カロス地方の、とある小さな町。
かつて、そこには貧しくも幸せな家族がいた。

母のクレールと、息子のリュカ。そして、幼い頃から家族同然に育ってきたゼラオラ。

しかし、母が病に倒れた日から、彼らの日常は少しずつ壊れていった。
治療法はある。けれど、治療を受けるための金も、生活を支える余裕もない。

母を救うためにミアレシティへ出稼ぎに出たリュカは、家具も家電もない安アパートで暮らしながら、ひたすら働き続けていた。

そんなある日、職場のテレビから流れてきたのは、ZAロワイヤルの宣伝。

――Aランクに到達した者には、願いを一つ叶える権利が与えられる。

馬鹿げた話だと思った。
それでも、他に希望なんてなかった。

家族を救うために夜のミアレへ足を踏み入れた青年は、やがて一人の少女と出会う。
その出会いが、彼の知らなかった優しさと、決して見せたくなかった自分自身の弱さを暴いていくとも知らずに。

これは、誰かを救うことばかり考えていた青年が、誰かに救われることを知るまでの物語。