封筒は、フーシャ村のポストに届いた。
ルフィが縁側でそれを開けると、中から円盤が転がり出た。マキノが「触っちゃだめよ」と言う前に、ルフィが摘まみ上げた。
円盤が光り
空中に、金髪の男が現れた。
『**私が、ホログラムで来た!!**』
「うおっ!!」
ルフィが縁側から落ちた。
オールマイトの映像が、笑顔のまま喋り続けた。座学は凄いギリギリで後1点も落ちていれば不合格だったが
実技試験の結果、撃破ポイント、そして——
『——**救助ポイント、六十点!!**』
マキノが、湯呑みを落とした。
『合計、百三十八点。**受験者中、一位だ!!**』
映像の中の男が、少し声を落とした。
『……君は、瓦礫の下にいる子が、見えていなかったそうだね』
ルフィは、地面に転がったまま、それを見上げていた。
『それでも行った。**それが、私たちが一番見たかったものだ**』
映像が、両手を広げた。
『**ようこそ、モンキー・D・ルフィ少年。君は、ヒーローになれる!!**』
円盤が、光を失った。
庭が、静かになった。
マキノが、口を押さえていた。
ルフィは、しばらく空を見ていた。
それから、跳ね起きた。
「よっしゃあ!!マキノ!! にくぅー!!!」
「……もう」
マキノは、笑いながら泣いていた。
その夜、電話が鳴った。
国際電話だった。
『ルフィ!!! 受かったらしいの!!』
スピーカーにしていないのに、家中に響いた。
「うるっせねぇなじいちゃん」
『何時も言っとるじゃろ!じいちゃんじゃなくておじいちゃんと呼べ!そんなじゃあ立派なヒーローになれんぞ!!!』
「も〜うるせぇなぁお…おじい…ちゃん」
ルフィは苦味を食いつぶした顔をしながら言った
『**ガッハッハッハ!!!**』
ガープは、地球の裏側で笑っていた。ヒーローとしての持ち場は、そのくらい遠い。
『雄英か。悪くねぇ。悪くねぇが、いいかルフィ。ヒーローってのはなァ、目立つのが仕事じゃあない。お前はす〜ぐ調子に——』
「なあ、じいちゃん」
『あ?』
「おれ、**英雄王になるからな**」
電話の向こうが、止まった。
笑い声が、消えていた。
風の音だけが、遠い国から届いていた。
『…………』
「じいちゃん?」
『……だからおじいちゃんと呼ばんかい!!!』
通話が、切れた。
ルフィは、しばらく携帯を見つめ
照れたようにそして嬉しいそうに笑った
「にっしししし!!」
縁側に、麦わら帽子が置いてあった。
雄英高校、一年A組。
「いや〜ここもでっけぇなぁ」
教室の扉が、ばかみたいに大きかった。異形型の生徒が入れるように、という説明を後で聞いた。
ルフィが入った瞬間、教室の奥から声が飛んできた。
「**あーーーーーっ!!!**」
制服だけが、宙に浮いていた。
「**入試の人!!!**」
葉隠透が、椅子を倒して立ち上がった。
教室の全員が振り返った。
「知り合い?」
「知り合いっていうか、入試で私を助けてくれて**腕がデッカくなって、五十センチになった人!**」
「は?」
「ほんとに! こんくらい!!」
葉隠が、床から五十センチのところに手のひらを構えた。手のひらは見えなかった。
女子が三人、集まってきた。
「うそでしょ」
「ほんと!! あたし抱えて帰ったもん!!」
「なんでそんなことに?」
「本人に聞いて!!」
全員の視線が、後ろの席に集まった。
ルフィは、すでに机の上に弁当を広げていた。
「モグモグモグモグモグ」
「「「って!早弁しすぎだろ!!」」」
「モグモグモグ」
生徒全員のツッコミが入るがルフィは気にせず弁当を食べる
そしてルフィが弁当を食べ終わり少しすると
「**男らしいな!!!**」
真っ赤な髪の男が、机を叩いて立ち上がった。
「縮むって分かってて使って助けたのか!? 試験で!?」
「使うだろ、あそこは」
「**男だ!!!**」
男が、腕を突き出した。
その腕の表面が、灰色に変わっていく。皮膚が岩のように隆起して、硬い音を立てた。
「よろしくな!俺は切島鋭児郎だ!」
「個性は**硬化**! 見ろ、これで殴られても効かねぇ!」
ルフィの目が、開いた。
「**おれもだ!!**」
「お?」
ルフィが立ち上がって、自分の頬を掴んで、真横に引っ張った。
するすると、耳の横から腕一本分伸びた。
「ゴム! 殴られても効かねぇ!」
「**うおおおおお!!!**」
「な!? すげぇだろ!!」
「すげぇな!! おれの方が硬ぇけどな!!」
「効かねぇのは同じだろ!!」
「同じじゃねぇ!! **硬ぇ方が男らしい!!**」
「伸びる方がすげぇ!!」
二人の声が、教室の他の全部の音を消した。
「**静粛に!!!**」
眼鏡の男が、腕を直角に振り上げた。
「ここは!! 遊び場じゃないぞ!! 諸君はヒーローになるために——」
「お前、腕どうなってんだ?」
「ぼ…俺は飯田天哉と言います!! そして今は自己紹介の話をしているのでは——」
「めっちゃ動くな。もっかいやってくれ!」
「**君は本当に話を聞かないな!??**」
切島鋭児郎が、腹を抱えて笑っていた。
教室の隅では、緑色の髪の男が切島とルフィの個性を聞き、机に突っ伏してブツブツと何かを呟きながらノートに何かを猛烈な速度で書き込んでいたことに誰も気づいていなかった。
ルフィが自分の席に戻る途中、机に足を上げている金髪の横を通った。
通っただけだった。
金髪の掌で、小さな破裂音が鳴った。
「**うるせぇんだよ、さっきから**」BON!!BON!!
普通の生徒なら、飛び退く場面だった。
ルフィは、身を乗り出した。
「**おおっ!! 爆発すんのか!!**」
「……あァ?」
「もっかいやってくれ!!」
「**やるかァ!!!**」
ルフィはその怒鳴りを聞いても鼻をほじりながら「けちぼ」と言って、自分の席に座った。
爆豪勝己は、その背中を睨みつけていた。
しばらく睨んで、それから舌打ちをして、また足を上げた。
教室に、また騒がしさが戻った。
「……お前ら静かにしろ」
声が、床から聞こえた。
教室が、静まった。
入り口に、芋虫のようなものが横たわっていた。よく見ると、寝袋だった。
中から、黒い髪の男が這い出てきた。目の下が、落ちくぼんでいた。
「静かになるまで、八秒かかった。もうガキじゃねぇんだ**もっと合理的に動け**」
男は立ち上がって、ゼリー飲料を吸った。
「俺が担任の、相澤消太だ」
誰も、動けなかった。
相澤は教壇に立たず、そのまま体操服の袋を教室に投げ込んだ。
「着替えろ。グラウンドに出る」
「え、入学式は」
「ナシだ、あんなもん合理的じゃない」
相澤の目が、ゆっくりと教室を舐めた。
その視線が、一番後ろで止まった。
「……おいお前」
ルフィが、口に何か入れたまま顔を上げた。
「ん?おれか??」
「その帽子は何だ」
「大切な帽子だ!!」
「そういうことじゃない、校則で制服以外の着用物は認められていない」
教室が、しんとした。
ルフィは、口の中のものを飲み込んだ。
そして、この教室に来てから初めて——**静かに**答えた。
「これは、だめだ」
「あ?」
「他は全部いい。言うこと聞く。**でもこれはだめだ**」
声を荒げてはいなかった。
笑ってもいなかった。
相澤消太が、その顔を、三秒見た。
この男は、十五年ヒーローをやっている。人間の言葉が、どこから出ているかを判別する仕事をしてきた。
いま出た言葉は、頭からではなかった。
「……授業に支障が出たら没収する」
「おう!!あんがと!!」
「ふん…だが早弁はダメだ後で反省文持ってこいよ」
「そ、そんなぁ〜!」
相澤はそれだけ言うと背を向けグランドに向かった。
教室の空気が、少しだけ緩んだ。
グラウンドは、広かった。
「これから、**個性把握テスト**をやる」
相澤が、ソフトボールを放って、受け取った。
「中学でやった体力テストと同じ内容だ。ただし——**個性の使用を許可する**」
ざわめきが起きた。
「握力、立ち幅跳び、上体起こし、反復横跳び、五十メートル走、持久走、ボール投げ、長座体前屈」
「全部個性ありきの全力でやれ」
それを聞き誰かが思わず呟いてしまった
「何それ!面白そう!!」
それを聞き相澤の目が、開いた。
赤く、光っていた。
「おもしろそう…か」
声が、平坦だった。
「よし、なら**総合成績最下位の者は、除籍とする**」
空気が、凍った。
「じ、除籍!?」
「入学初日にですか!?」
「そんなの、理不尽ですの!!」
誰かが叫んだ。
相澤は、まったく表情を変えなかった。
「理不尽?」
「お前ら本気で言ってんのか——」
「災害は理不尽か。事故は理不尽か。**ヴィランは、都合を聞いてから来るのか**」
誰も、答えられなかった。
「世の中は理不尽で溢れてる。**ヒーローってのはな、その理不尽を全部ひっくり返す仕事だ**」
相澤は、ソフトボールを放り上げ、ニヤリと笑いながら言った
「こっから三年間、地獄を見せてやるよ」
沈黙が、グラウンドに落ちた。
全員が、青ざめていた。
その中で、一人だけ、手が挙がった。
麦わら帽子だった。
「なあ、包帯〜!」
「…俺の事言ってんのか?次その呼び方で呼んだら除籍にすんぞ」
「除籍って、下から順に消えていくのか?」
「最下位一名だ」
「ふーん」
ルフィは、腕を下ろした。
そして、ルフィはニヤリと不適切に笑いながら言った。
「**じゃあ、とりあえず一番になりぁいいのか**」
誰かが、息を呑んだ。
脅されたことに、気づいていなかった。
最下位を避ける話をされたのに、**一位を取る話だと思っていた。**
相澤消太は、しばらくその顔を見ていた。
それから、持っていたソフトボールを戻し。
「ふっ……ま、そういうことだ」
少しだけ、口の端が動きそう言った
そしてその後全員の顔を見渡しながら宣言した
「んじゃあまぁお前ら**始めるぞ**」
面白そうって言ったやつ戦犯すぎて特定されたらイジメ始まっちゃう笑
後爆豪が最初にソフトボール投げるやつは彼が入試1位じゃないため消しまr「しねぇぇえ!!」BON!