魔法科高校の月島さん(モドキ)   作:すしがわら

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※注意※
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。細かい点や話の流れも、諸々の事情により変更されている部分があります。ご了承ください。
不定期更新です。


今回は第三者視点です。


ついに!
ついに先日! アニメで月島さん来ましたね!!
カッコイイ! 一護に興味なさげなところも正に月島さん!
助けろとは言っていない銀城さん! 言ったリルカ!
そしてやっぱり、月島さんのおかげじゃないか!!

延期は色々言われたりするのは分かるけれど、それはそれとしてありがとう!そして応援しています!
アニオリで今後どうなるか? 月島さんの活躍は増えるのか?


月島さんが最高に月島さんで、バッハを倒せるのも、月島さんのおかげ。


最終編・承:Book of the End

 

 

 

 

 

 

 

 

「月島と四葉の関係は深雪が当主を継承するその時まで秘密にする……そういう話だったのをお忘れですか?」

 

「――――」

 

 

達也の放った言葉。

一瞬の間をおいて、深雪の喉からヒュっと息が吸われる音がした。

 

 

「あら……? そうだったかしら?」

 

はてと、心当たりがあまりなさそうな様子で首をかしげる真夜と、同じように頭上に疑問符を浮かべる亜夜子と文弥のふたり。

次いで声をあげたのは、それら三人のうちの誰かの疑問や否定でなく、はたまた達也でもなく――

 

 

 

「達也の言う通りだよ」

 

 

 

――相も変わらない笑みを浮かべた月島だった。

 

 

「と言っても、そのことは最初も最初の時に一度言ったきりだったからね。亜夜子や文弥は当然、真夜さんが忘れているのも無理もないよ」

 

三人を順次見ながらそう言った月島がチラリと達也に視線をやると、達也は頷き、バトンを受け取るように話を続けた。

 

「深雪と自分が本宅(ここ)に来る機会は限られていますし、外でも第一高校入学までは月島に会うことはありませんでしたから、自然とこ(・)の(・)話(・)題(・)に触れることもありませんでしたからね」

 

「そうだね。結果的にではあるけど、良かったと思うよ。演技も出来て僕を呼び捨てでも呼べる達也はまだしも、深雪は隠し事が得意では無いからね。初対面のはずの学校でボロが出てただろう。それに、言うほど重要なことでもないし……」

 

 

 

「そんなことないです!」

 

「こーちゃんの功績は後世まで語り継がれるべきなのですよ」

 

 

「そ(・)れ(・)、だよ」

 

 

文弥と亜夜子のトーンの上がった言葉に待ったをかけた月島が首を振った。

その顔から、先ほどまでの微笑は消え、「僕はそこまでの存在じゃあない」と言葉にはしていないが、そんな意思が読み取れそうな愁いを帯びた表情をしていた。

 

 

「分かりやすいところで言えば、「沖縄海戦」。戦果を挙げはしたが、それ以前に護れなかったものが多いんだよ。僕は未熟なうえに見通しが甘かった。故に対処が遅くなり、完璧から程遠い。その結果、犠牲を出させてしまった……自分を戒めはしても、誇ったり鼻にかけてしまっては、深夜さんや桜井さんに顔向けができないよ」

 

 

達也と深雪の実母であり、現四葉家当主である真夜の姉である深夜。そして、桜井(さくらい)穂波(ほなみ)――深夜のガーディアンであり、達也と深雪とも少なからず関わりがあった魔法師。

 

月島が挙げた名前の二人は、どちらも「沖縄海戦」の一件が原因で命を落とすこととなった人物だ。

そのことは客間にいる全員が知っている。だからこそ、月島が名前を挙げた意図も理解できるはずなのだ。

 

 

「それ以外の出来事についても、色々と足りていないことが多い。真夜さんに関しても、色々と負担を強いてしまっているからね」

 

そう言って、申し訳なさそうに肩を落とした月島。

 

月島の言う、真夜に強いた負担とは何か?

それを疑問に思う人物もいるにはいたが、今この場で訊(たず)ねるような者はいなかった。空気がそうさせているというのもあっただろうが、月島があえて「色々」などと言いぼやかしている内容をわざわざ掘り返そうとまでするほど非常識では無いということだろう。

 

 

そして、その真夜はといえば――――

 

「その言葉も、謙遜では無く本心で言われているのは存じていますわ。けれど、過ぎた卑下は止めください。取り溢(こぼ)したものはあるでしょうが、貴方は確かに私たちを、多くの人々を救ってきたのは間違いの無い事実なのですから」

 

――――双子に左右を固められてソファーに座らされている月島。その背後に周って両肩に手を置いたうえで前屈みになり、右耳に口元を寄せて、そう月島に語りかけていた。

その立ち位置ゆえに月島からは見えないが、真夜とても優し気(げ)な微笑みを浮かべており、そんな顔を見たことが無かった深雪は、ここまでもいろんな意味で驚愕していたが、ある意味で一番驚かされていた。

 

 

「ありがとう」

 

月島は、そう小さく感謝を述べたのだった……。

 

 

 

 

 

「あぁ、そういえば、十師族の会合の打ち合わせついでに、今晩の食事に誘われて来たわけだけど……真夜さんが作ってくれていたりするのかな?」

 

感謝を述べた数秒後。

客間(この場)の空気を変えようとしてか、いたって明るい調子で月島が疑問を投げかけた。

 

その問いに、月島の肩に乗せていた手を離し屈んでいた背筋を伸ばした真夜が、月島の顔が見えるソファーの前の方へと歩きながら答える。

 

 

「ええ、大半は使用人に用意してもらってますけれど、私が手ずから一品用意します」

 

「デザートは私たちが! こーちゃんが来ると聞いてましたので、今晩は私たちもココに滞在しますので」

 

「お二人の案内があったので、下準備までして一時中断していたところだったんです」

 

 

真夜に続いて、亜夜子と文弥も月島に対して、隠そうとしながらも興奮気味で嬉しそうに報告してきた。

それを受けて、月島は頷き双子の手を引いてゆっくりと立ち上がった。

 

 

「それは楽しみにしておかないとね。その準備時間を使って達也と一緒に、深雪に色々と説明しておくよ」

 

そう言って亜夜子と文弥を客間の扉まで連れて行き扉を開け、意図を汲み取って着いて来ていた真夜と共に客間から廊下へと出して見送る。

 

 

「それでは、準備が出来るまで少しの間お待ち下さいね」

 

 

真夜のその言葉を最後に扉は閉じられ、客間には月島と達也、そして深雪の3人だけとなった。

 

 

 

 

 

「さて、と」

 

そんな呟きと共に、閉じた扉から振り向く月島。

その視線の先には、未だに状況の理解が十分に出来ていないのだろう立ち尽くしたまま状況を見守っていた深雪と、そのそばでいつもと変わらない様子で佇(たたず)んでいた達也。

 

ふたりの視線と月島の視線とが交わり、月島がいつもの薄笑を浮かべて立ち尽くす兄妹の方へと歩み寄る。

 

 

 

 

 

 

 

 

赤

 

 

散り

飛び

溢れ

零れ

落ちる

 

 

 

「……ぅぅぐぁ!!」

 

 

 

 

一瞬の出来事。

 

瞬時に間合いを詰めた達也が、業と手刀を振るうように見せて月島の左腕を斬り落とした。

本来、そんなフリをせずとも危害を加えることが出来るにも関わらず、そのような方法を取って、だ。

達也は瞬時に飛び退き、返り血を浴びることも無く深雪の下(もと)へと戻って、その肩を抱くように抱き寄せた状態で月島へと視線を向けた。

 

 

対して、月島は肩から数センチから先を着ていたワイシャツの袖と共に床に落とし、右手でその切り口を押さえ、その服と顔、足元を自身の血で濡らしながらも口角を上げ達也に視線を返す。

 

 

 

「どういうつもりだ」

 

 

先に口を開いたのは達也。

対して、大きな傷とその痛みに流石の月島も多少息を切らせてはいるが、特に焦った様子も無く律儀に答えを返していく。

 

 

「どういうつもりも、何も、僕も予想外だったんだよ……っ」

 

「そうじゃない――――

 

 

 

 

 

―――――何(・)故(・)、避(・)け(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)」

 

達也の言葉に、状況の変化に困惑しながらも自身も何かすべきなのか迷っていた深雪が、より一層目を見開いて困惑を深めだした。

 

「ああ、そっち」

 

打って変わって「なんだ」と肩の力を抜いた月島は、何故か血が止まった左肩から手を離し、斬り飛ばされた左腕の方へと歩きながら答える。

 

「何故って、達也が深雪に黙っててくれていて、その結果騙すような形になって傷つけ、傷つけさせてしまったからね。この痛みも屈辱も、受け入れてあげるべきだと思っただけだよ……そこまでしてくれているとは思わなかったけどさ」

 

「お前のためなわけじゃない。続くにせよ、終わるにせよ、知らないままで過ごせるならその方が良いと考えたからだ」

 

「そっか、残念」

 

月島が達也の言葉に対して、特にそうは思っていなさそうな淡々とした反応を示しながら自分の左腕と拾い――その断面と自身の左肩の断面とを合わせてみせる。

 

 

 

「双天帰盾(そうてんきしゅん)、僕は拒絶する」

 

 

 

その言霊と共に、月島の左腕を中心に楕円のような半透明のオレンジ色の光の塊が発生し、血にまみれていたはずの断面同士がくっつき、赤(ち)も消えて無くなった。

 

「これって……!?」

 

「服も、血の汚れもキレイにしておかないとね」

 

深雪が一層驚くのをよそに、月島は袖が斬られたワイシャツまでもキレイそのまま元通りにしてしまい……続けて、オレンジの塊の範囲を広げて血の飛び散った床や絨毯、ソファーも範囲内に入れて、血そのものや汚れまでもキレイさっぱり決してみせた。

 

 

目の前の光景に開いた口が塞がらない様子の深雪に、隣の達也が「落ち着くんだ」と抱き寄せる。

 

「あれが深雪が教えてくれた、「横浜事変」で中条会長の怪我が治った一件を生み出した術だ。見た目は似ているかもしれないが、俺の「再生」とは根本から違うものだ」

 

 

「そ。細かい説明は省くけど、僕が持つ固有能力の一つの「事象の拒絶」。2点から展開した盾の範囲内の出来事……今回で言うと傷や汚れだね、それを拒絶する(なかったことにする)。結果的に、回復や時間の巻き戻しのようなことができたりするんだ。そして――――」

 

 

語りながら月島は、どこからか取り出した栞(しおり)を取り出して右手に持ち、深雪にも見えるように目の前で弄び――指の間でクルリと回したかと思えば次の瞬間、月島の手に一本の刀が握られていた。

 

 

「もう一つが、この「ブック・オブ・ジ・エンド」。斬りつけることで、対象に自分を挟み込み、その過去を改変する」

 

 

よくよく見てみれば、長方形なうえにその短い一辺の片方には穴があり紐(ひも)が通されているという「栞のような鍔(つば)」となっていることが分かる刀を手に、

 

 

「そうだね……実際に見せた方が早いだろう」

 

 

そう言うと月島は、これまたおもむろに取り出した一枚のメモ用紙を刀を持つ手とは反対の手にピラピラと持ち――そこに刀を差し

 

「……」

 

 

「これは!?」

 

 

「挟んでおいたよ、そ(・)の(・)紙(・)に(・)君(・)た(・)ち(・)は(・)描(・)か(・)れ(・)て(・)い(・)た(・)」

 

 

その言葉通り、先ほどまでは白紙であったはずのメモ用紙には、写真のように緻密に描写された「深雪の肩を抱き寄せる達也」という、ちょうど今の兄妹のようなデッサン画が描き込まれていた。

しかし、先ほど月島が刀を刺し振るったはずの穴や破れはみられない。

 

 

「さっきその紙には、僕が絵を描いた過去を挟んだ。そして挟まれた過去は、現在に還元される。結果がソレさ」

 

 

「幻覚……いえ、でも、まさか精神操作の……?!?」

 

 

「いいや。言っただろう? 過去の改変だって。世界にとっては嘘と見えるかもしれない、けれど、挟まれた者にとっては紛れも無い過去にあった事実となるのさ」

 

 

目の前の出来事と説明、それらと先ほどまで目の前であった既知の人物たちの意味不明理解な状況と物言いとを結び付かせて考えようとし――一歩(いっぽ)及ばず、理解しきれずに深雪の頭の中では否定や別の何かの可能性について考え始めてしまう。

 

 

「その結果が、あの三人か」

 

「正確には、達也と深雪を除いた四葉関連の主要人物だよ。皆にとっては、真夜さんたちが言っていたように、要所要所で陰で活躍してきた四葉と関わりの深い人物ってことになっているわけさ」

 

 

そこまで聞いて深雪もある程度まで理解が出来てきた。

同時に、さっきの三人や他の人がこのメモ用紙のようにとてつもない何かをされてしまっていたということを理解した――何故か兄の達也もそれに乗っかっていたのだということも。

 

 

「年齢はどうなってるんだ」

 

「そんなの決まっているさ。「月島さんは年齢に囚われない」、訳有って今は高校生ってだけの話だよ」

 

 

さも当然のように言う月島に達也が眉をひそめる。

しかし、それを気にした様子も無く、月島は深雪のほうへ視線を向ける。

 

 

「達也を責めないであげてね。僕が無茶振りというか、情報量ぶん投げて頷(うなず)かせて協力者にして貰ったようなものだからさ。悪いのは僕の方なんだ」

 

「そうだな、お前が悪い」

 

「ははっ、容赦無い」

 

 

ぶっきらぼうに、切り捨てるように吐き捨てる達也とそれを笑いながら受け流す月島。そんな遠慮のない二人の様子に深雪は目を白黒させてしまうばかりだった。

 

と、それとは別に何か引っかかるものを感じ、考え――ソレを口にした。

 

 

「協力者に、し(・)て(・)も(・)ら(・)っ(・)た(・)……?」

 

 

「そう、僕が条件を出して協力させてもらってるんだ。僕がやりたいことが、達也たちにとっても都合の良いようになるようにって」

 

月島の言葉に、達也が溜息を吐く。

肩を抱いていたその手を離し、達也は深雪に向き直った。

 

 

「悪い、深雪。月島の言い方じゃあ何一つ分からないだろうから、俺の方から説明させてくれ」

 

 

 

達也の口から語られるそれは、深雪の知らない達也と月島の一幕。

ある意味で世界の分岐点となった、あ(・)る(・)夜(・)の話だった――――――

 

 

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