ワームとネイティブの両方を壊滅させて8年後・・・ゼクターに選ばれ、激闘の末に生き残った資格者達はそれぞれの道を歩んでいた。
ある者は天の道を行き総てを司る為に世界を放浪する者
またある者は闇の中でも輝き続ける白夜の世界へと亡き相棒の思いと共に旅立った者
またある者は世界に名を馳せるメイクアップアーティストになった者

これは・・・あの激闘から8年が経過した世界に生きる資格者の一人。【加賀美 新】の決して語られる事の無い一つの事件の物語である。


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どうも『B.D』なる者です。
何時もはIS×ウルトラマンベリアル&ダークネスファイブのクロスオーバー作品『ダークネス・ストラトス』を書いている作者です。

今回は知人と話した時に出たお題、『仮面ライダーカブト』『2015年』『日本』で書いてみました。

それでは、私こと『B.D』の織り成す仮面ライダーワールド、とくとご堪能ください!


仮面ライダーカブト外伝 ~仮面ライダーガタック AFTER WORLD~

ワームとネイティブの両方を壊滅させて8年後・・・ゼクターに選ばれ、激闘の末に生き残った資格者達はそれぞれの道を歩んでいた。

ある者は天の道を行き総てを司る為に世界を放浪する者

またある者は闇の中でも輝き続ける白夜の世界へと亡き相棒の思いと共に旅立った者

またある者は世界に名を馳せるメイクアップアーティストになった者

 

「へっきし!」

 

これは・・・あの激闘から8年が経過した世界に生きる資格者の一人。【加賀美 新】の決して語られる事の無い一つの事件の物語である。

 

 

 

仮面ライダーカブト外伝 ~仮面ライダーガタック AFTER WORLD~

 

 

 

ワーム・ネイティブとの決戦から8年・・・日本の東京都のとある場所に交番にそこに彼はいた。

 

『先日、●●区で起きた強盗事件当時、周囲で重加速反応が見られた事が警察の調査により判明しました。これに関して警視庁は一年前に起きたグローバルフリーズに非常に似ているという事で最近、巷を騒がせている怪物の仕業ではないかと見ており、新たに人員を動員し、さらなる詳しい調査をすると宣言しました。』

 

「また怪物の仕業か~。確かに、今回の強盗事件は色々とおかしい所が多いもんな」

「加賀美先輩。お先に失礼します」

「おう。お疲れ様」

 

テレビで取り上げられてるニュースを真剣に見ながら返事を返すこの若々しい男こそ8年前のワーム、そしてネイティブとの戦いの中で『戦いの神』と呼ばれたマスクドライダーシステム「GATACK」の資格者に選ばれ、その激戦に身を投じた男・・・【加賀美 新】である。

21歳で戦いに身を投じ、全てが終わった一年後に今の職である警官となりそこから歳月を得て今に至る。

 

「あ~それにしても重加速か~」

 

彼は一度、警視庁本部で重加速について説明を受けたことがある。

 

「確か、クリム・スタインベルト博士がが開発した超駆動機関【コア・ドライビア】が起動することで発生させる事が出来る現象で周囲の人間や物体の動きが遅くなるんだっけか。発生している間、有効範囲にいる生物は意識は明瞭なまま体だけが鈍重になるような感覚に陥るんだよな。一般市民には「どんより」という名称で知られ、重加速の発生状況を通知するアプリケーションも配信されてたっけ。どれどれ」

 

そう言うと彼はスマートフォンを取り出して重加速発生現場マッピングアプリ【どんよりチェッカー】を起動させた。

 

「今日も多いな。さて、マッピングマッピング」

 

そう言うと彼は自分のロッカーから一枚の大きな紙と大量の付箋を取り出して机に広げた。

 

「えーと・・・今日はここの周辺が12件。この周辺が8件・・・」

 

加賀美は毎日決まった時間にこうして【どんよりチェッカー】を起動させてはエリア分けした区画にその時間までに観測されたどんよりの数を付箋に書き貼り重ねている。

 

「ふぅ。18時の分、終わりっと。それにしても最近、渋谷周辺のどんより回数が増えているな」

 

彼は、今まで自分のマッピングした区画に貼られた付箋の数を足していき、ここ最近で渋谷区周辺でのどんよりの報告回数が以上に増えていることに気がついた。

 

「渋谷か・・・」

 

【渋谷】。その土地の名は加賀美にとって別の意味を持っている。

8年前、加賀美がまだワームとの激闘に身を投じていたその一方で自身の使っているガタック等の《マスクドライダーシステム》。そして、警官になる前の加賀美が所属し、更にはマスクドライダーシステムを開発した今は亡き組織《ZECT》。

当時、加賀美は《マスクドライダーシステム》と《ZECT》。この二つの真実を探っていた。

その時に訪れたのが《エリアX(渋谷)》である。

彼はエリアXにあった旧ZECT基地で既に自分が生まれる前からガタックの資格者に選ばれていた事を知った。

 

あれから8年。ZECTはワームの全滅により解体され、エリアXだった渋谷も今では完全に復興している。

しかし、加賀美は一度も行った事は無かった。

 

「はぁ・・・一度、行ってみるかな」

 

加賀美はそう言うと地図と付箋を自分のロッカーに戻し、着替えを終えると後続の警官と交代し、すっかり暗くなった道をバイクで走りながら家に帰った。

 

・・・その頃、渋谷では・・・

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

女性は逃げていた。

街の街灯だけが照らす夜道を何かから逃げる様に走っていた。

 

「キシャァァァァァ!」

 

いや、確実に何かから走って逃げていた。

女性の後ろから何かの鳴き声が聞こえ、確実に女性を追いかけていた。

女性を追いかける姿の正体は右手に大きな鉤爪を持ち、全身は刺々しい体を持つ鋼の様な色をし、胸には野球のホームベースを横に伸ばしたかの様な形のプレートがあり【108】と番号が書かれている怪物だった。

怪物は一度立ち止まると腕を顔の前で交差させると咆哮と共に下に下ろした。

その瞬間、周りの動きは全てスローモーションの様になり怪物だけが通常の速さで動いていた。

これが、重加速現象。別名【どんより】である。

 

「・・・キ・・・(嘘!? こんな時にどんより!)」

 

いきなりの重加速に驚きを隠せない女性に怪物は歩いて近づき、女性の前に立つと片手で首を掴み、上へ持ち上げた。

 

「ヤァ・・・(嘘!・・・怪物! しかも、ワーム!)」

 

声に出せないが思考は通常通りに働き感覚もある。それがどれだけ辛い事か。

肌で感じるどんどん強くなる首への力、耳に聞こえるゆっくりと軋む骨の音・・・それは女性に恐怖を与えていた。

 

「ァァ・・・(嫌・・・殺すなら早く・・・)」

 

そんな女性の恐怖に開かれた顔を見て怪物は口の口角を少し上げると一気に力を込めた。

 

――ゴキッ――

 

そんな音が聞こえた後に女性の手は重力に従って下に垂れた。

怪物は女性が死んだのを確かめると重加速を解き女性の死体を地面に置いた。

そして、その女性を持ち直すとその女性の首に齧り付き・・・死体を貪り始めた。

その姿を少し離れた林道の木陰から見つめる視線が2つ・・・

 

「ブレン。あいつは変わってるな~」

「【No.108】。最後に生まれたロイミュードで決して僕達にも関わろうともしない癖に進化を遂げている自分勝手で無愛想で意味の分からない奴だ。・・・でも」

「でも・・・なんだ?」

「彼は何かを知っている・・・ロイミュード誕生の秘密・・・もしくはそれに近い何かを」

「ふ~ん・・・俺達の秘密ね~。ま、喋りたくなったら話してくれるだろうし気長に待ってようぜ」

「はぁ・・・わかりましたよハート」

 

彼らが見つめるその先では怪物=ロイミュード【No.108】が女性を貪り終え、その体を貪り食べた女性の者へと変化させた。

そして、深呼吸を一度だけするとそのまま夜道に消えていった。

この日の夜は・・・実に大量のどんよりの報告があったとか。

 

――次の日――

 

「・・・ここがあの渋谷か・・・」

 

加賀美はこれまで使った事の無かった有給休暇を使って、愛車のガタックエクステンダー(マスクドモード)に乗って渋谷に来ていた。

ここに来た目的は最近の渋谷エリアのどんより報告の独自調査だった。

 

「えーと・・・昨日のここらへんで重加速反応が一番多かったのはっと・・・」

 

加賀美はスーツのポケットからスマートフォンを取り出し、【どんよりチェッカー】を起動させるとその中で昨日のどんより報告が一番多かった場所をチェックし、ポケットに仕舞うと再びガタックエクステンダーで目的地へと向かった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ん? あれは・・・」

 

目的地についてみるとそこには赤いスポーツカーのような車が止まっており、二人の男女が奇妙な装置を背負って何かしていた。

何も知らない人から見れば異様な光景だが加賀美は二人を知っている。

 

「よう。泊に詩島。久しぶりだな」

「あっ! 加賀美さん。お久しぶりです」

「加賀美さん。お久しぶりです」

 

二人の男女の正体は警視庁の怪奇事件担当の部署、正式名称「特殊状況下事件捜査課」。通称「特状課」に所属する二人の巡査、『泊 進ノ介』と『詩島 霧子』だった。

 

「…で、二人の所のえっと…何課だっけ?」

「『特状課』です」

「そうそうそれそれ。その特状課でも調査を始めたってわけか」

「そうです。そう言う加賀美さんはどうしたんすか?」

「俺か? 俺は最近、渋谷での重加速現象の報告が増えてきているから有給使って独自で調査に来ただけだ」

 

三人は調査を中断し、近くの公園で談笑していた。

 

「へぇ~。流石、加賀美さんですね。泊さんにも見習って欲しいですね」

「おい霧子! どういう意味だよそれは!」

「言葉の意味そのままですけど。だいたい泊さんは…」

「あーうるさいうるさい。俺にはなーんにも聞こえない」

「はっはっはっ。二人とも、なかなかいいコンビじゃないか」

 

二人の漫才のような掛け合いを聞きながら手にもっている缶コーヒーの中身を飲み干した加賀美は昨日、父である『加賀美 陸』から聞いた内容を思い出していた。

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「新。お前はロイミュードを知ってるか?」

「ロイミュード? なんだそれ?」

「ロイミュード。総数108体に及ぶ増殖強化型アンドロイドで、全てに個別ナンバーが与えられている。重加速現象を発生させる力や人間の姿と記憶、更には心臓の鼓動などのデータをコピーしてその人物になりきる擬態能力を有している怪物だよ。人間の欲望をエネルギーとして吸収していくらしく、既に進化態と思える個体を確認している」

「人間の姿と記憶…更には心臓の鼓動などのデータをコピーしてその人物になりきる擬態能力って…まるでワームじゃないか!」

「それもその筈だ。ロイミュードも元はマスクドライダーシステムと同じ時期に造られていた対ワーム用戦闘アンドロイドだからな」

「はぁ!? どういう事だよ親父!」

「新、マスクドライダーシステムが渋谷隕石よりはるか前の1971年の4月3日から計画されているのは知っているな?」

「あぁ・・・」

「その時にもう一つ検討されていたのがロイミュードだったんだよ。しかし、ロイミュードは開発対象から外された。

だが、開発関係者の内の何人かは……

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

「加賀美さん? 加賀美さん!」

「おわっ!? どうした泊」

「どうしたもこうしたもないですよ。急にボーっとして、どうかしたんですか?」

「ん? あぁ、何でも無い何でも無い」

「本当ですか? 真剣な顔をしていた物で何かあるのかと」

「詩島も深く考えすぎだ。少しは柔軟なかんg「キャァァァ!!」

 

加賀美の声は公園の向こうから突如として聞こえた女性の悲鳴に遮られた。

 

「泊さん!」

「どうやらその様だな霧子。加賀美さんはここにいてください。霧子、行くぞ!」

「はい。泊さん」

「おい! 待て泊! 詩島!」

 

加賀美は声のした方に駆けてく二人を後ろから追いかけていった。

 

「貴様・、コロ、す」」

「イ・・・嫌。来ないで・・・来ないでよ!」

 

加賀美達のいた公園の反対側に位置する少し開けた場所に悲鳴の主と怪物はいた。

怪物はゆっくり近づいて行き、手を伸ばし女性を捕まえようとした・・・が、それは横からの蹴りによって横に転がされる事で邪魔された。

 

「大丈夫ですか」

「え…えぇ、何とか…」

「そうですか。霧子、この人を安全な場所へ」

「はい。さぁ、こちらです」

 

女性を詩島に避難させた泊は怪物に向き直った。

 

「見つけたぞ、ロイミュード!」

「誰、ダ・・・邪魔ヲ、すル、な!」

『行くぞ進ノ介』

「あぁ。行くぜベルトさん。 変身!」

《DRIVE! TYPE SPEED!》

「さぁ、ひとっ走り付き合えよ!」

 

泊は素早く《仮面ライダードライブ タイプスピード》に変身すると怪物に攻撃を始めた。

 

「泊・・・お前が今のライダーだったんだな」

 

加賀美は少し離れた所から変身した後輩を見ながらそう呟いた。

 

「急がないと・・・って、加賀美さん!?」

「おう。女性は大丈夫か?」

「えぇ・・・加賀美さん。もしかして・・・」

 

加賀美は頷くと直ぐに戦っている泊の方を見つめ始めた。

 

「詩島・・・お前は知っていたのか」

「はい。・・・加賀美さん、この事はどうか」

「わかってるよ。でも、後輩が仮面ライダーなんてな~」

「・・・加賀美さんはご存知なんですか? 仮面ライダーの事」

「あぁ。知ってるも何m・・・」

 

加賀美が話そうとしたその時・・・

 

「燃え、ロ! はぁ!」

「やべっ!? 霧子、加賀美さん! 危ない!」

 

ロイミュードが二人を狙って火球を吐いた。

迫る火球が二人を襲う直前、上空から『何か』が飛んできて火球をその身で防いだ。

そして、小規模の爆発が収まるとその『何か』は姿を現した。

 

「サンキュー、ガタックゼクター」

『キュィィィ!』

 

霧子もその正体は知っていた。

ガタックゼクター・・・過去に起きたワームとネイティブとの激闘の時、ZECTが開発したマスクドライダーシステムの一つ。

マスクドライダーシステムは資格者を選び、その資格者しか変身できないシステム。

その一つであるガタックゼクターが身を挺して自分達を守り、加賀美が労いの言葉をかけた時に霧子は理解した。

 

「加賀美さん・・・もしかして貴方は・・・」

「そういう事。ま、悪いけどこの事は他言無用でな。さ、行くぜ。ガタックゼクター」

『キュィキュィィィィィ』

 

手の平に降りてきたガタックゼクターに加賀美は懐かしい重さを感じながらも怪物に向かって走り出した。

 

「さぁ、覚悟しろロイミュード! 変身!」

《HEN‐SHIN》

 

走る加賀美は変身の宣言と共にガタックゼクターを手にした時に腰部に現れたベルトにガタックゼクターをスライドさせセットした。

その瞬間、ガタックゼクターから水の波紋が広がる様に昆虫の複眼のような六角形が広がり、それがサインスーツとなりその上にマスクドアーマーが形成されていく。

 

8年の年月を経て、戦いの神、『マスクドライダーガタック』が再び姿を現した。

そして・・・

 

「キャスト・オフ!」

《CAST・OFF》

 

ベルトのガタックゼクターのゼクターホーンを上下に倒すと体中のマスクドアーマーやマニピュレーターアームが弾け飛んだ事により体全体が青くなり、顔には両側からガタックホーンが起き上がり頭部に固定された。

 

《CHANGE! STAG BEETLE!》

「ハァァァァァァ!!」

 

ガタックがライダーフォームに完全移行した事を告げる音声が鳴り終えると同時にガタックは両肩の『ガタックダブルカリバー』を両手に持つとスピードに乗せて二つのカリバーを振り下ろした。

 

「加賀美さんも・・・仮面ライダー・・・」

 

詩島が見つめるその先で、赤き仮面ライダーと青き仮面ライダーは並び立った。

 

「大丈夫か、泊」

「その声は、加賀美さん!?」

「あぁ。この話は後にするとして。まずはあのロイミュードを倒すぞ」

「はい!」

 

二人が構え直した瞬間、ロイミュードは体を光らせて姿を変えた・・・その姿は加賀美にとってとても因縁深いものだった。

 

「ワ・・・ワーム!?」

 

そう…その姿はかつて加賀美たちが闘った地球外生命体。通称『ワーム』、その中でもワーム達の行動を指揮していた特殊なワームである『ウカワーム』に酷似していた。 

 

「ワーム? 何すかそれ?」

『過去に起こった渋谷隕石に内包されて地球に飛来した地球外生命体だ。地球上に棲息する虫・甲殻類に似た外観・特性を持っていて高度な知性と特殊な形態・能力を駆使し、密かに人間を殺害しながら繁殖し続けていたやつらだ。気をつけろ、進之介』

「わかったぜベルトさん」

「そうそう。それがワームって・・・ベルトが喋ったぁ!?」

「え!? そっちのベルトって喋んないんすか?」

『進之介。ベルトは普通は喋らないものだ』

「あ、そうだった」

「ふぅ・・・気を取り直してっと・・・行くぜ!」

「あ、加賀美さん! あぁ~もう! ひとっ走り付き合ってもらうぜ!」

 

二人はそう叫ぶとそれぞれの近接武器を手に持ち、ロイミュードに向かって走り出した。

 

『仮面ライダー・・・キエナサイ!!」

 

しかし、ロイミュードとて簡単に倒させてはくれない。

ロイミュードはそう言うと周囲に重加速を発生させた。

 

「・・・(クッ・・・これがどんよりか)」

「加賀美さん。ここは俺に任せてください! ハァ!」

 

ドライビングコアもシフトカーも持ってないガタックは重加速に捕らわれ動きだけがゆっくりになってしまった。

だが、最初から重加速の中での戦いを想定して作られたドライブは重加速に捕らわれたガタックの横を走り抜けてロイミュードに斬りかかった。

 

「何!? 何デ、動けルの! キャァッ」

「まだまだぁ! ハァッ!」

「ガッ! 小癪ナァァぁ!!」

「っ・・・堅い。なら、こいつだ!」

《DRIVE! TYPE WILD!》

「そして、こいつだ!」

《タイヤコウカーン! ランブルダンプ!》

 

ドライブはスピードからワイルドにタイプチェンジした後に続け様にランブルダンプにタイヤ交換し、ランブルダンプ専用武器ランブルスマッシャーを装備するとロイミュードに殴りかかった。

 

「グッ!? 図に、ノル、なぁぁぁぁぁ!」

「なっ!? 」

 

ランブルスマッシャーの一撃はロイミュードの体に傷をつけた。しかし、それに激昂したロイミュードはどこからかスパイダーバイラルコアを呼び寄せて吸収すると先程の姿から再び姿を変えた。

その姿はさながら白黒の蜘蛛の様。加賀美はその怪物に見覚えがあった。

 

「・・・(あいつは! 俺が初めて見たワームそっくりじゃないか!…てことは!)」

「ククク・・・私は進化した。目に焼き付けるがいいわ。クロック・・・アップ」

「な!? 消え・・・ぐわぁ!?」

『進之介! どうやら奴は超スピードで動いてるようだ。気を付けろ』

「分かってるって。何処だ!・・・ぐぁぁ!?」

「ハハハ! 遅い! 遅いわよ、仮面ライダー!」

「チッ! ずるいぞ、ロイミュード!・・・ぐはぁ!」

「私はロイミュードであってロイミュードにあらず、ワーム・ロイミュード・・・『ニグリティア』よ!」

 

怪物・・・『ニグリティア』は重加速を解除した後に目で捉えることの出来ない程の超高速『クロックアップ』を駆使しながら一方的にドライブを攻撃し続けていた。

だが、ニグリティアは忘れていた・・・クロックアップを使える者がこの場にもう一人いる事を

 

「お前だけがクロックアップできると思うなよ! ハァッ!」

 

重加速が解除された後にドライブがクロックアップを使うニグリティアに攻撃されている間にガタックはベルトの脇にあるスラップスイッチをプッシュしてクロックアップを発動し、ガタックカリバーを持ってニグリティアに斬りかかった。

 

「馬鹿な!? キャァァァァッ!」

 

予想外の一撃に回避も防御も間に合わなかったニグリティアはガタックカリバーの斬撃をモロに受けて地面を転がった。

その時、ニグリティアの体が一瞬光った。

そして…

 

「フ…フフフ…フフフフフフ!」

 

ニグリティアは狂ったように笑い始めた。

 

「な…何がおかしい!」

「おかしくないわ。嬉しいのよ…更なる高みに行けるのがね!」

 

その言葉とともにニグリティアは再び体を輝かせた。

光が収まると その姿には二つの変化があった。

一つは目が青から赤へ。もう一つは白と黒の場所が反転しているといったものだ。

 

「加賀美さん…」

「泊…気を付けろ。何かが違うぞ」

「フフフ…そうよ。ハァッ!」

 

掛け声とともにニグリティアは再び重加速を発動させた。

 

「…(くそっ!…これじゃ何も出来ない!)」

「重加速は効かないぜ!」

《DRIVE! TYPE TECHNIC!》

「今度はこいつだ!」

《タイヤコウカーン! ロードウィンター!》

「くらえ!」

 

ドライブはタイプワイルドからタイプテクニックへタイプチェンジをした後にロードウィンターへとタイヤコウカンし、専用武器の『フロストリーマー』でニグリティアを凍らせようとした。

 

「フフフ…無駄よ。クロックアップ」

「なっ!? 加賀美さん!」

 

ニグリティアがクロックアップを発動させたことでガタックの方を向いたドライブは目の前の光景を見て驚いた。

ガタックの動きが未だに遅い…それはまだ重加速が解かれていないことを物語っていた。

 

「まさか!? 貴様! ぐぁぁ!」

「そうよ。私の新たな力は重加速とクロックアップの同時使用。私は最強…最強なのよ! 」

 

ニグリティアは自身を最強と宣言すると同時にドライブを上空へと蹴り上げると再びクロックアップを宣言し、20発に及ぶ超高速の蹴りをドライブに叩き込んだ後にガタックの方へと全力のドロップキックで蹴り飛ばした。

 

「そして・・・時が動き出す」

 

まるで、何処かの世界の吸血鬼の様なセリフを発した後にニグリティアは重加速とクロックアップの二つを解除した。

結果、蹴りの威力を殺せなかったドライブとてつもない速度で飛ばされ、重加速から抜け出した事によりよろけたガタックに衝突し、二人は数mを転がった。

 

「フフフ・・・まだ立ち向かってくるかしら?」

「当たり前だ! 絶対お前を倒す!」

「お前はここで倒す! うぉぉぉぉ!」

「あらそう。ならば、再起不能にしてあげる」

 

この宣言から先はニグリティアの独断場と言っても過言では無かった。

クロックアップした世界で戦おうならば重加速を発動され、逆に重加速世界で戦おうならばクロックアップを使われる。

二人の戦士は蹴り、拳、光弾と言った数々の攻撃をその身に受けた。

 

「フゥ・・・もうおしまいね」

 

自らの頬を撫でながら話しかけるニグリティアの視線の先には変身を解除され傷だらけで地に這い蹲る二人がいた。

 

「さて、次はどんな殺し方で殺そうかしら。あ、擬態してその人間の家族を死と絶望の淵に落とすのもいいわね・・・フフ、考えただけでゾクゾクするわ」

 

まるで快楽を味わうかのように身を抱きしめて話すニグリティアの先で二人はよろめきながらゆっくりと立ち上がった。

 

「ふざ・・・」

「・・・けるな・・・」

「ん? 何か言ったかしら?」

「「ふざけるな!」」

 

二人の言葉が聞こえなかったニグリティアは直後の大声に驚いて身構えた。

 

「人はな、一生懸命に生きてんだよ! それをお前の勝手な理由で終わらせようとするなら俺は

それを止める!」

「『俺は』じゃなくて『俺達は』ですよ、加賀美さん。俺もあいつには怒りでいっぱいですからね」

「フフフ。無駄よ。そんなボロボロな状態で何が出来るのかしら?」

 

ニグリティアの言葉は正しかった。

現に二人は変身が解除される程のダメージを受けていた。

しかし、二人は尚も立ち続け、叫んだ

 

「傷つき、倒れながらも前に進み・・・」

「人々の平和を守る戦士・・・それが!」

「「 『仮面ライダー』だ!!」」

「さぁ、覚悟しろニグリティア! 行くぜ、ベルトさん!」

『あぁ、任せろ慎之介!』

「行くぞ、ガタックゼクター!」

『キュイキュイイイイ!』

 

「「変身!!」」

《DRIVE! TYPE SPPED!》《HEN-SHIN! CHANGE! STAG BEETLE!》

「何が『仮面ライダー』よ! 消えなさい! 消えなさいよぉぉぉぉ!!」

 

再び変身した二人のライダーに怒りを募らせて襲いかかるニグリティアだったが突如として二人の前に現れた光の渦から飛び出してきた二つの物体にはじき飛ばされた。

二つの物体はそれぞれ、ドライブとガタックの手に収まると輝きが収まり、光の渦も消えた。

 

「これは・・・ハイパーゼクター」

「新しい・・・シフトカー」

 

二つの物体の正体、それは未来からの贈り物とも言える『ハイパーゼクター』と、同じく未来から来たシフトカー『クロックチャージャー』だった。

ガタックとドライブはお互いを見た後に呼吸のあったかのように前を向きそれぞれのアイテムを使った。

 

「ハイパーキャストオフ!」

「ベルトさん。アクセルフルスロットルで行くぜ!」

『あぁ、フルバーストに行こう』

 

《HYPER CAST OFF! CHANGE! HYPER STAG BEETLE!》

《タイヤコウカーン! フューチャーシステム! クロックチャージャー!》

 

ガタックはガタックホーンが大型化し、胸部のアーマーが内部にタキオンプレートを収納した、以前の2倍以上の強度を持つガタックプロテクターを纏ったガタックの最終にして最強形態の『仮面ライダーガタック ハイパーフォーム』に

ドライブもタイヤ部分に時計の文字盤の様なデザインがされたタイヤがはまり、右手に『時間針(アワーニードル)』、左手に『分槍(ミニッツスピアー)』を持った新しいドライブ『仮面ライダードライブ スピード クロック』になっていた。

 

「さぁ、超高速に」

「ひとっぱしり付き合えよ」

「何かと思えば姿が変わっただけじゃない。驚かなさいでよ・・・」

 

ガタックはニグリティアの言葉の間に何かを感じとったのかハイパーゼクターのスラップスイッチを押した。

そして、胸部の赤の部分が黄色になったがニグリティアは些細な事と判断した。

 

「まぁいいわ。今度こそ・・・止めをさしてあげるわ!」

 

ニグリティアが叫ぶとともに再びクロックアップと重加速を同時に使用してガタックとドライブに迫った。

その瞬間、シフトブレスにセットされたクロックチャージャーのヘッドライトが微かに光った。

 

(もう遊ぶつもりはないわ。確実に・・・仕留める!)

 

ニグリティアは両手の鋭い爪で二人の首を掻っ切ろうとしたが・・・

 

「「ハァッ!!」」

「何ッ!?」

「「オラァッ!!」」

 

動けないと思っていた二人に止められた事に驚いているところにダブルパンチを決められ、後ろへと転がった。

 

「な・・・何で動けるのよ!」

 

ニグリティアの言い分はもっともだった。

先程までドライブはクロックアップ、ガタックは重加速に対する術がなかった為、それを同時使用するニグリティアは優位に立っていた。

しかし、今はどちらもクロックアップと重加速を同時使用したニグリティアの攻撃を防ぐどころか反撃までした。

それがニグリティアには理解出来なかった。

 

「そんなものは簡単だ。未来から来たこいつには重加速に対抗するシステムが付いていてもおかしくはない。それだけのことだ!」

「ベルトさんから聞いたことがある。お前らロイミュードの一部はワームとの戦闘用に作られていたってな・・・ならば、ワームのクロックアップに対抗できるシステムがいれられているシフトカーが未来にあってもおかしくない!」

「ふざけんじゃ・・・ふざけんじゃないわよぉぉ!」

 

金切り声を上げながら迫るニグリティアをドライブとガタックは先程とは見違える動きで躱し、自分達の攻撃を叩き込んだ。

 

ニグリティアが右手でドライブを引き裂こうとすれば、それを躱して時間針と分槍のコンボを叩き込み。

ニグリティアが蹴りでガタックを倒そうとすれば、それを蹴りで押し返す。

そんな攻防の末、先程まで軍配の上がっていたニグリティアはいまではボロボロになっていた。

 

「よくも・・・よくもォォォォ!!」

「これで決める!」

《MAXIMUM RIDER POWER》

《ONE TWO THREE》

 

怒りに狂うニグリティアを直線上の少し離れた位置に捉えながらガタックはハイパーゼクターのゼクターホーンを倒した後にガタックゼクター後部に内蔵されたスイッチ・フルスロットルを「1,2,3」の順に連続で押し、ゼクターホーンを一旦マスクドフォーム時の位置に戻した。

そして、走り出すとマスクドフォーム時の位置に戻したガタックのゼクターホーンに手を伸ばしながら跳躍した。

 

「ハイパーキック!」

《RIDER KICK》

 

一旦マスクドフォーム時の位置に戻したガタックのゼクターホーンを再び倒し、「Rider Kick」の電子発声と共にニグリティアに30tの威力を持つ必殺キック『ハイパーライダーキック』を叩き込んだ。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!! まだよ・・・まだまだよおぉぉぉぉ!!」

 

しかし、ニグリティアはそれでも倒れることは無かった。しかし、限界が近いのか体を赤く輝かせ蒸気を吹き出し始めた。

 

「アイツ、ハートのデッドゾーンと同じ事を!?」

「シネェ・・・カメンライダァァァッ!! ガァァッ!」

「泊! なんだかヤバそうだ。大惨事になる前にトドメを刺せ!」

「はい!」

 

ドライブはドライブドライバーのエンジンを再びかけた後、シフトランディングパネルの右隣にあるボタン『イグナイター』を押し、「ヒッサーツ!」のコールと共に装填されたクロックチャージャーを1回倒した。

 

《フルスロットル! クロックチャージャー!!》

 

必殺音声と共にドライブは時間針後部の窪みに分槍の後部を接続した大槍『時の大槍(タイムランサー)』を構えた。

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

ドライブは『時の大槍』を投擲し、ニグリティアに突き刺した。

その瞬間、ニグリティアの背後には時計の文字盤の様なオーラが現れ、ニグリティアを完全に拘束した。

 

「ガァァァッ!! ウゴケ・・・ウゴケェェッ!!」

「無駄だ! …これで…フィニッシュだ!」

 

その言葉と共にドライブは空へと跳躍するとニグリティアに狙いを定めて時計回りに回転しながら迫っていった。

 

「ハアァァァァァァァッ!!」

「ガアァァァァァァァッ!!」

 

右足がニグリティアに届くと回転数が更にあがった。

そして……

 

「ガアァァァァァッ!!」

ニグリティアの強固な体を貫いた。

そして、ニグリティアは・・・

 

「アァ、アガ・・・アアァァァ・・・」

 

苦しみの中で絞り出した掠れた断末魔の声と共に、風に吹かれて塵になった。

 

「はぁ…はぁ……お、終わった」

 

風に吹かれて塵になっていくニグリティアを見たドライブとガタックはニグリティアとの戦いに勝った事を実感した。

 

「やった・・・」

「やったぜ・・・」

「「いよっしゃぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

ドライブとガタックは勝利の雄叫びを上げると同時に、無意識にある高校生との友情を結んだ時に高校生が行なった独特の結び方、『友情のしるし』をしていた。

 

 

これで、ロイミュード《No.108》・・・別名『ワームロイミュード ニグリティア』との激しい戦いは幕を閉じた。

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夕暮れ・・・渋谷から久留間運転免許試験場へと向かう道を一台の赤い車『トライドロン』と一台の青いバイク『ガタックエクステンダー』が並走していた。

 

「ありがとうございました、加賀美さん」

「いいってことよ。それより泊、一ついいか?」

「なんですか、加賀美さん?」

 

泊からOKを貰った事で加賀美は聞きたかった疑問を口に出した。

 

「お前・・・バイクは?」

「バイク? 俺はこいつだけですけど?」

「はぁ!? お前、バイクじゃねぇのか!」

 

泊からの回答に加賀美は驚き、その驚きの理由を口にした。

 

『そうだとも、ドライブのサポートをするマシンはこのトライドロンだけだ』

「マジか・・・バイクに乗らない仮面ライダーなんて、俺の知ってるのだけなら泊だけだぜ」

 

ベルトからの回答を聞いた加賀美は素直に感想を述べた。

その感想を聞いた瞬間、次は泊が驚いた。

 

「えぇ~~っ!? おい、ベルトさん! どういうことだよ!」

『私の趣味だ。良いだろう』

 

超笑顔な表示と回答に二人はため息をついていた。

それから数十分後・・・

 

「あ、俺はこっちだな。泊に詩島、頑張れよ!」

「はい! 加賀美さんこそお元気で」

「加賀美さん、今度は是非、特状課にも遊びに来てくださいね」

「おう。考えておくとするか。じゃあな!」

 

加賀美は左手で過去に出会った鬼のライダーがやっていたのと同じ仕草をしながら先へと進むトライドロンを目で追っていた。

 

「頑張れよ、泊・・・いや、仮面ライダードライブ」

 

今を生きる仮面ライダーの名を口にした加賀美は完全にトライドロンが見えなくなったのを確認するとスロットルレバーを捻り、自宅への道を走り出した。

 

 

これは、過去に起きたワーム、ネイティブとの激闘を生き残った資格者の一人である『加賀美 新』の決して語られる事の無い一つの物語。

そして、物語はこれにて、幕を閉じる。

 

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「ハァ・・・ハァ・・・」

 

人の通りは無く。薄暗くて不気味な雰囲気の深夜の路地裏。

そこに一つの赤い発光体があった。

 

「仮面ライダー・・・つぎこそは」

 

その発光体は一つの数字だった。その数字は・・・《108》。

あの時に敗れ去ったロイミュードだった。

《108》は塵になる直前、あの体を抜け出し、光を弱めてあたかも死んだように見せかけた。

そして、時間をかけて微かな光の状態でこの路地裏にやってきた。

微かに明滅する《108》はまるで、今にも消えんとする蝋燭の炎の様だった。

 

「そのためには・・・この状況から何としても・・・」

 

そんなことを考える《108》にある一人の影が近づいていた。

 

「がんばったな~《108》」

 

そう声をかけた男は皮の赤いロングコートに身を包んでいた。

 

「・・・何の用だ」

「まぁ、そう言うな。今は傷を癒すことを考えろ」

 

そう言うと男はロングコートのポケットからスパイダーを象ったパーツが付いた黒いミニカーを取り出した。

そこからしばらくは沈黙が路地裏を支配していた。

 

「・・・すまない。恩に着る」

 

やがて、沈黙を破った《108》は感謝を述べると黒いミニカーの中へと入っていった。

 

今を生きる仮面ライダー・・・仮面ライダードライブの戦いは、まだまだ続いていく・・・

 




いかがでしたでしょうか?

実は、これを書いた私・・・仮面ライダーカブトは点々としか見た事がないので加賀美さんのキャラはあまり掴めてないんですよね。
ぶっちゃけ、ハイパーバトルビデオの加賀美さんをベースにしています。

裏話ですがワームロイミュードに襲われて死んでしまったあの女性は元ZECT職員と言う設定です。

他にも、結構カットしたシーンがあるんですよね・・・VS魔進チェイスや巨大化&暴走して響鬼のツチグモの様になったアラクネアワームVSドライブ&ガタック。そして、アメリカでのマッハとカブトの出会い。

いつかはこれらのカットしたシーンやお蔵入りしたシーンを追加したバージョンも書いてみたいですね。

では、ここまで見ていただき誠に有難うございました!

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