読んでしまうとパーンする可能性があるのでご注意下さい。
それでは何かご意見ご要望があればお気軽にどうぞ。
メイド服を装備して。
赤青黄色と花が咲き乱れるかの様にカラフルな世界、そしてそれに混じる肌色の割合はそれよりも多く、またその色は布地を染める色では無く、文字通り晒された素肌の色であるのは説明不要であったりする。
そんな色々諸々のワンダーランドの中で黒い一種軍装を纏い、髭の眼帯はプルプルと震えた状態でちょっと豪華な革張りのチェアーにシッダウンさせられていた。
それは例の足首を拘束する器具がセットされたブツであり、吉野の足首は野太い鎖が繋がった器具によって固定された状態になっている。
そんな髭眼帯の隣にはゴーヤが笑顔で敬礼し、それに続く様に
「……でち公さん?」
「大坂鎮守府潜水艦隊揃ったでち」
吉野の記憶が確かなら、大坂鎮守府に着任している潜水艦娘はごーやとゆーちゃんだけであった筈、それが何故に増殖しているのか、そして記憶に無い艦種が混じっているのは何なのかという謎がプルプルを更に加速させる。
「……一体どこに潜水艦隊が揃う程の人員が居たのか聞いても?」
「ちょっとゆーの性能を確かめる為にあちこち行ってたら、いつの間にかドロップしてたでち」
「ナニその剛運!? てかそこの白スクさんって提督の記憶が確かなら陸さんの艦娘さんなんじゃないかって思うんだけど……」
「あー、まるゆは建造組でちね、駆逐艦を建造する時何か手違いで建造されたみたいでち」
「ファッ!? 建造!? ナニソレ提督初耳なんですが!?」
吉野の言葉に何故か横を向き、ピンクのラメをキラキラさせたナガモンがプスープスーと口笛を吹く仕草をする。
確かに鎮守府の人員増員計画には駆逐艦も含まれてはいたが、それは対外的な着任手続きの際もしかしたら他拠点より駆逐艦の着任がある可能性を考慮し、一番最後に必要数だけ建造するという予定になっていた筈であった。
そんな予定外の建造報告、そして相変わらずタコの様に口を尖らせてプスープスーと空気を吐き出し続けるビッグセブン、吉野がその不自然極まりない行動をする奇怪なポンコツ戦艦に視線を向けると、チャラチャラとラメに光を反射させたまま徐々に遠ざかる艦隊総旗艦。
「……長門君?」
「いや、ここの所色々ほら、建造ドックも酷使している状態だっただろ? それで整備ついでに調整の為の建造をだな……」
「……何人?」
「何がだ?」
「何人建造シテシマッタンデスカ?」
相変わらず目を逸らして横を向くナガモン、その仕草に吉野の不安度メーターがグングン上昇していく。
「……よ、四人」
「ふぅん、それモグラちゃん含めてデスカ?」
「いや……くちくかんが四人とまるゆだが……」
「……なんて?」
「四人だ、ほら、既に提督の横へ整列している」
髭眼帯は怪訝な表情になり、ビシリと整列している潜水艦隊とは逆に視線を向ける、そこにはまたしても敬礼のまま立ち並ぶ四人のくちくかん。
山風を先頭に霞、島風、天津風という何とも統一性が皆無で微妙な組み合わせのくちくかんを見た吉野は、怪訝な表情のまま指パッチンで時雨を召還する。
スススと音も無く現れる小さな秘書艦、吉野はボソボソと何かを伝えると時雨は一度だけ頷いた後またしてもどこぞへとスススと姿を消した。
そして同時に何故かナガモンの姿もそこから消えるという不思議、そんな妙に異世界ちっくな革張りチェアーの周りでは敬礼の列が二つ出来上がるというカオス。
メイド服系に警戒していた髭眼帯はこうして予想外の方向から色々な頭痛の種を押し付けられ、下半身が固定された椅子に身を深く沈めて天を仰ぐのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「長門さんは何時まで正座させておけばいいのかな?」
「取り敢えず日が沈むまで、ついでにメロン子もバケツ正座の列に追加で」
「そう言うと思って既に刑は執行しておいたよ」
仕事をやり切った感を滲ませる時雨はにこやかに業務報告を口にすると、何故かいつもと違うフリフリの付いたメイド服を着たまま吉野へ飲み物を手渡していた。
色はいつもと同じく黒色のそれは、垂れ気味のワンコ耳に尻尾が装備され、胸の部分は犬っぽい形にくり抜かれるという特徴的なデザインになっている。
その姿に乾いた笑いを浮かべる吉野の後ろからは何故か同じデザインでありながら、耳だけピンと立ったタイプのメイド服を着た
「じゃじゃ~ん、時雨と夕立が頑張ってチョコを作ったっぽい、お一つどうぞ♡」
どういう原理なのかは謎なシッポフリフリ状態の
そんな異空間になった間宮の壁に掛けられるデシタル時計は
二月十四日と。
「う、うん? えと、コレ君達が作ったの? てか間宮さん……持ち込みって言うか、ここでコレ食べちゃっていいんです?」
「勿論です、今日は色々特別ですから全然構いませんよ?」
「特別ぅ?」
甘味処の主が言う言葉に首を傾げつつ、
やや強引なアーンと言えなくもない状態でモゴモゴしながら首を傾げていると、バックヤードから列を成し、陽気なスキップで移動するという眉を顰めてしまいそうな状態の一団が吉野の視界に入って来る。
ダズル迷彩柄の凄く色々プルンプルンした形状のビキニメイド服の榛名を先頭に、黒を基調に白を配した落ち着いた色合いである物の、何故かビキニタイプになっちゃってしまっているメイド服を着用するフレンチクルーラーが続くスキップ集団。
更に続くヒエーは金剛をリスベクトしているのだろうか白黒の配色が反転したビキニメイド服、そして最後尾の霧島ネキはパーソナルカラーの緑を配したメイド服を着用していた、当然それはビキニタイプなのは言うまでも無い。
そんな色々ヤバい雰囲気漂う一団が笑顔でスキップし、単縦陣でプルンプルンと近付く様を見れば、吉野が怪訝な表情でそれを凝視するのはある意味仕方の無い事であった。
「提督…もし良かったら、この榛名のチョコレート…もらっていただけますか?」
奥ゆかしい言葉と共に口へ捻じ込まれるチョコレイト、正に問答無用の先制攻撃である。
それに続くビキニメイド部隊は次々にバレンタインメッセージを口にしつつ、チョコレイトの全門斉射を敢行する。
口に甘い地獄が渦巻いた状態でモゴモゴする髭眼帯は、窒息しつつ漸くバレンタインという単語を思い出す。
周りを見れば色々プルンプルンの状態で、視界はチョコレイトで埋め尽くされる集中砲火、それを何とかやり過ごして前を見ると、何故か腕を組んでドヤ顔でこちらを見るフレンチクルーラー。
形状がアレなメイド服で腕を組むという状態は、色々と腕に乗っかるたわわな果実を表現しちゃうとRタグ不可避となってしまう可能性があるのでスルーを決め込むしか無いという惨状をそこに生み出している。
「えっとその……ゴホッ、金剛君、その……その格好は……」
「ohこれデスカ、フムん……そうデスネ、比叡」
「はいお姉さま」
「私は誰デスカ?」
「はい、金剛お姉さまです!」
「ではメイド服を着た私ハ?」
「金剛お姉さまです!」
「では、よしんば私が霧島だった時ハ?」
「金剛お姉さまです!」
「ソレ知ってるぅ、超知ってるぅ、てかなんで世界一位ネタなのぉ? それとメイド服に何の関係があるのぉ?」
吉野の突っ込みに、何故か腕を組んでちょっとアンダーバストチラリズム状態のフレンチクルーラーはドヤ顔をしており、何故か他のシスターズも同じポーズで椅子に固定された吉野を取り囲んでいた。
因みに時雨と
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ところででち公」
「なんでちか?」
「色々ドロップしちゃったのはいいんだけど、その、全然知らないタイプの子が居るみたいなんだけど……」
「ああイヨでちか、何か日本海でバシャーしてたら何時の間にか付いて来てたでち、大本営に問い合わせしたら最近確認された子らしいでちね」
ワンコメイド達とビキニ部隊が満足し、漸く一息と思った矢先に潜水艦隊に取り囲まれる髭眼帯。
ニコニコとしているでち公を筆頭にチョコの雷撃を受けつつ色々話を聞く吉野の前には、何故かスク水でありながらスカート状にヒラヒラが縫い付けられ、頭にヘッドドレスを装備するという一団がわらわらとしている。
何故スク水に拘るのか、どうしてレースのヒラヒラなのかは意味不明であるが、どうも彼女達は一応それをメイド服として認識して着用しているのは会話の端々からなんとな~く理解は出来た。
布面積は金剛シスターズよりは多いと言えるかも知れないそれは、生地の材質故にピッチリした形で装着される為に色んな意味で先程の一団と同じくデンジャーとも言えなくも無い惨状をそこに醸し出している。
「晴嵐運用のために生まれた伊号潜水艦、伊14よ。いいよ、イヨって呼んで。提督、よろしくどうぞ!」
「あ……ああうん何と言うかその……宜しくと言うか何と言うか……」
にこりと微笑む潜水艦娘は見覚えの無い艦娘ではあったが、身に着けているスク水にヒラヒラしている部分は多分デフォでは無いのだろうと吉野は乾いた笑いを口から漏らしていた。
「えっとゆーもチョコ……アーン」
「あ、あーん……」
「何かいきなり着任早々大イベントにエンカウントしたのね、て言うか提督は何て言うか、ドMなの?」
「違います! 何と言うかコレは何時の間にか色々諸々のっぴきならない事情が生んだ悲劇であって、提督は椅子にシッダウンしたまま責められる事に喜びを感じる特殊な性癖は持ち合わせてませんからね!」
通称泳ぐ18禁と称されるイクにやや引かれた視線で見られる髭眼帯、そのイクイクノのスク水はでち公と同じデザインでレースのヒラヒラが付属していたが、胸の部分がハートマークに切り抜かれ、更に網タイツ状のニーソを装備していた。
良く考えると着任早々この有様である、彼女達は何故抵抗も無くそんな格好で着任の挨拶をしているのか、どうしてスク水に網タイツなのかという謎が原因で吉野は眉根を寄せている。
冷静に現状を第三者視点で確認してみる。
ちょっと豪華な革張りのチェアーに拘束され、改造スク水を着用した少女達にわらわら囲まれる海軍士官、どれか一つ取ってみてもちょっとした事案と言うべき状況と言えなくも無い惨状。
一体どこの世界の軍事拠点でそんな訳の判らないカオスが展開されるのであろうか、むしろ軍事拠点というシチュを抜いてもそんなワールドはどこにも無いと断言出来ると吉野は思った。
「ねえねえねえ、提督、今日も元気? あたし、伊号26潜水艦ニムは、もちろん元気ー! 今日も一緒に逝っちゃおー!」
物思いにふける髭眼帯の前に物凄く元気を強調したムチムチ枠にINしそうな潜水艦娘が寄ってくる、我に返りフトモモ娘を見ると、何故かニムは言葉とは裏腹に色々死ーんと言うかハイライトが薄い状態の目を向けながら吉野を見ている。
恐らく鎮守府に着任した瞬間お着替えを強要されたのだろう、他の者よりやや股部分の布地と言うかVの角度が鋭角な形状であるスク水は、やはりと言うか何と言うかレースのヒラヒラでスカートが形成され、色んな意味でおかしいシルエットをそこに形作っている。
そんなフトモモをムチムチしてニコニコと死んだ目でチョコを差し出す様を直視出来ずにプイッと吉野は横を向くと、何故かドヨ~ンとした空気を纏った白いスク水を着たチビっ子と目が合ってしまうという悲劇。
どうしてそんなに落ち込んでいるのか、何が少女をそういう気分にさせているのか。
そして少女は何故アニモーなブツを頭に被っているのだろうか。
「えっと……その、あの……君は……」
「モグラじゃないもん、まるゆだもん」
「そっかぁ、モグラなのかそれぇ、そっかぁ……なる程ぉ……」
色々聞くと例のピンク頭の酒保の主から『キャラ付けは大事』だと勧められ、モグラなブツを頭に装着したチビっ子は涙目で色々不憫な状態でそこに居た。
そんな白スクを見て思わず目頭が熱くなった吉野の受難はこれで終了では無く、逆にまだ始まりだったという事を後で実感する事になる。
誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。
また、拙作に於ける裏の話、今後の展開等はこっそりと活動報告に記載しております、お暇な方はそちらも見て頂けたらと思います。
それではどうか宜しくお願い致します。