「百合って聞くと間に挟みたくなるよねw」「分かる〜w」   作:超かぐや姫!沼から抜け出せない人

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なんか想像の30倍くらい伸びてしまったので急いで続きを書かざるを得ませんでした。
こんな地雷要素だらけの二次創作を読んでくださった皆様に感謝を。
評価、お気に入り、感想をくださった皆様にはより一層の感謝を。


今更ですがオリ主くんちゃんは原作ミリしらです。


エロ同人って非現実的な設定の竿役出るよね

 

 

 

 

 

 カフェから帰宅し、現在は彩葉ちゃんの部屋にお邪魔させて貰っている。

 もちろんかぐやちゃんについて聞くためだ。ちなみに、あの後彩葉ちゃんがかぐやちゃんを引きずって猛スピードでカフェから出ていってしまったため、芦花と真実ちゃんには一言断ってお金だけ置いてきた。

 適当に渋沢を三体くらい召喚しておいたから多分足りるだろ(適当)。まぁ足りてなかったら学校で会ったときに払えばいいか。

 

「さて、色々吐いてもらおうか彩葉ちゃん」

「な、何のことよ」

 

 かぐやちゃんが(彩葉ちゃんの金で買った材料で)作った夕飯を俺もご相伴に預かり、落ち着いた後。コンビニで買ったコーラをビニール袋から取り出しつつ彩葉ちゃんに尋問する。

 

 あ、流石に彩葉ちゃんが不憫すぎたので、夕飯代は彩葉ちゃんのふじゅペイアカウントに適当に投げておいた。俺も購入履歴横からチラ見したけど、苦学生が一食で払う金額にしてはどう考えても高すぎるわな。かわいそう(かわいい)。

 

「しらばっくれても無駄だよー。かぐやちゃんって、彩葉ちゃんが金曜に拾ってきた赤ん坊でしょ?」

「ミ゜ッ」

「ぶはっ、何今の声! おもろっ! 彩葉もっかいやってー!」

 

 カタカタとPCをいじっていたかぐやちゃんが彩葉ちゃんの変な声に吹き出す。ほんとどっから出した? 今の声。

 彩葉ちゃんは俺からの追求を躱そうと知らんぷりをしているが、無駄だ。

 無駄に高感度な俺の淫魔センサーによれば、かぐやちゃんがあの赤子だということは明らか。

 

「い、いやいや。赤ん坊がそんなすぐに大きくなるわけないでしょ? 常識的に考えてよ。あの子は施設に預けた。この子は、今日築地から遊びに来た従姉妹のかぐや。一緒なわけないでしょ」

「かぐやちゃん、またウチのおっぱい吸う?」

「んー? 昨日までと違ってもう赤ちゃんじゃないからいいかなー」

「かぐやー!!!」

 

 はい、俺の勝ち。何で負けたか明日までに考えといてください。ほないただきます、ということでコーラを開けて飲む。うめえ。

 一気にボトルの三分の一ほどを飲み、今度はポテチの袋を開ける。ついでにビニール袋から追加のコーラを取り出して二人に手渡した。

 

 これで好感度を稼げるなら安いものよ。実際高いもんでもないけど。

 俺には分かる、この子たちは絶対良い百合になるということが……!! その花を咲かせるためなら俺はいくらでも世話してやろう。

 

 そして満開に咲き誇ったところを俺が……狩る♤

 

「かぐやちゃんの分もあるから飲んで良いよ。勿論彩葉ちゃんの分もね」

「わーいありがと! うめー! 何これ!?」

「あ、ありがとう…じゃなくて!! あんたはおかしいと思わないわけ?! 赤ん坊が急に大きくなるなんて!」

「うーん…不思議だねぇ。まぁでもこの世界、結構不思議なこと多いし、そういう子がいてもおかしくないんじゃないかなー?」

「この能天気ギャルめ……!!」

 

 素直にお礼言えるところは彩葉ちゃんの良いところだと俺は思うよ。

 

 彩葉ちゃんの言うとおり、確かに赤ん坊が一晩で女子高生と同じ年齢まで育ったなんておかしいし、普通に考えてありえんことではあるんだが……

 

 言うて現実的に考えてあり得ないものなんてこの世界には他にもたくさんいるしな。

 

 そもそもTS転生してサキュバスになった俺とか正にあり得ないものの典型例だし。

 他にもいるぞ。例えばマジカル性技陰キャ童貞だとか、もはや超能力クラスの催眠術持ちおじさんとか、謎の超技術大人の玩具作成会社とか、徹夜コミケ帰りなのに夜通しオフパコできる化け物体力の絶倫キモオタとか。

 

 ちなみに、例に挙げた竿役どもの特殊能力は、サキュバスであり男性特効&耐性を持つ俺には全て無効である。悲しいね。じゃあ全員俺の養分になろうね…

 

 そんなわけで、そいつらと比較したらあっという間に成長する女の子…と言われてもインパクトとしては薄い気がする。うん、全然あり得るほうだわ。

 

 観念した彩葉ちゃんが詳細を語ってくれた。とはいえ、ここまでの情報と推測で大体は分かってたけど。

 

 かぐやちゃんは三日前にアパートの前で拾った赤ちゃんと同一人物で、月曜の深夜あたりで小学生くらいまで急成長したこと。

 その後も成長を続け、朝には彩葉ちゃんと同じくらいの年齢にまで大きくなったこと。

 今日は家から出てくるなと言ったのにも関わらず後をつけてきて、カフェで不本意にも合流したこと。いやこれは彩葉ちゃんの恨み言だな。

 

「あのとき言ってた電柱から出てきたうんぬんって本当の話だったんだねー。ウチは彩葉ちゃんが疲れのあまり頭おかしくなったのかと思ってたよ」

「残念なことに本当なのよ…」

 

 経緯を語り終えた彩葉ちゃんは明らかに疲れた表情だ。そりゃそうだ、いきなり非日常が襲いかかってきてるんだから。

 まぁ彩葉ちゃんの日常には俺という非日常(サキュバス)が存在してるけどな。彩葉ちゃんには話していないが。今のところ正体を明かしてるのは芦花だけである。

 

「かぐやちゃんは電柱に入る前はどこにいたのかとか分かる?」

「かぐやはね、月から来たの!」

「月から…これはまたずいぶん遠いところから来たんだねー。38万キロもあるし、来るのに結構時間かかったでしょ?」

「反応するのそこ…? もっとこう、他に何か無いの?」

 

 だって大事じゃない? すげー遠いし。

 宇宙船で来たのかな。フライト時間どんくらいだった? どこのクレーター住み? LINEとかスカイプとかやってる? 電波通ってる? アポロ何号機が好きとかある? 月の石の写メ持ってる? ってか男? 女? 

 

 あと他にあるとするなら…

 

「あ、それなら、かぐやちゃんの名前の由来ってやっぱかぐや姫? もしかして本人だったりする?」

「んーん、かぐやはお話のかぐや姫とは違うよ。ハッピーエンドにしたいし!! でも名前の由来は多分そう! 彩葉がつけてくれたんだよ!」

「ふーん? ちょっと安直だけど、ぴったりじゃん。彩葉ちゃんネーミングセンスいいね」

「だからそうじゃなくて……! はぁ、もういいわ…」

 

 彩葉ちゃんが諦めたように言う。うんうん、人生諦めが肝心だよ。まぁ確かに、普通の人からしたらかぐやちゃんの存在は衝撃的かもな。

 

 でもここにいるのは宇宙人とサキュバスだから。普通の人の彩葉ちゃんの方が少数派なんだよね。残念。

 言うて彩葉ちゃんもそんなに普通の人か? という疑問はあるが。

 

「てか、ウチがそんな細かいこと気にする性格じゃないって知ってるっしょ?」

「それは…それなりに付き合い長いしね」

「そーだそーだ、ノリ悪いよ彩葉!」

「あんたは黙ってなさい。てかよく考えたら月から来たとか電柱から出てきて急成長したとかって、そんなに細かいことか…?」

 

 あ、バレた。いいや、このまま押し切れ。

 

「まぁでも良かったんじゃない?」

「何がよ…」

「だってかぐやちゃんが赤ん坊のままだったら、彩葉ちゃんが育て続けるのは無理だったでしょ」

「…まぁね」

「えー?! 彩葉、かぐやのこと捨てるつもりだったの?!」

「そうは言ってないでしょ! でも、現実的に考えて赤子の世話をする余裕は私には無い。っていうか、もう十分育ったんだし早く月に帰りなさいよ!!」

「絶対ヤダー!!」

「声がでかい!」

 

 PCをいじる手を止めたかぐやちゃんがガバッと視線を上げ、よく通る声で彩葉ちゃんに泣きつく。うん、ちょっと静かにしないと苦情入るかもね? このアパートの壁、厚紙レベルの薄さだし……隣は俺だから良いんだけど、この音量だと部屋一つくらいなら貫通するぞ。

 

 てか彩葉ちゃんほんとに聖人だな。俺が彩葉ちゃんの立場だったら無理矢理にでもかぐやちゃんのこと叩き出してると思うよ。てか普通の人ならそうすると思うが。

 それを強く言うだけで、しかも何だかんだ受け入れてしまいそうな彩葉ちゃんは間違いなく超が付くほどのお人好しだ。まぁそこが彩葉ちゃんの良いところなんだが。

 

「捨てないで〜彩葉〜!!」

「ええい、まとわりつくな!! マジでここでは匿えないんだっつの!!」

 

 言い合いながらクソ狭い部屋でじゃれ合う彩葉ちゃんとかぐやちゃん。尊い。食べたい(邪悪)

 

 ……彩葉ちゃんに抱かれてギャン泣きしてたあの子がかぐやちゃんかー。ほんと、エロ同人ベースなだけあって不思議な世界だわ。いや、原作ありきなんだっけ? 何の原作なのか全然分からんけど。

 

 そう思いながら、俺はつい三日前のことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

「あひぃ…」

「んぐ、不味……ふぅ、これで今日はラストかな。いやーしかし東京は本当に人が多いね。おかげでエネルギー収集にも困らないわー」

 

 パパ活(意味深)相手のおっさんが干からびて気絶してしまったので、代金を勝手に財布から抜き取る。財布ごと持って行ったりはしないよ、俺は誠実な(笑)サキュバスだからな。また金と精を貯めて俺を買ってくれよな。

 

 それにしても東京はいいな。勿論エネルギー収集的な意味で。

 ここで暮らし始めてから一年と少しだが、人口が多いだけあって既に京都にいた頃に集めたエネルギーに近い量が集まりつつある。つまり俺の所持エネルギー量は、たったの一年程度で倍近くなっているということだ。

 

 素晴らしい。このまま行けば男体化もそう遠い夢じゃないな。今のところ足りそうな気配は全くないけど。

 …希望を持つのは自由だ。

 

 さて現在時刻は22時。今から買い物してアパートに帰ったら23時くらいか…ギリ補導されないぐらい? 

 

 別にホテルに泊まっても良いんだが、今週まだ二回しか家に帰ってないんだよなぁ。

 で、祝日である月曜の夕方は彩葉を護る会(会員数三人)で集まる予定あるし、その後は周辺の掃除(意味深)に行くつもりなんだよね。出先に泊まってそこから直で学校行くし家には帰らない。

 

 うし、土日くらいは家で過ごそう。もし補導されたら……警官を魅了して誤魔化すか。あ、女性警官だったら終わりです。申し訳ないけど彩葉ちゃんに迎えにきてもらう。そん時はなんか奢るわ。

 クソ迷惑隣人でごめんな! 連れ込みだけは一度もしてないから許して!! 

 

 

 

「夢魔(ゆま)…どうしよう…」

「ええっと、どういう状況?」

 

 帰ったらなんか彩葉ちゃんが赤ん坊抱えて突っ立ってた。おもろ。

 

 

 

「…彩葉ちゃん、疲れてんじゃない?」

「本当だってば!」

 

 外は治安が悪いということで彩葉ちゃんの部屋に避難したら、今度は赤ん坊がギャン泣きし始めたのでどうにかこうにか泣き止ませた。

 顔芸したり揺すったり俺が能力で体から良い匂いを出したりと色々試したが、最終的に彩葉ちゃんが月見ヤチヨの曲である「Remember」を子守唄がわりにしたら泣き止んだ。

 

 で、今はようやく眠ってくれた赤ちゃんを横目に小声で事情を聞いているというわけだ。

 

「にしても、虹色に輝くゲーミング電柱から出て来たねぇ…」

「改めて言葉にされると信じてもらえる要素ゼロ…!」

「まぁ大事なのは彩葉ちゃんが赤ん坊拾ったってことだし、そこは良いんだけどさ。まさか彩葉ちゃんの子じゃないよね?」

「当たり前でしょ!!」

「じょーだんだよ」

 

 隣の部屋で暮らしてるんだしクラスも一緒なんだから、妊娠してたら分かるよ流石に。その前に彩葉ちゃんに近づく種(・)の方が淫魔センサーに引っかかる。

 

 まぁ電柱云々は言い訳としても、アパートの前に赤ん坊が落ちててそのまま見捨てることもできずに拾っちゃった、ってのは本当なんだろうな。彩葉ちゃんがその状況で放置できるわけないし。

 

 …でももうちょっとマシな嘘は思いつかなかったんか? 流石に慌てすぎでしょ。ウケる。

 

「…んー、とりあえず様子見よっか? 今日はもう遅いしさ」

「え、でも…」

「この時間から頑張っても多分いいことないよ? 通報したとして、今からじゃ警察も対応してくれるとは思えないよー」

 

 あと彩葉ちゃんの頭が回ってなさすぎるし。今俺にした説明をそのまま警察に言ったら多分イタズラ電話と思われて切られるぞ。見てる分にはおもろいんだが。

 

「…そうね。警察に通報するにしても明日でいいか…」

「そうそう。こんな疲れてる状態じゃ正常な判断なんてできないってー」

 

 俺はそう言って一旦床から立って部屋に戻り、遠征でたまに使う寝袋を持って戻ってきた。帰ったと思っていたのか、彩葉ちゃんが目を丸くしている。

 俺そんな薄情だと思われてる??? これでもかれこれ五年以上は友達やってると思ってるんだが…見捨てて帰るなんてしないっつーの。

 

「どうしたの?」

「いやー、ウチも流石にここで彩葉ちゃんに丸投げするほど悪魔じゃないよー。ウチも手伝うって」

「え……」

「彩葉ちゃん、ただでさえ最近バイトしまくって疲れてるでしょー? これ以上負担増やしたら死んじゃうよ」

 

 知ってるぞ、最近睡眠時間を6時間も取れていないことを。壁が薄いのと俺の耳が良いのとが相まって、勉強している音も丸聞こえだからな。

 予習復習は確かに大事だけど、睡眠だって同じくらい大事だということをそろそろ物理的に教えたほうがいいか…? 

 

 精エネルギーがあれば食事も睡眠も、おそらくは肉体すらも必要ない化け物の俺と違い、超人とはいえ彩葉ちゃんは人間の範疇。無理しすぎは厳禁だ。

 

「どうせ休み明けまでには警察に通報すると思うし、面倒見てる間くらいはウチにもお世話させてよ。連休中に勉強もしたいんでしょ?」

「なんでそこまで…」

「あは、気にすんなってー。彩葉ちゃんにはいっつも勉強見てもらったりしてるしさ。お互い様、お互い様」

 

 嘘♡やっぱ気にして♡最近彩葉ちゃんも芦花といい感じの関係になるかもって思ってるから好感度稼ぎに必死なの♡♡全てはいずれ咲く百合を喰らうため♡

 

 それに、だ。

 茶化すのをやめて彩葉ちゃんの目をしっかり見る。翡翠色の、でも睡眠不足で充血している頑張り屋の目。

 

「……ウチ、こんなんだからさー。女子には嫌われてるし、男子もそういう感じじゃん? 彩葉ちゃんみたいに、色眼鏡抜きに普通の友達やってくれる人って、めっちゃ貴重なんだよねー」

「あ…」

「感謝してるんだよ、ほんと。いつもありがとね」

「……」

 

 俺の体は人間じゃないが、精神まで化け物になったわけじゃない。友達と話したいときだってあるし、人間関係が恋しくなることもある。

 

 だから昔から態度を変えない彩葉ちゃんは、俺にとって本当にありがたい存在なんだ。

 

 

 

 ま、それはそれとして百合になったら食べたいんですけど!!(台無し)

 

 

 

「んじゃ、おやすみー。赤ちゃんが夜泣きしたら任せて〜」

「…ありがと。おやすみ」

「ういー」

 

 そうしてその日はそのまま就寝した。

 

 翌日、よく眠れたのか彩葉ちゃんはだいぶ顔色が良くなっていた。なんか赤ちゃんがちょっと大きくなってる気がしたけど気のせいやろ(適当)。

 

 その後の連休中は、赤ちゃんの面倒見たり、家事の代行したりと忙しく過ごした。

 いやー可愛いね赤ちゃん。よく泣くけど、笑ってるところを見てるだけで許せる。赤ちゃんができると生活の中心がその子になるとはよく言ったものだ。あれ、彩葉ちゃん勉強の手止まってるけど大丈夫? 

 

 そういえば、彩葉ちゃんが西竹屋に乳児用品を買いに行ってる間、口寂しそうにしていた赤ちゃんにおっぱい吸わせてあげたら死ぬほどテクニシャンでほぼイキかけるというハプニングはあったがそれは省略する。

 乱れた姿を彩葉ちゃんに見られて事件かと勘違いされちゃったよ。いやぁ、あの子は将来いいタチになりますねこれは…

 

 で、なんだかんだ二人で一緒に三日近くも赤ちゃんの面倒見ていた。最終的には月曜の昼過ぎ、俺は彩葉ちゃんに警察への通報を任せ、離脱して自分の予定を消化しに行ったのだった。

 

 

 

 そして遠征も終わり火曜日の今日、学校帰りに一狩り行ってからカフェで合流したというわけだな。

 でもまさか赤ん坊がこんなに急成長するとは…そんな面白イベントがあるんだったら遠征延期してでも見てれば良かったなぁ。今度からは近くにいたほうが、いやでも遠征も大事だし…

 

 いいや、またそんときに考えよ。

 

「四、食費は定額制!」

「増えた!」

 

 色々思い返していたら、なんかかぐやちゃんがこの家に住むためのルールみたいなのが決まっていた。彩葉ちゃん、さっきまで匿えないとか言ってたくせに養う気満々じゃん。

 普通の人はそんなルールとか無しに追い出し一択なんだということに気づいていない。さては聖人だな? 

 

 その後、彩葉ちゃんたちはツクヨミで月見ヤチヨのライブを見に行くとのことなんで、俺は退散することにした。

 

 てかかぐやちゃん、彩葉ちゃんの金でスマコンも買ったの? あれ最新型だと十数万するんだけど。やばすぎ。ウケる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そいじゃまたねー」

「ばいばーい!」

「じゃあね」

 

 バタンと扉が閉まり、すぐに隣の部屋の扉が開閉する音がした。ふんふふんと鼻歌が聞こえる。随分機嫌が良さそうだと思ったけど、夢魔はいつもだいたいこんな感じだなと考え直した。

 

 今日は色々ありすぎた。かぐやは宇宙人バレを恐れずに外出してくるし、勝手に貯金でスマコン買われるし、夢魔にかぐやの正体バレするし。

 でも、夢魔に色々バレたことに関しては、正直あまり気にしていない。あの子はあれで口が固いし、秘密を言いふらすようなことはしないだろう。

 

 そもそも、夢魔は勘が鋭いのでいつまでも隠せたとは思えない。むしろ後になればなるほど言い訳がキツくなるので、先に白状したのは良かったのかもしれない。うん。

 かぐやが赤ちゃんだったとき手伝ってくれた夢魔に事情を隠すのも不義理な気がするしね。

 

(手伝ってくれたといえば、かぐやが赤ちゃんだったとき、夢魔がかぐやに吸われてたな……何がとは言わないけど、でっっっっ…って感じだった。あとえっっ)

 

 …いやいや、そうじゃないだろ。正気に戻れ。

 実際のところ、隠し事が共有できる相手がいるというのはありがたい。いくら何でも、こんな意味不明なこと芦花や真実には話せないし。頭おかしくなったと思われるわ。

 

 かぐやは口軽そうだから、頻繁に他の人と会うとすぐに宇宙人バレしそうなんだよね…。その点、事情をわかってる夢魔がいてくれると助かる。夢魔なら、正体バレそうなときに咄嗟に隠すアシストもしてくれそう。

 

 全く、こんなことでも相談できる友達がいて本当よかっ────

 

 

『彩葉ちゃんみたいに、色眼鏡抜きに普通の友達やってくれる人って、めっちゃ貴重なんだよねー』

『感謝してるんだよ、ほんと。いつもありがとね』

 

 

「ッ…」

 

 普通の友達。

 夢魔はそう言ってくれた。私だってそう思ってる。

 

 

( 本当(ほんとう)に? )

 

 

 純粋に、普通の友達だって、夢魔の目を見ながらでも言える? 自分の安全のためにあの子を利用しているのに? 

 一瞬だけ、針が刺さったような痛みを感じた気がした。

 

 夢魔は笑いながら、私を友達だと言ってくれる。

 しかし、私にあの子の友達を名乗る資格はあるのだろうか。

 私は──

 

「彩葉? ツクヨミってとこ行かないの?」

「あ、うん、ごめん。じゃあやり方教えるけど、まず──」

 

 かぐやの呼びかけで中空を漂っていた意識が呼び戻される。いかんいかん、ヤチヨのライブの時間が迫ってるんだった。今回は握手券付きだし…! 

 気を取り直してかぐやにスマコンの使い方を教え、幻想的なツクヨミの世界へと二人で飛び込んだ。

 

 …で、ライブが始まる前までは、かぐやにツクヨミを案内しながら夢魔のことについて考えたりしていたんだけど。

 

 ヤチヨのライブがあまりにも神すぎて、そしてその後に発表されたコラボライブの情報が衝撃的すぎて、それまで考えていた暗いことなんて全て頭から吹き飛んでしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 




続きとか考えてなかったので書き溜めとか全然ないです。
それでもよければ、今後も不定期ですが本作をよろしくお願いします。
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