大本営第二特務課の日常   作:zero-45
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 前回までのあらすじ

 大坂鎮守府教導施設開校、それに伴い深海棲艦艦隊と鎮守府選抜第一艦隊によるエキジビションマッチが開催、其々ぶつかり合う意地と意地、それが齎す結果と反応、彼女達がやってきた答えの一つが今形となって現れる。


 それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。


2017/12/23
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました坂下郁様、リア10爆発46様、じゃーまん様、有難う御座います、大変助かりました。


海軍大坂特殊兵学校、弐

 片肺を潰され、喀血(かっけつ)交じりの荒い息も絶え絶えに、意識が途絶えた榛名を引き摺り、今も尚戦闘が続く場から離脱する山城(戦艦棲姫)

 

 つい今しがたまで居た辺りは既に双方入り乱れてのキルゾーンへと変貌し、そこへ足を踏み込む者が居るならば、それが誰であろうと命を刈り取る鎌の餌食になるのが充分予想が付いてしまった。

 

 例え救難の為であろうとも、近付く者には漏れなくそんな危険に晒されるだろう。

 

 しかし自身のダメージもそうだが、頭部に重篤なダメージを負った榛名をそのまま放置する事は出来ず、例外的に轟沈判定を解除して貰った山城(戦艦棲姫)は這いずる様に榛名を引っ張り、戦闘域からギリギリの域迄退避し、鎮守府から来る回収班の到着を待つ事にした。

 

 

 開幕から間を置かず脱落した二人以外の者は、現在扶桑(戦艦棲姫)と大和が接敵状態で対峙し、発艦を終えた艦載機が乱れ飛ぶ中、朔夜(防空棲姫)と摩耶が対空防御の陣を張り巡らせ、位置的にフリーになりつつあった夕立を静海(重巡棲姫)が牽制するという形で戦いは続いている。

 

 

「貴女にしては、随分と、強引に、踏み込んできますね、珍しいじゃ、ありませんか」

 

「……こちらにも、退けない、理由が、ありますので」

 

 

 平時では攻め手の殆どをカウンターに頼る大和だったが、今は扶桑(戦艦棲姫)を相手に密着する形で打撃を繰り出し、前にも後ろにも行かせぬ構えでその場へ釘付けにさせていた。

 

 技量だけで言えば大和の方が一枚上手と言うのは、恐らく誰にでも判る様な攻防。

 

 それが証拠に扶桑(戦艦棲姫)はまんまとその術中の只中にあり、思うような位置へ進む事が出来ないでいる。

 

 しかしそれをするのが天下の大和型と言えど、相手は深海棲艦の、しかも戦艦棲姫である。

 

 本体のみで大和の耐久値の倍、艤装を含めれば四倍の頑強さを誇る。

 

 

 そして対する数が実質二になると言う事は、その差は数字以上に厄介な物になる。

 

 一応扶桑(戦艦棲姫)本人を倒せば艤装は停止する為、攻撃を集中すべき相手は決まっているが、それに集中し過ぎれば少し退いた艤装からの砲撃が飛んでくる。

 

 故に密着して砲撃を無効化し、尚且つ己の倍は頑強な扶桑(戦艦棲姫)を削らねばならない。

 

 

「赤城さん、申し訳ありませんが、後はお任せしてもいいでしょうか?」

 

「どうぞ、こちらの事は気にせずに、貴女は貴女のやるべき事を成して下さい」

 

 

 第一艦隊後方で、赤城よりも先に艦載機(・・・・・・・・・・)の発艦を終えた(・・・・・・・)加賀が摩耶を盾としつつ突出していく。

 

 空は鬼二人が放つ艦載機で埋め尽くされ、数の比で言えば考えたくない程の差がそこにはあったが、それでも極限まで集中力を高めた赤城の艦載機運用は辛うじてそれらを押し止め、その隙間を縫う様に加賀の艦載機が援護に回る。

 

 

「さて……ここから暫くが正念場ですね、タイミングを誤ってしまうと立て直しは不可能です、頼みましたよ……加賀さん」

 

 

扶桑(戦艦棲姫)中破、艤装に問題なし』

 

 

「くっ……ずるいですね、幾ら貴女にダメージを負わせても艤装には影響ありませんから、こちらは得意の間合いでは戦えない」

 

「なら貴女も沈んでみますか? そうなれば私と同等か、もしかしたら更なる上位の存在に成れるかも知れませんよ?」

 

「ごめんなさい、そのご提案には魅力の欠片も感じません」

 

「……でしょうね」

 

 

 大和の奮闘により扶桑(戦艦棲姫)は漸く中破にまで至ったが、大和自身はそれより前に中破へ追い込まれており、耐久値の差という部分では相変わらず二倍の差というままであった。

 

 それでも流石鉄壁という処であろうか、これだけ派手な戦いを繰り広げていても尚、今暫くは扶桑(戦艦棲姫)を押し留められる状態で猛威を凌いでいた。

 

 

「うっわ~ なにあれ戦艦棲姫の猛攻を単艦で凌いでるよ、信じらんない」

 

「確かに凄いっちゃ凄いけど、真正面の削り合いならこっちに分があるわ、でも……あんな無茶をするって事は何かを企んでるのは確かね、その前に何とかアカギとカガを潰してしまうわないとね、ほら、ボサっとすんな」

 

「はいはい判ってますよ~だっ、て言うか随分朔夜(防空棲姫)ちゃん大人しいみたいだけど、どうかしたのかにゃ?」

 

 

 (空母棲鬼)水晶(空母水鬼)の空母コンビが見る先では、朔夜(防空棲姫)が上空に侵入してくる艦載機を虱潰(しらみつぶ)しにしつつ、前方で展開する戦艦同士の戦いを睨んでいた。

 

 この海戦に参加する者達全てを並べれば、性能という面では艤装を独立運用可能な扶桑(戦艦棲姫)、山城(戦艦棲姫)姉妹が一番だと言えるだろう。

 

 しかしこの混戦という状態に限って言えば、小回りが利き、更に戦艦棲姫本体より頑強な朔夜(防空棲姫)に分があると言える。

 

 具体的には扶桑(戦艦棲姫)姉妹の本体と同等の耐久値に倍の装甲値、攻撃力は実に大和の倍とくれば、正直な話彼女が前に出てしまえば簡単に戦況がひっくり返ってしまうのは間違いないだろう。

 

 

 それでも朔夜(防空棲姫)は前に出ようとは思わなかった。

 

 吉野と邂逅してから今まで、第二特務課の古参組の者よりは僅かに時間が短いが、それでもこの大坂鎮守府所属の者達と比較するなら、それなり以上に同じ時間を共有したのがこの朔夜(防空棲姫)である。

 

 (空母棲鬼)も同じ程に時間を共にしたと言えるが、同じ視点という立場に居た朔夜(防空棲姫)の方が、思考がより吉野に近い物になっている。

 

 彼女が生きてきた時間の中では決して長いとは言えない、寧ろ短いとも言える程にしか時間を共にしていない。

 

 それでも濃密で退屈しなかった日々は、前世が艦娘だったというのも何かしら関係しているのだろうか、いつしか深海棲艦でありながらも、朔夜(防空棲姫)自身は人と深海棲艦、どちらにも組しない、中立的な立ち位置からの考え方をする様になっていた。

 

 そこから更に掘り下げていけば、結局彼女の立ち位置は深海棲艦だの人だのという場所には無く、極端な話、吉野三郎側かそれ以外かという考えに辿り着くものになっている。

 

 

 故に今回の演習に於いても提督からの指示だからという理由で参戦はしているが、積極的に第一艦隊を潰そうという考えには至らなかった。

 

 山城(戦艦棲姫)に対する榛名という様な、鎬を削る相手が自分にも存在すればそれもまた違ったであろうが、なまじ強過ぎた己には結局単艦で相手取る者が存在しない以上、こういう模擬戦に対しては興味の持ち様が無いというのが彼女の本音であった。

 

 

 取り敢えずは役目をこなしている、そんなスタンスで対空防御を回していた朔夜(防空棲姫)の視界には、とうとう擦り切れてしまったのだろう、膝から崩れ落ちる大和の姿が見えた。

 

 

「ぐっ……摩耶さん!」

 

「おうよっ! 任せろっ!」

 

 

『大和大破、行動不能』

 

 

「喰らい……やがれぇぇっ!」

 

 

 大和が崩れ落ちた瞬間、対空防御に専念しつつもジリジリと前に出ていた摩耶が突如扶桑(戦艦棲姫)へ突貫を掛ける。

 

 その行動は、当然敵艦載機を阻む一角が消失する事になり、空からの脅威が増大する事になる。

 

 

 現在扶桑(戦艦棲姫)の状態は中破、幾ら摩耶でも対空装備に3号砲一門を加えただけの装備では、大破にギリギリ届かない程しか削れないだろう。

 

 猛然と敵機が攻撃を仕掛け始める。

 

 それは赤城の艦載機を蹴散らすかの如くの勢いで、絶望的な速度で周囲を侵食していく。

 

 

 扶桑(戦艦棲姫)の前、ほぼ零距離に摩耶が滑り込み、3号砲のつるべ撃ちが敢行される。

 

 だがやはりそれでは相手を削り切るにはまだ足りない、しかも扶桑(戦艦棲姫)は摩耶を砕こうと拳を振り下ろす。

 

 それがまともに突き刺さり、轟沈判定が出た瞬間、崩れ落ちる摩耶の影から新たな影が躍り出る。

 

 

 火を噴く20cm単装砲では戦艦相手には掠り傷程度しか負わせられない。

 

 一当てされれば終わってしまうのは、航空母艦だから仕方が無い。

 

 しかし最大火力である艦載機を無傷で押し込む為には、そんな賭けに出るしか手が無かった。

 

 

 余りにも一方的に瓦解していく第一艦隊の航空戦力に対し、(空母棲鬼)が不自然さを感じたその瞬間、航空母艦、一航戦加賀が扶桑(戦艦棲姫)の目の前に虎の子である流星改十二機を背負って(・・・・)飛び込んできた。

 

 

 単装砲片手に航空母艦が戦艦相手へ突出、その驚きは扶桑(戦艦棲姫)をその場に縫い付ける事にはなったが、いち早く反応した静海(重巡棲姫)扶桑(戦艦棲姫)と加賀の間に割り込み、盾となる。

 

 

「チェックメイトです、加賀さん」

 

「鎧袖一触よ、心配いらないわ」

 

 

 流星からの攻撃を肩代わりし、それでも反撃の為砲を構えた時、静海(重巡棲姫)は見た。

 

 加賀の口元が笑いに歪む様を。

 

 

「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」

 

「なっ!?」

 

 

 大和から摩耶へ、そこから加賀という順での間髪入れない連続攻撃。

 

 最後は艦載機を伴い、あろう事か砲を片手に突っ込んできた加賀の奇策と、余りにも自然な砲扱いに注意が行き、未だ脅威として残っていた艦の存在を扶桑(戦艦棲姫)静海(重巡棲姫)もこの数秒間忘れてしまっていた。

 

 そんな虚を突かれた瞬間、動きが止まった、いや、加賀に胸倉を掴まれそこに縫い付けられた扶桑(戦艦棲姫)静海(重巡棲姫)に、61cm五連装(酸素)魚雷二基による十発の至近斉射が襲い掛かる。

 

 

 それは加賀諸共深海棲艦二人を轟沈へ追い込み、深海艦隊の前衛を一気に瓦解させた。

 

 

 しかし第一艦隊の猛攻はここまでであった。

 

 

 左右の酸素魚雷発射管からの、しかも五連装二基の斉射を成すには大きく往き足(航行速度)を落さねばならず、その結果は艦載機からの集中爆撃、雷撃という物に身を晒すという、余りにも大きい代償を払う結果となってしまう。

 

 

『摩耶、扶桑(戦艦棲姫)静海(重巡棲姫)、加賀、夕立轟沈』

 

 

 ハウリングの耳障りな響きを伴って、五隻の轟沈判定を告げるアナウンスが海に響き渡る。

 

 この時点で残っているのは水晶(空母水鬼)(空母棲鬼)、そして朔夜(防空棲姫)

 

 対する第一艦隊では赤城のみ。

 

 

 全員ほぼ無傷という状態であったが、艦載機の数も、それ以前に戦力的な差も最早比較する必要が無い程に、それは絶望的な差という形で赤城の前に横たわる。

 

 静かに赤城を見据え、朔夜(防空棲姫)は前に出る。

 

 (空母棲鬼)達の艦載機にはまだ数の余裕はあったが、最後まで奮戦した者達に対し、未だ己の手を下していなかった事を思い出した朔夜(防空棲姫)は仕事を完遂し、この演習の幕引きをする役目を担う事にした。

 

 艤装に乗った4inch連装両用砲+CIC三基六門を赤城に向ける。

 

 その意図を汲んだのだろう、(空母棲鬼)水晶(空母水鬼)も艦載機を退き、最後の時を待つ。

 

 

 弓を脇に添え、そこが戦場だと一瞬忘れてしまいそうな程に水面(みなも)に経つ赤城の姿は自然体だった。

 

 近付く朔夜(防空棲姫)に対し、あくまでも自然体を貫く赤城だったが、極ゆっくりと、弓懸(ゆがけ)がはまった右手が天へ向けられる。

 

 

「艦載機のみなさん、用意はいい?」

 

 

 呟く様な静かな声と、向けられた指先に誘われて朔夜(防空棲姫)は天を仰ぐ。

 

 そうして見る先には真っ青な空と、そこに見える僅かな点がある。

 

 目を細めて確認すれば、点だった物は徐々に輪郭を確かな物へと変えていき、それは自身に目掛けて落ちてくる艦載機だというのを朔夜(防空棲姫)は視認した。

 

 

「……まだ艦載機を残してたのね」

 

 

 逆落としを仕掛けるそれは、赤城が放った艦上爆撃機、彗星。

 

 重力と自重、そしてアツタが搾り出す1200馬力を伴って、腹に懸架した500キロ爆弾を朔夜(防空棲姫)の脳天目掛けて放とうとする。

 

 ゆっくりとローリングしつつ落ちてくるそれを確認し、静かに狙いを定め、構えた4inch連装両用砲+CICを青い世界へ向けて放つ。

 

 砲弾はまるで吸い込まれる様に彗星へ着弾、切り離す前の爆弾と共に空へと爆ぜる。

 

 

 が、その爆炎からは、更にもう一機の彗星が落ちてくる。

 

 

「一の矢が駄目なら二の矢が」

 

 

 その彗星もさっきの焼き直しの如く、空中に爆ぜる、しかしまたしてもそこから彗星が現れる。

 

 まるで数珠繋ぎの如く、少しづつ海へ向けて爆発の火球が連なり始める。

 

 

「二の矢で駄目なら三の矢が」

 

 

 流石に三機目の姿を見た朔夜(防空棲姫)は、眉間の皺を深めつつもそれを堕とす。

 

 

「そして()の矢、それが最後の一本、しかして避けれぬそれは、()の矢となる」

 

 

 四機目、当然それも迎撃するが高度は低く、既に爆弾は切り離された後だった。

 

 故に最後のそれは朔夜(防空棲姫)の懐まで落ち、爆ぜる、『死の矢』になった。

 

 

朔夜(防空棲姫)、小破』

 

 

 赤城が放ったそれらは、四機連なりの逆落とし。

 

 くるりくるりと回りつつも、一糸乱れぬ急降下、姿重ねたそれは、対空に秀でた朔夜(防空棲姫)の眼でさえ後続の姿が視認出来ない程に、其々が正確な機動を描いていた。

 

 

「くっ……くっくっくっくっ……あっはっはっはっ」

 

 

 爆撃の直撃を喰らったというのに小破に留まった朔夜(防空棲姫)は、それでも拭った手に見える血の色をしたペイントを見て、噛み締めるかの様に楽し気に笑った。

 

 それと同時に砲を斉射し、今度の今度こそ演習の幕を引いた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 全てが終わり、スクリーンの映像が消えた大講堂。

 

 そこに居る者達は誰も何も言おうとせず、演習とは名ばかりの戦場を、それも姫鬼を相手に艦娘が全滅するというショッキングな結末に唖然としていた。

 

 

「深海艦隊轟沈三、小破一」

 

 

 そんな場に向け、叢雲の良く通る声が響き渡る。

 

 

「対して大坂鎮守府第一艦隊は全滅、これが嘘偽りの無い現実、姫や鬼と私達との間にある力の差よ」

 

 

 壇上中央まで歩く叢雲の言葉は、つい今しがたまで見えていた映像を伴って、場に居る者達へ重く圧し掛かる。

 

 

「今回の演習は、敢えて逃げ場を潰し、正面から対峙せざるを得ない状況での戦いをしたって訳」

 

 

 叢雲の言葉を聞く者達の殆どは言葉が耳に届いていないのか、何も反応を示さない。

 

 しかしそんな中にあっても、僅かばかりの者は、その言葉に含まれた違和感に気付き叢雲へ視線を向ける。

 

 そして僅かではあったが、返ってくる視線があった事に満足したのか、短く息を吐き出し、やや声のトーンを大きくした叢雲は言葉を続けていく。

 

 

「何も知らないバカなら真正面から突っ込んで、あっと言う間に駆逐されると思うわ、でもね、私達はバカじゃないわ、ちゃーんとした戦略と、それを実行する能力を持っている」

 

 

 立てた親指をトントン、と己の胸に当て、ムチムチは不敵な笑みを滲ませる。

 

 

「私達がアンタ達より秀でているのは、明けても暮れても延々と姫鬼と戦い続けてきたという経験よ、そして積み上げてきた、勝つ為の戦略を見つける為と、能力を身に付ける為に」

 

 

 勝つという言葉、そして不敵な笑みを見て、それまで押し黙っていた者達の口からは、まるで無理に押し込んでいた空気が漏れ出るかの如く、確かな息遣いが聞こえてくる。

 

 

「私達が時間を掛けて積み上げてきたそれを、アンタ達には集中して叩き込んであげるわ、勝つ為に、殺し尽くす為に、だから覚悟しなさい? こっちが年単位で見つけてきたそれを、アンタ達は一月二月(ひとつきふたつき)で身に付けないといけないんだから」

 

 

 絶望的な力の差を、映像とはいえ目の前で見せられた。

 

 恐らく自分達とは同じか、もしかしてそれ以上の力量を持つ者達が全力で当たっても尚届かなかった。

 

 しかも相手は数も同じ、艦種も同じ。

 

 そんな演習の最後に至った結果は、これから自分達が戦うであろう戦場を、未来を、それら全てが重なってしまい、先に待つのは絶望しかないと思い知らされる程には衝撃的な物だった。

 

 

 しかしその結果を以って尚、壇上の駆逐艦は言った。

 

 

 勝てる方法と術を与えてやると。

 

 あれだけ絶望的な差があるにも関わらず、勝てるのだと言った。

 

 

 一度は沈んだ何か、力なく垂れ下がった何かがジリジリと首を(もた)げ、自然と手は拳を形作っていた。

 

 

「ようこそ地獄へ、我々はアンタ達を歓迎するわ、存分に堪能してって頂戴」

 

 

 こうして限り無くガチに近い演習で厳しい現実を見せた挙句、ちょっとした希望と言う名の餌をチラ付かせ、集った者達のやる気と忠誠心をまんまと釣り上げるという企みを成功させたむちむちくちくかんは、この後宣言通り以上の地獄を教導生へ見せる事になるのであった。




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 ただ言い回しや文面は意図している部分がありますので、日本語的におかしい事になっていない限りはそのままでいく形になる事があります、その辺りはご了承下さいませ。

 また、拙作に於ける裏の話、今後の展開等はこっそりと活動報告に記載しております、お暇な方はそちらも見て頂けたらと思います。


それではどうか宜しくお願い致します。


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