雲の上を、小型ソリが走っている。操縦席には帽子をかぶった青年が一人。助手席には古臭いクマのヌイグルミを抱えた女の子が一人。
「次はどこに行くの」
 女の子が操縦士に問い掛け、小首を傾げる。すると、操縦桿を手にする青年は、女の子の顔を見る。
「願いを叶えに行く」
「願いを?」
 女の子は、瞬きをする。その仕草を瞳に映しながら、青年は口の端を少しだけ上げ、小声で呟く。
「弟子の指導がてらな」
 小型ソリは、のんびりと走っていく。何処までも何処までも。青年と女の子とクマのヌイグルミを乗せて……。