もし緑谷出久にアンデルセン神父の能力が個性として宿っていたら 作:A M E N
原作:僕のヒーローアカデミア
タグ:R-15 残酷な描写 クロスオーバー AI本文利用 HELLSING アレクサンド・アンデルセン
第一章:迷いの冬、聖堂の導き
十四歳の冬、緑谷出久の手に突如現れたのは無数の銀色に輝く銃剣と古びた聖書、そしてどんな過酷な傷をも瞬時に塞ぐ異常な細胞再生能力だった。あまりに攻撃的で歪な能力に「僕はヒーローを目指していいのだろうか」と深く葛藤していた出久は、ある雪の日、心の平穏を求めて街外れの教会を訪れる。
そこで出会ったのが、同い年の少女・塩崎茨だった。神に奉仕する彼女は出久の個性を見るや、かつて異世界や古き歴史の陰で振るわれたという狂乱の聖職者「アレクサンド・アンデルセン」の名を口にした。彼女の口から語られたのは、恐れられながらも己の信仰と正義を貫き、人を護り抜いた男の生き様だった。
「僕の力……誰かを救うために使ってもいいのかな。僕は、ヒーローになれるのかな?」
震える出久の問いかけに、普段は温厚で優美な塩崎は柔らかく微笑み、力強く答えた。
「えぇ、きっとなれますよ。その力は決して悪ではありません。誰かを護るための奇蹟なのですから」
その温かな言葉に背中を押され、出久はあの日、本気でヒーローになることを心に誓った。
第二章:USJ死闘、奇蹟の足止め
雄英高校に入学し、救助訓練のために訪れたUSJでヴィラン連合の襲撃を受けた1年A組。出久は峰田、蛙水と共に一旦は水害エリアからの脱出を図るが、目の前で脳無に打ち伏せられ凄惨な傷を負う相澤先生の姿を目撃し、瞬時に踵を返した。
死柄木弔、黒霧、そして圧倒的な威容を誇る脳無。三人の脅威に対し、出久は能力を開放する。聖書を触媒にして生成した光の防壁で死柄木の急襲を阻み、空間転移を駆使して脳無の死角へと潜り込む。打撃を受け、骨が砕かれようとも、脅威的な再生能力で一瞬にして肉体を修復。爆破を伴う銃剣の投擲で黒霧の霧を散らし、戦場を翻弄した。
「なんだアイツ……死なねぇのかよ!」
苛立つ死柄木を前に、出久は満身創痍の体を再生させながらオールマイトが駆けつけるまでの絶望的な数分間を、たった一人で耐え抜いてみせたのだった。
第三章:体育祭騎馬戦、狂乱の1000万
雄英体育祭の第1種目・障害物競走を1位で突破した出久に突きつけられたのは、1000万ポイントというあまりに重い標的だった。誰もがチーム組みを敬遠する中、「あなたと共に歩みましょう」と手を差し伸べたのは塩崎だった。さらにサポート科の発目明を加え、出久をトップに戴く異色の3人騎馬が完成する。
競技開始の合図と共に、物間寧人率いるB組の3騎が殺到する。物間は挑発的な言葉で出久の注意を引こうとするが、出久は一切動じない。物間以外の2騎へ即座に合計4本の銃剣を投擲し、仕掛けられた爆弾を破裂させて敵の姿勢を崩す。その隙を逃さず塩崎がツルを伸ばして鉢巻を回収。さらに発目が用意したジェットパックで一気に跳躍した出久は、空中で銃剣を振るい、物間を打ちのめしてその鉢巻を奪い取った。
迫り来る爆豪の爆破は聖書の防壁で遮断し、距離を置く。試合終盤残り5分、轟焦凍の騎馬が襲いかかる。上鳴の放電によって動きを止められかけたものの、出久は感電のダメージを即座に再生して反撃。残り1分、飯田天哉が「レシピプロ・エクステンド」で仕掛けてくるが、警戒していた塩崎がツルを殺到させて回避を余儀なくさせ、飯田のエンジンをエンストさせた。出久チームは完璧な連携で1000万ポイントを守り抜き、1位で予選を通過した。
第四章:絶対零度と狂戦士、激突の準決勝
最終種目のトーナメント。初戦で心操の洗脳を打ち破り、準々決勝で飯田の超高速を制した出久は、準決勝第1試合で轟と対峙する。
試合開始直後、轟はステージ全体を飲み込む大規模氷結を放つ。出久は聖書を掲げて上空へ空間転移しこれを回避。刃引きした大量の銃剣を上空から降らせ、一斉爆破することでステージを濃密な黒煙で包み込んだ。視界を奪われた轟の隣へ即座に転移し、縦横無尽に切りつける。防戦一方となった轟は炎を解放して迎撃を試みるが、出久はその灼熱を突っ切り、再生の力を背に受けて強力な一撃をたたき込む。轟はダウンし、出久が決勝進出を決めた。
続く準決勝第2試合、塩崎対爆豪。爆破の火力で押し切ろうとする爆豪に対し、塩崎の二重人格が目を醒ます。普段の温厚さを脱ぎ捨てた塩崎は狂気的な笑みを浮かべ、全身に硬質なツルを纏った「狂戦士」へと変貌。爆風を強引に突破して爆豪へ肉薄し、ツルを纏った拳で殴りつける。爆豪の凄まじい反撃の爆破もツルの防壁で完全に遮断し、最後は足にツルを絡め取って場外の壁へと豪快に叩きつけた。
第五章:戴冠、神の羊と狂乱の茨
決勝戦。出久と塩崎が対峙する。
出久が放つ無数の銃剣と聖書による転移攻撃に対し、塩崎も凄まじい密度のツルを叩き込み、一進一退の攻防が続く。決着がつかないと悟った塩崎は、切り札を発動。自身の全身をツルそのものへと変化させ、巨大なツルの怪物となって襲いかかってきた。
圧倒的な質量に追い詰められた出久は、覚悟を決める。
「僕ごと……消し飛ばす!」
出久は自身の至近距離に大量の銃剣を生み出し、自爆を敢行。凄まじい爆風と衝撃波がスタジアムを揺らし、そのショックによって塩崎の怪物化が解け、生身の肉体へと戻る。
爆破のダメージが修復しきらないうちから、出久は傷だらけの体で突進。驚愕する塩崎を抱え上げ、場外へ向けて全力で投げ飛ばした。塩崎は空中から地面へツルを伸ばして体を固定しようとするが、平滑なスタジアムの床にはツルが引っかかる場所がない。塩崎の体がそのまま場外のコンクリートへと滑り落ちた。
「そこまで! 勝者、緑谷出久!」
審判の声が響き渡ると同時に、雄英スタジアムは揺れんばかりの大歓声に包まれた。満身創痍の出久は空を仰ぎ、勝ち取った勝利の味を噛みしめていた。