『IS』
それは篠ノ之束が産み出した世界最強の兵器。その性能は今までの兵器をも上回り、人々を驚愕させた。
更に世界を震撼させた白騎士事件を切欠に世界はISの開発に尽力した。
しかし、その世界最強の兵器にも欠点はあった。
それは女性にしか扱えないという点だった。
そのISの登場でそれを操縦できる女性は一気に社会的地位を築き上げ世間は遂に女尊男卑の色に染まってしまった……
そして世界で唯一ISを動かせる男『織斑一夏』がIS学園に入学する事で世界は更なる混迷を見せると思われていたのだが……
しかし、それを意にも返さない男がこの世界に現れた。
「フハハハハハハハハハーッ!!」
「周りの目が痛いから笑うなよサウザー」
一夏と共に教室に居る男の名はサウザー。ISが使えないのに何故かIS学園に滞在している男である。
「フハハハ、何を言う一夏。下郎の視線など蚊ほどにも感じぬわ」
「それはお前だけだよサウザー……あ、本当に蚊が来た」
サウザーの発言に溜息を吐いた一夏。そして本当に蚊が来て、サウザーの腕に吸い付いた。
「俺は虫の反逆も許さん!喰らえ、極星十字拳!」
「蚊、相手に奥義使うなよっ!?」
サウザーが蚊を相手に教室内を走り回り始めた。
「何をしている馬鹿者共が」
「あ、千冬姉……痛っ!」
突如背後から声を掛けられて振り向く一夏。振り変えると同時に一夏は頭を出席簿で殴れた。
「学校では織斑先生と呼べ。後、其処の馬鹿!」
「ヌオッ!?」
一夏の頭を殴ったのは彼の姉の『織斑千冬』だった。千冬は一夏に注意してからサウザー目掛けて出席簿を振り下ろす。殴られたサウザーは悲鳴を上げてから何事も無かった様に立ち上がった。
「な、まさか千冬さんの一撃が効かなかったのか!?」
「な、なんだって!」
驚愕の声を上げたのは一夏の幼馴染みの『篠ノ之箒』だった。それに賛同する様に一夏も驚く。
「ふん。この程度……この聖帝には通じぬ。だからと言って痛くない訳じゃないがな!」
「単なる強がりかよ!?」
サウザーの発言にまたもツッコミを入れた一夏。
◆◇VSセシリア◆◇
「喰らいなさい!」
「ヌゥ!」
セシリアのIS、ブルーティアーズのスナイパーライフルから放たれた弾はサウザーの右脚に命中した。
「その脚ではもう戦えないでしょう?命乞いをしたら如何かしら?」
「フン……この程度……」
セシリアの言葉を鼻で笑うとサウザーは徐に絆創膏を取り出して右脚の患部に貼り付けた。
「撃たれた傷に絆創膏!?奴の強がりはISを超えている!」
「セシリアー逃げて~!」
サウザーの行動に一夏は恐怖を覚えて箒はセシリアに逃げる様に促した。
「フハハハハハハーッ!遂に決着だなセシリア・オルコット!」
「くっ……」
笑いながら歩み寄ってくるサウザーにセシリアは一歩引いた。
「セシリア!この際、倫理は捨てて怪我した所を狙うんだ!」
「ハッ!インターセプタ!」
箒の叫びにセシリアはナイフを展開してサウザーの怪我した部分を刺した。
「フハハハハハハー………フゥー……フゥー……」
「効いてる、効いてるぞセシリア!」
高笑いをしていたサウザーだが、サウザーの表情は明らかに苦悶に歪んでいた。
聖帝サウザー。この後に世界にIS以上の混乱を呼び起こす事になる男の名であった。