大本営第二特務課の日常   作:zero-45
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 前回までのあらすじ

 不穏なフラグが立ったかも知れないアレと、電ちゃんハカセヨシノンのお話(尚メインは時雨さんについて)


 それでは何かご意見ご質問があればお気軽にどうぞ。


2018/05/19
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました様、K2様、有難う御座います、大変助かりました。


解に至る式は、数多存在する

 夜の(とばり)が落ちた頃、静寂が島を支配する。

 

 西蘭泊地執務棟、通称奉行所と呼ばれる建物内の一室、昼には『深海艦隊執務室』と書かれていた表札は、中から出てきた離島棲姫の手によって別の物と掛け替えられる。

 

 奉行所の中は暗く静かであったが、そこだけは控えめながらも淡い光に彩られた演出がされ、昼とはまた違った顔を垣間見せる。

 

 鶴と亀という和の趣にある障子扉の上に掛かる、掛け替えられた木の札には、達筆な毛筆でこう記されている。

 

 

『Bar アイアンボトムサウンド』

 

 

 海軍施設にあるには不吉かつあり得ないその名称は、お酒とツマミを楽しむ紳士淑女のお店であった。

 

 

「ここ二日程随分と慌しい事になっているようだな」

 

「えぇ、時雨が治療の為長期療養って事で医局に入ってる間、誰がテイトクの護衛専任になるのかって盛大に揉めてるし」

 

「大淀も内地へ出向するのにバタバタしておったしのう」

 

 

 落ち着いた照明に照らされ、マスター()がシャカシャカする音が聞こえるカウンター。

 

 そこには朔夜(防空棲姫)に飛行場姫、そして海湊(泊地棲姫)という三人の姫がオサレにお酒を飲んでいた。

 

 

 医局で諸々があった翌日、事情を聞かされた時雨は長期療養という話に少し渋ったものの、髭眼帯の懸命な説得に応じそのまま治療を開始する事になり、暫く軍務から離れる事になった。

 

 それと同じ日、事務方総括である大淀が突然内地へ出向する異例の事態が発生。

 

 事務方の柱が抜けた事で、現在整備中であった泊地の機能が幾らか停滞するという事になっていた。

 

 

「しかし幾ら緊急と言うてもまさか航空機で内地に向うとは、えらく無茶をするものじゃの」

 

「何か大きなミスをしたから、それの失態を取り返すってテイトクに直談判したようよ? まぁここから日本まではクエゼリン周辺以外はほぼ支配海域だし、心配はないと思うんだけど」

 

「護衛に水晶(空母水鬼)静海(重巡棲姫)を就けたのだろう? なら万が一撃墜されても心配はあるまい」

 

「色々ときな臭いのう、主殿も昨日までは珍しくピリピリしておったようじゃし、その辺り朔夜(防空棲姫)は何か聞いておらんのか?」

 

「特になにも、でもテイトクが誰かにああいう姿を見せるのは珍しいし、大淀が泊地から離れるって事は相当な事が起こってるんじゃないかしら」

 

 

 グラスを傾け、カロンと音を立てて中身を口に含む朔夜(防空棲姫)は、それでも自身に声が掛かっていないという事に、今進行している諸々は荒事ではないと判断し、取り敢えずは傍観を決め込んでいた。

 

 三人の前にはマスター()が小さな籠に入ったおつまみをシャーする。

 

 それに入っているのはピスタチオ、酒を扱う店では定番と言える大きさが2~3cm程の殻付きナッツである。

 

 三人は籠からそれをオサレに摘みあげると口へ放り込み、バリバリと小粋な音を響かせて噛み砕く。

 

 因みにそれらは種子を殻果ごと焙煎し、塩味を付けた物が供されるのが普通であるが、通常食す際は殻を取り除いて種子だけを食す物なのだがここはBarアイアンボトムサウンド、ピスタチオは丸のままバーリボーリと食すのがデフォになっている。

 

 普通そんな事してしまえば砕けた殻が歯茎に刺さったり、口中を切ったりして大惨事になってしまうが、彼女達は深海の姫、その程度は関係ないのである。

 

 

「はぁ……テイトクも今まで色々と頑張ったみたいだけど、結局最後は貴女の予想通りになっちゃったわね」

 

「ヨシノンがやろうとしている事を考えればこの結末以外は破滅しかない、寧ろ良く犠牲も出さずここまでやれた物だと関心しているよ」

 

「『お前の立場はニンゲンの世界では危うい物になる、もしその身に逃れられない不幸が訪れたらキリバスを訪ねて来い』、テイトクが貴女にそう言われたってのを聞いて、私としては覚悟を固めてたんだけど」

 

「最初にヨシノンを見た時から先が無いと言うのは判っていたし、情勢的にあのまま日本に留まって余生を過ごすのは無理があったからな」

 

「前に貴女が大坂に来たのって……日本を出ろってそれとなくテイトクへ促す為だったんでしょ?」

 

「うむ、あの時点でヨシノンに残された時間は殆ど無かったし、最後に艦娘達へ道をつけ全てを丸く収めた状態で終わらせようとすれば、ヨシノンが全てを背負う形で人間に殺される必要があった、そんな形で失うには少し惜しい男だと思ったからな、だが艦娘達やお前達の様子を見てそれも無理だと確認できた、だから……一か八か北方棲姫に振ってみる事にした」

 

「ほっぽは中間棲姫の暴走を止める為お主に手を貸したからの、その時に見せた"禁呪"の類を見て、もしや主殿をなんとか出来ると思うたのではないかえ?」

 

「私達"原初の者"を完全に屠れるアレは、(ことわり)の外にある何かを知ってなくては奮えん力だ、なら死にかけの人間一人くらいどうにかなるのではないかと思ったのだ」

 

「くっくっくっ、無茶をしよるの、一歩間違っておったら主殿はあそこでほっぽに殺されておったぞ?」

 

「だから時雨や叢雲という"餌"を連れて行けと言い含めておいたんだがな、まさかヤツがヨシノン自身に興味を持つとは……いい意味で想定外だったよ」

 

 

 未だ泊地の深海勢しか来店しない紳士淑女の社交場、Barアイアンボトムサウンド。

 

 そこでは吉野すら知らない彼女達の裏事情を交えたぶっちゃけトークが展開される。

 

 

 朔夜(防空棲姫)が完全に吉野の麾下となったという事実は、実は海湊(泊地棲姫)ですら自身の目で確認するまで信じられないという類の物であった。

 

 深海棲艦だけにしか備わらないという絆を結び、姫級すら支配下に置く存在は殆ど居ない。

 

 力関係という物が重要になる彼女達の生態は、単純に支配者が支配する者達より強くなくてはならない。

 

 つまり朔夜(防空棲姫)達を支配下に置く吉野は、深海棲艦としての道理でいけば本来はその者達より強者という事にならなればならない。

 

 だが吉野は朔夜(防空棲姫)はおろか、艦娘よりも、寧ろ平均的な成人男性より身体能力が低い。

 

 つまり普通に考えれば、吉野が朔夜(防空棲姫)達を支配下に置く事はあり得ない。

 

 そんなあり得ない縁は、深海棲艦という枠の中にありつつも、実は他に重大であり特殊な事情が絡む事で可能となっていた事が後に発覚する。

 

 

「お陰で正式にテイトクの舟になれたし、結果的にはプラスと言えなくはないわ」

 

「まぁ主殿は"元艦娘の深海棲艦"としか縁は結べないようじゃがの」

 

「原初の者みたいに誰彼構わず支配下に置ける者が他に居たら逆に問題になったでしょうし、住み分けが出来るだけ混乱は少なくて済むんじゃないかしら」

 

「お前は本気でそれを言ってるのか? "前世を艦娘に持つ深海棲艦"とは即ち上位個体のみ、つまりヨシノンの元へこれから集うのは全てそういう者達だと言う事だぞ、どこの世界に姫や鬼のみで固めた艦隊があるというのだ、それの方が問題になる」

 

「まぁテイトクの"最終目標"を聞けば、その形でも問題ないと思うわ」

 

 

 追加で出てきた茹で蟹を殻ごとバリバリする朔夜(防空棲姫)と、何故か含み笑いでぬる燗を舐める飛行場姫を見て海湊(泊地棲姫)は首を傾げる。

 

 それは愉し気な、そして悪戯を企む童の様な色が滲み、逆に海湊(泊地棲姫)の興味を惹く物に映る。

 

 

 嘗ては誰のテリトリーであろうとお構い無しに彷徨い、最後には原初の者達でさえそれを認める程に奔放で、同時に力を持つ朔夜(防空棲姫)

 

 掴み所が無い風に見せて、少し前にはソ連の海軍拠点を駆逐する程の苛烈さを見せた飛行場姫。

 

 人間側が知らないだけで、そこに居る二人は間違いなく武闘派と呼べる存在に違いなかった。

 

 そんな二人が吉野の"最終目標"という言葉を愉し気に口にすれば、海湊(泊地棲姫)が興味を持ってもおかしくはないだろう。

 

 

「ほう? ヨシノンの最終目標とは確か上位個体の数を揃え、人と深海棲艦の力関係を拮抗させるという物だったか」

 

「そこまで大袈裟じゃないけど、絶対防衛線を構築して人類の滅亡を防ぐのが必要だったって感じかしらね」

 

「……だった(・・・)?」

 

「艦娘は人を守護し、戦う事で個を認識するという者、テイトクはその子達が生きる為に人類が必要だからそうしてるだけよ」

 

「つまり、他に人類が生き残る手段があるなら如何ようにもやりようは変わるという事じゃの」

 

「そそそ、まぁ今はその方針は変ってないみたいだけど、この先もそうなるという保障はどこにもないわ」

 

「ふむ、ならヨシノンの目指す"最終目標"というのは他にあると言う事か」

 

「ええ、そうね、貴女が言ってるのは目的に必要な手段、だから結果が伴うならそのやり方に拘らなくてもいいって事になるわよね?」

 

「確かにそれはそうだろうがな……それで? ヨシノンはこの先何を目指す?」

 

「ふふ……それは内緒よ」

 

 

 余程愉しい何かを思い出したのだろう、朔夜(防空棲姫)にしては珍しく無邪気と言える程の笑顔を浮べ、噛み砕いた蟹をウイスキーで流し込んだ。

 

 

 朔夜(防空棲姫)達が吉野の麾下に入った時、彼女達の心情と行為に込められた意味を口にした時。

 

 麾下に置く艦娘と同じ程に自身へ向けられた一途な想いを受け、吉野は自身の艦娘達に語った本音を朔夜(防空棲姫)達にも伝える事になった。

 

 深海棲艦という殺し尽くせない絶望を前に、世界という途方も無い物にも対する。

 

 個として相手取るには大き過ぎる色々を前に、それでも目指すと決めた目標。

 

 

『自分は気の合う連中と、のんびり気ままに暮らしたいだけなんだけどねぇ』

 

 

 それを聞いた深海勢は吉野が場を和ませる為に冗談を言ったのだと最初は思っていた。

 

 だがそれが嘘偽り無い本音だと理解し、余りに下らない"戦う理由"に呆然とした彼女達。

 

 暫く経って思考能力が正常に戻った時には「何考えてるんだコイツ」という考えが先にきて、次にそれが馬鹿馬鹿し過ぎて逆に笑いが込み上げてきたのだという。

 

 

 この世界の全てを敵に回してでも手に入れたいという物は、余りにも馬鹿馬鹿しく小さな願い。

 

 だが同時にそれは、本来ならば誰でも願う類の、しかし達成する事は不可能な未来だと彼女達は気付いた。

 

 

「ウチのテイトクはびっくりする程大きな野望を持ってるわ、だから私達はそれが成就するよう一緒に戦うの」

 

 

 相変わらずニコニコとする朔夜(防空棲姫)の表情は、マスター()がシャーしてきた器に盛られた殻付きのウニを見て固まってしまうのであった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 Barアイアンボトムサウンドで深海ガールズトーク(意訳)があった翌朝、奉行所(執務棟)の執務室で髭眼帯がプルプルしていた。

 

 

「そんな訳で時雨さんがシフトを外れた穴は私達が埋める事になりました」

 

「榛名と神通さん、そしてポイヌ(夕立)ちゃんが身辺警護の任に、不知火ちゃんが実務として執務室詰めに」

 

「提督、どうかご指導ご鞭撻、宜しくです」

 

「ぽいっ!」

 

 

 時雨は最低でも二ヶ月は戦線離脱とあり、代わりの人員を選定するとしても単なる穴埋めではダメだ。

 

 そう判断した彼女達は本気の意見交換を行い、本気の人員配置を行った。

 

 時雨が二十四時間の警護(意訳)をしていたのに対し、綿密な話し合い(物理)が持たれ、無理なく(妥協)三交代制にするという形で榛名と神通とポイヌ(夕立)三人が任に就く。

 

 そしてたまに執務補助として助っ人を務めていたぬいぬいが執務室詰めというシフトを本気で協議された(意訳)結果出来上がる。

 

 因みに本気と書いてマジと読む内容は後に『第一次西蘭大戦』と図書館司書の海風が記録を残すが、記録は禁書として封印されてしまったので後世の者達は憶測でしか事実を推し量るしかなかったという。

 

 そして大淀不在中の煽りを受けて臨時で事務方を任されていた妙高がギギギギとしているのに誰もが気付いていたが、それは色々な事情と保身の為に黙殺される事となった。

 

 そんなこんなで小さな秘書艦の穴埋め人事は、色んな意味で本気が過ぎる、髭眼帯がプルプルする結果となっていた。

 

 

 ここ数日ベッタリだった由良さんは、お茶の時間以外は意図的に間宮の手伝いに出される配置となり、座敷鈴谷も同じくアイオワ牧場へ配置した結果やっと静かになった筈の執務室は、再び混沌とした物に変貌してしまっていた。

 

 

「えっとまぁ……うん、人事的な物は君達に任せてはいたけど、その……警護に三人はいらないんじゃないかって提督思うんですが……」

 

「なら司令官命令として人数の制限をすればいいんじゃないかな、それなら全部キャンセルできると思うよ?」

 

「え、いや命令て……」

 

 

 響の言葉を聞いて髭眼帯が前を向くと、ゴゴゴゴという効果音を背負った武蔵殺しと雷撃の鬼が笑顔で佇み、それを直視出来ずプイッと視線を外した先には、今日の獲物なのだろうか、手にした野ウサギをプラプラさせたポイヌ(夕立)がニパーと満面の笑顔を返してきた。

 

 

「取り敢えずここはまだ自然動物が闊歩する危険地帯です、誰かがお傍に控えてと言いますか並んでと申しますが、完璧な警護の為には触れ合う程の距離で警護をする必要があると思うのです」

 

 

 神通さんの言葉に榛名もうんうんと頷き、ポイヌ(夕立)は褒めて欲しくて獲物のうさちゃんをグイグイと髭眼帯の顔面に押し付けてくる。

 

 確かに西蘭泊地が整備している土地は、深海棲艦との戦いが始まってからずっと無人のまま放置されてきた土地であった。

 

 しかも海湊(泊地棲姫)が武力行使を行わなかったせいで環境破壊はされず、自然のままで動物の繁殖が進んでいた。

 

 髭眼帯のようなヒョロ助がそんな土地でソロ活動をするとなれば、確かに危険がデンジャーかも知れない。

 

 だからと言って神通さんが提唱する、ちょっと過保護が過ぎる警護を実施するのはどうなのか。

 

 髭眼帯は思った、それは危険地帯という場は無くなっても、危険痴態という新たな問題が浮上するのではなかろうかと。

 

 

「えっと……取り敢えず提督は自衛用の銃とか装備すれば、何と言うかそういうシフトは必要ないんじゃないかなーって思ったりするんですが……」

 

「この周辺には野生化した危険な動物が群れを成しています、幾ら銃で武装しても安全とは言えません」

 

「え、群れ? なんの群れなの?」

 

「榛名の調査ではアルパカが最も脅威度が高いのではと思います」

 

「アルパカぁ? アルパカってあのモコモコしちゃってるアレ?」

 

「はい、アルパカは威嚇行動で唾をペッとしてくるので、大変臭くなってしまいます」

 

「く……臭いの?」

 

「はい、物凄く」

 

「次いでキウィバードでしょうか、近付くとガシガシ突かれてしまいますし、ハリネズミも頻繁に遭遇しますね」

 

 

 彼女達が危惧する野生動物は、確かに接し方を間違えればちょっと痛いしっぺ返しを食らう可能性もあるのかも知れない、しかしどう考えてもそれは触れ合いアニマルランド的なとこで考えられる危険レベルであって、艦娘が全力で警護する必要性が見出せない。

 

 

「えっと……他に何か居ないの? ほら……熊とか狼とか」

 

「残念ながらこの土地には熊が存在しないんです、時雨ちゃんが物凄く残念がってました」

 

「狼も居ませんね、野犬はそれなりに居ましたが、ポイヌ(夕立)ちゃんと子犬(時津風)ちゃんが手懐けちゃいましたし」

 

 

 榛名の言葉に髭眼帯はポイヌ(夕立)を見る。

 

 するとポイヌ(夕立)はニパーと笑い、何故か手にしたうさちゃんを持ち上げプラプラさせた。

 

 

「後は蛇が存在しないらしいですね、ハブ酒を作るなら輸入しなければならず難儀しています」

 

「いや神通君……キミハブ酒とか作っちゃったりするの?」

 

「はい、趣味程度に」

 

 

 ハブ酒を作るという行為を趣味として行うのはどうなのだろうと一瞬髭眼帯は思ったりしたが、余りにも自然にニコニコする神通さんを前にツッコミの言葉は喉元で引っ掛かったままモヤッとするのであった。

 

 

「アルパカのツバは本当に臭くて、お風呂へ何時間も入る事になってしまいました、あれは危険すぎます」

 

 

 姫級とタイマンを張る艦娘に危険視される程アルパカのペッは危険なのかと、髭眼帯は眉根の皺を深くする。

 

 

「でも提督さんと一緒にペッてされたら、一緒にお風呂に入れるっぽい」

 

 

 現在西蘭泊地の寮は建設中であり、仮設の寮には大浴場が一つしか存在しない。

 

 一応奉行所(執務棟)にも簡易の風呂は設置されているが、実はまだ配管が繋げられていない為使う事ができない状態にあった。

 

 その為髭眼帯は時間を区切って大浴場を利用している状態であり、もしポイヌ(夕立)の言う緊急入浴を実行しなければならなくなったとしたら、それ即ち混浴という答えに行き着いてしまう。

 

 その可能性に気付いた二匹の獣(榛名・神通)は驚愕に目を見開き、口を◇にしてポイヌ(夕立)の言葉にプルプルした。

 

 

「いやアルパカをそんなに危険視する海軍拠点ってどうなのかなって提督思うんですが……」

 

「それならお出掛けする時は不知火が同行致します」

 

「え、ぬいぬいが?」

 

「はい、この"しらぬイヤー"を以ってすれば、周囲の動体を全てを感知し安全な移動ルートを導き出すのも可能です」

 

「え、しらぬイヤーってナニ?」

 

「しらぬイヤーは簡潔に説明すると、地獄耳と言える能力です」

 

「今提督の頭の中ではデビ〇マン的な歌詞の一節がリフレインしているんですが……」

 

「一応三里先に落ちた針の音を聞き分ける事も可能です」

 

「名称がデビル〇ンの能力なのに性能が風魔の小〇郎なのはなんで!?」

 

「いえ、やはりアルパカの群れと対峙するならこの神通が」

 

「待って下さい、アルパカなら榛名の担当です」

 

「ちょっと何でアルパカが仮想敵の筆頭になってるの!? 寧ろさっき臭くて危険って言ってなかった!? 担当ってそれ何の担当のつもり!?」

 

「そんなに臭いのですか……それは少し興味がありますね……」

 

「ぬいぬいも変なトコで性癖発揮しないで!?」

 

 

 こうしてアルパカのペッを危惧した髭眼帯は手の空いた者達に捕獲を命じ、アイオワ牧場に収容する事になるのだが、家畜中最大規模になったそれらからは上質な毛が得られるようになり、後に明石の手によって様々な加工品として輸出され、泊地の経済を潤すと共に日々ポーラの牧場脱走計画に用いられる事になるのであった。

 

 

 




 誤字脱字あるかも知れません、チェックはしていますが、もしその辺り確認された方は、お手数で無ければお知らせ下さい。

 ただ言い回しや文面は意図している部分がありますので、日本語的におかしい事になっていない限りはそのままでいく形になる事があります、その辺りはご了承下さいませ。

 それではどうか宜しくお願い致します。


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