大本営第二特務課の日常   作:zero-45
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 前回までのあらすじ

 大淀バニー祭り、(微かに)白露型バニー祭りと言うかワンコメイド服。


 それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。


2018/03/14
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きましたリア10爆発46様、京勇樹様、有難う御座います、大変助かりました。


その装束の色に込められた意味

 

 

「よーっしゃ今日はこれ位でえぇやろ、そろそろ上がろか、皆お疲れやで~」

 

 

 春の気配近付く大阪湾、朝夕は肌寒く昼は暖かいという梅の季節。

 

 演習に割り当てられている鎮守府西側海域では現在第一次教導任務が終了し、そこから得られたデータを元に空母勢が深海勢との試験演習を行い教導カリキュラムの修正に勤しんでいる。

 

 加賀を筆頭とした瑞鶴、サラトガがメインを張り、まだ経験の浅い瑞鳳を飛鷹と隼鷹が補佐しつつの本気演習。

 

 そこに赤城と龍驤が全体を見つつ指示を飛ばすという流れで戦略は煮詰まっていく。

 

 

 非殺傷性の弾薬を用いての戦いは、夕張謹製のダメージカットシステムも相まってほぼ一日中戦っても落伍者が出ず、結果として休みなしの濃密な戦いが連日繰り返される事となる。

 

 そんな精神的磨耗が激しい演習後は誰も彼も疲れた顔で鎮守府へ引き上げるが、その中でも第二改装を終えたばかりの瑞鳳が目立って損耗している風に見えた。

 

 

「ねぇちょっと瑞鳳大丈夫なの? フラフラじゃない」

 

「あ……あはは、うん、まだ色々と変わった部分に慣れてなくて……思う様に動けないかなぁ」

 

「あまり無理するのは良くないわよ? ほら、肩貸してあげるから無理しちゃ駄目よ」

 

「ありがとう……瑞鶴」

 

 

 見た目以上に疲労が蓄積しているのか、瑞鶴に寄りかかる形で帰投する瑞鳳の後姿を見送りつつ、龍驤と赤城は難しい表情で溜息を吐いていた。

 

 

「龍驤さん、瑞鶴さんと瑞鳳さんですが……」

 

「瑞鶴は前から色々と仕込んどったから取り敢えず形にはなっとる、せやけど問題は瑞鳳やな」

 

「はい、確かに第二次改装を終えたばかりで体に心がまだ馴染んでないのは確かです、でもそれを差し引いてもあの疲弊の仕方はちょっと異常ですね」

 

「ほんまやったらあの色(・・・)が出る前に超えらなあかん壁があったんやけど、タケゾウが改装するどさくさに紛れて勝手に改装してもーたからな……全部わやくちゃになってしもうとるわ」

 

「あれは身体的な面というより、どちらかと言うと精神的な部分の方が問題になっている感じでしょうか」

 

「せやな、しかもあれはうちとか赤城、加賀なんかやと手ぇ貸したる事はできん範疇のもんや」

 

「……歯痒いですね、原因は判ってても手を差し伸べる事が出来ない、あの時我々が慢心さえしていなければこんな事には……」

 

「終わってもた事に後悔してもしゃーない、うちらはうちらのできる事をやってくしかないやろ? それに次の教導艦隊受け入れるまで時間も余裕も無いからな、ちと無責任やけど瑞鳳の件は出来るモンに任せるしか無いし、せやからその辺は鳳翔に全部任せる事にしようと思ってんねんけど……」

 

「鳳翔さんですか……そうですね、面倒を押し付けるみたいで心苦しいですが、それが一番最良なのかも知れませんね」

 

「反省は次に生かせばええねん、瑞鳳の件ももっと早ように手ぇ打っとけばなんとかなったんやし」

 

「そうですね、その辺りの事も今後の課題として考えていかないと……」

 

 

 大坂鎮守府が予定する艦娘特殊兵学校第二期教導生の受け入れまで二十日程を残した大阪湾では、教え導く立場の者達自身が学び、そして悩む姿が水面(みなも)に映っていた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「私に稽古をつけて欲しい……ですか?」

 

 

 瑞鶴の肩を借りて帰投した翌々日、艦娘寮に入る居酒屋鳳翔では開店前の仕込みをするおかんこと鳳翔の前で、しょげた面持ちの瑞鳳が所在無さ気に佇み、鳳翔の言葉に力なく頷いていた。

 

 あの演習後に瑞鳳は龍驤に呼び出され、「お前明日一日体休めた後な、鳳翔んとこ行ってちょい鍛え直して貰え、あいつがえぇ言うまでこっちに合流せんでえぇから」と訳も聞かされず放逐され、取り敢えず言葉通りに鳳翔の元を訪れた。

 

 だが言葉に従って鳳翔の元を訪れた瑞鳳に待っていたのは、話も何も通っておらず、キョトンと首を傾げて何事かという相で自身を見る居酒屋の主という救えない現状であった。

 

 瑞鳳の件に関しては赤城も龍驤も意見が一致していた事を見るに、今の自分にはこの話は避けて通れない何かを含む物なのだろうという事は理解できる。

 

 しかしそれでも事前に話しくらい通してくれててもいいのでは無いかという不満と、これから何をしなければならないのだろうという不安が瑞鳳の心を占めていく。

 

 そんなおどおどとした瑞鳳の言葉に笑顔を崩さず、黙って相槌を打ちつつ鳳翔は最後まで話に付き合った。

 

 開店準備の忙しい最中、本当ならそんな余裕も無い事を知りつつも話を続ける瑞鳳。

 

 そんな彼女の話が終わった後に鳳翔が返した答えは「私が瑞鳳さんを鍛えるのは別に構いませんが、多分辛い鍛錬になりますよ?」だった。

 

 

 そんないつもと変わらない柔らかな笑顔のオカンから出たその言葉は、後日瑞鳳の予想を遙かに越えた厳しさを伴って自身へ返ってくる事になる。

 

 

 翌朝から行われた鳳翔による瑞鳳訓練カリキュラムは、瑞鳳を旗艦とし、他五隻は全て駆逐艦という編成。

 

 対するは手の空いている深海勢の誰かという、仮想敵側に特に決まった形ではなく、どちらかと言えば瑞鳳自身に負担の掛かる、今まで以上に余裕の無い演習のみという訓練だった。

 

 相手は戦艦棲姫や軽巡棲鬼、空母棲鬼とバラバラで、時には他艦の訓練との兼ね合いで一日に仮想敵が頻繁に入れ替わる事もザラな状態。

 

 しかも自身は艦隊旗艦固定な上に、僚艦は全て駆逐艦。

 

 自身の問題もあり上手く立ち回れず、更には戦場全てを掌握して指揮をとらなければいけないとあって、瑞鳳は初日から余裕の無い訓練に身を磨り減らしていった。

 

 一日、三日、ただ戦いの最中に身を置くだけで過ぎていく日々。

 

 そんな余裕も何も無い訓練が七日を終えた頃、もう毎日の終わりには当たり前となったボロボロの状態で海に佇む彼女に、船に乗った鳳翔が傍に来る。

 

 

 日も殆ど海に溶け、宵闇が広がりつつある世界。

 

 

 仮想敵を務めた者も、僚艦達も既に引き上げ、二人だけになったそんな海。

 

 もう海に浮ぶ事も出来ない鳳翔は小船に乗って、呆然と海を見詰める瑞鳳の脇へ船を着ける。

 

 

「どうですか瑞鳳さん、今日は何か掴めましたか?」

 

「……ごめんなさい鳳翔さん、今日も何も……できませんでした、私一人じゃ無理です、何をしても上手くいかないんです……」

 

「何も上手くいかないのですか?」

 

「はい、幾ら頑張っても届きません、こうすれば、ああすればって立ち回りや位置取りも変えてみたんだけど、それが最適だというとこまでもって行けたとしても、結果には結び付かないんです」

 

 

 呆然と、ただ闇に染まっていく空を眺める目にはいつしか涙が滲み、力なく落とした肩は震える。

 

 そんな瑞鳳を、船に乗る鳳翔は招き寄せ、両手で頬を包んで笑顔で語り掛ける。

 

 

「今の貴女では何もできない、そう学べただけ僥倖ではありませんか」

 

 

 何もできないと学べた。

 

 ただそれだけの、ある意味理不尽な言葉。

 

 そう言った鳳翔の笑顔は、とても柔らかで温かい物だった。

 

 

「心が伴わないところに御し難い力を持ってしまった、そんな貴女が戦場に出れば貴女だけではなく、周りの者も死んでしまいます」

 

「……」

 

「いいですか? 今の貴女に必要な物は、艦隊に足りない部分を埋めて、自分に足りない部分を誰かに頼る戦いを身に付ける事なんです」

 

 

 元岩川基地所属、鳳翔型一番艦鳳翔。

 

 嘗て最初の五人が戦い日本の沿岸を開放した後、更なる安全を必要とした軍が発布した作戦は、広大な海を相手にする前に大陸と日本の間に存在する日本海を奪還し、後顧の憂いを絶つ事を目的とした物だった。

 

 日本海奪還作戦、自衛隊が軍に再編され、初めて日本の沿岸から離れた海で軍が戦った作戦であった。

 

 当時は艦娘の建造が始まったばかりで、最初の五人も次々と戦線を離脱し、軍の戦いは次の段階へ進まなければいけないという段階へ差し掛かっていた。

 

 鳳翔がまだ戦っていた頃は奪還間もない九州に据えられた岩川基地から戦力として抽出され、基地に居る時間よりも前線に身を置く時間の方が長かった。

 

 日本を少し離れた大陸との間の海は、それまで対した事の無い大型艦が混じる、そして敵の数も多いという過酷な場所だった。

 

 その時始めて海域という境界線を境に敵が行動し、そこに首魁が存在するという事実が確認され、軍はその首魁を打ち倒す事に注力して行く事になる。

 

 

 それは首魁を倒せば海を取り返せる、手の届く所に終わりがあるという希望を見出した瞬間。

 

 

 行き着く場所が見えた、そんな状態は戦いに関わる者達を狂気に駆り立て、戦力を全力で投入し、目的以外の物は全て犠牲にするという非道が常となっていく。

 

 

 そんな戦場で鳳翔は「鬼人(きじん)」の二つ名を背負い、忌み嫌われていた。

 

 人類の勝利を第一に、ただ勝つ事のみを目的とし。

 

 性能は他艦を超える事は無いが、立ち回りと艦載機を操る腕がズバ抜けた技量は、仲間も、自身をも鑑みない、ただ「勝つ」事のみ突き詰めた戦いを繰り広げ、結果として敵と、そして味方の屍の山を築き上げ、更には自身の戦う力も消失するという結果の末に、日本海を奪還する事となる。

 

 そんな短くも苛烈な戦いが終わり、ボロボロになった彼女が得た物は、満足感でも勝利の余韻でも無かった。

 

 ただ全てを消費し、ギリギリまで自身の中身も搾り出し。

 

 

 漸く周りを見れる余裕が生まれ、ふと見渡してみれば─────────

 

 ─────────彼女の周りにあったのは、何も残っていない、ひとりぼっちの海だった。

 

 

 まだ自身が船であった頃、戦いの始まりから終わりまでを見届けた彼女には、何も出来ず、ただ寄り添うことも難しい理不尽が海に蔓延していた。

 

 その呪いは後悔として心に残った、そして艦娘として黄泉還った時は今世こそと力の限り戦った。

 

 その結果、前世とは違う結果に至った彼女は、結局心に違う形の後悔を残す事になった。

 

 

「前世に曳かれ、あの時成しえなかった事を今世で成す、我々艦娘の魂にはその宿願が焼き付いています」

 

 

 嘗ての海を思い出し、鳳翔は目の前の少女へ呟く様に語り掛ける。

 

 

「貴女の中にある思いは、赤城や加賀、そして龍驤にある物とは違います、彼女達は海に散ったとはいえ……それは後悔があったとしても、戦いの最中逝けたのですから、でも貴女や瑞鶴、翔鶴は違います」

 

 

 鳳翔の言葉に、瑞鳳も嘗ての記憶を思い出す、自身が戦い、そして見上げた空─────────

 

 

「大戦の末期には、貴方達に搭載する艦載機もパイロットも既に存在しなかった、だから貴方達は黒く染め上げられ、戦う手段も持たせて貰えぬまま、囮として使われる事になった……」

 

 

─────────そこは自身に抗う術は何も無く、ただ逃げ、時間を稼ぎ、勝てない事を前提とした、絶望だけしか存在しない空だった。

 

 

「貴女や当時……末期に最後を迎えた者達の中には第二次改装を迎えると、装束を黒に染めた状態の者が現れると言います、それは嘗て囮として戦場に出る為、少しでも敵の目を眩ませる為の策として施された迷彩の名残、貴女にとってはそれは死装束(・・・)なのです」

 

 

 鳳翔の言葉を聞き、そして今の自身の装束に目を向け、瑞鳳は船だった頃の……エンガノの空を思い出していた。

 

 後世でレイテ沖海戦と語られる一連の作戦。

 

 シブヤン海海戦、スリガオ海峡海戦、エンガノ岬沖海戦、サマール沖海戦という戦いを纏めた一連の作戦は、米国からフィリピンに存在する要衝レイテ島を奪還する為に繰り広げられた戦いであった。

 

 瑞鳳はそのエンガノ岬沖海戦に於いて瑞鶴と共に小沢中将直卒の第5群に配備されていた。

 

 それまで劣勢を強いられ、国力の差が物量という形で影を差し始めた戦況、最早満足な戦備を整える事もままならなかった小沢艦隊は、米国の猛襲を受け三度の空襲の後所属する空母が全滅するという末路を辿った。

 

 残る部隊もこの後四度目の空襲、水上部隊からの強襲を受け瓦解、それだけの犠牲を伴っての働きは力及ばず、栗田艦隊から敵を引き付けるまでに至らず、結果として栗田艦隊はレイテより反転する事となり作戦は失敗、西村艦隊は単独で突入せざるを得なくなり壊滅するという結末の遠因となる。

 

 結果として瑞鶴を中心とした空母四隻及び随伴艦は、結果の残せぬ囮として海に没する事となった。

 

 

 前世を戦舟(いくさぶね)に持つ艦娘は、艦種の特徴のみに留まらず、武装や戦い方、そして装束も前世の影響を色濃く残す。

 

 そして末期に戦い、苦境の只中没した艦達は特にその時の色が出易い傾向にある。

 

 瑞鶴が第二次改装に至った時も装束が黒に染まり、また瑞鳳も第二改装をした今装束が黒く染まった。

 

 その色に染まった物は鳳翔が言う、死ぬ為だけに海に出た、正に死装束に他ならないだろう。

 

 

 決して忘れていた訳ではない、逆に長く戦場へ身を置く事によって嘗ての思いが、後悔が、そして今世ではという渇望が。

 

 形と色を成したのがその装束であった。

 

 

「瑞鶴はその力に飲まれる前に龍驤に鍛えられ、そして自身と向き合う事が出来ましたから全てを受け入れる事が出来たのだと思います、でも瑞鳳さん……貴女はその改装を施す前に、提督の許しを得ましたか?」

 

 

 鳳翔の言葉に瑞鳳は暫く呆然としたまま、そして顔をくしゃっと歪めて弱々しく首を横に振った。

 

 

「……仕方の無い子ですね、もし提督にお伺いを立てていたならまだ時期尚早と許しは出ていなかったでしょう、あの人は指揮という面では疎い処もありますが、こと私達の事になったら私達以上に物が見えている方ですから……」

 

 

 鳳翔は苦笑しつつも、今もぐずっている瑞鳳を抱き寄せ、背中をさすって、まるで子供をあやすかの様に言い聞かせる。

 

 間違いではあった、しかしまだそれは取り戻せる。

 

 自身の様に後悔を残したまま終わる事無く、まだ進める。

 

 その思いを言葉にし、言い聞かせる。

 

 

 それは戦って逝った赤城や加賀、そして龍驤には言えない、判らない心。

 

 船だった頃も、今も、ずっと戦場を見て、結末を見た者だから言える言葉。

 

 前世も今世も沈む事が許されず、呪いを背負ったまま生きる事を宿命とする者だからこそ言える、救いの言葉。

 

 

「今の貴女には力があります、軽空母という身では単艦で艦隊を守護する事も、敵を打ち倒す事も難しいでしょう、でも今の貴女にはあの時(・・・)とは違い、空に届く翼があります」

 

 

 もう既に黒一色となった海は、瑞鳳の装束も相まってその姿が溶け込む様に見え辛く、そして存在感も希薄に見える。

 

 

「龍驤が言っていました、貴女はいつもほんの少し……前に出るクセがあると、それは焦りや思いが強い為なんだろうと、確かに状況次第では前に出る事は大切ですし、そうする事で敵の詳細は見えてきます」

 

 

 鳳翔の言葉に、最近自身が足掻いてきた演習の色々を思い出す。

 

 それは確かに思い返せは焦りが先行し、足掻いていた様に思えた。

 

 

「でも私達は航空母艦です、広く戦場を見渡し、他の者が見えない海を見続ける事が仕事なのです、でも敵に近づけば近付く程見渡せる海が狭まり……広げた翼も羽ばたく事は難しくなるでしょう」

 

 

 鳳翔に指示されしてきた演習。

 

 それは僚艦を背負い、力及ばぬ敵と戦う為しゃかりきになる日々だった。

 

 今思えば何故もっと自身の力が発揮できる立ち回りをしなかったのか、どうして僚艦を守るという部分に固執し、助けて貰おうという事に気付かなかったのか。

 

 

「貴女には僚艦に出来ない事が出来ます、でも彼女らには貴女に出来ない事が出来るのです」

 

 

 言われてみれば当たり前で、でも気付きもしなかった色々。

 

 

「貴女は貴女にできる戦いをしなさい、何も捨てない、誰も死なせない、そして自分を殺さない戦いをしなさい……その装束を、死装束にしてはいけません」

 

 

 そうして瑞鳳は気付いた、自分が航空母艦である事を(・・・・・・・・・・・・)

 

 もうあの時の様に、自分の翼はもがれていないのだと。

 

 

「もっと……ちゃんと、戦える様になれるのかなぁ、役に立てるのかなぁ……」

 

「出来ない事をやれと誰も言いませんよ、でもやれる事をきちんとする事を、周りは貴女に求めるでしょう……貴女には敵を砕く力も、砲を防ぐ頑強さもありませんが、変わりに誰も手が届かない遠い海を見渡し、誰もが見上げるしか出来ない空を守る力があるじゃありませんか」

 

「その為の……航空母艦」

 

「一生懸命戦いなさい、でも最後は……後悔を残したまま沈まない、笑って逝ける生き方をしなさい、それは難しい事ですけど、昔に曳かれる事無く今を生きればきっと出来ると思います」

 

 

 鳳翔の言葉は瑞鳳の為に、それと同時に自身が至れなかった願いを含んだ言葉だった。

 

 安寧を願い、しかし、終わった後に気付いてしまった、取り返しのつかない間違いを噛み締め。

 

 一人の軽空母から、もう一人の軽空母へと想いは伝えられ、彼女は嘗て超える事の叶わなかった海を(エンガノ岬沖)越える為に、今一度空を仰ぐ事になった。

 

 

 こうして一週間に渡りオカンにスパルタ教育を受けたたべりゅは、仮想敵へ一矢報いる事も無く散々な戦果を持って訓練を終了する事になった。

 

 

 後日大坂鎮守府が第二期教導艦達を迎える為に用意された場には、教導艦として並ぶ者の中に彼女の姿もあった。

 

 

 その姿は紅白を基調とした、改装前と同じ、それでも以前とは違った力強さを感じる程に凛とした佇まいが感じられる姿があったという。

 

 

 




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 ただ言い回しや文面は意図している部分がありますので、日本語的におかしい事になっていない限りはそのままでいく形になる事があります、その辺りはご了承下さいませ。

 それではどうか宜しくお願い致します。


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