おにぎりには困っていないので飢え死にすることはないが、このまま無一文のままだと泊まる場所に問題があるかと思った俺。
そこで俺が持っている風来のシレンシリーズのアイテムを売ってみて、この世界の金に変えるのも悪くはないかと考えてみたが、何を売りに出すかで頭を悩ませることになった。
ダンジョン探索に役立ちそうなアイテムは沢山あるが、悪用されたらそれはそれで俺の責任になるだろう。
回復系や特殊な効果がある草は沢山あるが、補充する宛がない草系アイテムは自分用に確保しておきたいから、売りに出すのは無しだ。
そうなると売りに出しても問題ないのは特殊な効果がない剣と盾位になりそうだな。
風来のシレンシリーズの武器と盾は、様々な効果を持つ他の武器と合成したり強化を繰り返すことで強くなるが、未合成で未強化の武器や盾なら売っても問題ないかもしれない。
それでも単なる「カタナ」等では買い取ってもらえない可能性が高いんで、ある程度レアな剣と盾を用意しておく必要があるだろう。
風来のシレンシリーズでは、倉庫にアイテムを預けることが可能であるが、アイテムを複数個入れられる「保存の壺」に入れた状態で預ければ、より多くのアイテムを預けることができた。
風来のシレンシリーズのアイテムを、手にいれていたものなら取り出せる俺は、倉庫に預けていた「保存の壺」に入っているアイテムを確認し、一応倉庫で保管してはいたがダブっている剣と盾を幾つか売ってみることに決める。
ある程度レアな剣と盾を売るなら冒険者に直接ではなく、評判がいい鍛冶系ファミリアを選んだ方が良さそうだ。
鍛冶系ファミリアで評判が悪くないのは、質実剛健なゴブニュ・ファミリアと最もオラリオで有名なヘファイストス・ファミリアの2つ。
という訳で先ずはゴブニュ・ファミリアに向かってみた俺は、特に合成と強化はしていない「火迅風魔刀」と「風魔の盾」を、風魔鉄という金属が使われている剣と盾として見せてみて、買い取ってもらうように交渉してみると、神ゴブニュの目利きもあり、ゴブニュ・ファミリアには両方合わせて4000万ヴァリスで買い取ってもらえた。
次はヘファイストス・ファミリアにも行ってみて、今度は未合成で未強化な「宝剣ミジンハ」と「バジリスクの盾」を女神ヘファイストスに見せてみたが、研究用という名目で両方合わせて6000万ヴァリスで購入してくれたヘファイストスに感謝をしておいた俺。
ダンジョンに行かずに1億ヴァリスをゲットした俺は、これでしばらくは生活には困らないな、と考えながらオラリオを散歩していた。
そういえばフレイヤはどうしているんだろうかと思ったので、ちょっとフレイヤの拠点にまで顔を出してみると、フレイヤ・ファミリアの眷族達がズタボロで倒れており、ハルバードを持った見知らぬ女も居たが、どうやらその見知らぬ女にフレイヤ・ファミリアの全員は倒されてしまっているようだ。
フレイヤはフレイヤで見知らぬ女神にシバかれていて、完全に敗北していたフレイヤ・ファミリア。
とりあえずその辺に倒れていたダークエルフに「薬草」を投げつけてちょっとだけ回復させて何があったのか聞いてみると、フレイヤを至上と考えているフレイヤ・ファミリアの団員がヘラ・ファミリアに喧嘩を売った結果、ヘラ・ファミリアの団長の女帝と女神ヘラが直々に拠点に乗り込んできて、女帝に全員が叩き潰されたらしい。
最初に喧嘩売った団員が悪いが、ちゃんと団員に教育ができていなかった連帯責任として、現在フレイヤも女神ヘラにシバかれており、往復ビンタされているフレイヤは頬が腫れてきていた。
「薬草」で少しだけ回復しただけのダークエルフが動かせるのは口だけで、フレイヤを助けに行けそうにないダークエルフは俺に「フレイヤ様を助けてくれ」と懇願してきたが、別に頼まれなくてもフレイヤとアーニャだけは助けるつもりだ。
一応妹のアーニャが世話になってるんで、ある程度はフレイヤを助けておく義理はあるからな。
フレイヤを助ける為に近付こうとした俺の前に立ち塞がった女帝を倒さなければ、ヘラからフレイヤを助けるのは無理そうなので、手早く女帝を倒しておくと決めた俺。
祝福されて効果時間が倍増された「無敵草」を飲んだ俺は「秘剣カブラステギ+99」と「螺旋風魔の盾+99」に「会心の腕輪」を両腕に1つずつ装備すると、女帝に斬りかかっておく。
ハルバードで此方に攻撃を叩き込んできた女帝には「効かないねぇ、無敵だから」とだけ言っておき、プラス効果がある全ての武器と盾を合成して限界まで強化してある最強の剣と盾を装備している俺は、女帝へと何回か攻撃してみたが、会心の一撃が出やすくなる「会心の腕輪」の効果もあり発生した会心の一撃。
その会心の一撃は流石に効果があったようで、防御に使っていたハルバードを砕いて突き進んだ一撃により、血反吐を吐きながら吹き飛んでいった女帝。
死んではいないが立ち上がれないといった状態となっていた女帝は放置しておき、剣だけ装備から外しておいた俺は、シバかれているフレイヤを助けにいったが、とりあえず女帝が怪我してるんで連れて帰った方がいいとだけ伝えて回復系アイテムである「背中の壺」を渡し、なんとかヘラと女帝には帰ってもらうことができた。
一見すると頬袋にどんぐり詰め込んでるリスみたいに見えるほどに、叩かれた頬を腫らしていたフレイヤには、一応「薬草」を幾つか提供しておく。
「薬草」によって頬の腫れがひいてきたフレイヤは俺に感謝してきたが、とても疲れた顔をしていた。
「大丈夫かフレイヤ、おにぎりを食べれば元気になるぞ」
「いや、いらないわよ!?どうせモンスターが変化したおにぎりでしょそれ!?」
「おにぎりを沢山食べると満腹度が上がっていって、ドスコイって感じになるから食うんだフレイヤ。ドスコイ状態になって強化されれば、女神ヘラにも負けないぞ。パワーと腹回りが」
「腹回りまでは勝ちたくないわよ!?女神としては負けなのよそれは!?」
「素晴らしい提案をさせてもらいますわ、貴女もドスコイになってみませんこと?」
「似非お嬢様口調で言われようがドスコイは嫌よ!?」
大量のおにぎりの提供と、ドスコイさせることまではフレイヤに拒まれてしまったので、今回は諦めておくとしよう。
ちなみにドスコイ状態は、風来のシレン最新作で追加された要素になりますが、この世界でもシレンシリーズのおにぎりを食べ過ぎるとそうなります