初代B小町にアイ超えスペック持ちTS転生者が入ってから始まる話 作:るつまと
(命助けられて、メンタル弱ってるところに耳ざわりの良いことを言われまくったら)そりゃそう(いうふうになる)よ。
アクアくんがあかねちゃんを責めないでほしいという意図を込めた動画の作成をめちゃくちゃ頑張ったおかげで、あかねちゃんの炎上騒動はいったんの終着を迎えることになった。
ついでに、彼ら彼女らが出ている恋愛リアリティショーも終わりを迎えた。
いやぁ、炎上騒動がこんなに丸く収まったなんて、僕は今でも信じられないよ。
「番組収録が終わって打ち上げをするのは良いことだと思うんですけど、なんで私まで呼び出されたのでしょう?」
「あかねとMEMちょの希望。」
鼻腔をくすぐるような香ばしい匂い放っているお肉を次々と口に運びながら、僕は隣に座っているアクアくんに問う。
アクアくんには、帰っていいぞという返事を期待していたんだけど…。
はぁ…キミにはがっかりだよ、アクアくん。
「そうですか…。話は変わりますけど…結局、MEMちょさんはアイドルに誘うんですか?」
「え?は?待ってくれ…俺、月姫さんにそのこと伝えてたか?」
「伝えられていませんよ。ただの勘みたいなものがビビっと来たので聞いてみたのですが…その反応を見るに、どうやら当たっていたみたいですね。」
良かったぁ。
もしこれで外れてたら、僕ってば完全に恥ずかしい人になってたよ。
それはさておき…MEMちょさんが受けてくれれば、ルビーちゃんたちもようやくアイドルとして本格的に活動できるだろう。
まっ、彼女たちのアイドルとしての質を見る限り、ある程度は特訓が必要かもしれないけどね。
今の彼女たちじゃあ、そこらへんの地下アイドルよりもひどいクオリティになっちゃうし。
「誘うのなら、明日の番組打ち上げの後がいいと思いますよ。」
たぶんそこが、一番つけこむ隙が多くなる。
アクアくんも、そこらへんは十全に理解していると思うけどね。
アクアくんとそんな会話をしてから、飲み物を取りに行く。
すると、いつの間にか背後に近づいてきていたあかねちゃんに声をかけられる。
「あのっ、月姫さん!!」
「はい。どうしましたか、あかねちゃん。」
「わ、私と連絡先交換してくれませんか!?」
なぜか緊張でカチコチになっているあかねちゃん。
この会話のいったいどこに、そんな緊張する要素があったのだろうか?
そんなことを考えつつも僕はスマホを取り出して、連絡先の欄に彼女の名前を追加する。
「はい。これでできましたよ。」
「あ、ありがとうございます!!」
今にもスキップをし出しそうなほど軽やかな雰囲気を纏って、あかねちゃんは席へと戻っていった。
ふふっ…僕にはよく分からないテンションだけど、なんだか可愛らしいね。
そのすぐ後に、僕は他の子たちとも連絡先を交換するのであった。
✦★*★✦
「と、いうわけで…ついに新生B小町、活動スタートだよ!!」
「私たちの後継グループが自称アイドルじゃなくなってくれて、本当に嬉しい限りです。」
いやわりと真面目に。
満面の笑みを浮かべながら、僕はフフンと胸を張っているルビーちゃんと仲間たちに拍手を送る。
その中にはつい先日連絡先を交換したばかりのMEMちょさんの姿も。
アクアくんは無事に勧誘を成功させたみたいだ。
彼、何気にスカウトマンとしても優秀なんだよねぇ。
他者を上手く、自分の流れに乗せる方法を分かってるというかさ。
「それで、グループとしての一番最初の目標はなににするんですか?」
その問いかけに、ルビーちゃんは平然とこう返してきた。
「え?そんなのドーム公演一択でしょ。」
瞬間、パシィンという軽快な音を鳴らして、ルビーの後頭部がかなちゃんがいつの間にか取り出していたハリセンで叩かれる。
おぉ!!
僕、ハリセンなんて初めて見たよ。
「なんでトップアイドルしか立てないような場所を、活動開始したばっかの私たちが最初の目標にしてんのよ。まずは普通のライブで客を満員にするところから始めないと。」
「そうだねぇ。私もかなちゃんと同意見かなぁ…?ルビーの言う通り、いつかはドームにも行きたいけどね!!」
この会話の感じだと、どこかの舞台に立つ予定とかは少しもないみたいだね。
これから舞台に立って収益が見込めるようになるまでどれくらいの期間がかかるのか…。
さすがに、今のやる気がどんどんと削られていくところは見てられないなぁ。
「三人とも…。ほんの少しでも客のいるところで踊れる可能性のある舞台があると言われたら、そこに出たいですか?」
だからさ…これくらいの手助けなら、してあげても問題ないよね?