ちょっと大人になったヒッキーとゆきのんの駄弁り会
会話文オンリーです

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結末

 

 

 

 

「まさか、お前とこんなところで飲むことになるとは思わなかったな」

「あら、悪かったわね。売れっ子小説家の先生ともなると、やはり飲む店も一味違うのかしら」

「バカ言え。まだ駆け出しだし、大体売り上げはほとんど上に持ってかれてんだよ」

「上って、最近の出版社というのはそこまで悪辣なのかしら。あまりそういう話は聞かないのだけれど」

「親だよ」

「親?」

「実家住みだからな。小町の学費とかで色々と入り用だし、最近は飯作ってもらうことも多いし」

「……流石ね、寄生谷くん。その年で脛かじりなんて、なかなかできることじゃないわ」

「バス女かよ。ちげーよ。金出してるつったろうが。正当な対価だ」

「小町さんは元気?」

「話聞けよ……元気だよ。大学行って遊びまくってるぞ。むしろ勉強してる姿を見ないまである」

「大丈夫なのかしら」

「さーな。ま、交遊は広いし助けてくれる友達なんかもいっぱいいるだろ」

「誰かさんと違ってね」

「誰のことだよ」

「記憶障害かしら……」

「おい、その憐れんだ目をやめろ。二人組作れず先生と組んだときのクラスメイトの視線思い出しちゃうだろ」

「教員って大変ね……」

「そっちじゃねーよ。万が一そっちだったとしたら俺立ち直れねーよ」

「ところで比企谷くん」

「自由すぎだろ……なんだよ」

「あなたの拙作、読ませてもらったわ」

「拙作って人に使う言葉じゃねーだろ。もうこの時点で感想とか聞きたくないんだけど」

「稚拙な文章とか、国語辞典五ページ以下の語彙力とか、いろいろ言いたいことはあるのだけれど、それはひとまず置いておくわ」

「置いておけてないから。既に言葉の槍となって俺を貫いたから」

「言葉の槍?言葉の槍とはいったいどんな形状をしたものかしら。ぜひ聞きたいわ」

「勢いだよ深く突っ込むんじゃねえなんか恥ずかしいこと言ったみたいになるじゃねーか」

「今更だわ」

「やめろ。俺が常時恥ずかしいこと言ってるみたいな言い方はやめろ」

「それはともかく、あなたの小説についてだけれど」

「なんだよ」

「頭脳明晰で運動抜群、なによりたくさんの友達に囲まれた主人公。あなた書いていて惨めにならない?」

「言っとくけど違うからな。俺の願望とかじゃないから。時代のニーズに則っただけだから」

「主人公が笑顔を見せただけで女の子が頬を染めるシーン、あれは必要?」

「それも俺の理想とかじゃないからな。そういうのが求められてんだよ」

「大体、主人公の容姿は可もなく不可もなくでしょう?そんな人が笑っただけで頬を染めたりするかしら」

「好きな相手ならそういうこともあるんじゃねーか?」

「ふむ…………比企谷くん、少し笑ってみて」

「なんでだよ」

「笑顔の威力の検証よ。もしかしたら、億分の一ぐらいかもしれないけれど、あなたのような人でも笑顔ならほんの少しは魅力的に見える可能性があることもあるかもしれないわ」

「ほとんどないって言ってるようなもんだろ……つーかいきなり言われたって笑えねーぞ」

「小町さんのこと考えてみて」

「…………」

「……協力をありがとう、シスコン谷くん」

「仕方ないだろ、小町は天使だからな」

「……」

「無言で引くなよ……それで?」

「なんのことかしら?」

「検証だったんだろ、今の。結果は?」

「……そう、そうね。まあ、普通の人ならそれなりにじゃないかしら。あなたではダメね。あまり人に見せない方がいいわ」

「言われなくてもみせねーよ。あれは俺が……じゃない、俺の友達が中学二年のとき……」

「わかった、わかったわ。言わなくて大丈夫よ。あなたの悲惨なエピソードはもう聞き飽きたから」

「俺じゃねえって言ってるだろ」

「その台詞もね。なんなら諳じるまであるわ。あっ」

「……」

「……最悪だわ、よりによってこの男の口癖が移るなんて……」

「ひでーなおい」

「比企谷菌ね」

「おいやめろ。なんで昔のあだ名知ってんだ」

「心配しなくても、高校時代も言われていたわ」

「同窓会とか絶対行かねえ」

「呼ばれないでしょう?」

「まあな」

「なんで自慢げなのよ、まったく……」

「慣れっこだしな……っと、そろそろいい時間か」

「もう?はやいわね。防衛本能が働いたのかしら」

「俺と飲むのどんだけ苦痛なんだよ……ほら、伝票渡せ」

「おいくら?」

「別にいいよ」

「そういう訳にはいかないわ」

「聞いたぞ、卒業してから家を出たって。あんま余裕ないんだろ」

「…………」

「やめろ、その携帯を離せ。違うから、ストーカーとかじゃないから。ラーメン食いにいったときに先生からちょっと聞いただけだ」

「というと、大本は姉さんね……まったく。情報漏洩が著しいわ」

「だから、今日ぐらいは気にすんな。いずれ返してもらうさ」

「……仕方ないわね、奢らせてあげましょう」

「はいはい、それじゃあな。由比ヶ浜にもよろしく言っといてくれ」

「比企谷くん」

「あん?」

「最後に聞きたいのだけれど」

「なんだよ」

「あの小説の主人公は、いったいどちらを選ぶのかしら」

「…………」

「二人、いるでしょう。メインヒロインが」

「…………」

「…………」

「……そりゃ」

「…………」

「…………」

「……それは?」

「……可愛い可愛い、クラスメイトの男の娘だよ」

「……そう」

「ま、ラブコメ小説なんてドタバタやって終わりさ。特に綺麗な結末なんて用意してない」

「そう」

「ましてや、あの主人公だからな。はっきりさせたら喧嘩しちまうだろーが。そんな不和を認めるキャラじゃねえよ」

「そう、ね。そういうものでしょうね」

「おう」

「ええ、わかったわ。ありがとう。それじゃ……」

「…………」

「…………」

「……あの主人公、だからな」

「え?」

「俺なら、同じ部活のーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 







会話文オンリー、ライトノベル風の会話、どちらも初めてだったのでおかしい部分などあるかもです
気になった部分等あれば、感想かなんかで教えてもらえるとありがたいです

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