナのハンドガンから光弾が放たれた。
「ぐ……!?」
斜線上にいたサオリが洩らすが、光弾は被っていた帽子の側面のパネルを掠めるに留まった。さほど身をかわしてはいなかったはずだが──と光弾の行方を追うと、速度を落としていなかったそれはもうひとつ奥にいた人物に向かっていった。
──その先に存在したベアトリーチェへ。
「……何の真似です?」
片腕で切り払われたことでダメージには至らなかったようだったが、自らに発砲がなされた事実に苛立っているらしいベアトリーチェの声が低く響き渡る。
"リナ……?"
仮面の向こうの真意を問うべく、呼びかけたのは先生だった。いまのはただの誤射に過ぎないのか、ベアトリーチェへの翻意を示す行為であるのか。
それに答えを返すことなく、リナはただ歩き始めた。やがて、いた位置を空けるようによけたサオリの前を通り過ぎると、二、三発と銃撃をベアトリーチェに加える。
「──くっ、来なさい! バシリカの兵よ!」
鬱陶しそうに告げられた矢先に、ベアトリーチェの周辺に着ぐるみのようなロボットが現れた。ウサギやクマを象ったらしいそれは、サオリたちがここに来るまでの道中で倒してきた敵たちだった。
「だぁアアアアアア!!」
突如大声を張り上げると、足を早め駆け出したリナは敵の集団目がけ発砲しながら突進していった。
その勢いで手近なくまロボへ飛び蹴りを決めると、彼女は左右の敵にハンドガンで牽制を交えながら攻撃を加える。
「でやッ、フッ、ダアァァァッッ!!」
射撃の合間に押し寄せる敵たちへ手足を振るう、キヴォトスではあまり見られない肉弾戦を展開するリナ。しかし、身に纏うスーツの力であるのか、ロボットは数回殴打を受けるなりあっけなく塵に還ってゆく。どうやらいまの彼女の格闘は、弾丸と同じだけの威力を発揮するようだった。
「っ……がぁああっ!!」
しかし、いくら姿を変えても多勢に無勢、やがてリナは、うさロボに羽交い締めを受け足を止められてしまう。
"サオリ、ミサキ、ヒヨリ、援護だ!"
ようやく指揮者の目を取り戻した先生の一声で、半ば呆然と事態を静観していたスクワッドたちは一斉に武器を構える。
「い、行きます……!」
リナを締め上げるうさロボの方向へ、ヒヨリの銃口が向く。やがて彼女の持つスナイパーライフルから吐き出された大口径の弾丸は、リナを締め上げるうさロボの側頭部を寸分狂いなく撃ち抜いた。
「っ……!」
拘束から解放されると、ヒヨリの方へ仮面越しに目を向けたリナは、礼を告げる代わりなのか強く頷くことでレスポンスを示すと再び戦闘に戻る。やがてサオリも混ざって乱戦の様相を呈した対暴走ロボ戦は、さほど間を置かずに終結を迎える。
「こうなれば、私自ら……!」
取り巻きを潰され吠えるベアトリーチェに対し、最後の詰めと言わんばかりに緊張感が高まる。
「草加、君の強さを……俺にくれ……!」
おもむろにこの場にいない誰かへ向けて呟いたリナは、ベルトのバックルに当たる位置からメモリらしきものを引き抜くと、それをハンドガンの上部に差し込んだ。
「チェック!」
変身のときと同じように口元へハンドガンを近づけた彼女がそう叫んですぐ、「Exceed Charge」の電子音が響く。それをきっかけにベルトから腕部にかけてストリームラインをエネルギーが巡ると、やがてリナの手にあるハンドガンの銃口へ集束した。
「ウアアアッッ!!」
叫んでいるに等しい掛け声を上げると、ベアトリーチェへ向けトリガーが引かれる。狂いなく標的の胴体に命中した紫のエネルギー弾は、三角錐の形となってドリルよろしく回転している。それを受けたベアトリーチェが苦しがっていたので、このまま胴体を抉り貫いてしまう攻撃であるのか、と考えた先生だが、そうではなかった。
「フッ!」
飛び上がると一度両足を折り畳んだリナは、そこから右足のみを突き出して前方へ向け落下する。まるで飛び蹴りをする格好だが、思えばこれこそが本命の攻撃だったのだろう。
これは先生が少し前に知ったことだが、リナの操るシステムは、かつてトリニティ総合学園内の一派がミレニアムサイエンススクールへ極秘に開発を依頼していた代物だったらしい。
強大な力ゆえ、政治的な駆け引きの末に存在が闇に葬られた、とまでしか聞くことはできなかったが、元はかのシステムがシスターフッドへ渡るはずだったと言及されたことを思い出した先生には、かの必殺の一撃が
残留を続ける三角錐型のエネルギー弾へ向け、まるでそこに吸い込まれるかのように、リナの右足がベアトリーチェに叩き込まれていく一瞬が見えて──。
リナ(オリ主)≠三原修二。
性格を寄せている以上「≒」と言ったほうがよいのかもしれませんが……。そのせいで俺っ娘になっちゃったのはちょっと悩みどころ。
下の名前は同じく原作でデルタの変身者だった阿部
さすがにこれだけだとデルタが暴れてるだけになるので続きを構想中ですが、気長にお待ちいただければ。