引き取った従弟を世界一のストライカーにするというだけの投資兼暇つぶし   作:らら

3 / 3
U-20日本代表VSブルーロックへの参戦 後

 

 

「クソ上手ぇな、瀬古タン!!これでクラブチームに入ったことがないとかめっちゃムカつくぜ!!」

 

「士道くんは……身体能力と感覚だけに頼りすぎだね。そういうプレーは僕も好きだけど、さすがに技術が荒削り過ぎるかな。相手の突け入れる隙が多すぎるよ。」

 

「ハッ、じゃあこんなのはどうよ!!」

 

「言いづらいけど…視線とかでどこを狙ってるのかが、すぐに分かっちゃうよ。」

 

とくにイレギュラーな展開が起こったりすることもなく、僕はU-20に合流できた。

いやぁ、不乱蔦くんたちを脅したりしなくて済んで、本当に良かったよ。

 

そして今、僕は冴くんに選ばれた黒ギャル系エゴイスト…士道龍聖くんと1on1をしていた。

 

すでに数十回と繰り返してるけど、僕が負けるだなんてことは一度も起きていない。

普通の人だったら嫌気が差すくらい、めちゃくちゃボコボコにされてるにも関わらず、いまだ士道くんは嬉々として挑んでくるから、なかなかいい素質があるのかもね。

 

「どうやったら瀬古タンに勝てんの?」

 

芝の上で大の字になって寝っ転がりながら、士道くんはそう聞いてくる。

最初に見たときはすごく危険っぽさそうな雰囲気だったけど、僕にはある程度従順でよかった。

 

そのおかげで、彼のプライドを心ごとへし折るなんてひどいことをしなくて済んだし。

 

「そうだねぇ…。本気の僕に自分一人の力で勝ちたいのなら………うん、諦めよう。普通の人間じゃあ不可能だし。」

 

まずは勉学。

満点以外を取ることは絶対にないので、いくら良くても引き分けで終わる。

 

次に芸術。

採点者が心から求めているものをさまざまな情報から読み取って、それを世界最高水準の技術で作り出すというやり方をするだろうから、負けるはずがない。

勝ちたいのなら、中世ヨーロッパで生きてた天才たちを連れてきたまえ。

 

最後にスポーツ。

例えば今みたいなサッカーの1on1とかだと、相手の表情とか筋肉の動きからどんな動作を推測して、それに対応した動きを取るから負けないね。

例外に思えるかもしれない短距離走みたいなのも、精神攻撃とかでコンディションを最悪にさせて勝つだろうし。

 

僕と同レベルの天才と戦うのなら別かもしれないけど、そんな人が現れるのは天文学的な確率だ。

 

「スッゲェ自信だなぁ、瀬古タン。」

 

「他のヤツならまだしも、この人が言う場合だけは身の丈に合った自信だ、悪魔くん。」

 

「マジ?」

 

「あぁ。」

 

そう言って話に割って入ってくる冴くん。

なんでか知らないけど、少しイライラしてるみたいだね。

 

寝不足かな?

それともカルシウム不足かな?

 

「この人が本気を出すなら、今の悪魔くんがやられてるレベルじゃ済まない思考誘導とかをしてくるだろうな。」

 

「もしかしなくても、バレてたかい?」

 

「なんとなくだ。いつもの悪魔くんのサッカースタイルはアンタに一番相性が良い。だからそれを思考誘導で潰したんだろ?」

 

普通に全部バレてるじゃん。

言ってることも全部当たってるし。

 

「この人と戦うんだったら、何も考えずにやった方が適してる。いつもと違うことをさせられてたら、その時点でもうこの人の術中にハマってるってことだ。」

 

「じゃあ俺ちゃんが頭使ったのは、瀬古タンの中じゃ計画通り?」

 

「この人の闘いやすい領域に、違和感なく引き込まれたってことだな。」

 

「エグいな、瀬古タン。」

 

ドン引きしたような顔をされながら、ガチトーンでそう言われたんだけど…。

 

 

 

 

 

 

「やぁやぁ、才能の原石ども。U-20日本代表との試合まであと一週間しかないわけだが、新しい報せだ。」

 

試合のスタメンも決まり、あとは決戦に向けてトレーニングを積み重ねるだけとなっていたブルーロックの面々たち。

そんな彼らはいきなり、ブルーロックの管理者である絵心甚八に集められていた。

 

負ければブルーロックは解体となるがゆえに、集まっている全員の表情には緊張が浮かんでいる。

 

「糸師冴、士道龍聖の他にもう一人、U-20側に人員が追加された。」

 

ゴクリと誰かが息を呑む音がした。

 

張り詰めた空気が広がっている空間内で、今度はいったいどんな強敵が出てくるのかと、潔世一はそんなことを考える。

 

「で、ソイツの名前は───瀬古玖月。どんなプレーをするのかだが……なんのデータも得れなかった。というより、存在しなかった。」

 

「瀬古?」

 

その苗字はその場にいる誰もが知っているものだった。

なにせ糸師凛と並び立っている、ブルーロック内でツートップのストライカー⋯瀬古紫音と同じ苗字だからである。

 

ブルーロックのメンバーたちの視線が紫音へと集中するが、当の本人はそれらに一切気づかずに何かを考えている。

 

「サッカープレイヤーとしての情報はなかったが、どんな人間なのかは調べることができた。数多の子会社を持つ瀬古コーポレーションの会長。さらには、芸術系統のコンクールで何度も日本一や世界一を取っている。端的に言い表すのなら、本物の天才というヤツだ。」

 

あまりにも輝かしすぎる経歴。

だが、追加の人員としては不可解な点しかない。

しかし、誰かが反論を口にするよりも先に、絵心はこう話を締めくくった。

 

「だが、ソイツは糸師冴が追加の人員として認めるほどの逸材。ゆえに⋯いっさい侮ることなく、コンディションを最高にして試合に望め。話は以上だ。」

 

そうして、決戦の日はやって来る。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

僕がゴールキーパーな理由?一人で勝つのに最適だからですよ。(作者:いすとんでぃーに)(原作:ブルーロック)

▼十五歳の誕生日を迎える少し前。▼オリ主はすごいことに気づいてしまいました。▼「サッカーって一人でもできるじゃん!」▼こうして怪物は生まれたのです。▼※その怪物の見た目は男の娘で、セーブ率99%超えのキーパーな模様▼


総合評価:193/評価:5.44/連載:2話/更新日時:2026年08月02日(日) 14:34 小説情報

「15分の怪物」(作者:熊々)(原作:ブルーロック)

世界最強の覚醒は、十五分限定。▼そして、覚醒条件は——チームが二点ビハインドで残り十五分。▼それ以外の彼は、ただのサボり魔である。▼覇黒千歳、十六歳。前世は死にゲー廃人ゲーマー。コントローラーを握ったまま命を落とし、気がつけばサッカーが得意でもないガキの体に転生していた。本人いわく、「理不尽な世界に放り込まれたら、攻略するしかない」。▼ 彼の流儀はひとつ。…


総合評価:50/評価:3/連載:9話/更新日時:2026年04月28日(火) 22:25 小説情報

リアルゲーム(作者:くろばす)(原作:黒子のバスケ)

なぞの上位存在により黒子のバスケの世界に転生させられた男の、キセキの世代を全員たおすまでの物語。▼


総合評価:474/評価:7.56/連載:4話/更新日時:2026年07月05日(日) 23:32 小説情報

シャックを超えるセンターへの道(作者:MINMIN 2245)(原作:黒子のバスケ)

少しずつ文字数増やしていきます。


総合評価:73/評価:-.--/連載:4話/更新日時:2026年07月14日(火) 00:00 小説情報

ブルーロック ーEPISODE竜胆ー(作者:十六夜翔)(原作:ブルーロック)

2018年、W杯。日本代表は無残に散った。今年もベスト16止まり…。▼アジアでは強豪?組織力は世界レベル?そんなことは、もう聞き飽きた!狙うは“W杯優勝”だろ!?課題は、絶対的エースストライカーの不在。悲願“W杯優勝”のために最強のストライカーを誕生させるべく、日本フットボール連合は300人の青少年FWを招集する。イレギュラーの高校生FW・竜胆欧全はその瞳に…


総合評価:45/評価:-.--/連載:2話/更新日時:2026年05月31日(日) 23:33 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>