大本営第二特務課の日常   作:zero-45
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 前回までのあらすじ

 長門神拳が最早色々ごった煮過ぎて存在自体があやふやだった件。

 前後のシリアスが吹っ飛びましたの巻。


 それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。


2018/07/11
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました蒼雄刹様、teika-様、K2様、有難う御座います、大変助かりました。


人の形をした修羅

 思い切り海を蹴り、駆け抜けていられたのはいつまでだったか。

 

 振り向かず、敵を睨んでいられたのはいつまでだったか。

 

 何も考えずにただ撃ち、討ち、無意識に天へ突き上げた拳を固め、最後に勝鬨(かちどき)を吠えたのはいつだったか。

 

 

 戦う程に海が狭まり。

 

 背負う物が重くなり。

 

 

 腕を振るうだけの事一つに考えなくてはならず、振り返る事も多くなり─────────

 

 ─────────でも最後には、誰も居なくなっていた。

 

 

 嘗ての英雄がそう呼ばれていた最強の名を、いつの間にか自分が背負っていた。

 

 だが、そんな物はいらないと吐き捨てた。

 

 

 祭り上げられた英雄に、なんの価値があるのだと。

 

 

 もがき、考え、そして気付いた。

 

 自分は戦う舟として此処にある筈なのに、どんどん戦えなくなってしまっているのを。

 

 

 嘗てもそうだった、戦う為に生まれたのに戦わせて貰えず。

 

 国を、民を、全てを護る為の己なのに、誰も護る事は叶わず。

 

 そうして終わってしまったあの時と、今も同じ道を辿っていると。

 

 

 それに気付いてしまったがもう戻れなかった、戻しても貰えなかったし、戻ろうとしても、もう、全てが遅すぎた。

 

 

 だから諦めて、静かに全てを見るだけにした。

 

 全てを無くしてしまった北の海で。

 

 朽ちるまで。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「結局海へ出たのは何人なんだ?」

 

「十八人の内十四名ですね」

 

「後の四名は?」

 

「三名は叢雲さんに教導カリキュラムの確認をしているようです、それで残りの一人は……」

 

 

 大坂鎮守府西側演習海域。

 

 そこを見渡せる野外指揮所から見える範囲では幾らかの艦娘達が、何かを確かめるように波を切っていた。

 

 

 午前中に行われた艦娘特殊兵学校の入学式が滞りなく終了し、教導開始を明日に控えた現在、教導生達は午後からの自由時間を施設の見学や海域の確認等の為に使っていた。

 

 横須賀、呉、佐世保と国内の要衝から選抜された主力艦隊、錬度も高く経験も豊富という者達。

 

 その猛者達が真っ先に始めたのは、明日から戦うであろう海がどんなものであるかの確認であった。

 

 

 水面(みなも)に身を置く艦娘にとって、戦う海を知る事は全ての基本となる。

 

 外洋なら背丈を越える波が常なのはざらで、内地にあっても波が小されけばそれなりに立ち回りを考えねば足を取られる。

 

 陸とは違い、常に足元は動き、風向きや天候に大きく左右される。

 

 故に戦いは、常に海と向き合う事から始めなければならない。

 

 熟達した者は特にそれらを重要視する。

 

 水雷を手段とする物は雷撃の為に波を読み、砲を操る者は狙いを定める為に足の運びを試し、航空母艦なら視界を取る為俯瞰した時に見える、波による光の拡散具合を確かめる為に。

 

 波を知り、読む事はどの艦種関わらず絶対的に必要な情報であった。

 

 

 そんな情報を得る為、長門、大和、那智が見る海へは現在十五名の二期教導生達が出ており、各艦隊の代表者は教導カリキュラムを管理している叢雲へ確認の為出向いていた。

 

 

 慌しくも統率の取れた、正に熟達した者達ならではの動きが見て取れるそんな海。

 

 長門に様子を聞かれる大和の顔はしかし、実に微妙な物となっていた。

 

 その原因は今も様子を見る三人の程近く、防波擁壁(ようへき)の上に胡坐をかき薄ら笑いを滲ませる一人の艦娘にあった。

 

 

「そこに居る武蔵さん(・・)ですね」

 

「あー気を使う事はないぞ、生まれは違っても同じ大和型ではないか、しかも私は教えられる立場にある、敬称なんぞ無しで気軽に呼び捨てて貰っても構わん」

 

「おい武蔵、お前何サボってるんだ、他の者はもう海に出ているんだぞ、お前もとっとと波の様子を確かめてこい」

 

「ははっ、ご挨拶だな那智よ、久々にツラを合わせた処なのにそう邪険にするなよ」

 

「艦隊旗艦のお前がそんな処でサボっていては示しがつかんだろうと言っているんだ」

 

「ふむ……しかしな那智よ、確かに波を見るのは大事だがな……ここらは呉と同じく内海で、しかも環境が良く似ている、今更それだけに午後の時間全部を割く必要は無いだろう?」

 

 

 片膝に肘をつき、顎を乗せて視線を飛ばす武蔵が見るのは嘗ての旧友へではなく、その隣に立つ長門型一番艦だった。

 

 先日忠告にあった呉の武蔵に絡んだ話は長門だけに留まらず、大和や叢雲、そして那智の耳にも届いていた。

 

 だから今武蔵が取っている行動の裏に何があるのかを感じ取った那智は、話がおかしな方向に向かないようそれとなく釘を刺していた。

 

 武蔵も那智がそうしているのを承知しているのだろう、投げられた言葉をのらりくらり躱しながらも、じっと長門から視線を外そうとしない。

 

 

「……何だ?」

 

「ふむ、事前に色々聞いているのだろう長門殿、なぁ?」

 

「ああそれか、まぁ確かに色々と面倒な話は耳にしているよ」

 

「それなら話は早い、私は回りくどい事は嫌いなんだ、ここは一つお手合わせを願えんだろうか」

 

「断る」

 

 

 単刀直入に切り込む武蔵に、即断で返す長門。

 

 立ち振る舞いが似た二人が交わす言葉は、短くも、余計な物が混じらない簡潔なものだった。

 

 

「何故だ?」

 

「その必要性を感じないからだ」

 

「強い者と戦いたい、それは戦舟(いくさぶね)として生まれた者が持つ当然の欲求だと思うのだがな?」

 

「強者と戦いたいならば明日まで待てばいい、私なんぞよりも余程歯応えがある者達と嫌でも戦えるからな」

 

「深海棲艦か……確かにそれもいいんだがな、今はそういう腹具合(・・・・・・・)じゃない」

 

「残念だが私は今食傷(しょくしょう)気味でな、腹は一杯なんだ」

 

 

 武蔵から投げられる視線を無視し、手元にある資料を眺めつつ長門は受け流す。

 

 

「人修羅の看板を背負っておいてそれは無いだろう?」

 

「そんな看板欲しけりゃ幾らでもくれてやる、今からでも勝手にお前が名乗るがいい」

 

「……逃げるのか? 長門ともあろう者が」

 

「ああ逃げる、長門型と大和型が正面ぶっても結果は判りきっている、別に試合(しあ)わんでも出ている答えに拘る必要はない」

 

 

 徐々に睨む形になる武蔵の表情に、一瞥もくれない長門という場は徐々に剣呑な空気が漂い始める。

 

 二人の間に立つ位置の那智は手を顔に当てため息を吐き、長門の向こうに居る大和は眉間に眉根を寄せる。

 

 実の妹という感覚が薄くとも、姉妹艦が自身の師匠と仰ぐ者へ向けているそれは、間違いなく侮辱に片足を突っ込んだ挑発である。

 

 大和にしては珍しく、刺々しい感情を隠そうともせず表へ出し、それを見る武蔵は面倒臭そうな空気を感じ取って苛立たしげに頭をボリボリ搔いた。

 

 

「……ちっ、ここまでか、私はここに教えを請う立場で来ているからな、無理強いはできん」

 

「そうか、なら私みたいな者に構わずお前は自分の役目を果たすがいい、目的を見失うなよ」

 

「あぁ、そうさせて貰おう」

 

 

 何をしても長門が動かない事を理解したのか、武蔵はつまらなさそうな表情を浮べ、艤装を展開しつつ擁壁(ようへき)を蹴って海へ飛び降りる。

 

 それなりに名が通っている者だとしても、ただの跳ねっ返りが突っ掛かってきただけの事。

 

 なんの事はない、ただそれだけの事。

 

 

 場に残った長門は引き続き資料と海を交互に確認し、那智はほっと胸を撫で下ろす、そして大和も幾らか表情を柔らかい物へさせたその時、呟く武蔵の声が其々の耳に入った。

 

 

「……女狂いの腑抜けの(もと)(くだ)って女娼根性が染み付いたのか、牙が抜け落ちたてしまったようだな、まったく……下らん」

 

 

 腹いせに呟いた言葉、元々竹を割ったかの性格の武蔵が呟いた言葉は、特に深い意味を乗せた物ではなかった。

 

 どこに向ける事もできずに吐いたその言葉は、捨て台詞という効果を伴って、武蔵の気持ちを切り替えさせる切っ掛けとなるだけのものになる筈だった。

 

 

 刹那

 

 

 武蔵の体が思考よりも早く反応し、左拳を後ろへ振り抜く。

 

 次いで得体の知れない何かを後ろから感じ眉根を寄せる。

 

 

 鉄と鉄がぶつかるが如き硬質な音が鳴り、武蔵の拳に衝撃が来ると共に僅かばかり後ろへ飛ばされる。

 

 

 油断無く体勢を整えつつ、一瞬で起こった何かを確認しようと武蔵がそこを見れば、さっきまで言葉を交わしていた、自身を弱いと言い放った長門型一番艦の姿があった。

 

 先程と同じく淡々とした相で、放ったのであろう右拳が突き出された形で握られていなければ、それは世間話に来たのかと思う程の普通の空気を漂わせていた。

 

 

「はっ、何だ? 不意打ちとはまたご挨拶だな」

 

「……試合(しあ)いたいのではなく、死合(しあ)いたいのならば、先に言え」

 

 

 拳を下げ、じっと武蔵を見る長門型一番艦から出た言葉は、佇まいとは掛け離れた、殺伐とした物だった。

 

 

「くくっ……何故だか知らんが、()る気になったのなら願ったり叶ったりだよ」

 

 

 武蔵は口角を上げながらも、視線は長門の背中へ釘付けになっていた。

 

 構えもせずに立つ目の前の者。

 

 上下する波に揺られ立つ者の背には、艤装が備わっていなかった(・・・・・・・・・・・・)

 

 

 艦娘が艦娘たる最大にして最重要とされる物。

 

 海に立ち、人よりも頑強で、強くある為に必要不可欠とされるモノ、艤装。

 

 

 それが無くば艦娘は水に立てず、膂力も人を幾らか超える程度の物だと言われている。

 

 だがそれは通説であって真実では無い。

 

 極僅かだが、艤装がなくともその力を引き出し、装備している時と変わらない力を奮う事が可能な者達が存在する。

 

 

 何をどうすればその能力が発現できるか不明とされていた。

 

 しかし艤装なしで海を(はし)り、(まがね)を砕く程の力を搾り出す者が間違いなく居る。

 

 それらに共通する物は、長く海に身を置いてきた時間の長さだと言われている。

 

 それもまだ人が艦娘という存在を理解していなかった頃から、今まで、その身を数十年間戦場に捧げ続けてきた者達。

 

 大坂鎮守府で言えば長門と金剛のみ、他拠点では大本営の鳳翔と祥鳳、横須賀の扶桑、舞鶴の千歳。

 

 ただ戦う事のみを強いられた頃から生き延び、「一線を越えてしまった」者だけが艤装を展開しなくとも戦える。

 

 

 当然武蔵はその様を見た事は無かった、が、眉唾半分として話は知っていた。

 

 だから実際にそれを見た今は、目の前に居る者が特別なのだと理解し、血が沸き立ち始める。

 

 

「……強いの弱いのなんぞ今の私には興味の欠片も無い」

 

 

 海に立つ長門には殺気も怒気も無かった。

 

 

「だが仕える者を腑抜けと(そし)られたとすれば、その言葉に退く理由はなかろうよ」

 

 

 普通に言葉を吐き、無造作に歩いてくる。

 

 ただ、それだけなのに、武蔵の中では警鐘が鳴り響き、無意識に全力の右拳が振り抜かれる。

 

 それは長門に直撃し、額から鮮血を(ほとば)せながら大きく跳ね飛ばす……が、倒れない。

 

 血を流しながら、しかし何事も無かったかのように長門はまた歩みを進める。

 

 

 目を細め、構える武蔵の少し向こう。

 

 5m程の距離まで来た長門の姿は、次の瞬間弾ける水飛沫と共に消え失せる。

 

 

シネ(・・)

 

 

 右足で波を蹴り、一瞬で間合いが零になる。

 

 踏み込んだ左足に全体重が掛かり、更にそれを捻る事で左前だった長門の体が回転する。

 

 足から腰、そして肩へとコンマ数秒単位のズレでモーメントが収束していく。

 

 全ての回転が肩へと至った時、その爆発的な運動エネルギーは腕から肘へ直線運動として突き出される。

 

 

「チッ」

 

 

 見えていなくともそれまでの経験が武蔵に守りの姿勢を取らせた。

 

 恐らく拳が飛び込んで来るだろう鳩尾(みぞおち)の前で両手を交差させると共に、腰を落として身を固める。

 

 

 数十発の魚雷に耐える大和型の装甲を以ってして、更に全身を使って衝撃を逃がすその構えは叩く者の拳を逆に砕く程には強固な守り。

 

 その腕に当たる長門の拳は、交差された腕の隙間に僅かばかり刺さり─────────

 

─────────拳が回転する事で隙間をこじ開け、全ての加重が乗った運動エネルギー弾が腹筋を割って、内臓を押し潰す。

 

 

「ごっ……ハァッ!?」

 

 

 下から捻り込まれる鉄拳は、長門の突進力全てを点へ凝縮した剛撃だった。

 

 

 受けた武蔵の経験が卓越した物で無ければ、全力を防御に振っていなければ確実に胴を貫いていただろう一撃。

 

 今でこそ艦隊指揮に注力する為一歩引き、砲に比重を置き、また立ち回りを主とすると言われる長門だが、嘗ては確実に止めを刺すため、拳を用いての接近戦を多様するのが本来の戦闘スタイルであった。

 

 何千、何万と奮った拳は単純で簡潔、だか彼女の使う技の中では最大威力を誇る、追撃を必要としない一撃だった。

 

 

 人修羅と呼ばれた者は軍に二人存在した。

 

 

 最初の五人であった叢雲と、二代目大本営第一艦隊旗艦であった長門。

 

 叢雲が既に戦う力を失い、長門も前に出る機会が殆ど無い今は、その名が示す意味を多くの者が誤解している。

 

 彼女達が何故人修羅などと呼ばれていたのか。

 

 

 苛烈な戦いを繰り広げていたからではない、戦歴がそう呼ばせていた訳でも無い。

 

 

 戦場に身を置き、敵を前にした彼女達は、ただ殺す事のみに終始していた。

 

 

 息を吸う様に殺し、息を吐く様に殺し、それが当たり前の様に殺す。

 

 そこに感情の揺らぎは一切無く、ただ当然の様に死体の山を築く。

 

 殺さなければ戦いは終わらない、それを知っていたからこそ戦いを突き詰め、殺す事のみを突き詰めた。

 

 

 だから相手は反応できない、何も考えていないという事は、殺気など発しないのだから。

 

 そこに居るのは相手を殺す為だけに存在し、ただそれだけの為のみ拳を奮う者なのだから。

 

 

 全てをそれに特化し、一線を越え、成しえてしまった者。

 

 人の形をした修羅、故に人修羅。

 

 そう呼ばれた二人は同時に最強と呼ばれたが、二人はそれを忌み名として嫌い、自身をその言葉で呼ぶ事は無かった。

 

 だから長門は『欲しければこんな名はいつでもくれてやる』と武蔵へ言った。

 

 

 一撃を振り抜いた長門型一番艦、今そこに居るのは大坂鎮守府艦隊総旗艦では無く、武蔵が望んだ通り嘗て『人修羅の長門』と呼ばれた者だった。

 

 意識的に殺そうという考えはない、何故なら戦うという事はそれが(殺す)当たり前の事だから、特に何も考えずとも戦えば相手か自分どちらかが確実に死ぬ。

 

 「死ね」と吐いた言葉でさえ、長門にとっては無意識に出た呟きだった。

 

 そんな人修羅が表に出た長門型一番艦は、既に次に備えて構えた武蔵に一歩を踏み出した。

 

 

 武蔵にしてみても呉の旗艦を張る程には猛者に違いない。

 

 受けた一撃は相当な物に違いなかったが、それでもまだ心は折れず、ふつふつとした闘気を(たぎ)らせていた。

 

 

 また一歩長門が踏み出す、そこから次に踏み出す一歩が互いのキルゾーンを犯す一歩。

 

 そんな緊迫した対峙は、しかし、長門が歩を止めた為に事には至らない。

 

 

 長門の眼前に光る何かが遮る様に割り込む、それが邪魔をして前に進めなくなった。

 

 

「ちょっとアンタ、何してんのよ」

 

 

 その何かとは叢雲がいつも手にする、例のアンテナを模した槍だった。

 

 長門が無言で見るそこには、吉野から借りパクした松風ダブルオーバー(水上バイク)に跨った叢雲が眉間に皺を寄せ、睨み上げる様が見える。

 

 初代の人修羅と今の人修羅の睨み合い、もし叢雲が以前の力を持ったままだったら即殺し合いになっただろう対峙。

 

 

「何でこんなトコでアンタがヤンチャしてるか知らないけど、問題なんか起こしたら全部アイツ(吉野)が責任を負うのよ? 判ってんの?」

 

 

 ただ二人が昔と違うのは、叢雲がもう戦えなくなっているのと、それ以上に二人が吉野三郎という者に全ての基準を置き、生きているという今だった。

 

 だから叢雲の言葉に長門の修羅が成りを潜め、握っていた拳の形が崩れる。

 

 

「武蔵よ、お前の言う人修羅は二人共ここの主に飼われている、そしてこの力は主のためのみに奮われる、だからお前の相手なんぞをしている余裕は私には無いんだ」

 

 

 一方的に言いたい事を言って長門は踵を返す。

 

 そしてとっとと岸へ引き上げる背中を溜息と共に叢雲は見送り、武蔵はなんとも言えない表情で見る。

 

 遠巻きに事の成り行きを見ていた者達も動きを止め、その視線は全て大坂鎮守府艦隊総旗艦の背中へと注がれていた。

 

 

「……で? 随分と面倒な事を起こしてくれたみたいだけど、アンタは納得したの?」

 

「納得か、ふむ、まぁ一応はな」

 

「一応?」

 

「ああ、取り敢えずテッペンがどれ程の物か知れたからな、どれだけやればそれを超えれるか、それが確認出来ただけでも良しとしておくさ」

 

「懲りないわねアンタも、言っとくけどアレがウチのテッペンなんて思わない事ね、他にももっとえげつないヤツらが居るから」

 

「武蔵殺しに鉄壁……それに「大坂の武蔵」も居たか、中々どうしてワクワクさせてくれるじゃないか」

 

「はぁ……そっちがそういう認識なら面倒は無いし、もう何も言わないわけどね」

 

「ん? 他にもここには強者が居るのか?」

 

 

 最後は食い気味に聞き返す武蔵を無視して、叢雲もその場を後にする。

 

 

 かくして事前に懸念されていた厄介事はギリギリ大事にはならず片付く事になったが、この時点で第二期の教導は始まってもおらず、これから二ヶ月は色々が待ち受ける日々が続く事になる。

 

 

 




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 ただ言い回しや文面は意図している部分がありますので、日本語的におかしい事になっていない限りはそのままでいく形になる事があります、その辺りはご了承下さいませ。

 それではどうか宜しくお願い致します。



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