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rx 2025年07月05日(土) 13:04
全話通して、軍隊をあたかも個人の策謀だけで動かせるという非現実的な前提に依存しており、国家制度、安全保障の実務、民主制下の組織運営に関する視野を欠いている点で著しく偏っています。
また、その意図も、純軍事学面にばかり焦点を当て、同盟に当たる影響(経済、市民感情等)への考察が極めて薄いです。しかしヤンが原作とは違い「冷酷なマキャベリスト」だとするなら、むしろこちらの方を重視したでしょうし、本作の比重もこちらに置くべきではなかったでしょうか。
民主国家における軍と政治の関係は、相互牽制と制度的制約の上に成り立っており、要職人事や作戦行動は複数の政治的・軍事的要因の交錯によって決まるものです。
本作はそうした構造を無視し、単純化された人間関係と意図にすべてを集約してしまっており、説得力を大きく損ねています。
安井 賢一 2024年08月29日(木) 16:17
>自身がコントロールできる範囲内でクーデターを起こさせ、自艦隊を出撃させる大義名分を得て、リップシュタット戦役に介入する事だった。
ちょっとラインハルトを甘く見てるんじゃないですかね?
前回の感想にも書きましたがリップシュタット戦役の同盟軍介入をもっとも恐れているラインハルトは詳細なクーデター計画書をリンチ少佐に渡してます。
この時、出来る限り大規模にしてヤンが手こずる様にしています。
(23行省略されています)
mariothemovie2023 ID:Euv0czDA 2024年01月19日(金) 23:56
思うのですが、歴代のローゼンリッター隊長の多くは帝国に逆亡命していますが、もしかするとシトレ派が態と帝国に逆亡命させた可能性はないでしょうか。
特にリューネブルクの場合は再亡命の理由は不明とされます。
安井 賢一 2023年09月19日(火) 09:36
関ケ原の伊達政宗や黒田官兵衛の立場ですね<同盟軍
あの時、応仁の乱の様に長期化すると誰もが考えて色々手を打った訳ですが、
一日で決着するとは完全に予測外だったしょう。
(一日でカタつけた徳川家康がそれだけ凄かった訳ですが)
(19行省略されています)
旧王朝史編纂所教授 2024年08月26日(月) 23:06
>ラインハルトにしてみればリップシュッタット戦役が長期化すれば、同盟軍の介入がある事は分かり切っているわけで、各提督のネジ巻いて、要塞や拠点の短期攻略を急がせたり、キルヒアイスがブラック企業並みの連戦したのも介入を行わせない為の戦略の一環でしょう。
原作中、リップシュタット戦役は終始、ラインハルト軍が貴族連合軍を圧倒していた記述になっていますが、これは明らかにローエングラム朝の建国者ラインハルトの偉大性、超人性を誇張する曲筆だと思われます。実際のリップシュタット戦役は、ラインハルト軍は決して有利ではなく、むしろ薄氷の勝利だったと考えられます。
個々の戦闘を見ても、ミッターマイヤーはシュターデンに完勝しましたが、ロイエンタールはシャンタウ星域でメルカッツに苦戦、撤退の判断を下しています。これは将兵の質と士気が両軍で拮抗していた事を伺わせます。
さらに戦略、政略面で言えば、ラインハルトは明らかに不利です。その要因は2つ。1つはガイエスブルク要塞、もう1つはリヒテンラーデ公の存在です。
要塞戦で雷神の槌にさえ耐えた堅城ガイエスブルクは、イゼルローンの外壁を打ち破れる硬X線ビーム・ガイエスハーケンを備え、艦隊1万6,000隻、将兵200万人の収容能力を持ちます。これは、イゼルローンの艦艇数1万5,000隻、人口100万人以上と遜色なく、ガイエスブルクがイゼルローンと同水準の生産・補給能力を有している可能性は高いと思われます。
メルカッツがブラウンシュヴァイク公に献策した「敵軍をガイエスブルク要塞まで引き込み、疲弊の極に達した所を撃つ」も、この補給・生産能力を前提としていたのではないでしょうか?
一般的に、籠城策は援軍の当てがあってこそ有効で、それ無しの籠城は備蓄できる物資に限界がある以上、最終的にはジリ貧になるしかありません。史実に例を求めれば、後北条氏の小田原城は当時の日本で最大級の巨城でしたが、それでも豊臣秀吉の包囲を打ち破る事は出来ず、開城の止む無きに至っています。メルカッツほどの用兵家がその危険性に気が付かないとは思えません。彼は、ガイエスブルク要塞が貴族連合軍全体を養うに足る生産能力を有していたからこそ、敢えて籠城策を提言したと思われます。
事実、ラインハルト軍との最終決戦でも、貴族軍の戦意は低くなく、艦隊も健闘していると受け取れる記述になっています。これは、例えばアムリッツァ星域会戦で、同盟軍が焦土作戦を被った結果、物資やエネルギー不足で満足に戦う事が出来なかった事とは対照的で、ガイエスブルクの生産能力の高さを伺わせます。
つまり、ガイエスブルク要塞を占拠した時点で、貴族側は無限に近い生産力と回復力を有する拠点を手に入れた訳で、帝都オーディンから長躯、遠征に赴かざるを得ないラインハルト軍に対して、圧倒的なアドバンテージを有していたと言えます。
そして、この事を知悉していたからこそ、ラインハルトは、ブラウンシュヴァイク公やフレーゲル男爵ら貴族達を殊更に挑発して、要塞から出撃させ、艦隊決戦に持ち込み、実戦部隊を壊滅させる事で、勝利を決定づけようとしたのでしょう。この手法は歴史上に先例があります。アレクサンドロス大王やユリウス・カエサルが、兵力的に優勢だったダレイオス三世やポンペイウスに対して、敢えて大規模会戦に持ち込む事で勝利を収めた例と相似だと言えます。
ラインハルトは、貴族連合軍がガイエスブルク要塞に籠城する事を何よりも恐れていたと考えられます。それは感想者様が指摘される同盟軍の介入もさる事ながら、より切実な事情がありました。それがもう1つの要因、リヒテンラーデ公クラウスの存在です。
前述したメルカッツの「ガイエスブルク要塞まで敵軍を引き込み決戦」との献策に、一部修正を加えたものとして、シュターデンが提唱した「ラインハルト軍をガイエスブルクに引き付ける一方、大規模な別働隊を組織、長躯して帝都オーディンを攻略し、皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世を擁して、ラインハルトこそ逆賊との勅命を出して頂く」との策は、リヒテンラーデ公の存在を念頭に置くなら、既に成就していると言わざるを得ません。
ラインハルトとリヒテンラーデ公の間に信頼関係など無く、当面の敵であるブラウンシュヴァイク公らを打倒した後、両者間で権力闘争が生じる事は自明で、双方ともその事を理解していました。
仮に、貴族連合軍がガイエスブルク要塞に籠城し、ラインハルト軍が攻めあぐねる事態になれば、リヒテンラーデ公はラインハルトが貴族連合と取引、或いは降伏するのではないかとの疑念に囚われて、皇帝の勅命だとして、ラインハルトに逆賊の汚名を着せ、ブラウンシュヴァイク公もろとも討伐の対象にする、そこまでは行かずとも、決戦を強要する勅命を出す可能性は高く、ラインハルト自身は勅命に恐れなど感じずとも、麾下の将兵に動揺が走る事は避けられません。
さらに決戦の勅命を実行させるため、帝国宰相の職権を用いて、ラインハルト軍への補給を停止する、或いは勝利するまで帝都への帰還を許さないなど、オーディンから有形無形の妨害を行う事もあり得ます。艦隊戦力のみでイゼルローン要塞に匹敵する堅城ガイエスブルク要塞の攻略を余儀なくされるラインハルト軍の姿は、イゼルローン回廊を自らの死屍で舗装した同盟軍の姿と重なってきます。リヒテンラーデ公にすれば、ブラウンシュヴァイク公とラインハルトが相打ち、もしくはラインハルトが勝利はしたが、その戦力は壊滅的打撃を受けた、この結末が望ましい訳で、ラインハルトが戦略的判断からガイエスブルクへの攻撃を控えたとしても、リヒテンラーデ公はそれを容認する事なく、決戦を強要する勅命を出し続けるでしょう。
だからこそ、ラインハルトはリヒテンラーデ公に介入する隙を与えないため、貴族達の頭に血を上らせて、ガイエスブルク要塞に籠城するとの策を放擲するよう、挑発を繰り返して、何とか艦隊決戦に持ち込もうと、ひたすら苦心していたのでしょう。故に、その勝利はヒルダが予言したように決して必然ではなく、一歩間違えれば破滅していたかもしれない、薄氷の勝利だったと思われます。
なお余談ながら、リヒテンラーデ公の存在を念頭に置くと、帝都オーディンに防衛戦力を置かなかったラインハルトの判断、腹心の部下キルヒアイスがラインハルトの本営を離れて、辺境星域の占領に赴いた理由、そしてヴェスターラントの悲劇とキルヒアイスの横死、これらの事象が全く別の意味を持ってくると考えるようになりました。後日、活動報告ないし投稿作品で発表したいと思っています。
>1.フェザーン侵攻を匂わせて帝国に経済的混乱を起こさせる(諸刃の剣ですが……)
2.要塞からの密輸ルートを大幅に拡張して辺境を経済的に縛り付ける(バレなきゃ犯罪じゃないw)
3.いっそ麻薬等の違法薬物で帝国の根元を腐らせる(バレたら洒落になりませんが……)
アムリッツァ後、軍事的オプションを封じられたヤンが経済面から帝国の侵攻を策す、興味深い発想だと思います。原作中、キャゼルヌがイゼルローン要塞内の住環境を整備、改修するため、フェザーンを介した三角貿易で、帝国の工業製品を輸入する事を選択肢の一つに挙げていますが、ここから考えて、フェザーンを介せば同盟の工業製品を帝国に輸出する事も可能だと思われます。
よって、良質で安価な同盟製品を帝国に売りつけ、経済的に依存させる事は可能かもしれませんが、帝国には農奴・奴隷という、ほぼ無料の労働力が存在するので、人件費を原価に加えざるを得ない同盟製品が、帝国の製品よりも低価格になる事は現実的ではない気がします(ラインハルトの改革で、農奴や奴隷が解放されたとしても、旧アニメの描写を見る限り、帝国臣民の生活水準は明らかに同盟市民のそれよりも低く、両国の平均的な給与額は、恐らく圧倒的に同盟の方が高いと思われます)。
或いは、ヤンがイゼルローン要塞司令官の職権を使って、麾下の兵士に無償労働を強制、人件費ゼロの製品を作って、帝国に密輸する事を策しても、イゼルローンの労働力で生産できる量など、約250億の臣民を抱える帝国の市場規模からすれば、恐らく微々たるものではないでしょうか。また、ヤンがどれほど将兵から支持されていたとしても、古代の暴君さながら、無償労働を強制するなどの所業に及べば、兵士間に不平不満が出ない訳は無く、同盟政府や軍中央に直訴、或いはマスコミにリークする人物は必ず出てくるでしょう。ヤンを危険視するトリューニヒトが知れば、これ幸いと弾劾する事は疑い得ず、先見の明に優れたヤンが敢えて行うとは考え難いです。
そして、サイオキシン麻薬などの違法薬物を密造して、地下ルートで帝国に輸出、臣民を中毒状態に陥れて、経済的に侵略するとの構想ですが、これはアヘン戦争という、イギリスと清(中国)の実例があるので、歴史に詳しいヤンなら、或いは選択肢の一つに挙げるかもしれません。
しかし、このアヘン戦争の事例が示すように、違法薬物を持ち込まれた側(中国)は、持ち込んだ側(イギリス)に抗議、薬物の輸出を止めるように申し入れ、実力行使にすら出ましたが、軍事力に優れるイギリスはそれを口実に戦争を仕掛けて、逆に中国を侵略しました。
つまり、違法行為であっても、軍事力に優れた側が行えば、劣る側がそれを掣肘する事は困難なのです。まして、軍事的に劣勢な同盟が違法薬物を使った経済侵略を仕掛けたとすれば、軍事力に優れる帝国は、これを奇貨として、同盟領への侵攻を開始するでしょう。
何故なら、この時期のラインハルトは、同盟に侵攻する口実を得るため、フェザーンと密かに手を結び、皇帝誘拐を黙認さえしています。かつて、帝国と同盟の官憲が水面下で協力し、その撲滅を図ったほど、悪名高いサイオキシン麻薬を同盟が帝国に密輸している事が明らかになれば、それは帝国臣民の憤激を招かざるを得ず、同盟と戦端を開く口実を探していたラインハルトからすれば、まさに「鴨が葱を背負ってきた」ようなものかと。
長文失礼いたしました。
玉井タマタマルアー 2023年09月18日(月) 04:08
次回のお話が楽しみです。多く方が触れられているかもしれませんが、惑星同盟軍は攻撃作戦のノウハウが欠如していたと思うんですよね。同盟軍と帝国軍で採用されていたドクトリンが違うと思うんです。当然同盟軍は防衛より、帝国軍は攻勢よりになっていると思うんですよ。そうすれば、軍の編成に違いがでるんです。
それは、補給線への被害に現れていると思うんですよね。同盟軍は補給線を点と点を結び線にする作業だと思っていたんじゃないでしょうか。これは、ソ連がジョージアやアフガニスタンでやらかした事なんですよ。同じ目的地にたどり着くまでの線がひどいと一本、多くても三本といったようにゲリラ的な攻撃をされるとすぐに寸断されると思います。さらに追い討ちで、同盟軍のドクトリンによる弊害が現れます。軍艦の移動距離の不足、活動期間の短さ、火力への偏重、補給艦の不足などです。
これは、同盟軍が内線防御を基本としているためだと思われます。常に自分の勢力内で戦うので、エネルギーや食糧などはいざという時は徴発できるので問題が発覚しない。補給艦も自分の勢力内なので、護衛も少ない(下手したらいない)、襲われる心配もないので護衛の経験がない。そもそも軍艦が護衛任務には適していない。などです。
(7行省略されています)
旧王朝史編纂所教授 2024年07月08日(月) 20:41
>惑星同盟軍は攻撃作戦のノウハウが欠如していたと思うんですよね。同盟軍と帝国軍で採用されていたドクトリンが違うと思うんです。当然同盟軍は防衛より、帝国軍は攻勢よりになっていると思うんですよ。そうすれば、軍の編成に違いがでるんです。
確かに、グエン・キム・ホアが提唱した「距離の防壁」思想からして、同盟軍のドクトリンは防衛重視だったと思います。ダゴン星域会戦で、同盟軍司令官のリン・パオが「(帝国軍を)なぐりつけて追い返さなくても、腹を減らして帰ってくれれば重畳」と述べており、かつ、当時の統合作戦本部長・ビロライネンが補給と情報の必要性を訴えて、後方勤務本部を新設しているように、自軍の補給を万全にすると共に、敵軍の補給線に負担を強いて、撤退に追い込む事は、帝国と戦端を開いた直後から、同盟の基本戦略だったのでしょう。
しかし、そう考えると、理解に苦しむ事象があります。ブルース・アッシュビーと730年マフィアの活動です。
彼らは宇宙艦隊を率いて、帝国軍と会戦を繰り返し、大勝利を収めています。確かに、帝国軍が侵攻してきたから、それを迎撃しただけであり、上記のドクトリンから逸脱してはいないと主張できるかもしれませんが、第二次ティアマト会戦の推移を見るに、アッシュビーの戦術目的は、帝国軍の撤退ではなく撃滅にあったと言わざるを得ず、上記のリン・パオの言を借りるならば「敵が腹を減らすまで待たず、なぐりつけて追い返す」ようなものかと。
これをアッシュビー個人の性向に帰する事は簡単ですし、確かにその側面も強かったと思います。ただ、これは私見ですが、「距離の防壁」思想とは、決して同盟社会の総意ではなく、惑星ハイネセンを基盤とする特定の政治勢力が掲げるイデオロギーだったのではないでしょうか?
ここで想起されるのが、第一次ランテマリオ星域会戦の直前、同盟軍首脳部が抱いた懸念です。帝国軍の侵攻に怯えた各星系政府が自分たちを守ろうとしない同盟政府と同盟軍に愛想をつかし、中立を名目に、事実上、帝国の従属国家と化すかもしれない、これを防ぐためにも、ランテマリオ星域で戦端を開かざるを得ない、これがビュコック以下、当時の同盟軍首脳部の判断でした。これは、距離の防壁思想が軍事ドクトリンとしては有効でも、政治状況によっては機能しない事の証左だと言えます。
また、帝国の事例ですが、リップシュタット戦役時、メルカッツが献策した「ガイエスブルク要塞までラインハルト軍を引き込み、疲労の極みに達した時点で撃つ」という戦略も、距離の防壁思想と同質の考え方ですが、この結果、帝国領の辺境域はキルヒアイス軍に平定(貴族側の視点では占領)されてしまいます。
故に、距離の防壁思想とは、あくまで首都ハイネセンを守るという一点において有効なのであり、同盟領全体を守る思想ではなく、ハイネセンを防衛するためなら、他の星系が敵軍に占領、蹂躙されても構わないと、言外に主張していると言わざるを得ません。その意味で、極めてエゴイスティックな思想であり、それを端的に示すのが「アルテミスの首飾り」でしょう。
これは拙作の設定ですが、自由惑星同盟という国家が原作中の姿になったのは、アーレ・ハイネセンに代表される、民主主義を奉じる帝国の奴隷階級が逃亡、バーラト星系に入植して建国した、などという牧歌的なものではなく、帝国の領主貴族が深宇宙探査のために派遣した奴隷・農奴達、帝国に滅ぼされた旧敵国の遺民、銀河連邦由来のロストコロニーで暮らす住民、地球統一政府の遺産を抱える原・地球教団とも言えるグループなど、種々雑多な集団が闘争と離合集散を繰り返し、その中で、惑星ハイネセンを根拠地とする集団が他集団(原作中の各星系政府の母体)を侵略していき、最終的には同盟領全土を支配下に置いた、そういうプロセスを経て、民主国家・自由惑星同盟は成立したと考えています。
実は、距離の防壁思想、それを体現するアルテミスの首飾りに、ハイネセン独尊の傾向を感じたが故に、上記の設定を考え付いた、という方が正しいのですが。
それはさておき、このように考えると、距離の防壁思想とは、ハイネセン以外の場所で暮らす同盟市民、特にエル・ファシルのように、帝国との国境線に近い、常に帝国軍の侵略に怯えつつ暮らしている人間からすれば、自分たちを犠牲にしてハイネセンに暮らす人間だけを守る、到底受け入れられない、傲慢極まる思想だと言えるでしょう。これを踏まえて、ブルース・アッシュビーという人物を考察すると、或いは彼は、ハイネセン以外の惑星で生まれた、それも帝国との国境に近い場所で生まれた人物だったのではないでしょうか?
原作中、アッシュビー及び730年マフィアの出生地は明記されておらず(唯一、ウォーリックのみ、退役後は生地である惑星パラスの知事を務めたとあるので、少なくとも惑星ハイネセン出身者ではない事が分かります)、彼らが地方出身者だった事の証明は出来ません。
しかし、距離の防壁思想に基づく、同盟軍伝統の防衛戦略を採用せず、積極的に帝国軍の撃滅を図るその姿勢は、日常的に帝国の脅威に晒されている、地方在住の同盟市民の要請に応えるためだった。そして、彼ら自身が幼少期より、その脅威を感じていたが故に、「帝国が二度と、自分たちの故郷を襲う事が無いよう、徹底的に撃滅する事が必要なのだ」、それが彼らの積極的な軍事行動の理由だったと思うのです。
さらに、彼らが同盟軍伝統の防衛戦略に則らず、侵攻してきた帝国軍を迎撃にするにとどまらず、進んで帝国領に出撃していた可能性を伺わせる事実があります。軍務尚書ケルトリング元帥の息子2人は、アッシュビー率いる同盟軍との戦闘で戦死した事が分かっていますが、軍高官の子弟が最前線に出てきて、叛乱軍(同盟軍)の最精鋭と戦闘に及んだのでしょうか?また、ケルトリング元帥は、フリードリヒ4世の時代に、宇宙艦隊司令長官を務めたミュッケンベルガー元帥の大叔父に当たる人物ですが、ミュッケンベルガーは「伯爵家の次男」と明記されているので、ケルトリング家も伯爵以上の爵位を保有していた可能性が高いです。
ケルトリング元帥が軍高官にして上級貴族であれば、彼の息子たちが最前線に出てくるのは、いよいよ不自然です。皇帝の寵姫の弟であったラインハルトが最前線に出た事でさえも、周囲から奇異の視線を向けられ、かつ厄介者扱いされた事を考えると、息子たち自身が最前線勤務を望んだとしても、周囲が止めるのではないでしょうか?
ここから、ケルトリングの息子たちは、当時の戦況では最前線とは言えない、イゼルローン回廊・帝国側出口(アムリッツァ星系など)に駐留していた時、アッシュビー率いる同盟軍に襲撃されて、戦死するに至った可能性が想定されます。当時、イゼルローン要塞はまだ建設されていないので、回廊内の通行は原作時よりも容易だった事を考え合わせると、アッシュビー及び730年マフィアは、回廊全体の制宙権を確保するため、アムリッツァ星系を含む回廊の帝国側出口を占拠、帝国軍の回廊内への侵攻を根絶しようとしていた、そうする事で、エル・ファシル星系など、帝国との国境線に近い星系に暮らす同盟市民の生命と生活を守ろうとした、これが彼らの戦略目的だったのではないでしょうか?
そして、当時の帝国軍もそれを理解していたからこそ、より同盟側出口に近い、ティアマト星系を奪取、同星系を橋頭保として、回廊の同盟側出口までを制圧しようと目論んでいた、これが当時の戦況だったと考えています。
しかし、軍内の特定グループが国防戦略に容喙、軍事ドクトリンの変更を迫るが如き振る舞いをするのは、同盟政府及び同盟軍の首脳部からすれば、忌避するに値する行為だったでしょう。アッシュビー達が軍閥化する恐れを首脳部が抱くのは当然で、アッシュビー戦死後、730年マフィアが冷遇されて、軍内に居場所を失ったのは、当時の同盟首脳部からすれば、軍の統制上、必然の措置だったと言えるかもしれません。
なお、独りウォーリックのみ政界に転身、国防委員長にまで上り詰めていますが、彼は当時の首脳部から勧誘され、730年マフィアの団結を阻害するため、所謂「ユダ」になったのではないかと思われます。彼の急激な出世とスキャンダルによる凋落、そして突然の事故死は、彼が首脳部から「使い捨て」にされた可能性を示唆します。
結局、アッシュビーが構想した、積極攻勢による帝国軍の撃滅、回廊全体の制宙権確保による同盟領全体の安全保障、これらの国防戦略は同盟政府に採用される事なく、むしろ、銀河帝国がイゼルローン要塞を建設して回廊全体の制宙権を確保、要塞を補給基地として叛乱軍(同盟軍)の撃滅を図る、という形で結実させたのは、あくまで筆者の私見ですが、皮肉な話だと思われます。
mariothemovie2023 ID:b.U6Os42 2023年09月16日(土) 18:40
「歴史家ユリアン・ミンツは存在し得るのか?」について読ませていただきました。
バーラト星系の行きつく先についてはサイト「田中芳樹を撃つ、反銀英伝」においても同じような見解が書かれていたのを思い出します。
ただそちらで書かれたとある文章において、トリューニヒトがフェザーンや地球教どころか新帝国や旧同盟などあらゆる勢力を纏め上げて獅子帝崩御後には合法的に立憲君主制議会の設立が可能な力を持つ民主主義最後の砦だったと書かれています。
その上でユリアン達の役割はかりそめの民主主義を喧伝してトリューニヒト残党をおびき寄せて粛清する役割を新帝国から与えられる見返りとしてバーラト星系の自治権と言う名の全体主義国家設立の権利を頂いたとされています。
旧王朝史編纂所教授 2024年07月08日(月) 20:46
>バーラト星系の行き着く先
原作終了後の世界を舞台にした二次創作はいくつか読みましたが、バーラト自治領の未来は、甘蜜柑氏が「エル・ファシルの逃亡者」で描いた、経済的な苦境に陥り、ヤン・ウェンリーを神聖視する全体主義的国家、これが最も蓋然性の高い解釈ではないかと思っています.
以前の感想返信等でも述べましたが、ロイエンタールの叛乱や、ルビンスキーの火祭りで被ったインフラ等の再建だけでも大変でしょうし、消費地的性格が強いと評されていたバーラト星系には、そもそも基幹産業が存在しない可能性も高いです。同盟首都だった時は、政治・経済の中心地として、多星系で生産された富が税収や所得移転の形で集中していたでしょうが、帝国の自治領になってしまえば、原作10巻で、バーラト星系に降り立ったユリアンがいみじくも述べたように、人類社会を二分した巨大国家の首都という地位を喪失した辺境の地、でしかありません。
実際の歴史を見ても、例えば日本史上における京都のように、新政権に取って代わられた旧政権の首都は、ほぼ例外なく、政治・経済的パワーを喪失した、一地方都市になっています。かつての同盟首都ハイネセンを有するバーラト星系がそうならない理由はありません。
さらに、誕生まもない新帝国政府からすれば、アーレ・ハイネセンとヤン・ウェンリーを追慕する旧同盟人がバーラト自治領に流入して、同地が反帝国勢力の聖地的存在になる事を懸念するでしょうから、その意味でも、バーラト自治領が政治的、経済的に自立、発展する事を決して望みはしないでしょう。これも甘蜜柑氏が自作中で述べていますが、帝国政府が進める戦後復興は、バーラト自治領を置き去りにする形で進められると想定されます。
歴史上の実例には事欠きませんが、経済的な苦境に陥った国家は、軍事力による「一発逆転」を狙い、右傾化した独裁国家、全体主義社会へと移行する事がしばしば生じています。バーラト自治領がその轍を踏まないとは、決して言えないでしょう。
なお、バーラト自治領が自主独立を維持し、経済的に安定した小国家として発展していく未来はあるのでしょうか?現時点では、筆者にはその可能性を想定する事は難しいのですが、暴政に対抗できる市民を育てる事を最終目的とする、ブラッケやリヒターら開明派貴族が帝国の実権を掌握すれば、帝政を批判する民主共和思想を共通項として、彼ら開明派と自治領政府が連帯する、という未来はあり得るかもしれません。
>ユリアン達の役割はかりそめの民主主義を喧伝してトリューニヒト残党をおびき寄せて粛清する
ユリアン達が帝国政府と密約を結び、トリューニヒトが代表する反帝国勢力を誘き寄せて、彼らを粛清するエージェントになっていた可能性ですか。この仮説を主張するサイトを読んだ事はないので、引用文だけを根拠に批判するのはアンフェアなのですが、あくまで現時点での着想として言うならば、やはり考え難いのではないかなと。
以前の活動報告【ヨブ・トリューニヒトとは何者だったのか?】で述べましたが、原作中、トリューニヒトが「エゴイズムの怪物」、如何なる状況でも生き残り、権力の座を維持し続ける悪魔的人物として描かれているのは、民主共和制守護の英雄、ヤン・ウェンリーを称揚したい歴史家ユリアンの曲筆であり、実際の彼は、同盟末期に生まれた一政治家に過ぎず、時流に乗って最高評議会議長まで上り詰めたが、確たる定見などなく、その場しのぎ、場当たり的な対応に終始した挙句、不慮の死を遂げた凡庸な人物だった、これが筆者の見解ですので、そもそもトリューニヒトに、新帝国を立憲君主国に変貌させる力量など無かったと考えています。
また原作中、トリューニヒトはルビンスキーや地球教団と組んで、帝国の政界と官界にじわじわ人脈と金脈を広げつつあった、とあります。しかし、人脈と金脈を広げつつあったのは、旧フェザーン自治領の財力と組織力を使えたルビンスキーであり、トリューニヒトはルビンスキーに従属する存在でしかなかったと考えます。まして、地球教本部壊滅の引き金を引いてしまった事からして、トリューニヒトは地球教徒から「信仰の敵」として、暗殺対象になっていても不思議ではなく、その点から考えても、トリューニヒトが地球教団と組んでいたとは考え難いです。
なお、総督府高等参事官としてハイネセンに着任したトリューニヒトの邸宅に、地球教徒が入って行くのをボリス・コーネフらが目撃していますが、彼らは旧同盟時代からトリューニヒトと結んでいた地球教の特定派閥で、キュンメル事件を引き起こした地球教徒とは対立しており、大多数の地球教徒から敵視されていたトリューニヒトは、むしろ自分の身の安全を図るためにも、自分に味方する地球教徒が自邸をアジトとして使用する事を受け入れていた、地球教徒側も、帝国の官憲が手を出しにくいトリューニヒト邸を隠れ家に使っていた、という事情なのではないかと考えています。
そして、ユリアン達イゼルローン共和政府が密かに帝国と結び、反帝国勢力(民主共和主義者)を誘引して、一網打尽にする任務を与えられていたエージェントだった可能性は、あくまで私見ですが、やはり考え難いかと。
その根拠は、イゼルローン共和政府と、同政府に属していない反帝国勢力(民主主義を奉じるグループ)との関係性です。
ロイエンタールの叛乱後、惑星ハイネセンに残存する反帝国勢力(民主主義グループ)からの救援要請に対して、共和政府幹部のアッテンボローやポプランは、「無闇に頼られても困る」と、非常に冷淡な態度を取っています。これは、彼ら一流の偽悪表現、との解釈も成り立ちますが、バグダッシュの報告によれば、ハイネセンの民主勢力は、ユリアン達がメックリンガー艦隊に回廊の通行許可を与えた事を根拠に、イゼルローン共和政府は、民主主義を守る事よりも、帝国と協約を結び、自分達の生存を確保する事が最優先なのだ、と訴えており、ここから、イゼルローン以外で活動する民主主義勢力は、ユリアン達共和政府を必ずしも信用しておらず、自分たちの盟主とも思っていない事が看取できます。なお、あくまで私見ですが、彼らハイネセンの民主勢力の指摘は、正鵠を射た見解だと思われます。
仮に、ユリアン達が帝国政府から反帝国勢力を誘引する事を密かに命じられていたならば、むしろ積極的に、旧同盟領内に残存する民主主義グループを救援する姿勢を見せ、民主主義守護の英雄、ヤン・ウェンリーの遺志を継ぐとして、反帝国勢力の盟主として振舞い、各地の民主主義グループがイゼルローン要塞を最後の砦と考えて、こぞって要塞に集まるよう、勧誘に努めるのではないでしょうか?
そして、旧同盟領の反帝国勢力がイゼルローンに集結した時点で、ユリアン達は帝国への降伏と要塞の明け渡しを宣言、帝国政府は、皇帝に膝を屈したユリアン達の恭順を嘉するとして、バーラト星系を自治領として与えるとすれば、帝国は旧同盟領内の反帝国勢力を一つずつ潰していくという苦労なく、反帝国勢力を一網打尽にできます。
さらに、この時点で、要塞に流入した各種グループの中に、ユリアン達共和政府の指導権を認めない、或いは反感を抱いている者たちがいれば、彼らは共和政府を「偉大なるヤン元帥の遺志に背く醜悪な裏切者」と見なし、要塞内で深刻な内ゲバ、殺し合いが生じる可能性もあります。むしろ、ユリアン達をエージェントとした帝国政府の真の狙いはこれだったのではないか、とさえ思っています。
しかし、実際には、ユリアン達は旧同盟領内の民主主義勢力と共闘する事なく、共和政府と帝国政府との関係だけしか考慮せず、単独で帝国軍との戦端を開き、その結果、自分たちだけ皇帝ラインハルトと和睦(事実上の投降)しています。これは、旧同盟領内で活動する他の民主主義グループからすれば「梯子を外された」に等しく、共和政府の日和見主義に失望した彼らは、帝国の官憲に投降した者もいたでしょうが、逆に先鋭化して、むしろ反帝国活動に邁進する者もいたでしょう。結局、旧同盟領の反帝国勢力を撲滅しなければならない帝国の治安当局にとって、ユリアン達共和政府の投降は、大して意味あるものではなく、この事は逆説的に、ユリアン達が帝国のエージェントではなかった(=帝国政府の指示を受けていなかった)事を証明するかと思います。
長文失礼いたしました。
mariothemovie2023 ID:jbw2411k 2023年09月12日(火) 16:48
ヤンがクーデターを起こさせたとなるとジェシカの死にも裏があるとしか思えなくなりますね。
もしかするとジェシカはスタジアムで虐殺されたのではなく、例えばヤンがクーデターを引き起こした事実を知ってしまいそれを暴露しようとして暗殺されたのではと思ってしまいます。
旧王朝史編纂所教授 2023年09月30日(土) 12:10
感想ありがとうございます。
>ジェシカの死にも裏があるとしか思えなくなりますね
正直なところ、ヤンとジェシカの関係性については、原作及び旧アニメで描かれた内容しか想定してはいませんでした。しかし、ご指摘の通り、アムリッツァの大敗北以降、ヤンが帝国の内戦(リップシュタット戦役)に介入し、漁夫の利を占める事を狙っていたとするならば、ヤンが反戦和平を唱えるジェシカを「邪魔者」と見做して、暗殺対象とする事は十分にあり得ると思いました。
何故なら、リップシュタット戦役に介入するとなれば、それは必然的に帝国領への再出兵を伴わざるを得ず、外形的には帝国領侵攻作戦と同じになるからです(軍の規模は圧倒的に少数でしょうが)。そして、ジェシカ及び彼女のシンパ(反戦派)は、アムリッツァの記憶も新しい時、どのような形であれ、再度の帝国領侵攻を容認するとは考えにくく、帝国が内戦状態にあるならば、むしろそれを奇貨として、軍事よりも民生に予算を投じて、民力休養と国力回復を図るべき、との論陣を張る事は容易に想像が出来ます。
アムリッツァ以前であれば、ヤンは自派(シトレ派)主導の和平実現を目指していたので、反戦和平を掲げて政治活動を行うジェシカは、同盟世論を和平へと導くための「格好の道具」だったでしょう。アスターテ以降、ヤンがジェシカを気遣っているのは、初恋の相手で、親友の婚約者だったから、という私的な理由以外にも、対帝国戦争で恋人を失った悲劇の女性として祭り上げ、和平機運を盛り上げるため、との構想があったからかもしれません(ヤンが考えなくとも、派閥領袖シトレや、その腹心キャゼルヌあたりが考えたでしょう)。そう考えると、ジェシカがテルヌーゼン地区で代議員になれたのも、恐らくシトレ派の密かなバックアップがあったと思われます。
しかし、アムリッツァ以降、同盟軍艦隊はほぼ壊滅、その軍事力は激減し、和平交渉の相手と目していたブラウンシュヴァイク公からも見限られて、自派主導の帝国和平実現は極めて難しくなりました。よって、ヤンは方針を転換、リップシュタット戦役に介入して、漁夫の利を占め、帝国の滅亡を目指す事になった訳です。このヤンの「転向」をジェシカが知っていたのか、全くの不明だと言わざるを得ませんが、もし仮に、代議員との立場から、ヤンの転向をジェシカが知ったとすれば、生粋の反戦派たるジェシカの目には、対帝国戦争を否定し、ともに和平実現を目指す反戦派だと思っていたヤンが、婚約者ラップを死に追いやった憎むべき主戦派に鞍替えした、そう映っても不思議ではありません。
そう考えると、イゼルローンでの捕虜交換式後、帰還兵歓迎式典に出席するため、一時的に首都ハイネセンを訪れたヤンに、ジェシカが連絡を入れ、二人だけで会っていた事実が極めて意味深長に感じられます。敢えて想像を逞しくすれば、ジェシカはこの時、ヤンに向かって、再度の帝国領侵攻を考えているの!貴方は主戦派に転向したの!と、詰め寄ったのかもしれません。
そうだとすれば、その場はなんとか切り抜けられても、自身の密かな構想を知り、かつそれを暴露して、公然と批判できる立場にいるジェシカをヤンが危険人物と見なす事は当然で、秘密同盟の相手トリューニヒトも、自分を大衆の面前で痛烈に批判したジェシカに好意的である理由はなく、主戦派との自身の政治的立場からしても、ジェシカ抹殺に反対する事はないでしょう。
だとすると、救国軍事会議のクーデターによって、戒厳令下に置かれたハイネセンで、クーデター派の神経を逆撫でする市民集会をジェシカが開催、あくまで暴力反対、反戦和平を貫こうとしたのも、信じていた友人ヤンに裏切られて、もう誰に頼る事もできない、自分一人で和平実現を目指すしかないんだという、ジェシカの悲痛な決心の表れ、だったのかもしれません。このジェシカの行動に、ヤンないしトリューニヒトの策謀があったのかどうか、それは分かりません、ただ、詳しくは拙作中で述べたいと思いますが、この時点(スタジアムの虐殺)で、救国軍事会議はヤンの想定以上の勢力となり、その結果、ヤンの構想はすでに破綻しているので、もはや殊更にジェシカを抹殺する必要はなくなっていました。よって、ジェシカの死は、自身の信念がもたらした不幸な事故だった、これが現時点での筆者の見解です。
長文失礼いたしました。
G-20 2023年09月12日(火) 00:26
ヤンの構想も気になりますが、その構想が崩壊した理由も気になります。
というのもリヒテンラーデ・ローエングラム枢軸対貴族連合の内戦の場合、その規模から少なからず残党が出てくるでしょうし、加えてリヒテンラーデ公対ローエングラム侯との謀略戦(笑)もあるので最悪の場合ローエングラム陣営対貴族連合残党による内戦が勃発する危険もあるでしょうから。
旧王朝史編纂所教授 2023年09月26日(火) 16:47
感想ありがとうございます
>ヤンの構想も気になりますが、その構想が崩壊した理由も気になります。
銀河帝国の滅亡を目指す「ヤン構想」の具体的内容と、それが実現しなかった理由については、次節以降に詳述させて頂く予定です。
>最悪の場合ローエングラム陣営対貴族連合残党による内戦が勃発する危険もあるでしょうから。
ご指摘の通り、リップシュタット盟約軍の規模を考えれば、その残党が全く存在しないとは考えにくいです。実際、皇帝誘拐の実行犯となったランズベルク伯アルフレッド、フレーゲル男爵の部下だったシューマッハ、銀河帝国正統政府の国務尚書となったレムシャイド伯、そしてヤン艦隊の一員となったメルカッツとシュナイダー達、彼らは貴族連合の残党と言えるでしょう(レムシャイド伯が盟約に参加していたのかどうかは不明ですが、ラインハルトの台頭を憎み、ゴールデンバウム朝を正統とする点では、ブラウンシュヴァイク公らと一致していると言えます)。
ただ、彼らに共通しているのは、同盟とフェザーン、事実上の外国に亡命、同国の力を借りて、ゴールデンバウム朝の復興を目指している点です。一方、ラインハルト独裁下の帝国領内で、旧王朝の再興を図る動きは皆無と言わざるを得ません。
これは、盟約軍の残党が帝国領内から根絶された事を窺わせます。他の感想者様からのご指摘ですが、リップシュタット戦役中、キルヒアイスが別働隊を率いて、辺境域の平定に従事していたのは、ラインハルトの本隊に敗れた盟約軍残党が辺境域に逃亡するルートの切断、それも目的の一つだったと考えられるので、ガイエスブルク要塞陥落時、要塞から脱出できた貴族達が辺境域に逃亡、潜伏しようとしても、キルヒアイスが平定した現地勢力ー領主貴族が統治する貴族領、総督らが治める皇帝直轄領、帝国皇帝の宗主権を認める自治領などーに逮捕されてしまい、反ラインハルト活動に従事する事は出来なかったと想定されます。憲兵隊を支配したケスラーの存在も、盟約軍残党の蠢動を許さなかったでしょうし、或いは、オーベルシュタインが社会秩序維持局長だったラングを登用したのも、残党狩りに従事させる事が狙いだった、のかもしれません。
よって、あくまでゴールデンバウム朝に忠誠を尽くす、またはラインハルトに仕える事を良しとしない貴族達は、帝国領内に留まる事が出来ず、フェザーンや同盟に逃亡する以外の選択肢が無かった、そして、彼らを一網打尽にし、彼らと野合した同盟政府に帝国臣民の敵意を向けさせるための策謀が「皇帝誘拐」だったと解釈されます。
長文失礼いたしました。
rx 2025年07月05日(土) 12:51
本節の議論は終始、「どうすればヤンを外し、より政府に都合のいい人物をイゼルローンに置けるか」という人事主導・陰謀主義的視点に偏っており、安全保障政策としての論理を全く持たない。
アムリッツァ大敗後、同盟は防衛戦略に完全に切り替えざるを得なかった。イゼルローン要塞は、帝国との唯一の接点を守る要衝であり、そこに最も有能かつ、状況に応じて政治的判断も含めた行動ができる人材を置くのは、組織的には当然である。
本節はその基本的な地政戦略・軍政戦略を無視し、「帝国が来たら中央から援軍を送ればいい」という安易な中央集権モデルを持ち出しているが、星間戦争という広域戦争における即応性・前線指揮権の重要性を著しく軽視している。
また「中央集権型国防体制」「首都ハイネセンからヤンを遠ざけるべきだった」と主張しているが、これは同盟が民主共和制国家であることを忘れた議論である。
同盟では、軍が民意と世論に晒……(121文字省略されています)
0000 ID:24OtYlac 2023年08月21日(月) 09:51
なんか軍事的観点に視点が寄りすぎない?
当時の同盟市民からしてみれば、前例のない大損害を受けて政府や軍への不信が相当に高まっていただろうし、
英雄を前線に送って防衛への心理的安定を図るという、この一点だけで見てもパエッタ案なんかとはくらべものにならないくらいのメリットがあると思うが。
トリューニヒトとしても中央なんて出世コースに置きたくなかっただろうし