ある日土方の部屋に行くと本人はいなくて、あったのは小刀で………。

土方×銀時。

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《夢のハナシ》

…………。

 

朝、目が覚めると、枕は濡れていて泣き痕まで付いていた。

 

「夢だよな……夢だって。」

 

自分で言いかけても、身体の震えは止まらない。

 

「いつまで寝てるんですかって、起きてるんなら布団たたんでこっちに来てくださいよ。」

 

新八に催促されるも、気分は沈んだままで……。

 

「銀ちゃん、ご飯なくなっちゃうアルヨ?」

 

「お前にやるよ。」

 

「銀さん?」

 

「ちょっと、出掛けてくるわ。」

 

いつもの服に着替えるなんて気力もなくて、寝間着のまま外に飛び出した。

暦の上ではすでに春なのに、風はまだ冷たい。

まぁ、今の俺はそんなこと構ってやれるほどの余裕なんて無いけど……。

 

何回も通った路地裏を抜けて、屯所の前に出る。隊士の奴ら皆に関係はバレてるので、なにも言われずに入れてもらえる。左に曲がって突き当たりの1つ前の部屋。俺の恋人の部屋。

 

「トシ♪来ちゃっ…………。」

 

少しだけど、テンションあげてきたのに……居ないし。

 

………。なんだよ、居ねぇじゃん。ん?

アイツがいつも仕事してる机の上に、小刀?こんなん持ってたっけ?

居ないし、ムカつくからイタズラしちゃえ。

…………………これでよし、と…。

帰ろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

――

 

「また(ヤク)かよ。」

 

「ですね。まぁ、これしかすることがないのかもしれませんが……。」

 

「だからってなぁ。持ち込みすぎなんだよ。」

 

此処んところ忙しすぎて、銀時に逢えてないのに……。最近、銀時不足で雲を見るだけでもヤバイのに……。

 

部屋に戻ると、甘い香りがした。

 

「銀時?来てるのか?」

 

が、辺りを見回しても姿はなかった。

 

「居ないから帰ったのか?」

 

机に向かうと“マヨバカ”と端っこに彫られていた。

ハァ~今日、会いに行くか……。大量の書類を見ながら、思った。

 

 

 

 

 

「銀~、ケーキ買ってきたぞ?」

 

いつもなら出迎えが来るのに、今日は来ない。というか、ガキ達も居ないらしい。銀時のブーツはあるが………。

 

「銀時、居んだろ?なんなんだよ。あんなことすんな。」

 

ソファにふて寝してる。顔にジャンプかけてるけど………。

 

「おい。」

 

返事をしない相手に苛立ちを覚え、ジャンプを退かすと、銀時は泣いていた。

 

「へぇ?銀?」

 

てっきり怒っていると思っていたから、声が上ずる。

 

「なんで、泣いてるんだよ?」

 

「……………トシ?」

 

何やら、目に(ちから)がない。曇った目をして涙を目一杯溜め込んでる。いつもは、俺の名前なんて呼ばないのに………。

 

「逢いたかった。」

 

銀時に抱きつかれるも、身体が冷たいことに気づく。俺より体温が高いハズなのに………。

 

「もう、逢えないかと想ってた。けど、逢いに来てくれたんだね。ありがとう、トシ。」

 

「銀?」

 

明らかに様子がおかしい。

 

「トシ。」

 

泣きながら俺の名前を呟いてる。

 

「銀、何があった?どうしたんだよ。」

 

背中を優しく撫でる。

 

「ん?俺もそっちに逝っていい?」

 

「なんだよ。そっちって?」

 

「すぐに逝くからね。」

 

気がつくと銀時の手にはナイフが握られてる。

 

「銀時、なにしようとしてるんだ?」

 

ナイフを持つ手が、銀時の首にいこうとして始めて理解できた。

慌てて銀時の手を止める。

 

「目を覚ませ、銀時。」

 

銀時の頬をペチペチと叩く。

 

「っん………土方?」

 

「目、覚めたか?大丈夫か?」

 

「うーん。」

 

「何があった?」

 

「…………死んじゃったの。」

 

「へ?」

 

「土方が、死んじゃったの。」

 

「死んでねぇよ。」

 

「わかってる。けど、すごくリアルな夢で…………。怖くなったの。手にべったり土方の血が付いて……。」

 

「大丈夫だから。」

 

 

 

 

 

 

 

終わり




終わり方悩んで、結局会話で終わらせちゃった。今年初の投稿。

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