大本営第二特務課の日常   作:zero-45
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 前回までのあらすじ

 提督からのお達しにより自分のあり方を模索する時雨と、それに関わる事で自身の居場所を模索する雪風、二人はあるかも判らない答えに向き合い、そして答えを得ようと足掻くのであった、そしてオーキス。


 それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。


2019/02/20
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きましたリア10爆発46様、Blue bullet様、雀怜様、有難う御座います、大変助かりました。


11月29日、居酒屋鳳翔

「今日は久々に全員の時間が合ったという訳で久々の飲みよ、どんどんやっちゃって」

 

「て言うか今日に合わせて皆お休みを取ったでち」

 

 

 艦娘寮一階に入る居酒屋鳳翔。

 

 日々鎮守府に所属する者達の胃と心を癒すそこは、夜の帳が下りる頃には主に酒宴が中心の店となる。

 

 そして今日もそこでは小上がりの一区画を貸し切って、とある集団が宴を催していた。

 

 卓の上にはすき焼きの鍋を中心に焼肉、焼き鳥、ステーキ、そして肉のタタキ等、肉々しい料理が目白押しであり、その料理を前に叢雲が乾杯の音頭を取っている。

 

 その酒宴に参加するのはゴーヤにあきつ丸、神威にニム、更には秋津洲に龍鳳という、何と言うか全員に共通点が見出せないメンツが集い、その中心では髭眼帯が凄く怪訝な表情で不審者の如くプルプルと周りを警戒していた。

 

 

「この肉……鍋や焼きに応じて和牛やアンガスビーフ等、調理に適した肉を使い分けていますね、流石鳳翔さんです、はい」

 

「流石神威さんですね、私も途中まで手伝ってはいたんですけど、この卓に並ぶ料理は産地にして六箇所、使っている部位に至っては二桁は優に超える肉が使用されているんです」

 

「あーもーほらほら龍鳳も、今日は店員じゃなくて客なんでちから、もっと気楽に楽しむでち」

 

「あ……有難うございます、そうですね、ついついクセで……」

 

「えっとその、あの、でち公さん? ちょっといい? この集いは一体……」

 

 

 肉々しい料理を皿に盛りモリモリ食っているゴーヤに、プルプルしつつ髭眼帯が手を上げて疑問を口にする。

 

 

 この日は執務が立て込んでおり、更には周りの者達も手が離せないという状況にあり、髭眼帯は久々に一人で夕食を採りに鳳翔を訪れる事にした。

 

 時間は二一〇八(フタヒト マルハチ)、それは夕食にしてはやや遅いと言える時間であったが、鳳翔でなら閉店まで食事系のメニューがあるという事で、髭眼帯は久し振りにコロッケ定食でも食べようと鼻歌交じりに店の暖簾を潜ったのである。

 

 そんな居酒屋にINした刹那、何故かカウンターに向う途中で何者か達に拉致され、すわ何事!? と思考を巡らせる前にヒョイと宴の中心にセットされ、あれよあれよという間に乾杯をしつつの現状。

 

 そんな訳で髭眼帯的にはこの宴の趣旨も何も知らない状態で、宴の中心に据えられてプルプルしているのであった。

 

 

「提督、今日は何月何日かも?」

 

「え、えっと……確か11月29日……だったかな?」

 

「11月29日は何の日か知ってるかも?」

 

「え……何の日って?」

 

 

 未だピコッと手を上げたままの髭眼帯は、怪訝な表情のままで首を捻る。

 

 そしてその様を見る叢雲はニヤリと微笑み、すっくと立ち上がって手にしたグラスの中身をゴクゴクと飲み干し、プハーと息を吐いてドヤ顔を見せる。

 

 

 ムチムチネココスのメイド服を纏って。

 

 

「今日は11月29日、イイニク……そう、いい肉の日なのよ!」

 

「え……イイニクぅ?」

 

「そうであります、いい肉と言うのは素晴らしい肉という意味であります、それは言い換えればムチムチを称える日と言えるのであります!」

 

「ムチムチをぉ? 称えるのぉ? なんでぇ?」

 

「このっ! ボリューミーにありつつもギリギリを攻めるかの如き健康美! それは色気が保てるギリギリバランスのバディと言えるでち! いいでちか? だらしなさと紙一重にありつつもそうじゃない健康美と言うのはある意味奇跡と言えるバランスなのでち! これがいい肉じゃなくて何て言うのでちかっ!」

 

「そんな訳で我がムチムチ同盟では、今日の良き日に集ったムチムチ戦士達によるムチムチ慰安会を開催する為に、肉の宴を開催する事にしたのよっ!」

 

「に……肉の宴ぇ?」

 

 

 叢雲、あきつ丸、ごーやという元祖ムチムチ三銃士のムチムチトライアングルに囲まれつつ、髭眼帯はプルプルしつつ周りを改めて見渡した。

 

 テーブルの上にはコレステロール値が天元突破しそうな程に溢れんばかりの肉々しさが際立つ肉料理の数々。

 

 周りにはムチムチ三銃士の他に、ムチムチな神威にムチムチな秋津洲、割と地味目であったがごーやを凌ぐと噂のムチムチなニムに、更には服で余り目立たないが隠れムチムチと名高い龍鳳が集うというムチムチとした宴。

 

 確かに言われてみれば、特定のワードで縛りを入れれば共通点が見出せてしまうムチムチとした宴がそこには広がっていた。

 

 

「ああうん、えっと、何と言うかその……はい」

 

「当初は三人だったムチムチ同盟も気が付けば現在七名、あと少しで鎮守府の最大派閥である陽炎一家を凌げる程の規模になるわ」

 

「え、いや叢雲君何と張り合ってんの? てかそもそもムチムチ同盟って何の活動してるワケ?」

 

「ムチムチ同盟、それはムチムチのムチムチ戦士の為のムチムチ活動を支援する為に結成されたムチムチ達の為の同盟であります」

 

 

 髭眼帯は思った、ムチムチは何となく判るとしてどうしてそれが戦士になるのか、彼女達は一体何と戦うというのだろうか、それ以前にムチムチ活動という行動自体が一体どういう物なのかが謎過ぎるので言っている言葉がちっとも頭に入ってこないでは無いかと。

 

 

「そう言えばごーや、はっちゃんやイムヤはどうなの? 前からムチムチに誘ってはるんでしょ?」

 

「あー……あの二人はどっちかと言うとムチムチ戦士と言うよりムチムチサポーターでちからねぇ、表に出る事には消極的でち」

 

「え~ ムチムチサポーターぁ? なぁにそれぇ?」

 

「確かに、あのお二人の属性を考えればそれは致し方ない事かも知れないでありますなぁ」

 

「属性ぃ? なんのぉ?」

 

「叢雲さん、新たなるメンバーの拡充を求めるなら、グラーフさんやプリンツさん達辺りも誘ってみてはどうでしょう?」

 

「龍鳳……グラ子やプリケツはムチムチじゃないのよ……アレはバインバイン、そう、バディ全体でムチムチを表現するのでは無く、特定部位のみで自己主張をする、ムチムチとは似つつも非なる別種の存在なの」

 

「じゃアイオワさんとかサラさんもダメって事かなぁ?」

 

「ニム、アレもムチムチとは違うでち、ムチムチとは部分的な物を武器とはせず、体全体を凶器とする存在なのでち」

 

「なるほどぉ」

 

 

 因みに場に集うムチムチ戦士達は其々ムチムチを強調するムチムチとした服を装着していたが、神威だけは元々の服がそれ以上のムチムチを強調するのが不可能と判断された為、いつもの格好のままで肉々しい宴にムチムチと参加していた。

 

 

「おっ、な~んか豪勢なつまみで飲んでるじゃないかさ~ これ何の宴会なんだい? あたしも混ぜておくれよ~」

 

 

 そんなムチムチした肉の宴にほろ酔い状態のヒャッハーが一升瓶片手に現れる。

 

 

「……隼鷹でちか」

 

 

 ムチムチのごーやはヒャッハーからチラッとムチムチの叢雲に視線を送る。

 

 するとムチムチの叢雲はヒャッハーを舐めるかの様な視線で観察し始めた。

 

 

「え、あのえっと……なんだいそんなにジロジロ見詰めて……」

 

「軽空母界の安産枠、確かにそのヒップラインのムチムチ度には目を見張る物があるわ、しかし下半身の完成度に比べ上半身のムチムチ度がやや不足傾向にある、言ってしまえば下半身のみムチムチ、これでは激しい戦いに耐える事が出来ないわ……」

 

「だから君達、一体何とどんな戦いをしてるの? ねえっ!?」

 

「叢雲殿、ここは育成枠と言う事で隼鷹さんを採用してはどうでありますか?」

 

「え、なんだい? 育成?」

 

「ダメね、もう隼鷹は完成してしまっている、これに手を加えてもビールっ腹が加速してしまってムチムチにはならずにタポタポバディになってしまうわ」

 

「ちょっ!? ビールっ腹ってなんだよっビールっ腹って! てかタポタポなんかしてないっつーのっ! なぁ提督もそう思うだろっ、ほら見てみ! ほらっ! ほらぁっ!」

 

「ちょっと隼鷹君何でそこで提督に意見を求めるワケ!? てか上着着て!? ちょっと助けてイズモマーン!」

 

 

 酔った勢いなのかそれとも他に何か地雷を踏まれてしまった為か、ヒャッハーは上着をめくり上げて腹を見せ、何故か髭眼帯にホラホラとポンポンをクネクネしつつそれを見せ付けるというカオスが展開される。

 

 そんな物を横目に叢雲は「あれがバランスを欠いたムチムチになりきれなかった者の末路よ」とニムと龍鳳に語り掛け、二人は腹芸に勤しむヒャッハーを見てコクコクと頷いた。

 

 

「そういえば叢雲殿、新人と言えば浦風殿もかなりの素質を秘めていると思うのでありますが、その辺りどうでありましょうか」

 

「……えぇ確かにあの子も選ばれし者、中々のムチムチを秘めた存在だと思うわ、しかし」

 

「しかし?」

 

「あの子は既に金剛に取り込まれてしまったわ、だからもう手遅れよ」

 

「金剛君が取り込むぅ? ああ……うん、フレンチクルーラー一族……」

 

 

 髭眼帯はいつもじゃけぇじゃけぇ言っていたおっぱい風を思い出し、叢雲が言う金剛という言葉に納得した。

 

 それと同時に最近改二が実装され、秋イベのE4主役艦隊にINしているあのミッチーが着任してしまうと、また新たなる派閥が出来上がってしまう恐れがあるので気を付けないといけないなと現実逃避をしつつ警戒心を高めるのであった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 肉の宴もたけなわ、殆どの者がへべれけとなった処にヒャッハーやポーラという呑兵衛が参加した事で場が混沌とし、そこから脱出した髭眼帯は別な席に呼ばれ、現在は難しい顔で卓の者達の言葉を聞いていた。

 

 移動したそこは店を改装した際追加された個室、凡そ十二畳程のそこには古鷹に妙高、そして大淀という事務方系の三人と、榛名に長門という戦艦二人、それに龍驤を加えた六人が席に着いていた。

 

 

「あーっと、要するにアレだ、君達は特務課の人事に物申すって事で集った訳だ」

 

「いやいや物申すって程大層な話とちゃうんやけどな、ちょっちキミに一考して欲しい事があってやなぁ」

 

「ふむ? 一考する事とは?」

 

 

 割とやんわりとした雰囲気の龍驤とは違い、場の者は、特に榛名と妙高は思い詰めた空気を纏い、また他の者も居酒屋で見せるにしては硬い表情で席に着いていた。

 

 取り敢えず其々の前には飲み物と一品はあったが、それらはアルコールの類では無かった為、場が飲みではなく話し合いを目的にした物だと言うのは言わなくても髭眼帯には理解出来た。

 

 

「提督が鎮守府の事を考え、そして能力面を考慮して特務課を編成したのは理解している、しかしそれを理解していてもだ……考え直して欲しい部分がある」

 

「……えっと榛名君の事は前に上申があったから何となく察しは付くんだけど、えっとその……」

 

 

 卓は上座に髭眼帯、そこから見ると右手に榛名、長門、龍驤、そして左に妙高、古鷹、大淀という並びで座る姿が見える。

 

 そういう位置関係からすれば、恐らく榛名がそうだった様に、妙高の思い詰めた空気も相まって恐らくは特務課の人事に対して思う処があるのは、位置的な物を見ても手前の二人なのだろう事は想像に難くない。

 

 

 現在大坂鎮守府は膨大な経済活動に加え、派閥の中心としての役割も担っている状態にあった。

 

 それは言い換えれば事務方には一拠点以上の処理能力が求められ、現在大淀を中心とした妙高、高雄という柱は絶対必要な存在となっている。

 

 そして榛名も対外的に動く戦力としては攻めの要と言える存在であった為、以前から上申されてきた特務課入りは髭眼帯的に承服出来ない状態にあった。

 

 

「全てを言わなくても判っているだろう? この二人が望んでいるのはそういう事だ」

 

「いやいや長門君、それは判ってても二人はその……艦隊運営と鎮守府運営には外せない立場だってのは判ってるよね?」

 

「提督が私の能力を認めて貰っているからこそ、この様な重責を任せて頂いているのは理解しています」

 

 

 吉野の言葉に妙高は視線を膝上で握り締めた手に落としつつ、搾り出す様に言葉を口にする。

 

 それは彼女にしては珍しく、迷いを含み、苦し気な物であった。

 

 

「私の働きが提督のお役に立てるならと、そう思いずっとお役目に就いていました、でも……」

 

「榛名もそうです、この力が提督のお役に立てるのは戦場(いくさば)しかない、だから今まで頑張ってきました」

 

「申し訳ありません、今のこの状況は提督を困らせると判っているんです、でもどうかこの場限りの我儘と聞いて下さい、私はずっと自分に出来る事をと事務方で頑張ってきましたが……きましたけど……その間もずっと……ずっと時雨ちゃんが羨ましいと思ってたんです」

 

 

 そう言って吉野へと向けた妙高の顔は、今まで見た事が無い程に複雑な、迷いを含んだ弱々しい物になっていた。

 

 

「大本営では提督のお傍で仕事を回せていましたが、鎮守府ではそういう機会に恵まれませんでした、でもそれは仕方の無い事だと思っていたんです、でも……」

 

「……特務課の設立、あの課は実務、事務方が必要な、ある意味鎮守府の中にあって嘗ての第二特務課の様な存在なんじゃないかって榛名は思っています」

 

 

 妙高の対面、そこに座る榛名の顔は妙高とは逆の、何かの決意を含んだ固い物になっていた。

 

 

─────────嘗ての第二特務課の様に。

 

 

 それは色々な分け方が出来るだろうが、吉野にとって最初期のメンバーと言えば時雨、榛名、妙高の三人という考えがあった。

 

 そして多くの者も同じくこの三人が最初期組という認識があり、ある意味鎮守府の中でもこの三人は特別視される存在にあった。

 

 

「私は……いえ、時雨ちゃんも榛名さんも、軍務があるからここに居るのでは無く、提督がいらっしゃるからここに居ると思っています」

 

「鎮守府という巨大な組織を回す為に提督が一生懸命なのは判っています、榛名もその一助として働きたいのは嘘の無い本音なんです、でも……」

 

 

 最後の最後、一番伝えたいという言葉に至った時、それでも二人は言葉に詰まり、そして再び口をつむいで俯いてしまう。

 

 彼女達が望む言葉、それは単純であったが、今の状況から言えば個の部分から出た我儘に違いない。

 

 そしてその言葉を言ってしまえば、確実に吉野を困らせる物であった為どうしても言う事が出来ない言葉であった。

 

 

「提督よ、妙高も榛名も、今まで己を殺してここまで貴方に尽してきた、艦娘という存在であり立場という物を考慮すればそれは当たり前だと言えるかもしれない、でもな……」

 

「提督、確かに実務を考えればお二人は今の所属が一番というのは理解出来ます、しかし大坂鎮守府は彼女達がいなければ回らないという脆弱な作りになっていないのは、提督自身が一番ご存知なのではないでしょうか?」

 

「せやなぁ、大淀の言う通りやとうちも思うで? こんだけキミが手塩に掛けて作ってきた鎮守府や、ここまでガチガチに固めとるんやったらちょっと位な……我儘通してもいけるんちゃうかって思うんやけど、そこんとこどないやろか?」

 

「妙高さんは私が事務方へ戻れば大丈夫だと思いますし、艦隊の方は……」

 

「そうだな、仮にも私に大和、武蔵を筆頭に今はどうとでもなる面子が揃っている、逆に現状榛名が居ないとどうにもならないと提督が思っているなら、それはそれで心外だな」

 

 

 其々の言う事は吉野にも理解出来ていた、二人を特務課に配置しても鎮守府運営は充分回る事も判っている。

 

 しかしそれを是とできない理由には、既に個の我儘を反映させる程今の鎮守府の規模は小さくないという事情があった。

 

 

 それなりに小規模なら多少の我儘は通しても良かっただろう、しかし今鎮守府は三桁に近い人員を要し、吉野自身も将官という公の立場に就いている。

 

 それは仕方ないと言っても、吉野は既に私という面からは軍務に携われない立場になっていた。

 

 

 こんな事になるのは前々から判っていた、だから佐官に留まろうと苦心した、例え軍の頂点から下知されても将官という席に就くのを頑なに拒み続けてきたのはそれが判っていたからだった。

 

 しかし今は必要だからと仕方なく今の立場を受け入れたとあっても、将官という軍団の長になってしまった今は確たる理由も無く、嘗ての関係があるからと言って個の願いを軍務に反映させる事は出来ない。

 

 それが軍務であり、今の吉野を取り巻く世界であった。

 

 

 だから安易な気持ちに流される訳にはいかない、そういう思いを固め、その事を伝える為に顔を上げた。

 

 

「君達の言う事も判る、考えも理解しているつもりだ、だけど───」

 

「提督、私は貴方の元に下った日から覚悟は決めていたんです、ですから……ですからどうかこの妙高を……お傍で死なせて下さい」

 

「榛名が強くなったのは、あの時から世界で一番を目指したのは……提督と共にある為です」

 

 

 吉野が答えを口に出す途中に、二人が言う事を迷っていた言葉、心にある思いの丈を口にした、そして髭眼帯はその目を見てしまった。

 

 

 ─────────嘗ては小さかったその手を引き、あの場所に(・・・・・)連れて行った事で人生を変えてしまった。

 

 ─────────本人は最後を望んでいたのに、自身の我儘だけでそれを捻じ曲げてしまった(・・・・・・・・・・・・)

 

 

 時雨と同じく、この二人に吉野が特別を感じるのは、他の者とは違い自身の考えで其々の生き方を変えてしまったからだと、自ら望んでそれらを背負った物なのだと、この隻眼の髭は二人の言葉を聞いて思い出してしまった。

 

 

 思い出してしまったから、答えとして出した言葉が、途中で口から出なくなった。

 

 

「あぁ……うん、そっかぁ、うん……そっかぁ」

 

 

 そして髭眼帯が途中で飲み込んだ言葉は何をどうしても、口から出てこなくなった。

 

 

 結局その日は吉野の口からは確たる答えは出てこず、暫く後に場はお開きとなるのであった。

 

 

 そして後日新たな人事異動が発令される事になる。

 

 

 特務課所属であった古鷹が事務方へ戻る事になり、代わりに妙高が特務課へ。

 

 そして同時に榛名が常用艦隊の枠から特務課の専任へ。

 

 それは鎮守府司令長官の名で発令され、即日配置転換が実施される事になったのである。

 

 

 




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 ただ言い回しや文面は意図している部分がありますので、日本語的におかしい事になっていない限りはそのままでいく形になる事があります、その辺りはご了承下さいませ。

 また、拙作に於ける裏の話、今後の展開等はこっそりと活動報告に記載しております、お暇な方はそちらも見て頂けたらと思います。


それではどうか宜しくお願い致します。


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