時が過ぎるのは早いもので、アレから2年、俺は中学3年生に上がった。
「うむ、小鷹も大分呪術師としての戦闘に磨きがかかってきたな」
「ええ、夜蛾先生のお陰です。ありがとうございます」
「フッ…謙遜するな、今の段階でオマエは擬装しなくとも一級には届きうる…よくぞここまで強くなったな」
その言葉に俺は内心泣きそうになった。かなり苦労して戦い方を身に着けた分、それが客観的に見て実を結んでいるならとても嬉しいことだ。
「来年には…高専入学ですね」
「ああ、だが…来年はかなり問題がある生徒達になりそうだ…」
「と、言うと?」
「五条家の六眼、無下限持ち…呪霊操術を持った一般家庭出身…そして反転使いだな…」
前世知識で知ってはいるが、改めて聞くと…
「化物じゃないですか…」
「いやオマエもかなりおかしい側の術師だからな?」
「……?」
そんな事を夜蛾先生は言ってるが、俺はおかしくなんてない。ただの凡人だ…失礼しちゃうな。
「不服そうな顔をするな…」
「とりあえず、後の一年は俺は術式の成長に重きを置きます」
「ああ、そうしろ。オマエの基礎に関してはもう文句はない。後はオマエの術式の解釈をどう拡げるかだな」
そう、俺の術式に関してだ。アレはたしか…1年ほど前…
ーーーーー
「小鷹、オマエの術式に関してだが…」
ある日、修行の休憩時間中に夜蛾先生はそんな事を聞いてきた。
「多分…夢、に関するモノだと思います」
「ユメ…か?」
「はい、と言っても俺が擬装に使うカプセムですが、このヴォイドカプセムに倒した呪霊の力を取り込むことで、何かしらの能力を得るみたいです」
「となると…呪霊操術に近いものか」
「でも実際はそこまで便利ではないです。一度倒して、夢の中で対話してそこで初めて力を得る事ができるんです…」
「対話…?呪霊とか?」
「はい、一度倒した呪霊はヴォイドカプセムに入るんですが、それをナイトインヴォーカーにセットして眠ることで、夢の中で対話ができるんです。何故だか夢の中の呪霊達は皆理知的で、何故力を欲するのか、その力をどう活用するのか…俺自身の願い等も聞いてくるんです」
「それに呪霊が納得した場合のみ、力を得ると…」
「そうなりますね、かなり使い勝手の悪い術式です」
「今持っているカプセムは?」
「マシーナリー、ウイング、インパクト、ワンダー
、ですね…」
「効果は…聞かないでおこう」
「助かります」
ーーーーー
そして現在に戻る。
「でも実際…俺の術式に関してこれ以上伸ばしようがない気がしていて…強いて言うなら強い呪霊を倒して力を得るくらいですかね…」
そう、現状俺ができることはそのくらいだ。現在俺はナイトインヴォーカーを元にして『あるアイテム』を制作しているのだが、難航している。
「ふむ、まぁとりあえずニ級から一級程の任務を回そう。まだ正式な術師ではないから俺と同伴になるが、構わないか?」
そんな事を提案してくれる夜蛾先生。此方としても願ったり叶ったりだ。
「はい、よろしくお願いします」
ーーーーー
「顔合わせ…ですか?」
そう、今俺は唐突に夜蛾先生から来年入学する同期の一人が顔合わせをしたいとのことで、同伴を頼まれていた。
「本っ当にすまない…!!相手があの五条家でな、何処からかオマエの事を嗅ぎ付けたらしく…五条悟が小鷹…お前と合ってみたいらしい」
なるほど、後の同期でもあり最強でもある五条悟と入学前の今会える……悪くは無いか…?決して勝てはしないだろうが、差を知っておくのも大事だ。
「わかりました。謹んでお受け致します」
「すまない……」
そうして俺達は新幹線で京都へ向かった。
ーーーーー
「コイツが小鷹剣生ぃ?」
姉さん…助けてください。今現在俺は…五条家のボンボン、五条悟に出会ってそうそうガンを飛ばされています……怖えぇ…何コイツゥ…
「雑魚じゃん!!なんだ、期待して損した〜!!」
言ってくれるな、このボンボン…!!
「はじめまして、小鷹剣生と申します。来年から…」
「良いってそういうの、お前みてぇな雑魚に興味ねぇし」
呼んどいてその態度か…!!
「おい、オマエ…、思い上がるなよ…?」
「は?」
「おい小鷹!!やめろ…!!ここは本家だぞ!?」
「夜蛾先生は黙っていてください、さっきから黙って聞いていれば…余程甘やかされて育ったと見える」
「はっ(笑)、何?オマエ如きが俺に楯突くワケ?」
「あ゛?お望みならボコボコにしてやる…!」
「上等だよ!!」
そうして俺達二人は五条家の試合場に向かうことになった。
ーーーーー
「一般家庭の餓鬼の癖に悟様に対してなんて態度だ!!即刻処すべきだ!!」
そんなヤジが至るところから飛んでくる。
「はっ!完全アウェーだなぁ?オマエ」
「場の空気程度で俺の戦闘力は変わらない…」
「あっそ!!」
ブンッ!!
そう言って五条は瞬間移動じみたスピードで懐に潜り込んでくる。恐らく蒼の応用だろう。
「……」
パシッ!グンッ!
「おっと?」
五条の腕を掴んで投げ飛ばすが、軽々と着地される。
「へぇ…見えんだ今の?ウチの雑魚共よりは、多少マシかな?」
「言ってろ」
俺は五条に向けて駆け出し、呪力を最大限纏った拳で突きをかます…が
「…!!」
「やっぱオマエじゃあ俺を楽しませることはできねぇよっ!!」
ゴウッ!! ドゴォッ!!
五条に当たるはずだった拳は空中で静止し、背後に作られた収束の力場に体が引っ張られる。
そのまま俺の体は壁に追突した。
ーーーー五条Side
最初はただの興味だった。変わった術式を持ち、一人で町の呪霊をほぼ全て祓っていたと聞いたとき、他の奴らとは違うかもと、そう考えていた。
結局俺の勘違いだったな…
「はぁ…つまんね、帰ろ」
そう言って俺は本邸に帰ろうと踵を返した時だった。
イレイス
そんな音声が鳴ると同時に、場に合わない音楽が鳴り響く。
オンユアマーク オンユアマーク
「擬装…」
声が聞こえる…アイツだ…!
インヴォーク ナイトシステム
イレイス
土煙が晴れた、その場に居たのは…光を反射し、此方を睨めつける銀色の戦士だった。
ーーーーーノクスSide
「はっ!!まだやるってか!?」
五条はそう言って此方に向き直る。かなり危なかった…吸い込まれる勢いを利用して吹き飛ばされた時、俺はインパクトカプセムを使い同じくらいの勢いで壁を殴って衝撃を相殺したが…少しでも遅かったら戦闘不能だったろう。
「自惚れたお前に思い知らせてやる」
「やってみろよ!!」
俺は五条が猛スピードで迫ってくる様子を捉え、ジャストタイミングで腹に蹴りを入れる…がやはり止められる。
「何度やっても無駄だ!!」
五条はそのまま俺を殴り飛ばす。かなり痛い…。やはり拳に蒼の反応を乗せているな…!
「ならオマエの無下限を破るまでだ」
「はぁ?できる訳ねーだろ!?」
俺は五条の言葉を無視してナイトインヴォーカーのトリガーを三度押し込む。
音楽が鳴り響く。
「何しようってんだ!!」
五条が走って向かってくる。かなりの呪力を拳に込めている、一撃で鎮める算段だろう…
俺はカプセムを思い切り回し、拳を構える。
イレイス!
フェイタル!!
俺は向かってきた五条の腹に思い切り拳を突き立てる。
「なぁっ!?」
そう、俺のイレイスの力によって一時的に五条の無下限を無効化、破ることができた。そのまま殴り抜ける…!!
ドゴォッ!!
「グフゥッ!!?」
五条は吹き飛ばされた。周りの観客…五条家の人間が寄っていく。
「悟様!!貴様!!なんてことを!!到底許される事では…!!」
「うるさい」
吹き飛ばされた五条が付き人を睨めつけてそう言う。五条は何故か…笑っていた。
「さ、悟様…?」
「さっさと消えて、殺すよ?」
「はっ!はいぃ!!」
付き人は何処かに走り去っていった。
「改めて、オマエ…名前は?」
「小鷹剣生だ、お前は?」
「五条悟」
「そうか、じゃあ悟だな…」
「じゃあ俺は剣生だな!よし!続きやろうぜ!!」
あれ?自己紹介して終わりの流れでは…?
「まだやるのか?」
「当たり前だろ?俺に拳を食らわせたのはオマエが初めてなんだ…付き合ってもらうぜ?」
コイツ……
「全く…しょうがないな…!!!」
同時に俺と悟は駆け出す。
まぁ…勝敗に関しては、俺の負けだった。
ーーーーー五条Side
「いやぁ〜!面白かったぁ!!」
アイツ…剣生!まさか俺の無下限を破るなんて!!もしかしたら世の中にはまだ俺の知らない強者がいるのかもしれない!!
それを教えてくれたアイツには感謝だな、
「高専入学が楽しみになってきた!!!」
ーーーーーノクスSide
「すみませんでした…夜蛾先生」
「全くお前は…お前は煽られてもそう簡単にはキレないと思っていたんだが…」
「俺の未熟の致すところでした…すみません」
「まぁ結果的に五条悟本人は満足していたし、良しとしよう。帰り飯ぐらいなら奢ってやる」
「ありがとうございます、ラーメンで」
「お前意外と遠慮ないよな…」
こうして初の顔合わせは終わった。かなり濃い一日だったが、強者との手合わせが出来て自分としても得るものが多い一日であった。
ちなみに小鷹君の持っているヴォイドカプセムは、
最初にナイトインヴォーカーが入っていたアッシュケースから
無限に出てくるぞ!!怖い!!
三人称SideとノクスSide、どちらがメインの方がいいですか?
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三人称Side
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ノクスSide
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どっちでもいい