主人公がロリコン化ネタでここまでですよ……
凄まじいネットタトゥーを作ってしまった……
地球を滅ぼす程の幼女への欲望を持つ男ペドー!
そのガチロリコンが本の封印から遂に解き放たれた!
果てしない変態性癖を操るペドーの前に、幼女精霊たちが立ちふさがる!!
閑静な住宅街、過去に起こった大規模空間震から復興を遂げたモデルタウン、その一角に五河家は有った――
リビングの机の上に、朝食が並んでいる。
琴里が呆然とした顔をしながら、四紙乃が朝食を準備していく様を眺めている。
「おーい、ボクのシャツを知らないか?」
褐色肌の元気っ娘、シェリ・ムジーカが手にシャツを持ちながらリビングに入って来る。
「シャツ?今、手に持ってるじゃない」
若干の疲れと面倒くさそうな表情をして、琴里が口に咥えたキャンディーの棒でシェリの手の服を指し示す。
「これ、一昨日のヤツ。そろそろ匂うだろ」
『うっほ!シェリちゃんのスメルが染み染みしたシャツとか、超オタカラじゃん!!』
不意に聞こえた気がした声に、シェリが振り返る。
当然、そこには誰も居ない。
ここ数日、こんな謎の声が脳裏にフラッシュバックする。
「……はぁ、とりあえず、干してあるのを使うか……なんじゃ、こりゃ!?」
ベランダに上がり、干してある洗濯物を見て、シェリが声を上げる。
服の脇の下の部分に溶け切っていない洗剤が固まっている。
「ごめんなさいですわ……しっぱいしてしまいましたの……」
背後で席に着いたくるみがしゅんとしながら話す。
『失敗なんて気にしなーい!×××さんは、くるみがお手伝いしてくれただけでうれしいんだぞ?』
くるみの脳裏に誰かの声が聞こえてくる。
「琴里!!きな粉は、きな粉はどこだ!?きな粉が足りぬのだ!!」
琴里の声を遮って、十香が部屋に入って来る。
「ああもう!!台所の棚にあるわよ!!」
「既に食べ尽くしてしまったのだ……」
怒気を孕む琴里の声に、十香がしゅんと落ち込む。
「ねぇ、昨日からなんだかお風呂が少し、ヌル付く気がするんだけど――」
「洗ったわよ」
七罪の言葉を、琴里が有無を言わせぬ眼光で黙らせる。
「なんで、なんでこんなに忙しいのよ!!」
掃除、洗濯、料理と次々と仕事がやって来る。
琴里はてんてこ舞いで眼が回っていた。
「どうしてよ、この前まで問題なく行ってたのに!?
どうして急に、こんなに行き詰まるのよ!!」
「み、皆さん、喧嘩しないでくださ――」
皆を仲裁しようとした時、テーブルの端のソースの瓶を四紙乃が倒す。
『おおっと!あぶない!』
右手に装着されたパペット、よしのんが反射的に動き瓶を手に持つ。
『ふぅー、セーフ、セーフ』
よしのんが両手を水平に伸ばし、野球の審判のセーフのポーズをする。
「汚れなくて、良かったわ。
最後の部分をやけに強調しながら琴里が呟く。
そして、サラダを食べようとシーザードレッシングを振った時――
キュポッ
蓋が外れ、中身のシーザードレッシングが宙を舞う。
そして瓶から解放された白い奔流が、食卓を良くない意味で彩った。
べしゃ!べしゃしゃ、べしゃべししゃ!
「ぴ、ぴえ――」
四紙乃がドロドロとなった、よしのんを見て眼に涙を貯める。
「おお!きな粉が有ったではないか!し、しまった!?」
乱暴にきな粉の袋を引きちぎった為、きな粉がシーザードレッシングまみれの朝食に降りかかる。
朝食は完全に台無し。
「おお!!きな粉!!きな粉ではないか!!!」
きな粉まみれの朝食を十香が一人黙々と食べる。
その眼はやはりおかしな光が宿っていた。
「ぴぇええええええええええええええ!!!」
数秒後、思い出した様に四紙乃が泣き出し、五河家は氷に包まれた。
『うっほ!!幼女精霊たちに、白いドロドロとかR18じゃないですか!!
よぉーし!!朝食の代わりに皆を性的にイタダキマスしちゃいぜ!!』
皆の脳裏に再度、不快な男の声が聞こえた気がした。
ピピピピ!ピピピピ!ピピピッ!
充電機を刺したままのスマフォのアラーム音が目覚めの音色を奏でる。
場所は漫画喫茶の店の中、人が一人眠れるスペースにレンタルのブランケットをかけ、ひじ置きを枕にしてペドーが眠っている。
「うーん、まだ眠いんだよ……」
眼をつぶったまま、音源を頼りにスマフォを見つけ出し、アラームを止める。
哀れスマフォは、主人を目覚めさせるという役割を奪われ、一人沈黙させられてしまった。
「んあ?」
寝ぼけ眼を何とか開いて、PCの画面に流れる動画に気が付く。
『君の考えたオリキャラがこの作品に出る!!
人間、精霊、ロボット、動物どんなキャラクター造形でも問題なし!!
テンプレートは以下の通り。
①名前(日本人でも外国人でも、転生者でも問題無し)
②年齢(ほぼ無意味な項目)
③見た目(どのような年齢に見えるか、どんな服装をしているのか、髪色、瞳の特徴などの身体的特徴)
④性格(どのようなスタンスを取っているか)』
⑤能力(草むしり検定5級、時間を10秒停止出来る、神々の宝物庫から武器を呼びさせる、オーバーテクノロジーウエポンの開発、異世界からの転生者で魔法が使える、などなど、自由で常識に囚われないモノを!)
※ただし、収拾がつかなくなるので1人1キャラクターまで。
余程の、事が無い限り、まぁなんとかなるやろ精神でキャラクターを登場させます!
皆さまのご応募ドシドシ待っています。自らの癖と情熱を込めたキャラクターで、ネットタトゥーを刻みましょう!
更に詳しい条件はこの話のあとがきを確認し――』
「はい、終了、終了。こーゆー系は来たは良いが作者が手に負えなくなって、エタるのがオチだよ。
てか、来る訳ねーじゃん、こんなのに」
何処かの企業のよくわからない募集を閉じて、ペドーは再度いびきをかき始める。
それから時は経ち、平日の朝と呼ぶには若干、遅い時間。
目覚めてもダラダラと漫画を読んだり、ドリンクバー&ソフトクリームを楽しんだりで
「あ”ーヒマ、ちょーヒマ……」
特に見る訳でも無い映画をパソコン画面に映し、読む気の無く有った漫画がデスクの上に鎮座し、ぬるく成ったジュースのコップからこぼれた水滴が机に円を描いている。
「……あ、朝ビュッフェ(無料)終わってる。ま、いいか……」
ペドーが充電器に刺さったスマフォの画面を見ながら、立ち上がる。
正直、腹は減っていない。だが、何も食べないというのもなんだか具合が悪い。
かと言って、漫画喫茶の有料の食事は大味なレトルト味で最近、飽きて来た。
カッと眼を見開き、その場で立ち上がり自身の顔をバンバンと叩く。
「よし!偶には外にメシ喰いにいくか!」
すっかりぬるく成ったジュースを飲み干すと、スマフォをポケットに、伝票を拾って部屋を後にした。
「っ」
久々に、浴びる日光にペドーが僅かに眼を細める。
そして、何かを思い出したかのように――
「六喰ー、メシ喰いに行くけど来るかー?」
虚空に向かって声を上げた瞬間、その虚空に穴が開きワンピースに身を包んだ六喰が姿を見せる。
「ゆくゆく!むくも行くぞ!
主様、全く声をかけてくれぬモノじゃから、むくは忘れられていたのではないかと、不安に思っていたのじゃ」
「ぎ、ぎくぅ!?そ、そ、そ、そんな事ねーし!!
ほら、メシ、メシ喰いに行くぞ!!」
「ふむぅん?」
怪しそうに半眼をする六喰を腕に絡みつけたまま、昼の街に出て行く。
ざわ、ざわ、ざわ
ペドーと六喰が訪れたのはお洒落なレストランなどではなく、昼休憩に来ているサラリーマンたちがたむろする格安蕎麦屋だった。
「えーと、鶏天に野菜かき揚げ、海老天、コロッケ2……あ、いやコロッケ1個とクリームコロッケ1個、んでメンチカツをソース別添えで、後このほうれん草のお浸しに温玉のっけてくれる?」
「ふむ、むくも同じ物を」
ざわッ!
蕎麦屋のリーマンたちが、静かに騒ぎ出す。
「あの、量の油物を……?」
「あれが、若さなのか……!?」
困惑したのは、蕎麦屋の主人も同じ事だった。
「あ、あの、お客さんたち……蕎麦は?」
「蕎麦は――〆で貰おうかな?ああ、あと――瓶コーラ一本」
「むくも、同じものを」
サラリーマンも、店主も2人の注文を愕然としながら聞いていた。
「はーい、こちら、コーラになりやすー」
やる気のなさそうな外国人店員が、瓶のコーラ2本とコップを置いて行った。
「かんぱーい!」
「なのじゃー」
ペドーと六喰がガラスコップに注いだ、コーラを口にし揚げ物を流し込んで行く。
数回のコーラと揚げ物をお代わりを繰り返し、サラリーマンたちの波が引き始める頃に成ってようやく蕎麦を頼み。
最後に蕎麦湯を堪能してから2人は外に出た。
「ふぅ、食った喰った――ヒマだし、この後、何処か行くか?」
店を出て後ろに付いて来ているであろう六喰に、振り返り尋ねる。
「主様……むくは……」
六喰がその豊満な胸の間に自らの手を置く。
「むくは主様をいっとう好いておる、何時も主様の事を考えると胸の中が、なんともモヤモヤするのじゃ。
今もそうじゃ、久方ぶりに主様とあえたというのに、いつもよりずっと胸がモヤモヤと……
モヤモヤと……うーん……モヤモヤ……」
「それ、胸やけじゃね?」
何処か具合の悪そうな、六喰をペドーが指摘する。
「む、胸やけ!?」
「まぁ、すげぇ勢いで揚げ物食べたし、コーラもがぶ飲みしたし?〆に蕎麦行ったくらいじゃダメか。
ひょっとしたら食べ過ぎも有るかも?」
頭の上にクエスチョンマークを浮かべる六喰にペドーが説明する。
「むねやけに、食べ過ぎ……むー、これは、たまらん……」
「あー、今日は大人しく帰んな?」
「いやじゃ、むくは主様とデートを……」
顔を青くしながら六喰が食い下がる。
「デート中にリバースとか流石のオレもリカバリー不可だぞ?
ゲロイン(偽りなし)の称号は欲しくはないだろ?」
「……主様が何を言っているかよく分らぬが、あまり良いコトでは無いのは分かった。
大事を取ってむくは帰る」
「あ、待って待って!」
背後に穴を開けて、飛び込もうとする六喰を引き留める。
「ふむん?」
「ちょっと、待ってて!」
六喰を近場に有ったベンチに座らせ、ペドーがそのばから走っていく。
時間にして10分経たない程度で、ペットボトルの水と胃薬を持ってくる。
「食べすぎ、飲みすぎにはコレコレ。人類の英知だぞ?」
「ふむ、感謝する。では、主様
なんでもないかのように、再度空間の穴を開け六喰が去っていく。
「ひゅー。こっわ……いっさい悪びれる様が無いな……」
うすら寒い物がペドーの中を駆ける。
世界中の人間の記憶から自分の記憶を消して、孤立に追い込んだ相手とも平然と話しをする。
なんどもなんども味わった人間と精霊の感覚のズレを改めて感じた。
「はぁー、どうするかなぁ?」
さっきまで六喰が座っていたベンチに座り、ため息を吐いた。
眼の前の人々は、忙しそうに何時もの日常を過ごしている。
皆が皆、誰かが誰かと繋がっている。
友達だったり、恋人だったり、上司と部下だったり――
「はぁーん、一周回ってやっぱり寂しい……」
ペドーが立ち上がり、トボトボと街を歩いて行く。
「あー、漫喫も飽きて来たし、カプセルホテルでも泊まるか?
朝食バイキング豪華なトコ……けど、何時まで家に帰れないのか分かんないから、不安ちゃ不安か?
あ、金銭的な話ね?うーん、どうするかなぁ?」
「
「え?」
世界中の人間の中から、自分の記憶は消されている。
つまり、ありえはしない。自分の愛称を呼ぶ者など、この宇宙に居るハズが無いのだ。
その居るハズの無い人物を見る為に、ペドーが背後を振り返る。
立ってい居たのは、ペドーのクラスメイトの一人にして精霊の一人。
「おり、紙……?」
「ペドー、くん、だよね?」
「なんで、名前……」
折紙の言葉に若干の違和感を感じながら、ペドーの中に激しい喜びを感じてもいた。
「ああ、やっぱり、やっぱり本当にいたんだ」
「
イマイチ意味が飲み込み切れない言葉をペドーが返す。
「私の部屋に大量のデータが有って、紙の物からDVDやCDの音声まで、いろんな方向から『五河 士道』略称または愛称『ペドー』についての情報が集められていたの。
身長、年齢、誕生日、好きな物、好みの女の子も。
最初はびっくりしたよ?こんなに熱心に集めたデータのハズなのに、自分は知らないんだもん。
絶対におかしいって思って、ペドー君のお家とか行っても誰も知らなくて、これは『精霊』の影響だって、なんとなく勘づいたの。結構頑張って探してたけど、随分時間かかっちゃった」
折紙がちいさくはにかんだ。
「そっか、六喰は自分の記憶もみんなから消したのか。
ああ見えて、なかなか狡猾なヤツだな。
今更だけど学校休んでる女子って、折紙の事だったのか……」
記憶は無いが、記録を読み込んでここまで付いてきた折紙にペドーは何度も頷いた。
「仲間が出来たのは心強いぞ。それが折紙なら尚更だ」
「ふふ、本当にペドー君が居るって不思議な感じ。
絵本の王子様が本当に居たみたいな気分」
「絵本?王子様?」
絵本ではなくストーキング行為だとか、王子様という言葉は折紙が口に出す単語にしては若干違和感がある。
自分の記憶が封印された影響か、折紙の性格が変わっているのを感じる。
「誰かの記憶が抜けると、影響がこんなに出るのか……今更だけど、家は大丈夫かな?」
不安になりながら、ペドーが考え込む。
その不安は当たっているのだが……
「所で、ペドー君は寝る所はどうしてるの?」
「ん、昨日までは漫画喫茶。
んで、そろそろカプセルホテルでも泊まろうかなって思ってる」
ペドーの言葉に、一瞬、ほんの一瞬、僅かに口角が上がった気がした。
「じゃあ、ペドー君今夜はウチに泊まって。
外泊もお金掛かるでしょ?」
ジワリ、とペドーの中に嫌な予感が走る。
不安な内心を「この折紙は性格が違うから大丈夫」と飲み込もうとするが、彼の本能がけたたましくアラームをかき鳴らし危険を教える。
「い、いま、文無しだから何も返せなくて……泊めてもらう訳には……」
「大丈夫、大丈夫だよ。ペドー君からは何もいらないから、
「基本!?基本ってなに!!」
みるみるウチに、折紙の表情が消えて行く。
さっきまでの笑みを浮かべた表情から、何時もの無表情へと変わっていく。
「………………」
折紙が急に黙る。
さっきまでの快活な表情が消え失せ、顔には能面の様な無表情が浮かぶ。
「なんか、言って?こわいんですけど!?」
良くない、これは良くないとペドーの予感が告げる。
そしてついに――
「ヤラせろ」
ぼそりと
「……ッ、折紙さんって何時もそうですよね!ペドーさんの事なんだと思ってるんですか!?」
自らの胸元で手をクロスさせて、ペドーが自身を守る様なポーズを取る。
「え?あ、ちが、今のは口が勝手に――!」
その言葉通り、自ら発した言葉が信じられないと言ったような表情をして、慌てて取り繕うとする。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、何もしないからね?ね?」
呼吸を荒くしながら、両手をワキワキさせて折紙がにじり寄って来る。
「嘘つけ!!絶対、絶対、家に入った瞬間!!襲い掛かって来るわ!!
てか、もはや、今の人格半分くらい浸食されてるじゃねーか!!
ゾンビウイルスに感染するゲームだって、もっと段階踏むわ!!
初手から、ドーンよ!?ドーン!!AVだって、インタビューとか――」
ッ!!ドォォオオオオオオン!!!!
ペドーの声をかき消さんばかりに、街中が震えた。
ビリビリと空気が軋む、震える、あるいは歪む。
黒い光――或いは光る闇が迸った。
「アレは――」
ペドーはその存在に、覚えがあった。
黒いドレスを纏った少女――凛々しい顔に巨大な剣を背に構える。
それは、かつてペドーと対峙した
その様に、ペドーがハッとする。
「思い、出した!!十香に、十香にきな粉を与えてねぇええええええ!!!」
禁断症状により反転した十香が、ペドーを見て顔を顰めた。
「やべぇよ、やべぇよ」
蛇に睨まれたカエルの様な気分を味わいながら、ペドーが冷や汗を流す。
100話企画でオリキャラ募集しようと思ったけど、誰も来ないのは確定。
というよりも、収拾付かなくなりそうなので止めときました。
来ないでください……投げられても困りますんで……
100話目がんばります。