山にある河童の研究所で、綴は一つの人工知能と出会う。

「KX-AI-03」。

飛行制御のために作られ、名前すら持たず、やがて新型への更新とともに消去されるはずだったソフトウェア。

その姿に、綴はかつての自分を重ねる。

――道具は、必要なくなれば捨てられて当然なのか。

綴が抱いた小さな疑問は、やがて幻想郷に生きる付喪神たちへと広がっていく。

人間に作られ、使われ、捨てられてきた道具たち。
積み重なった想いは、やがて人間に対する反乱へと変わり、幻想郷を巻き込む一つの異変へと発展していく。

道具に心は宿るのか。
ならば、形を持たないソフトウェアには?

一つの名前のない人工知能との出会いから始まる、道具と心を巡る幻想郷の異変。