自分を雇う人間に失望したから、子供攫って逃げようと思う。 作:味噌
書いてもいいと言われたらからな、書かせていただきます。
私はロリコンなのかもなぁ。
とりあえず仲良くなる事にした。いざ逃げるとなった時に私に従ってもらえないと困るから。
「エリちゃん、リンゴ持って来たよ」
「……!ほんと?」
「うん。約束したもんね」
「やくそく…!」
「そう、約束。今切ってあげるからちょっと待ってね」
治崎が具体的に私に指示したことは三つ。一つ目はエリちゃんの世話、というかケア。当たり前と言えば当たり前だ、なんたってエリちゃんは子供でありながら人体実験の道具にされているのだから。治崎はちょっと鬼畜すぎると思う。絶対エリちゃんは逃してやるからな。
二つ目。エリちゃんと触れ合う時は"個性"を使ってエリちゃんの《巻き戻し》に対抗すること。これも当たり前だ。私だって消えたくはない。それにいつも"個性"を使って消えていればいざ逃げる時にも怪しまれることはない。なんせ10年以上組で生活した実績と信頼が私にはあるのだから。親父さんに "は" 本当に感謝しているが、治崎は別だ。鬼畜に付き合ってやる道理はない。
三つ目。エリちゃんを私に
「……そういえば、お姉さんの名前は?」
「私ですか?私は識飼不見と言います。識飼さん、不見さん、もしくは…『お姉ちゃん』、とでも呼んでくれていいですよ」
「『お姉ちゃん』…!」
お、刺さりましたね。
「……はい、どうぞ」
「わぁ…!」
「ふふ、ようやく笑顔になりましたね。そんなにリンゴが好きなんですか?」
「うん、でもね…」
おや?なんだかもじもじしていますね?何も恥ずかしがる事はないと思うのですが。
「お姉ちゃんが買ってくれたから……嬉しくて……」
………!!!
これは…!私でなければ死んでしまうところでした。可愛い。最高。治崎は死んだ方がいい。
「そんなに嬉しかったのなら、また買って来ますよ。なんなら…『リンゴ飴』でも食べますか?」
「リンゴ…飴…?」
「おや、知らないのですね。中にリンゴの入った甘い飴です。お店で買うと全く美味しくなかったりとても美味しかったりと当たり外れが激しいのですが…自分で作れば美味しいかもしれませんね」
「作る…!」
「エリちゃんも作りたいですか?では……明日早速、材料を買って来ますね」
「やくそく?」
「はい、約束です」
「えへへ……わぁ!」
"個性"を私とエリちゃんに発動して《巻き戻し》に備え、エリちゃんを抱っこして高く掲げる。
「これからも沢山、美味しいものを食べさせてあげますよ。いつか、自由に外へ出られたら……一緒に暮らして、毎日どこかへ出掛けましょう。寂しい思いは、させませんよ」
「………お姉ちゃんは、ずっと一緒にいてくれる?」
「当然です。エリちゃんが私のそばに居ることを望むのなら、私はそれに応えるだけですから」
「ずっとだよ?わたしと一生、ずーっと」
「…?まぁ、そうですね」
「やったぁ…!」
……何か大きな間違いを犯した気がするが、今考えるべき事はそんな事ではない。
どうやって治崎から逃げるか。一番確実なのは殺す事だが…流石にエリちゃんを前にしてそんな事はできない。でも殺さないと逃げた後も安全の保証がない。
ヒーローに通報すれば確実かもしれないが……私の今までの「仕事」でやったことがバレるとなぁ……
「悩ましい…」
「お姉ちゃん?どうしたの?」
「ん?いえ、なんでもありませんよ。……すみませんが、これから仕事がありますので。また明日会いましょう。リンゴ飴、一緒に作りましょうね」
「…うん!やくそく!」
……心が痛い。もう既に手遅れとはいえ、彼女がいる手前…手を汚したくはありません。
とにかく、急いては事を仕損じる。早く彼女を解放してあげたいですが……今は、待つしかないですね。
エリちゃんってこれで合ってるのかな。
中編あるとうざったいから、今度こそ続きはないかもしれない。
好評なら続くかも。私のゆるゆるの基準で。