宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語 (コスモゼロ)
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第一章 大和~ヤマトへ、人類最後の希望
大和


アジア・太平洋戦争が終結してから数十余年。この間に人類は、ある大きな危機を乗り越えてきた。

 

それは、"深海棲艦(しんかいせいかん)"と呼ばれた、深き海の底から現れた謎の敵。

 

『深海棲艦』は、太平洋戦争時代の(ふね)の記憶を持った少女達『艦娘(かんむす)』によって滅ぼされた………………

 

『西暦2029年、世界を震撼させたある事件が起こった。

太平洋へ遠洋航海に出ていた日本の練習船の青雲丸が、何者かによって攻撃を受け、参加していた商船大学の乗組員数名が死亡、負傷するというものだ。

日本へ帰港した青雲丸を調べた際に、通常弾とは思えないほど小さい穴が、艦低部、上甲板に発見された。

穴の大きさから推察するに、ロケットランチャーよりも威力が高い武器であると予想された。

その為日本政府は、造船中の船に装甲の強化を命じ、日本近海を航行する船舶の安全を確保するため、海上自衛隊の、第一,第二護衛隊群を出撃させた。しかし、二週間後、護衛艦いずも,こんごうを残し、全艦が轟沈したと伝えられた。返ってきた護衛艦の二隻は、損傷が激しく、帰還できた事が奇跡だと言われた。護衛隊群の司令が幕僚に対し報告をした際、この様に報告したという。

『やつらは人間の様だった。だが、それだけでは無く、やつらは主砲の様なものを持ち、魚雷を放ち、航空機を出してきた。しかも、我々の武装は大きすぎて通用しない』と。

奴等こそが、後に『深海棲艦』と呼ばれたもの達だった。

そして、その数週間後、日本近海を航行する船舶の沈没事故が相次いで起こった。生き残った人々は、口を揃えてこう言った『奴等は人の姿をした化け物だ』と。

世界各国でも同じ事件が起こっていたらしく。国連は、第一級非常事態宣言を発表。世界中の軍隊が臨戦態勢に入った。

しかし、人型で小さく、小回りも効く彼等になすすべもなく、遂に人類は、地球上の全制海,制空権を失った。各国が絶望に陥る中、日本に、世界に"一筋の希望の光"が差し込んだ。

彼女はこう言ったという。『私は、彼等に対抗する手段を持っている』と。それが嘘か真かは考える余裕などなかった。しかし、結果として、日本の行動は間違いとはならなかった。そのとき話し掛けた艦娘こそが、かつて日本が誇った大型戦艦、『大和』だったのだ。

その後、艦娘が次々と現れ、奴等を倒していった。

そして、深海棲艦との戦いが続いて6年、奴等のに最後の時が訪れた。物質の消耗戦に成っていく中、世界に残る全資材を投入し発令された作戦は、"天二号作戦"。

地球最後の艦隊の編成は大規模連合艦隊だった。主力は、日本,アメリカ。その他に、ドイツ,イギリス,イタリア,ロシアが参加。

この作戦の艦隊旗艦は、超弩級戦艦、大和型1番艦大和、副艦に2番艦武蔵が選ばれた。

大和は旗艦として主砲を連発、太平洋戦争時代とはまるで違う活躍をした。

しかし、目の前に居る最後の敵を倒せば人類の勝利だと確信したその時、沈む直前の重巡リ級が、魚雷を駆逐艦に向けて放った。それに気付いた大和が彼女を庇う為に前に出た。

その次の瞬間。

敵は狙っていたかのように一斉に大和へ向け砲撃,雷撃,航空攻撃を敢行。

大和も負けじと応戦したが、数の差により、戦闘開始から50分で海の底へと沈んだ。

大和の指示で、指揮権を武蔵に委譲し、最後は武蔵指揮の元、戦いは終結した。

人類の存亡を賭けたこの戦いは、後の時代まで語り継がれるだろう。

実録、人類に起こった大いなる危機 完』

 

パタリと本を閉じる。

それと同時に、"部下"から通信が入る。

 

『提督、至急中央大病院にお越し下さい。"彼女"が目覚めました。』

「分かった。すぐに向かう」

______________________

 

2035年、坊ノ岬沖東シナ海 深海棲艦決戦

 

「また…沈む…。あの時のように……。皆…絶対に…生きて…帰って…………。」

 

そう言って彼女の意識は遠退いた。

______________________

 

2199年 冥王星海戦3週間と2日前 地下都市、中央大病院

 

彼女は失った意識を取り戻し、目をうっすらとあける。

しかし、ずっと目を閉じたままだったせいで、差し込んだ光が物凄く眩しかった。一瞬目を閉じ、再び開けると、見たことの無い天井が広がっていた。

 

(ここは………、確か私は、あの時の集中攻撃で………。じ、じゃあ、何で生きてるんだろう。)

 

「気がついたようじゃな。わしは佐渡酒蔵(さど さけぞう)、この"中央大病院"の医者じゃよ。」

「あ、あ……あ、ぅ」

「えぇえぇ、無理に話そうとせんでくれ。それよりも、人が来る前に伝えなければならんことがある。覚悟を決めて聞いてくれ」

 

私は、少し動く首を縦に動かした。

 

「そうか。…………いいかい、あんたはついさっきまで"昏睡状態"だった。落ち着いて聞いてくれ。その期間は"164年"じゃ。普通ならばあり得ない事だ」

「あ、ぁぁぁぁ!あ!ぅ…」

 

私は、その衝撃に耐えられなかった……。

 

(164年!?私が沈んだのが2035年だったから……、今は2199年!?一世紀半以上眠っていたってこと!?じゃあ、武蔵は!?アイオワは!?皆はどうなったの!?)

 

「やはり、耐えられないか。じゃが、落ち着いてくれたようだな。」

 

何とも意外な事に、彼女は物事を冷静に捉えられていたのだ。

 

すると、奥にある引き戸が開き、二人の人物が入って来た。一人は彼女に見覚えの有る姿をしていた。

 

(霧島!いきていたの!?でも、服装が違うわね。それに、あの男の人は一体・・・)

 

「来たみたいじゃな」

「佐渡先生、容態の方は」

「うむ、まだなんとも言い難い所ではあるが、話に対し、首振りで受け答えは出来る」

「そうか、ありがとう。"キリシマ"、君は出撃の準備をしてくれ。」

「分かりました。失礼しました」

 

(やっぱり霧島だったんだ。それにしてもこの人は………少し目が怖いです)

 

「わしは、国連宇宙軍第一艦隊司令、沖田十三だ。起きて直ぐで悪いが、我々の話を聞いては貰えないだろうか。大和」

 

(何故私の名前を?国連宇宙軍?)

 

「どうかね」

 

大和は首を縦に振った。




次回、『冥王星沖海戦』ヤマト発進まで、後、27日


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冥王星沖海戦(メ号作戦)

164年の眠りから覚めた大和。そこで沖田から、ある頼み事をされる。
※冥王星沖から()は、妖精の声です。


「君に頼みがある。いいかな?大和」

(頼み?起きてすぐに?一体何を)

「どうだね?」

 

大和は反射的に頷いた。

 

「そうか。有り難う。君への頼みは一つ。また"人類の為"に戦ってはくれまいか。」

「と…とふいふ…こ、こと、れふか……」

 

艦娘の身体能力は人間よりも優れており、艤装を装着していない時でもそれは変わらない。

その影響か、大和も少しずつ喋れる様なってきていた。

 

「これを話す前にまず、今の地球の現状を説明しなければならない。恐らく、先程よりも衝撃が強いだろう。覚悟を決めてくれ。」

 

コクリと頷く大和。

しかし、"彼"から聞いた話は、大和の想像を絶するものであり、164年前の災厄を遥かに上回る事が起きていた。

 

(そ、そんな!人類が、一年で、死滅!?)

 

「我々は一年前、ある星の技術供与を受けて、最新型の艤装を完成させているのだ。」

 

「じ、じゃあ…な…何で…、使わ…無いのですか?」

 

「必要なコアが足りないのだ。今度行われるメ号作戦は、そのコアを受け取るための作戦なのだ。君にした頼みは、覚えているか?」

「た、確か…人類の、為に…また、戦ってくれ。でした。」

「そうだ。"新型艤装"を着けて、人類の、地球最後の希望(・・)として、出撃してくれないだろうか……」

「か、考え…させてください……。」

「うむ。6週間時間を与える。じっくり考えてくれ。6週間後にまた此処へ来る。」

「は、はい…。分かり…ました。」

 

(二度も沈んだ私が、本当に役に立てるのだろうか。…それに……希望…だなんて……。)

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

三週間後、冥王星沖

 

ユキカゼ

 

(現在、冥王星軌道に、二十万キロの空間点)

「戦闘配置」

(戦闘配置!)

(冥王星沖合いに敵影無し)

(ユキカゼさん、艦長、薙いだ海です。怖い位だ)

「はい、不気味です。」

(発光信号、送れ!)

(了解)

______________________

 

国連宇宙軍第一艦隊旗艦 キリシマ

 

「沖田提督、"ユキカゼ"から発光信号です。」

(何だ?)

「『我レ、作戦宙域ニ突入セリ。』です。」

(うむ。)

(両舷前進原速、黒15)

(索敵班より《敵艦見ユ》。艦影多数、右舷、4時より近づく)

(電波管制解除、艦種識別)

(《超弩級戦艦1》《戦艦7》《巡洋艦22》《駆逐艦多数》。)

(全艦戦闘配置。面舵30、砲雷撃戦用意)

「了解、全艦戦闘配置、面舵30。」

(おもーかーじ)

(距離、7500、相対速度変わらず)

(敵艦隊より入電『地球艦隊ニ告グ、直チニ降伏セヨ。』返信はどうします?)

("バカメ"と言ってやれ)

(は?)

バカメ(・・・)だ!)

(はい!地球艦隊より返信、『バカメ』)

 

ガ軍旗艦

(テロン艦隊カラノ返信ヲ確認"バカメ")

(愚カナリ、テロン人。全テ沈メロ。主砲斉射!)

 

第一艦隊

 

(ユウギリ、轟沈!)

(クラマ、戦列を離れる!)

(長官!)

(まだだ。)

(敵艦、射程に入った。…照準良し!)

(全砲門開け!ってーー!)

「全艦、主砲、斉射!うてーーー!」

 

しかし、地球側の放った砲撃は、敵艦隊の装甲を貫通せず、一切のダメージを与えられない。しかし敵は砲撃を続ける

 

シマカゼ

(機関損傷、制御効きません!)

 

アブクマ

(シマカゼがこちらに来ます!)

(退避!急げ!)

「ダメ!シマカゼちゃん!止まってー!」

「ダ、ダメ!制御が効かないの!」

(う、うわーー!!)

 

キリシマ

(アブクマ、シマカゼ、轟沈!)

「そ、そんな!」

(アマテラスからの入電はまだか?)

(確認できず!)

(本当に、来るのでしょうか)

(信じるんだ)

(イソカゼ被弾、戦線を離れる)

 

「きゃぁ!」

 

(艦尾損傷、シアンガス発生!)

(右舷、第三デッキ被弾!機関、推力低下!)

(ダメージコントロール!隔壁閉鎖!急げ!)

 

(うわぁーー!)

(待ってくれー!)

 

(おい!しっかりしろ!死ぬな!坊主!)

(うっ、あっ、母、さん)

(ちくしょーー!!)

 

 

ユキカゼ

(『我レ、操舵不能、戦列をヲ離レル』)

(『こっちの主砲じゃ歯が立たない!うわぁー!………』)

(敵は、圧倒的なようです。)

(待ち伏せを受けたのか…)

「そんな!」

(転舵反転!)

「りょ、了解!転舵、機関一杯!」

 

 

(消火班、急げ!)

 

(頑張れ、出力を維持させるんだ。プラズマ漏れに気を付けろ!)

(おやっさん。こっちは、何とかしたよ。だけど、このままじゃ)

(大丈夫だ。信じろ、この艦には、あの人が居るんだ)

 

(味方艦艇損耗率、80%)

(うむ)

 

("アマテラス"よりの信号確認。外宇宙速度でコースに乗った。間もなく海王星通過。)

(目標、火星到達まで、後10分)

(司令部に暗号を打電、アマノイワト(・・・・・・)ヒラク(・・・)

「了解」

______________________

 

国連宇宙軍極東管区司令部

 

「一二○○。第一艦隊は、冥王星の沖合い、38万キロの宙域で会敵した模様。戦況は未だ不明。」

「キリシマの、沖田司令より、暗号入電。"アマノイワトヒラク"、です!」

「ここまでは予定通りだな。」

「目標とのランデブーは」

「回収要員が二名、火星アルカディアポートで、待機中です。」

______________________

 

火星アルカディアポート跡

 

(火星に落とされて3週間か。メ号作戦は成功したのかな)

(冥王星では、兄さんが戦ってるっていうのに、こんなところで)

 

通信機から音が鳴る。島が先に取り、対応する。

 

(はい、了解。)

(ぉ)

(出番だぞ)

 

そう言って、ヘルメットを投げる。

 

(あれか)

 

すると、二人の目の前で機体が爆発した。しかし、彼は見逃してはいなかった。爆発直前に、脱出装置で乗員脱出していたことに。

 

(おい、古代!)

(脱出艇だ!)

 

機体を旋回させ、脱出艇の方に向かい、着陸する。

 

(あれだ)

 

 

(……どうだ?)

 

古代は無言で首を振り、搭乗員が亡くなっている事を伝えた。

 

(女、だな。)

(あぁ。綺麗なひとだ)

(ぁ、これか)

 

島が、女性が手に持っていたものを取る。

______________________

 

冥王星

 

(イソカゼが殺られた!)

(怯むな!ってーー!)

 

キリシマ

(ウズメが、"アマテラス"の回収に成功)

(ぅむ。第一艦隊は現時刻を持って作戦を終了。撤退する!)

(左舷上方より、敵駆逐艦近づく!速い!)

(む!)

 

ユキカゼ

(照準、合わせ!)

(2番、1番、ってー!)

(命中!撃沈!)

(よぉし!)

「やりました!」

 

キリシマ

(敵艦撃沈)

「ふぅ~」

(敵艦隊、再集結しつつあり)

(全艦に撤退命令。残存友軍艦艇は)

(本艦の他、駆逐艦が一隻だけです。)

(誰の(ふね)か!)

(古代三佐の、ユキカゼです)

 

ユキカゼ

(キリシマより、撤退信号)

(撤退?)

(『コレヨリ撤退スル。我ニ続ケ』)

 

キリシマ

(戦線を離脱するぞ。面舵一杯!)

 

「キリシマさん」

「ユキカゼさん!?どうして!?」

(ユキカゼ!反転せず!)

(何!?)

 

ユキカゼ

(『古代!ユキカゼ!わしに続け!』)

「ユキカゼ!私に続いて!」

 

キリシマ

(『沖田さん。僕は逃げません。』)

(古代!)

「キリシマさん、私も逃げません!」

「ユキカゼさん!」

 

ユキカゼ

(「ユキカゼは戦線に留まり、キリシマ撤退を援護します。」)

(『古代、多くの犠牲を払ったが作戦は成功したのだ。ここは退くんだ!』)

(このままでは、地球艦隊は全滅です。それでは、地球を守る者が居なくなってしまいます!)

(『古代!』)

(沖田さん、キリシマさん)

 

キリシマ

(『貴方達はこんなところで死んではいけない人だ!地球は、貴方を、貴方達を必要としているんです!)

「古代さんの言うとおりです!キリシマさん!」

(それはお前達も同じだ!同じなのだぞ、古代!ユキカゼ!)

「沖田提督の言うとおりよ!ユキカゼさん!」

(『ありがとうございます。その言葉だけで十分です。』)

「もう決めたことです。キリシマさん」

(頼む、分かってくれ)

(『御元気で、地球の事を頼みます』)

「ありがとうございました。キリシマさん。 後はお願いします。」

(古代!)

「ユキカゼちゃん!」

 

古代とユキカゼは敬礼で別れを告げ、キリシマとユキカゼの交信は途切れる。

 

(さーて、奴等の基地に、一発蹴りを入れに行くとしますか)

(ん)

「はい!」

 

銀河航路~♪

(皆、すまないな)

 

キリシマ

(ユキカゼ、敵艦隊に突入)

「ユキカゼちゃん!」

(長官!)

(山南君、進路そのままだ)

(…進路そのまま!)

「っ!進路そのまま!よ~そろ~」

 

(死ぬなよ、古代)

「死なないでね、ユキカゼちゃん」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

三週間後、火星

 

(こちらウズメ、収用願います)

 

するとキリシマのハッチが開く

 

(ん?どうした?古代)

(他の(ふね)が、ユキカゼが見えない)

(そうだな)

 

キリシマ艦内

(確かに。ご苦労だったな)

(平田、教えてくれ。ユキカゼは、兄さんの(ふね)はどうなったんだ?)

 

平田は無言で首を振る。それは、沈んだ事を指しているものだった

 

(っ!)

 

島は静かに古代の肩に手を置く

______________________

 

国連宇宙軍極東管区司令部

「キリシマ、アマテラスを回収。地球への帰投コースに着きました」

「多大な犠牲を払ったが、メ号作戦は、ひとまず成功だな。」

「これで、ヤマト艦隊計画も実行に移せますね。」

「いや、此れからだ。我々は余りに、敵を知らなさすぎる。解っていることと言えば。奴等が、ガミラスと言う名の悪魔だと言うことだけなのだ」

 

キリシマ艦橋

(間もなく、地球周回軌道に入る)

(遊星爆弾2、型式MN3、コリジョンコース。右舷通過する)

 

キリシマの下を小惑星程の星が通過する。

 

(衛星軌道抜けた。速度変わらず)

〔駄目だ。もう今は防げない。我々にあれを防ぐ力は無い〕

 

すると、遊星爆弾は、地球に落ち、爆発する

 

〔この、赤く醜い星が母なる地球の姿だとは……。見ておれ悪魔め。わしは命ある限り戦うぞ。決して絶望しない。最後の一人になっても、わしは絶望しない〕




次回、大和の決断

ヤマト抜錨まで、後、4日。



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大和の決断

冥王星沖海戦(メ号作戦)は成功した。しかし、多くの艦を失い、壊滅状態の地球防衛艦隊。国連主導のヤマト艦隊計画は、波動コアを受け取った事により、実行段階へと移り出す。大和は再び人類のために立ち上がるのだろうか。

※今回の話は、ヤマトと同行する艦が出てきます。尚、第一章は、後一話で完結します。


地下都市保育園

 

「何で宇宙人は酷いことをするの?」

 

一人の子供が質問する。

 

「ん~。昔、私達が、火星をテラフォーミングしたのと同じように。地球を改造して、住もうとしてるのかもね?」

 

それに答えたのは、国連宇宙軍極東管区司令部所属、森雪三等宙尉だった。

 

地下都市、ドック付近

 

「司令部付きで、子供の相手もするんじゃ、君も大変だな。」

『本日16時30分、第七管区にて、暴動が発生しました。』

「また暴動か」

「こんな状況だもの」

「相変わらず、君はクールだねぇ」

 

森雪に話しかけているのは、国連宇宙軍極東管区司令部所属、南部康雄三等宙尉。二人がエレベーターの前に着き、南部がボタンを押す。

 

「そういえば、帰投した、第一艦隊。戻ってこれたのは、キリシマ一人だけなんだって?」

「えぇ」

「その件で、妙な話を聞いたんだ。」

 

その時、待っていたエレベーターが開き、人が降りてくる。

 

「実はメ号作戦は、敵を引き付ける陽動でさ。機密事項だからさ、自分達が囮だってことは、下には秘密にしていたらしいんだ。」

 

と、その話を終えたとき、降りてきた二人の内一人の、古代進〔三等宙尉〕が南部に話しかける。

 

「おい、そこの君。」

「ん」

「今の話は本当なのか?」

「いやぁ、僕は、ただ、聞いただけで…」

「君達は司令部付きだな。沖田司令は今何処にいるんだ」

 

古代が森雪の方を見たとき、火星て見た人と重なる。

 

「ん?」

「ちょっと、一体何なの?貴方達は」

「あ、いや」

 

そんな質問に、島大輔〔三等宙尉〕が答える。

 

「ご覧の通り、戦場帰りさ。」

「沖田提督は、傷の手当てで病院です」

 

雪はエレベーターの方に向き

 

「南部くん」

「あ、あぁ」

 

「いや~、似てたな。」

「気のせいだろ」

「おい、どこ行くんだよ」

「病院区画」

 

「しかし、一体何だったんだ?あの二人」

「さぁ」

「そういえば、メ号作戦開始2日前、彼女が目覚めたんだって?」

「大和さんの事ね。」

「あぁ。」

「沖田提督が出撃前にキリシマさんと一緒に会いに行ったみたいよ」

「でも、おかしいよな。164年も眠ってたんだろ?何で海の中にいて死ななかったんだろ。」

「彼女は、21世紀前半に居た艦娘なのよ?海の底でも死ぬことはないわ。普通だったら、深海棲艦になってもおかしくはなかったのだけれど、恐らく彼女が海の底に到達する前に決着がついたんだと思うわ」

「成る程ね。でも、彼女が見つかったのって、何年前だったんだ?」

「地球が干上がり始めた、6年前よ」

「坊ノ岬沖でかい?」

「えぇ。彼女の艤装と一緒にね。」

「で、彼女の艤装を改造して、ヤマト計画を遂行させていると言う訳か。」

「そういう事よ」

「でもさ、ヤマト艦隊計画っていってるぐらいなんだから、大和以外の艦も随伴するんだろ?」

「えぇ。確か、最新鋭空母の『ソウリュウ』と、同じく最新鋭の航空戦艦『イセ』だったはず。大和の艤装と同じで、艤装を偽装させて作ってるみたいだから、1,5世紀前の艦娘の艤装に形が似てると思うわ」

「へ~、昔の艤装に似てるんだ」

 

地下都市中央線列車内

『次の停車駅は、中央大病院。第7管区方面に向かう方は、ホーム内、三番ホームに停車中の…』

「本当に行くつもりか?『別命あるまで待機せよ』だぜ?」

「直に確かめたいんだ。」

 

中央大病院

「全く、あんたは不死身じゃのう。」

「佐渡先生のような宇宙一の名医がついて居るからな。」

「いやぁ、それほどでもぉ、あるがの」

「カプセルの方は?」

「技術本部に回してある。じき、解析出きるだろう。」

「そうか」

「お前の方はどうなんだ?」

「後で、答えを聞きに行ってくる。」

「そうか」

「あっ!ダメですよぉ~、勝手に入っちゃ」

「提督にお聞きしたい事があります。メ号作戦が陽動だったと言うのは本当ですか!それを、兄達は知らされていたんですか!」

「止めんか古代。」

 

古代を静したのは、空間防衛総隊司令長官の、土方竜宙将だった。

 

「土方さん!」

 

「あっちゃ~」

 

「すまん、この古代は、俺の教え子なんだ」

「古代?では、君が古代守の」

「ユキカゼ艦長、古代守は、自分の兄です。」

「古代守は男だった。立派な男だった。だが、そんな彼を、死に追いやってしまったのは、この私だ」

「っ、」

「すまん」

 

古代は敬礼をして、その場を後にする。

 

「どうする?これから」

「とりあえず、指定された場所で待機」

「だな。」

「おぉい、お前ら」

「先程は、すみませんでした。」

「まぁ、気にせんでええよ。だが、この戦争で肉親を失ったのは、君だけじゃない。その事は、忘れちゃいかんよ?」

「っけど、土方さんが居たのには参ったよな~」

「あの二人は、士官学校以来の大親友でなぁ。丁度今のお前さん達みたいなもんかのぉ」

「いやぁ~、俺達は別にそんなんじゃぁ」

「それよりどうじゃ、わしんとこで一杯やらんかぁ?」

「っぁ、先生~」

「其処らのカストリスとは違う、この酒ってやつおじゃなぁ~」

「えっとぉ~…行っちゃいました」

「ん?えっ、あっ、あ、そ、そそそう?」

 

 

 

「土方、先に行っていてくれ。わしは、彼女に、答えを聞いてくる。」

「分かった。」

 

大和の病室

コンコンッ

 

「はい」

「私だ、沖田だ。」

「どうぞ…」

「失礼する」

「お久し振りです」

「あぁ。普通に喋れるようになったようだな。」

「えぇ、六週間も時間が有りましたので」

「そうか。それは良かった。ところで、用件は察しがついているかな?」

「六週間前の件、ですよね。」

「あぁ、そうだ。その答えを聞きに来た」

「この六週間。私が本当に戦っても良いのか、悩みました。二度も沈んだ私が、生きてこの地球に帰ってこれるのか。凄く悩んだんです。」

「そうか。辛かったか?」

「はい、ですが、もう覚悟は決めました。………私に、また、戦わせて下さい!今度こそ、私の手で人々を救いたいんです!」

「そうか、ありがとう、引き受けてくれて。これで、三人全員からの了承を得ることが出来た。」

「三人?」

「そうだ。君を含む、国連主導のヤマト艦隊計画は、随伴が二人付く」

「誰ですか?」

「ソウリュウとイセだ」

「そうだったんですね」

「あぁ。7日後に抜錨、出航する。いきなりだが、頼む。」

「了解」

「それでは、失礼するよ」

 

沖田の執務室

 

沖田の置き電話がなり、手に取る

 

「私だ。」

「テスト準備が整いました。」

「分かった。」

 

科学本部

「信じて待ったかいが有ったな」

「彼女の言葉に、嘘は有りませんでした。」

 

真田四郎三等宙佐は、ケースの様な物に目を移し、戻した。

 

「イズモ計画から移行して一年。ヤマト艦隊計画もいよいよ大詰めだ。クルーの方は?」

「所定の地区で待機中です。起動テストも、間もなく開始します」

 

「古代は、残念だった。」

「えぇ」

 

 

防空隊ハンガー

 

(エンジン調整、隼50、全機調整良し。)

 

(見たこと無い機体だな。)

(防空任務様の、試作機じゃないか?)

(零式空間52型、通称コスモゼロ。こいつは艦上戦闘機だ、防空には使わねぇよ。見学か?)

 

そう話し掛けてきたのは、加藤三郎二等宙尉

 

(ここで、待機を命じられたんだ。)

(そうか、じゃあ御同類だな。)

 

(加藤ニ尉)

 

(おぅ、今行く。そいつに触るんじゃねぇぞ)

(加藤って…)

(トップエースの、加藤三郎だよ。)

(あぁ)

(それより)

 

そう言ってゼロの方に振り向く二人

 

(駄目だと言われると)

(だな。)

 

ウ~~~

 

((っ!))

 

極東管区司令部

「敵、機動部隊、防衛ラインを突破。衛星軌道より侵入」

「迎撃態勢、急げ」

「気付かれたか」

 

ハンガー

『敵の目標は、九州坊ノ岬沖。北緯30°22分、東経128°04分。』

 

(グッドタイミングだな)

(あぁ、こいつで撃ち落としてやる)

 

(だから、命令を待ってたんじゃ遅い)

(あっぁあ)

(んぁ?)

 

(おい!何やってる!そいつから降りろ!、馬鹿野郎!そいつは!)

 

しかし、加藤の抗議虚しく、ゼロは出撃する。

 

 

坊ノ岬沖上空

(捕まえた)

 

(あれか!)

(偵察機らしい)

(やれるか?)

(勿論!兄さんの仇だ!)

 

古代が、ゼロで敵を追尾する。

 

(もらった!)

 

引き金を引くが、相手は落ちない。

 

(あれ!)

(おい、こいつ、武装が外してあるぞ!)

(くっ!)

 

偵察機は、急上昇して、退避していく

 

(あっ!くそぉ、)

 

すると、急にゼロを衝撃が襲う。

 

(うっ!)

(システムエラー!?)

(捕まってろ!)

(えっ!?)

 

すると、ゼロはギリギリの所で脚を出して不時着する

 

(っ!はぁ、大丈夫か?)

(あぁ。何とかな。でも、このままじゃぁ救援が来るまで持たないぜ…おい古代!)

 

古代は一人先に行ってしまう

 

(どうした)

 

島が着いたその先には、赤く、いや、正確には、赤黒く錆びた、大昔の戦艦の艤装が横たわっていた。

 

(何だ?これは)

(敵は、こんなものを偵察していたのか?)

(まさか!?大昔に沈んだ艦娘の艤装の鉄屑だぜ?)

(あぁ)

 

今、彼等が見ているその艤装こそが、大和の、そして、ヤマトの艤装なのだ。




時に、西暦、2199年。滅亡の淵に立たされた人類の為、改造され復活する大和。
次回、第一章最終話『大和の復活。抜錨、ヤマト発進!』

人類滅亡まで、後、三百と六十五日


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大和の復活 抜錨!ヤマト発進!

得体の知れない敵、ガミラス。彼等に対抗するため、地球を救う為、164年の時を経て、再び出撃するヤマト。どんな戦いが待つのか。地球の未来は。

第一章最終話「大和の復活 抜錨!ヤマト発進!」


(こんな大昔の艤装を、何故敵が…)

 

すると、上空から、轟音が響く

 

(っ!敵だ!)

 

古代と島は、付近に身を隠す。すると、ガミラスの艦載機は、ミサイルによる爆撃を開始した。

 

(何で奴等、こんな物を攻撃するんだ?)

 

すると、ガミラス空母ヌ級から、次々と艦載機が出て来る。

 

『現在、敵は坊ノ岬沖を爆撃中の模様。各員、現状のまま、シェルターで待機』

 

(大丈夫か?)

(俺達はあの(ふね)に乗るんだ!こんな所で死ねるかよ!)

 

 

(敵は一体、何処から来るんだ?)

 

古代は、島の変わりに敵を電子双眼鏡で探す。

 

(っ、母艦か!)

 

すると、敵ヌ級から主砲が発射される。発射された主砲は、シェルターに直撃し、底に居たメインクルー候補は全員死亡した。すると、艤装の下が開き、一人の女性が出てくる。

 

(?誰だ?あれ)

(さぁ?)

 

出てきたのは、大和だった。

 

数分前

国連宇宙軍極東管区司令部

「大和に迎撃させろ!」」

「沖田君、大和はまだ完成は……」

「本部長、ここで計画が水泡と散る事があってはならんのです。」

「…………解った。だが、まだ発進は」

「それは承知の上です。大和、聞こえるか。」

『はい、何でしょうか』

「坊ノ岬沖の艤装の下部に行ってくれ。君の艤装で迎撃する。」

『了解!』

 

で、現在に至る。

 

「斜めになっていると、立つのが少し辛いわね。二番砲塔、迎撃用意!拡角三十、仰角一杯!よく狙って。ってーーー!」

 

大和が発射の合図をすると、三式融合弾が発射される。空母ヌ級に命中し、敵は爆沈する。その後、大和は、その位置のまま、抜錨まで、待機する事と成った。

 

「赤いわね。あの時の面影が一切ない……」

 

大和が、敵を爆沈させた直後、ジェットの轟音が響く。かと思えば、敵が徐々に減っていく。

 

(防空隊だ!)

 

防空隊の、99式戦闘攻撃機 (コスモファルコン)が、あっという間に敵を落としてゆく。

 

(こちらアルファリーダー、お客さんの歓迎パーティーは終了した。)

『オーケー、アルファリーダー、此方でも確認した。速やかに帰投せよ』

(ラジャー…………ちっ!あいつら)

 

(おーい!何だよ!置いてけぼりかよ!)

(生きていた?この、赤錆びた艤装が…)

 

その後、救援に来た加藤に一発ずつ殴られ、運ばれていった。

 

冥王星

「バラン星のゲール司令に報告した方がよいのでは有りませんか?」

「空母を一隻失ったのだ。あの日和見主義者に帝星司令部へ報告されたらどうなると思う。」

 

大和の砲撃映像を見ながら、冥王星の司令は

 

「ここは、我々だけで処理するのだ。ロングレンジで叩く。惑星間弾道弾をすぐに準備させろ。」

「はっ!」

 

「我々は失敗する訳にはいかないのだ。」

 

中央大病院

 

加藤に一発ずつ殴られた古代と島は、佐渡先生に診察を受けていた。後ろには、手を治療してもらっている加藤がいる。

 

「はい、手は大事にしましょうね」

「っっ!」

 

「おい、睨んでるぜ、あいつ」

「えっ」

「ふっへっはっはっはっはっはっは。若いっちゅうのはええのう。放射線の方は、まぁ、大丈夫じゃろう。あ~、ミーくんとも暫くお別れじゃのぅ。ぁっそういえば、お前たちにも召集が掛かっとったんじゃないの?」

「は、はい」

ミャオ~

 

極東管区司令部

『世界各地で、エネルギー供給が難しくなってきています。』

『その上、飢餓、暴動、そして謎の植物が放出する、有毒胞子が、世界を破滅へと誘っている。』

「我々に残された時間は、後僅か」

『敵に察知された、今計画実施の期日は』

「ヤマト、ソウリュウ、イセの三人からの許可を得て、前倒して、72時間後に抜錨します。」

『聞けば、先の空爆で主要メンバーの大半が、戦死したとか』

「その件について、支障は出ておりません」

『第二次火星海戦の英雄である貴方が言うのだ。間違いは無いでしょう』

「ふんっ!」

『この計画は、国連主導ではあるが、現在、各ブロックは寸断され、残念ながら、直接力をお貸しする事が出来ない』

『現状、我々も苦しいのだ』

『お願いします。我々は、ヤマト艦隊計画に、一縷の望みを繋げているのです』

 

冥王星

 

惑星間弾道弾のミサイル発射場のハッチが開く。

 

「10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0」

 

冥王星基地から、ヤマトを叩くべく、惑星間弾道弾が発射される。しかし、地球はまだ、この事を知ることが出来ない。

 

地球 国連宇宙軍極東管区司令部前

 

多くの士官候補生が集められている。およそ999人。彼等は、ある計画の為に育てられた。彼等は、地球の技術の粋を結集して作られた装置に入り、宇宙艦娘をサポートする。妖精と成ることが出来るように、そして、戦闘を行えるよう訓練された。彼等は、三ヶ所に分けられ、残りの凡そ2000人は、999人999人に分けられ、別の場所で、各艦の艦長の話を聞く。

 

「いよいよ発令されるのかなぁ?」

「地球脱出のイズモ計画か?」

「でも、地球を見捨てるなんて…」

 

999人の前に、沖田が立つ。

 

「諸君。諸君はこれまで、特殊任務の訓練を受けてきた、イズモ計画の選抜メンバーだ。今日、私はここで、正式に君達の任務を発表する。だがこれは、地球脱出を目的とした、イズモ計画ではない。」

 

会場がざわめく。

 

「これから説明する。まずは、これを見てもらいたい。」

 

すると、沖田の背後に有ったスクリーンに映像が移し出される。

 

「これは、先日のメ号作戦に置いて回収された、メッセージ映像だ」

 

すると、音声が流れ出す。

『私は、イスカンダルのスターシャ。』

「これは…」

『貴殿方の地球は、今正に、ガミラスの手で、滅亡の淵に立たされています。』

「ガミラス」

『私はそれを知り、一年前、私の妹、ユリーシャに、次元波動エンジンの設計図を託して、地球に送り出しました。』

「火星で見たのと、同じだ」

『貴殿方がもし、それを理解し、完成させていたならば、イスカンダルへ来るのです。私達の星には、汚染を浄化し、惑星を再生出来るシステムが有ります。』

「なんだって!?」

『残念ながら、私がこれを地球に届けることは、もうできません。』

 

「これが、イスカンダル人」

そう言ったのは、相原義一三等宙尉

「きれいな人だな~」

そう言ったのは、太田健二郎三等宙尉

 

『今回新たに、次元波動エンジンの機動ユニットである、波動コアを、もう一人の妹、サーシャの手で、貴殿方に届けます。私は、この未知の苦難を乗り越え、このイスカンダルへ来ることを信じています。私は、イスカンダルのスターシャ』

 

「一年前、地球は、イスカンダルからの技術供与を受け、次元波動エンジンを搭載した、恒星間航行用の艤装を既に、三隻完成させている。」

「恒星間航行?そんな事が…」

「その一隻が、ここに集められた諸君の乗艦する艦だ。その名は、『ヤマト』!」

 

〔ヤマト?ヤマトだって?ヤマトだと?〕

 

「ヤマト?」

「カプセルの情報によれば、イスカンダルは、地球から遥か16万8千光年彼方の、大マゼラン銀河に位置する。往復33万6千光年の旅は、未だ人類が経験したことの無い、未知の航海だ。強制はしない。残りたい者は残って構わん。明朝○六○○(マルロクマルマル)抜錨し、出航する。それに遅れた者は、残留希望者と見なす。以上だ」

 

敬礼をして、話が終わる。

 

「残念です。山本の奴も、生きていれば…」

そう言ったのは、篠原弘樹三等宙尉

「言うな」

 

「これから、各セクションの責任者を読み上げます。機関科、徳川彦左衛門」

徳川彦左衛門三等宙佐は、キリシマの機関長でもあった方である。

「技術科、真田四郎。真田三佐には、副長を兼任していただきます。続いて、戦術科、古代進」

「えっ」

 

「へぇ、あの人が」

そう言ったのは、星名透准尉。

「嘘だろ」

 

「航海科、島大輔」

「おっ」

 

沖田の私室

 

『入るぞ』

 

扉が開き、土方が入ってくる。

 

沖田は、鞄を閉じた

 

「用件は察しがついている。」

「ならば話が早い。どうしても行くのか?」

「あぁ」

「その体でか?俺の目は節穴ではない。一体何年の付き合いだと思ってる。俺に任せろ。それも勇気だ。」

「16万8千光年の旅は、わしの命を奪うかもしれん。しかし、わしは行くよ。行って、必ず帰ってくる」

「そうか。ではもう、何も言うまい。」

「地球のことを、頼む」

 

技術本部

真田三佐は、カプセルをケースにしまうのを見届けていた。

 

木星付近を、惑星間弾道弾が通過する。しかし、惑星間弾道弾が向かってきていることを、地球は知らない。

 

山本家

 

チーン

 

加藤が、山本の兄の仏壇の前で、合掌する。そして、合掌を終えた後、山本玲〔三等宙尉〕に声をかけた。

 

「君もヤマトに乗艦するそうだな。」

「兄と同じ、航空隊を希望しました。」

「残念だが、君の配属は主計科だ。」

 

加藤が去った後、山本は、洗面台に立ち、自分の、伸びた髪の毛を切った。

 

徳川家

「何も、親父が行かなくても。」

「後2ヶ月で退役じゃないですか。」

「あの人は、わしに頼むと言ってくれた。それで十分なんじゃよ。」

 

すると、扉が開き、徳川太助が出てくる。孫の愛子を抱いて。

 

「愛子、ほら、お爺ちゃんに行ってらっしゃいをしな~。」

「じいじ」

「おぉ、愛子、行ってくるよ~。じいじは必ず帰ってくるからな。」

 

バス停

島は、大和に乗るためのバスに乗るために、並んでいた。

 

「兄ちゃーん。」

そう言って走ってきたのは、弟の次郎

 

「次郎!どうした。」

「これ、持ってけって…」

 

そう言って渡してきたのは、『航宙安全御守』と書かれた御守りだった。

 

「昔、お父さんに渡し忘れて…。それでって、母さんが」

「心配性だな、母さん。安心しろ、兄ちゃんは必ず帰ってくる。だからその間、母さんの事、頼んだぞ。」

「うん」

 

すると、バスがバス停に着いた。

 

古代家

 

『ヤマト艦隊計画の発表に端を発した暴動は、激しさを増し、第7地区、管理センタービルが、暴徒の手で爆破された模様です。極東管区行政府は、暴徒に対し、冷静になるように呼び掛けていますが、』

 

古代は準備を終え、テレビを消し、兄の、守の形見である、ハーモニカを手にした。

 

「行ってくるよ。兄さん。」

 

 

バス車内

(心配じゃのぅ。)

(お酒なら、オムシスで作れるから、大丈夫ですよ。)

(ミーくぅん!)

(あ、そっちですね)

 

バスの車内から、大和の艤装の下部が見える。

 

(なっ!)

 

ヤマト艤装下部、第三艦橋付近

 

『各部点検終了、オールグリーン。』

『塔乗員輸送車、誘導。第三デッキへ』

『整備補給隊は、直ちに艦載機の積み込みに当たれ。繰り返す、整備補給隊は、直ちに艦載機の積み込みに当たれ。』

 

例のカプセルの前で、榎本勇甲板長と、整備士が話していた。

(こいつは、自動航法室行きみたいですね。)

 

(ん?)

輸送車の扉が開き、古代が降りてくる。

 

(ふっふっ)

 

古代が第三艦橋の前に立つ

 

(これは)

 

艦長室

(全員乗艦しました。欠員有りません)

雪が、沖田に報告する。

 

(うむ。後はエンジンだけだな。)

 

機関室

(これが、その波動コアです)

 

防護服を着た真田が、ケースに入った波動コアを見せる。

 

(このカプセルが最後のパーツだったのか)

 

真田が、エンジンの扉を開け、波動コアをセットし、回路を繋げる。

 

(回路接続、確認しました。)

山崎奨二等宙尉がそう告げる。

(エンジンに火は入ったのか?)

 

(『いや、それにはまだ、相当な電力を必要とします』)

 

(女神様も意地が悪い)

そんなことを言ったのは、藪助治一等宙曹

 

第一格納庫

(『申告を済ませた乗員は、艦内常套を着用、上官の指示に従い、所定の部署で待機せよ。繰り返す、申告を済ませた乗員は、艦内常套を着用、上官の指示に従い、所定の部署で待機せよ。』)

 

山本は、ゼロを見つめていた。すると、人が入ってくる。入ってきたのは、古代だった。

 

(戦術長どの!)

 

加藤が古代に話し掛け、敬礼し、古代も敬礼する。

 

(一応命令は訊きますよ。上官ですからね。だが、部下が無駄に死んだりしたら、その時は、オトシマエ、付けさせてもらいます。)

(その心配は無い)

(当てにしてるよ)

 

第一艦橋

雪は、自分の席に座って何かをしていた。

 

(帰る。必ず帰ります。)

 

すると、後ろの扉が開き、人が入ってくる。雪は、使っていた機械をしまう。

 

(ぁ、君も、この艦に乗るのか)

(えぇ、戦術長の、古代さんね。私は、船務長を務める森雪、宜しく)

 

雪が、握手の為に手を出す

 

(艦長は何処)

 

艦長室

 

ドン、ドン

 

(誰か)

(古代進であります)

(入れ)

(失礼します。)

 

扉を開け、古代が入ってくる。

 

(何だ)

(はい、戦術長を拝命した件です。自分には…まだお受けする資格が有りません。)

(先日の爆撃で、各セクションのリーダー候補が、戦死してしまったのだ。)

(しかし)

(お前の席に座る筈だった男も、わしは死なせてしまった。)

(ぇ?)

(お前の兄、古代守だ。)

(っ!)

(お前の経歴は見させて貰った。その上で、十分責務を果たせると、わしが判断したのだ。後は、お前自身が決めろ)

 

 

「ねぇ、ヤマト」

「どうしたんですか?ソウリュウさん」

「ヤマトって、私のお婆さんと一緒に戦ってたんだよね。」

「えぇ。」

「私の婆さんさ、3年前に死んじゃったんだ。『蒼龍』婆ちゃんはさ、あの災厄がどんなものだったか、全く話してくれなかった。母さんの『そうりゅう』は、海上自衛隊の第二潜水隊群の旗艦の潜水艦で、一回も戦闘せずに退役したの。」

「そうだったんですか。」

「だからさ、どんな災厄だったのか、教えてよ!ヤマト!」

「そうですねぇ。では!」

「うん!」

「私もソウリュウさんも、無事にこの星に帰ってこれたら、この話をしましょう。私の手料理も振る舞いますから。」

「分かった!」

「その為にも、無事に帰ってきませんとね。」

 

大和が笑顔で語りかける。ソウリュウはやる気に成ったようだ。

 

「でもさぁ、ヤマト」

「何ですか?イセさん」

「私達はさ、たった一年で作られた艦何だよ?攻撃を受けて、一撃轟沈みたいなことに成ったらどうすんのさ」

「確かに、急ぎで造られた艤装ですが……ですが!私達の艤装は、今の地球の持てる科学力と、技術力の粋を結集し、其処に、イスカンダルの技術を取り入れてるんです。そう簡単に沈みはしませんし、沈ませません。」

「っ、」

「何が有っても、守ります。もう、あの時の様には成りませんし、させません。今度こそ、守るんです!」

「分かったわ。約束よ?守れなかったら許さないわよ。」

「はい!」

 

第一艦橋

(何よ、あの態度失礼しちゃうわ)

 

古代が入ってきた扉の反対側から、島が入ってくる。

 

(やぁ、第一艦橋は、ここでいいの?俺は、航海長を拝命した、島大輔。この前、会ったよね。)

(艦長なら上です。)

(え?)

 

その時、古代が、第一艦橋に入って来る。

 

(おぉ、古代。どうした、何かあったのか?)

(大丈夫、問題ないよ)

 

その直後、後ろの扉が開き、ゾロゾロと人が入ってくる。

 

(副長の真田だ。第一ブリッジ要員、揃っているな。)

(((はい!)))

 

すると、艦内に、サイレンが鳴り響く。

 

(各員、速やかに配置に付け)

(((はい!)))

 

全員が席につく。そして、副長が指示を出す。

 

(司令部に状況を確認。)

 

(司令部より返信。地球に向かう、惑星間弾道弾を確認。目標は…っ!本艦とのことです!)

(まだ抜錨出来ないのか…)

 

『波動エンジンを始動させるには、もっと大電力が必要なのだ。』

 

(問題は、それだけの電力を、どうやって調達するかだよ。)

 

「ん?司令部から入電?」

「どうしたの?ヤマト」

「イセさん、ソウリュウさん。お二人の波動エンジンの状態はどうですか?」

「何で急に」

「いいから早く!」

「エネルギー120%充填完了」

「私も。でも何でさ、急に。」

「惑星間弾道弾が、私に目掛けて飛来してきます。まだ間に合います。お二人は、直ちに発進、衛星軌道に退避してください!」

「そんな!」

「ヤマトはどうすんの!?行くんだよね!?」

「私は、準備が出来次第抜錨。惑星間弾道弾を迎撃し、お二人に合流します。急いで下さい!」

「分かったわ。絶対に、失敗するんじゃないわよ。」

「分かってます」

 

ソウリュウとイセは、顔を見合い、頷くと発進の準備に入る。

 

「「偽装解除!波動エンジン始動10秒前!もやい解け!波動エンジン始動5秒前!4,3,2,1」」

「イセ!」

「ソウリュウ!」

「「抜錨します!」」

 

そう言って、二人は旅立つ。

 

第一艦橋

雪が、驚いた様に叫ぶ。

 

(随伴艦、イセ・ソウリュウ、発進!?)

(どういう事だ?)

(見捨てられたのか?)

(電力は、全然来ないし。ちゃんと間に合うんですよねぇ)

 

その時、第一艦橋に怒声が響く。

 

(狼狽えるな!)

 

上から来た椅子が、そのまま艦長席に移動する。

 

(通信士、司令部と直接繋げ)

 

パネルに長官が映る。

 

『おぉ、沖田君』

(電力供給の方はどうなっていますか?)

『現在、ヤマトへ極東管区の全エネルギーを回し始めた所だ。それでも、必要な電力を供給出来るかどう…』

 

極東管区

管区内に、警報音が鳴り響く

 

「管区全域で電力、ダウンしています。」

「予備電源に切り換える。」

「電力供給が出来ない以上、ヤマト発進は断念し、先に出撃した二隻に任せる他に…」

「本部長、これを見てください!」

 

ヤマト機関制御室

山崎、藪は、パネルを見ていた。

 

(山崎さん!)

(これは)

 

極東管区

藤堂、芹沢はパネルを見ていた。

 

「北米、アフリカ、ユーラシア。各ブロックからエネルギーがヤマトに。」

「全世界が、ヤマトに電力を回してくれている。」

 

「何か、力がみなぎって来る。これなら。行ける!」

 

ヤマト第一艦橋

(どうだ?)

(『成功です!火を入れられます!』)

 

徳川が沖田の方を見る。

 

(あぁ。波動エンジン始動!)

(機関始動。フライホイール接続。出圧上昇。90,96,100、エネルギー充填120%!)

(波動エンジン、回転数良好。行けます!)

 

「こちら大和!皆さん、惑星間弾道弾をとらえました。パネルに映します!」

 

(『発進するぞ』)

 

「了解!…、船体起こせ!偽装解除!」

 

すると、大和の地面付近に皹が入り、大和と、大和の艤装が起こされ、旧大和の偽装が剥がれ、新たな艤装が現れる。

 

第一艦橋

(これは!)

『この艦は、敵の目を欺くため、偽装していたのだ。』

(偽装?じゃあ、僕たちかがが見た、廃棄艤装が。)

(そうだ、ヤマトだ。宇宙戦艦ヤマトだ!)

 

ヤマトの、主砲、副砲が、定位置につく。

 

「敵の惑星間弾道弾を、ここで迎撃します。主砲発射準備!」

 

第一艦橋

(主砲発射、準備!)

 

主砲塔

(配置に就けーー!)

 

「抜錨!ヤマト、行きます!」

 

第一艦橋

ヤマトと同じタイミングで沖田が言う

 

(抜錨!ヤマト発進!)

(抜錨!ヤマト、発進します!)

 

ヤマトの居た部分の地面が盛り上がり、艤装全体が出てくる。

そして、ヤマトと地面を繋げていたもやいが解け、錨(ロケットアンカー)を回収し

 

外&第一艦橋

 

南部が、モニターに表示されていることを言う。

 

(ショックカノン、エンジンからエネルギー伝導終わる。測敵よし。)

 

「自動追尾、始め!」

 

(自動追尾良し)

 

ヤマトが、舵を左に切る。ヤマトの舷側を惑星間弾道弾に向け、主砲が自動で向きを変える。

 

(照準合わせ。-1.3)

 

主砲がほんの少しだけ動く

 

(照準良し)

(撃ち方ー、始めー!)

 

「凪ぎ払え!!」

(ってーーー!)

 

主砲から、青色の光が放たれ、すべてが集まる直前に、惑星間弾道弾に直撃する。大爆発が起こり、ヤマトは煙の中へ消える。爆発の衝撃波は、衛星軌道に居た二人にも届いた。

 

「くっ!何!?この衝撃波!」

「わからない!それよりヤマトは!?」

 

極東管区司令部

 

「電源、回復します」

 

画面に映るのは、爆発した後の煙と、その影響で起こった稲妻のみ

 

「ヤマトは」

「溶けて、蒸発してしまったのでは」

 

その数秒後、ヤマトが煙の中から出てきた。

 

「ソウリュウ、あれ!」

「ヤ、ヤマト!無事だったのね!」

 

『ご迷惑を御掛けしました。ですが、この通りピンピンしてます』

 

「お疲れ様、ヤマト」

 

『ありがとうございます、イセさん』

 

ヤマトは、主翼を展開し、宇宙へと向かった

 

極東管区司令部

「ヤマト、健在なり!」

 

第一艦橋

(波動防壁解除。ヤマトに損傷無し)

 

その報告を聞いたとき、全員が(ヤマトも)安堵した。

 

(うむ…古代)

(は、はい)

(、良くやった)

(ぇ)

 

(素直に喜べよ)

 

そう言って、島が手を出す

古代も、手袋を外し、お互いの手を握り会う。

 

『皆さん、こちらヤマトです。本艦はこのまま、衛星軌道に、大気圏内速度にて、上昇し、イセ、ソウリュウの二艦と合流します。』

 

今、ヤマトが行く。地球を救う為に。164年前とは違い、敵の事は、名前しか分かっていない。母星は何処に在るのか。イスカンダルは待っている。君達が来るのを。地球は待っている。CRS(コスモリバースシステム)を持ち帰って来るまで。去らば、地球。また会おう。




次回、第二章『太陽系を越えて』

地球を飛び立ったヤマト。火星沖でのワープテストを行う。其処で行き着いた先は、ヤマト、イセ、ソウリュウに搭載された武装の、真の姿とは。

次回、第二章第一話『地球から、木星へ』


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第二章 太陽系を越えて
地球から、木星へ


本話から、第二章突入です。一章では、ヤマト要素が強かったので、なるべく艦これ要素を追加していこうと思います。

※今後は古代達の出番、減ります。

地球を発進したヤマト、ソウリュウ、イセ。この三人は、ワープに挑戦する。


(高度、2400、対地速度、28000)

 

「地球大気圏離脱、第二宇宙速度に切り替えます。」

 

主翼が収納され、補助エンジンの出力が上がる。

 

「この地球を救えるのでしょうか…」

「自信が無いの~?ヤマト」

「そういうのじゃありません」

「右舷前方に艦影。友軍よ」

 

「あれは、キリシマ」

 

「ヤマト、ソウリュウ、イセ。三人の健闘と、航海の無事を祈ります。絶対に帰ってきなさい。」

「「「了解!」」」

 

ヤマト以下三隻は、速度を上げた。

 

(繰り返す。こちら月面、第七空間騎兵連隊。現在我が隊は、敵空母艦載機の攻撃を受け、月面に孤立せり。我が方の被害甚大。救援を乞う、救援を乞う。)

(ホントに直ってんの?それ)

(のはずだ)

 

(っは、っは)

(!連隊長!)

(っ、斎藤か、ふっ、なんて顔してる)

 

(現在我が隊は、敵空母艦載機の攻撃を受け)

(いくら打ったって無駄だよ)

(倉田!)

(ホントの事さ。上はもう、俺達の事なんざ忘れちまってんだよ。)

 

(迎えは来る。俺達は命ある限り諦めない。それが空間騎兵魂だ。忘れるな!)

 

(ぁ、)

(はい!)

 

 

(何だ?見たこと無い艦娘だ。ガミラスでもない。)

(じゃあ、地球軍?)

(ん?ねぇ、あれ)

(ぉ?)

 

(連隊長!友軍です!助けが来たんです!)

 

傍に居た仲間が首を振る。

 

(っそんな……桐生さぁーーーーーーーん!!!!)

 

キリシマ

「まもなく月軌道を離れます」

 

(進路そのまま、両舷前進半そ~く)

(両舷、前進半そ-く)

 

(おい!何だ貴様!許可無く艦橋に立ち入る事は)

(どけぇ!話があんだよ)

 

(あんたが艦長か、救援がもっと早ければ、連隊は壊滅しなかった!通信は受けていたんだろぅ、何でもっと早く)

(艦長は俺だよ)

(ぇっ、じゃあ)

(空間防衛総隊司令長官、土方宙将だ。)

(ガミラスに勝利し、故郷に再び青い姿を取り戻す。我々は、その任に付く、特務艦隊護衛の為展開していた。)

(じゃあ、俺達はついでだったって言うわけですか!)

(そうだ)

(くっ…ぉっ、さっきの艦娘か、何なんです!あれは!こっちも命懸けで戦ってるんだ!聞く権利はあるはずだ)

(おいおい)

(ヤマトだ。)

(っ、ヤマト?)

(そうだ、ヤマトだ。宇宙戦艦ヤマトだ。俺の親友の艦。そして、人類最後の希望だ)

 

ヤマト

「本艦隊はこれより、月軌道を抜け、巡航速度で火星軌道に向かいます。火星軌道に達したのち、ワープテストのブリーフィングを行います。以上です。」

「「了解」」

 

ガミラス

「こちら着弾観測隊。テロンの宇宙船が、衛星軌道を離脱します』

 

「艦隊を、差し向けますか?」

「いや、様子を見る。」

「ぇっ?」

「太陽系を出ることすらままならぬ劣等種族が、だった三隻で何を企むのか。それを見極めるのだ」

 

ヤマト

「皆さん、イスカンダルへの旅は、光の速度で航行しても、往復336000年と言う月日を費やすことになります。ですが、私達は、一年と言う、限りある時間の中で、この旅を終えなければなりません。其処で、私達は、光の壁を超える、超光速ワープ航法と言うものを使用します。」

(それについては、私から説明します。ワープとは、簡単に説明すると、艦の速度を、亜光速から光速に移行し、その状態から、人為的にワームホールを形成、実質的に、光速を超える方法です。)

 

すると、ソウリュウが

 

「本当にそんな事が出来るの?」

(理論上は可能です。ただ、タイミングを違えると、時空連続帯に歪みを産み、宇宙そのものを総転移させてしまう可能性が有ります。)

「てことは、つまり」

「それだけ、波動エンジンの運用には、細心の注意が必要だと言うことです」

「………」

「自信が無いの?ソウリュウ」

「そんなんじゃ無いよ」

(それと、もう一つ)

(技術科、情報長の新見です。我々は、その波動エンジンの莫大なエネルギーを応用した兵器を完成させ、ヤマト、ソウリュウ、イセの艦首に搭載することに成功しました。)

 

イセが質問する

 

「兵器?」

(次元波動爆縮放射機、便宜上、私達は波動砲と読んでいます。)

 

今度はソウリュウが

 

「波動砲、どんな武器なんです?」

(簡単に言うと、波動エンジン内で形成された余剰次元を射線上に展開、超重力で形成されたマイクロブラックホールが、瞬時にホーキング輻射を放ち)

 

最後にヤマトが

 

「それじゃあ、私達の艤装自体が巨大な大砲って事じゃ」

(当たらずとも遠からずね)

「私にはさぁ~っぱり」

「強力な兵器だと言うことは分かった」

(この、波動砲も、いずれ試射をしなくてはならないでしょう)

「ワープテストは、火星軌道を越えた、重力低干渉宙域で行います。テスト予定時刻は、0130です。妖精さんは、船外服を着用して下さい。以上です。」

 

0130

「ねぇイセ」

「何、ソウリュウ」

「時空を曲げるなんて、本当に出来るの?」

「さぁ、やってみなきゃわからないわ」

 

「テスト開始二分前」

(ワーパーゲー座標軸、確認)

(確認した。天王星軌道、S86,30の空間点)

(座標軸固定する。速度、12から33Sノットに増速)

「両舷増速、出力を40から99まで上げます。波動エンジン、出力上昇中」

 

ヤマト達の視界に写る星々が、線を描き出す。光の速度を超えようとしている証拠らしい。

 

(速度、30Sノット、33Sノット)

 

眼前に光が現れる。

 

「あ、あれは何?」

「多分、ワームホールの出来る兆候なんじゃない?」

「テスト開始一分前です。」

 

(速度、36Sノット)

 

イセが

「秒読みに入る。10,9,8,7,6,5,4,3,2,1」

(ワープ!)

「ワープします!」

 

ヤマト、イセ、ソウリュウの三隻が、ワームホールに入っていく。

ワームホールの中に入ったヤマト達は、まるで動かなくなり、艤装が透けたりする。そして、底の様な場所に着いたら、外に出てきた。氷って

 

「っ、こ、ここは…」

「う、うそ!なんで!」

「こ、ここは、木星!?」

 

ヤマト達がたどり着いたのは、木星だった。




次回、二章第二話「波動砲」
ヤマト達の武器の真相が明らかになる。


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波動砲

三人の究極兵器、「波動砲」。その力とは


「こ、ここは」

「うそ…」

「木星!?」

 

ヤマト達がワープアウトした先は、天王星ではなく、木星だった。

 

「あ、あれ?おかしい、舵が、効かない!」

「ほんとだ、これじゃあ木星に引き込まれるよ!」

 

二人が狼狽えているとき、イセが、提案する。

 

「落ち着いて、二人とも。補助エンジンに切り替えてやってみましょう。」

「分かったわ。」

「主エンジンから、補助エンジンに動力伝達!安定翼展開!」

 

(補助エンジンに切り替える!)

(頼むぞ、島)

(分かってる!)

 

「ん?何だ?これ」

「どうしたの?ソウリュウ」

「レーダに感有り。前方6万5000km、これは船じゃないよ!大きすぎる!」

 

(ヤマト、艦内パネルに写してくれ)

 

「了解、写します」

 

そう言って写されたパネルには、ガス雲しか写っていなかった。

 

(ヤマト、赤外線映像に切り替えてくれ)

 

「了解」

 

(これは)

 

「大陸?」

 

「ヤマト」

「何?イセ」

「あの大陸に軟着陸しよう」

「どういうことです?」

「私達の主エンジンが使えないのには、恐らくだけど、機関に何らかの損傷が発生している可能性がある。」

「だからその確認と修理の為に、と」

「うん。それと同時に、甲板部に調査を」

「分かったわ」

 

「沖田艦長、大陸に軟着陸し、機関の確認をしたいと思います。」

 

(分かった。)

 

浮遊大陸

「浮遊大陸に接近、軟着陸を行います。艦首低部スラスター噴射、艦首上げ!」

 

(艦首上げ!)

 

「くっ、あと、少し」

「ヤマト!」

「了解!全艦!錨打ち込め!」

 

(てっ!)

 

ヤマト、イセ、ソウリュウの三人からロケットアンカーが射出され、付近の崖に当たり、三人が止まる。

 

「ふぅ」

(ヤマトさん、艦長、エネルギー漏れの原因が分かりました。ワープの影響で主エンジンの冷却機がオーバーヒートしとります。)

「分かりました、至急修理をお願いします。それと、古代さん、甲板部から採集班を編成して、周辺の採集をお願いします。」

(了解)

 

ヤマト艦内

(AUO9、出番よ)

『番号なんかで呼ぶな、私は自由なユニットだ』

(こいつ、自立型だったのか)

『アナライザーとお呼び下さい』

 

冥王星

『お父さん、お仕事、早く終えて帰ってきてね。お母さんもお父さんの事』

『シュルツ司令』

「どうした、ガンツ」

『例のテロン艦の事で、浮遊大陸基地のラーレタから連絡が』

「第5惑星ズーピストのか?」

『はい、例のテロン艦が不時着したと…』

「まさか、奴はまだ内惑星系をうろついているはずだ。」

『それが、ゲシタムジャンプの空間航跡も確認されておりまして…』

「馬鹿な!奴がジャンプしたとでも言うのか!」

『はい、』

「浮遊大陸基地の艦艇は」

『補給基地ですので、八隻程度です。』

「それでいい、その戦力でラーレタに叩かせろ」

『ザーベルク』

 

浮遊大陸基地

「分かりました。テロンの武器では、我々の装甲を貫通出来ません。八隻でも多い位です」

 

ヤマト解析室

『地球に繁殖している、未知の植物とのDNA適合率、99,98%』

 

(要するに、この浮遊大陸は恐らく、地球をガミラスフォーミングするために大陸ごと持ってきたものと思われます。)

(と言うとつまり)

 

「ここには…」

「レーダーに感有り!」

「ソウリュウは解析を!イセは本艦と戦闘準備」

「解析完了!駆逐イ級5、軽巡ツ級2、戦艦ル級1!」

「ありがとう。全艦、主砲発射準備!」

「でもヤマト、エンジンが使えなければ、主砲にエネルギーが廻せないわ!」

「くっ!」

「三式弾なら、実体弾だから射撃可能だけど?」

「三式は、威力は高いけど射程が短い。艦長、ショックカノンなら、ロングレンジでも叩けるのに……」

 

(艦長、バイパスを通してはどうでしょう。)

「バイパス?」

(えぇ、バイパスを通せば、数発ですが、ショックカノンも撃てるでしょう)

(『修理は後五分程で終わります。それまで何とかなりませんか』)

(…事態は一刻を争うのだ、バイパスを繋げ!)

 

「バイパスの接続を確認、主砲へのエネルギー、来ます。全艦、砲戦準備!一番二番は、先行する駆逐イ級を、三番は、後方から回り込む軽巡ツ級を叩きます。副砲は三式を装填して待機!イセは、右舷から回り込むイ級と、後方から回り込むル級を叩いて!」

「了解!」

 

(敵駆逐、射程に入った。偏差、照準良し!)

「主砲!撃ちー方ー始め!」

 

ヤマトとイセの主砲から、青白い光が放たれる

 

(イセ、初弾命中。本艦、初弾外れました)

「次弾、発射用意!良く狙って、ってーー!」

 

イ級に命中し、爆発が起こる。

 

(命中、イ級一隻撃沈)

(ツ級への照準、良し)

「三番!ってーー!」

 

一撃でツ級が沈む。

 

「ヤマト、イセ!両舷から敵空間魚雷接近!」

 

「左舷対空砲、迎撃始め!」

「右舷対空砲、迎撃始め!」

 

「敵空間魚雷の排除を確認」

 

「ヤマト、敵が三式の射程に入った!」

「了解!副砲、撃ち方始め!って!」

 

「敵ツ級撃沈、ツ級殲滅!イセ!敵戦艦の射程に入ったわよ!」

「撃たれる前に撃つ!ってーー!」

 

「ル級に命中!ル級大破、敵イ級と共に撤退します」

(『こちら機関室、修理、完了しました』)

 

「了解、機関始動、錨上げ!最大戦速!」

「了解!最大戦そーく」

 

「間も無く大陸外苑部に到達する」

 

「…ヤマト、波動砲を使って浮遊大陸を撃って。」

「え?」

「波動砲の試射も兼ねて、敵基地をここで叩くの」

「貴方達は?」

「私達は別の所で試射するから。早く。反撃が来るかも知れない。」

「分かった。やってみよう。」

「危なくないかな?」

「ソウリュウ、ここでダメなら、先に行ってもダメなの。だからこそ、危険でも使うのよ」

「分かったわ」

「取り舵反転、艦首を浮遊大陸へ。艦内の電源を再起動時に備え非常用に切り替え」

 

「ソウリュウ、大陸の熱源は」

「大陸中心部の盆地に集中してる」

「イセ、ソウリュウは、念のため、波動防壁を展開」

「展開完了」

 

ヤマトの左右の艤装がくっつき、発射装置が出てくる。

 

「波動砲への回路開きます。非常弁全閉鎖。強制注入器作動。セーフティーロック解除、強制注入器作動を確認、最終セーフティ解除。ターゲットスコープ、オープン」

 

発射装置の前にターゲットスコープが現れる。

 

(薬室内、タキオン粒子圧力上昇。86,97,100、エネルギー充填120%)

(浮遊大陸、艦首方向2万3000キロ、相対速度36)

 

「艦首、軸線に乗りました。照準、誤差修正プラス2度」

 

ヤマトの艦首が左に2度動く。

 

「波動砲発射用意。総員、対ショック、対閃光防御」

 

ヤマト、ソウリュウ、イセ、妖精達は、事前配布されていたゴーグルを装着する。

 

ヤマトの波動砲口に、粒子の塊の光が集まり、発射準備が進む

 

「電影クロスゲージ、明度20、照準固定!」

 

「発射10秒前、9,8,7,6,5,4,3,2,1」

 

「発射!!」

 

ヤマトが引き金を引くと、強制注入器が前に伸び、タキオン粒子の塊である、波動砲が発射される。その勢いは凄まじいものだった。

発射から僅か30秒程で、大陸そのものがなくなってしまったのだ。

 

「な、なに?何がおきているのぉ!?」

 

イセが呟く

 

「これが、波動砲」

 

「凄い、大陸が、崩壊した。」

 

イセが一言、呟くように言った

 

「波動砲が、こんなに強いなんて、思ってもなかった。私達はただ、敵の基地を殲滅することが目的だったと言うのに、大陸まるごと…………」

 

撃った本人のヤマトは浮かれずに、波動砲の強さを理解していた。

 

「波動砲は強すぎる。それは良く分かったわ」

 

すると、ソウリュウが

 

「でも、この武器さえあれば、ガミラスと対等、いや、それ以上に戦えるよ!」

 

イセが反論する

 

「私達の目的は、敵の殲滅ではないの。イスカンダルへ行き、コスモリバースシステムを受領して、地球に帰ることなの。」

 

「でも、今後どうなるか分からないじゃない」

 

「わからないの?ソウリュウ、これは、一つだけで星を破壊しかねない危険な兵器なの!そんなものをたくさん使っていては……」

 

ヤマトが止める

 

「イセ、貴方の気持ちも、ソウリュウの気持ちも分かるわ。この武器はあくまでも身を守るためのもの。最大限使わない努力はする。それと、ソウリュウ。」

「なに?」

「己の手にした力の強大さに酔いしれ、己の力を過信する者は、いつか、自分自身の身を滅ぼす事になるの。嘗ての海軍がそうであったように。だから、これだけは覚えておいて。」

「わ、分かったわ」

「二人の波動砲の試射は、惑星の存在しない宙域で行います。それまでは使用禁止です」

 

「「了解」」

 

「では、行きましょうか。目的の星に向けて。全艦!両舷増速!予定の航路に復帰します!」

 

「「了解!」」




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第三話
「救出!国連宇宙軍残存艦!」

※次回の話は、サイレント・レイ様より許可を頂いた、土星コロニーの話です。内容や、登場する艦娘は違います。また、サイレント・レイ様から正式に許可を得たものなので、違反報告等は遠慮願います。

サイレント・レイ様、本当にありがとうございます。


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救出!国連宇宙軍残存艦!

※前作の後書きでもお知らせしましたように、今回の話は、サイレント・レイ様から許可を得たコロニーの話です。違反報告はご遠慮ください。

波動砲は強すぎる…
それを知ったヤマトは、波動砲の使用を極力制限する。
元の航路に戻ろうとする中で、冥王星を叩くべきだという話が出てくる。


「やるべきよ!」

 

イセがヤマトを制止する。

 

「落ち着きなさい、ヤマト。貴方の気持ちも分かるわ。でも、航海日程に余裕がないの。貴女が仲間の仇を打ちたい気持ちは本当に良く分かるわ。でも解って!」

 

すると、ソウリュウが通信をキャッチする。

 

「ヤマト、イセ、救難信号を捉えたよ。」

「救難信号?」

「識別は?」

 

「国連宇宙軍標準コード、艦名『アカシ』と推測」

「アカシ?アカシは、土星防衛戦で沈んだはずでしょ?ハルナやフブキとかと」

「そのはず、でも、間違い無くアカシ、だと思う…多分」

「場所は何処?ソウリュウ」

「え?いいの?ヤマト」

「えぇ。貴女達の立てた予定航路とも違うから」

「…………な、何か、凄いこと言われた気が」

「で、場所は?」

「ちょっと待って…………………………分かったわ。土星のコロニー、カムイ・コタン」

「うそでしょ!?」

「何で?イセ」

「貴女は知らないでしょうけど、彼処は甚大な被害を受けたコロニーなのよ!?そんな事は…」

「行ってみましょう。」

「でも」

「いいから、それを確かめてからまた話し合いましょう」

「…分かったわ」

 

ヤマトが指示を出す。

 

「全艦、進路変更!面舵60、土星コロニー、カムイ・コタンに向かいます!」

 

「了解!」

「了解!おも~か~じ」

 

カムイ・コタン

「こちらアカシ!こちらアカシ!地球、応答願います!地球、応答願います!」

「アカシさん、新型エンジンの製造、装着、完了しました。」

「ありがとう、ハルナ。この試製波動エンジンがあればガミラスと対等に戦える。」

「はい、アカシさんのお陰です。後は………」

「うん、運用するための電力だね。発電機を動かすにしても熱源反応で敵に察知される危険がある。ドックは一応回路から切りはずして使ったから問題はなかったみたいだけど……」

「お陰で全員の傷が治りましたね。」

「うん、あの時の戦いで沈んだ仲間も多いけど、助かった者も少ないながら居る事は確かだよ。」

 

すると、無線室の扉が開く

 

「アカシさん、ハルナさん。お昼御飯、出来ましたよ。ここに置いておきますね。」

「ありがとね、フブキ」

「ありがとう、フブキちゃん」

「いえ、そんな事は」

「フブキ」

「なんですか?アカシさん」

「皆は食べたの?」

「はい、幸いにも、このコロニーには、かなりの食料庫があるので、飢えは出ていません。」

「良かった…」

「えぇ、本当に」

「それでは」

「うん、ヤハギにコロニーの修理状況聞いといて」

「分かりました。失礼しました。」

 

フブキが置いていった食事を取っていると

 

「ふぅ、ねえハルナ」

「なんですか?」

「やっぱり美味しいね」

「はい」

「残存艦覚えてる?」

「はい、巡洋艦ヤハギ、戦艦ムツ、巡洋艦オオヨド、駆逐艦フブキ、駆逐艦ハマカゼ、駆逐艦アマツカゼ、私、工廠艦の貴女です。」

「そっか……、無線室出て久々に会いに行こっかな。」

「無線ならオオヨドさんの方が扱い上手ですし、たまには交代してもらいましょうか。」

「そうするかな」

 

そう言って席を立とうとしたとき、アカシがあることに気付いた。

 

「こ、、これは!!」

「?どうしたんですか?アカシさん」

「これ!聞いて!ハルナ!」

 

『こ…ら…ちゅ…所ぞ…宇ち…戦艦…繰り返…』

 

「アカシさん!オオヨドさんを!」

「解ってる!オオヨド!オオヨド!すぐに無線室に、なんなら全員来て!」

 

数十秒後、全員が息を切らせてやって来た。

 

「どうしたの?アカシ」

「オオヨド、出来る限り鮮明に聞き取れるように調節して!」

「分かったわ」

 

「OKよ」

 

『こちら…国連…軍所属…宇宙戦艦ヤマト…ますか…繰り返します……ちら国連宇宙…旗艦、宇宙…ヤマト、聞こえますか?応答願います。』

 

「こ、これは…」

「やりましたよ!アカシさん!」

「皆!助けが来たよ!」

 

〔ヤッターーーーーーー!!!助かったーーー!!〕

カムイ・コタンの皆が心から喜び、涙を流すものも居た。

ハルナもその一人だった。

 

「グスッ、アカシさん、や、やりましたよ、やっと、やっと助けが来たんです!」

「何をボケッとしてるのアカシ!バレても構わないから全力で答えなさい!私達は此処に居るって!」

「分かったわ。皆は発電機を廻していつでも出撃出来るようにして!波動エンジンを動かすよ!艤装に電気廻して!」

 

「「了解!」」

 

ヤマト

『此方、国連宇宙軍残存艦アカシ!私の他にも7人無事よ!ドックで傷も治してる!私達はカムイ・コタンに居るわ!』

「ヤマトです。分かりました!これから向かいます!待っていてください。」

 

「ヤマト、良かったわね」

「えぇ、本当に」

「泣いてるの?」

「嬉しいんです。」

「そっか」

 

「ソウリュウ、哨戒機出してくれる」

「ヤマト、泣きながら言わないでよ」

「御免なさい、お願いします。」

「分かったわ。攻撃隊は発進待機。ゼロ、発進!」

 

ソウリュウから初めて航空機が発艦する。嬉しそうな顔をしていた。

 

「両舷全速!カムイ・コタンへ急行します!」

「「了解」」

 

カムイ・コタン

 

『アカシ!発電完了、送電完了、動かせるよ!』

「分かりました、発進口で待機してください。」

『アカシは?』

「現在もヤマトとの交信中です。」

『分かったわ、ありがとう。』

「えぇ」

 

「ハルナ、後五分で到着するって!」

「分かりました、無線機を背負って発進準備を整えましょう!」

「分かったわ、急ごう」

 

五分後

 

「ヤマト、見えたわ、連絡入れて」

「此方ヤマト、皆さんを確認しました。」

『此方も確認したわ。』

「皆さん出れますか?」

『問題ないわ』

「分かりました。出て来てください。」

『了解』

 

すると、一人ずつ出てきた。

 

「ありがとう、ヤマト、気付いてくれて」

「私じゃありません。お礼はソウリュウにお願いします。」

「ソウリュウ、ありがとう。気付いてくれて」

「ううん、全然いいよ。ところで、あのコロニーどうする?」

「壊しましょう」

「何で?」

「恐らく、先ほどの影響で敵が確認しに来ます。」

「成る程。でも、砲撃じゃ無理だよ。」

「そうですね。」

「周辺にもうひとつあった」

「では、イセとソウリュウの試射はその二つのコロニーで行いましょう。」

「分かったわ」

「了解」

 

三分後

 

「お二人とも、どうですか?」

『発射準備完了』

『此方もOK』

「では、お願いします。」

『発射!』

『てー!』

 

二人が同時に波動砲を撃ち、二本の線が光る。すると、二つのコロニーは爆散して、砕け散った。

 

「凄い武器だよ!これならガミラスと対等に、いや、それ以上に戦えるよ!」

「アカシさん。これは無闇に使う武器じゃないんです。解って下さい。」

「あ、ごめんね」

「皆さんは自力で地球に戻れますか?」

「戻れるけど、私達は貴女達についていくよ」

「無理ですよ、ワープも出来ないのに」

「あら、できるわよ?」

「へ?」

「アカシが作ったこの波動エンジンならな」

「どういう、事です?」

「土星防衛戦の三ヶ月前に、波動エンジンの完成を知ったからね。作ってみたんだ、コアごと」

「な、成る程」

『いいんじゃない?」

『仲間が増えるのは有りがたいよ」

「いつの間に帰ってきてたんです?」

「ついさっき」

 

すると、イセが急に

「はい、これ」

「これは…」

「貴女専用の国連宇宙軍の制帽よ」

「何で急に」

「忘れてたわ」

「え、」

「それ、なんだか特殊機能付いてるみたいよ、わからないけど」

「ありがとう、イセ」

「それじゃあ、いきましょ」

「はい。予定の航路に復帰します!全艦取り舵60、反…」

ズドン!

 

ヤマトを謎の衝撃が襲った。

 




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第四話「エンケラドゥスの救難信号」
人類滅亡まで、後、354日


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エンケラドゥスの救難信号

土星コロニー『カムイ・コタン』で複数の艦娘を救出したヤマト達。その際。付近に有ったコロニーで波動砲の発射実験を行った。予定航路に戻ろうとするヤマトを謎の衝撃が襲う。そんな中、ヤマト達に再び救難信号が届く……


「これから、予定の航路に戻りま…」

 

ズドーーン!と言う大きな音と共に、ヤマトを衝撃が襲う。

 

「な、何が…、機関部、状況報告を」

 

(いかんな、コンデンサの一部が溶けかかっとる。恐らく、波動砲を撃った影響じゃろう。このまま放置すると航行不能に陥るかも知れん。)

 

「復旧の目処は無いんですか?」

 

(厄介じゃな、何せこいつを修理するには…)

 

「コスモナイト90?何それ」

 

ソウリュウが質問すると、アカシが答える。

 

「コスモナイト90とは、2190年に発見された希少宇宙鉱石の事です。」

 

「成る程、で、何処に…」

「ヤマト。」

「どうしたの?ソウリュウ。」

「また救難信号だよ。国連宇宙軍標準コード。出力は微弱で、艦名もわからない。発信地点はエンケラドゥス南極付近。」

 

「行った方が良いでしょうね。」

「ちょっと良い?イセ」

「何?ヤマト」

「私としては、ここで貴重な日数を失うは避けるべきだと思うの」

「な、何を言うのヤマト!艦娘が艦娘を見捨てるって言うの!?」

「生きているかどうかもわからない艦娘の為に、貴重な時間を浪費すべきではない!それはこの前、貴女が言った事じゃない!」

「例え生きている確率が低くても、救助には行くべきよ」

 

すると、今まで何かをやっていたらしいソウリュウが

 

「有った!」

「何が?」

「コスモナイト90がエンケラドゥスの南極付近に。丁度昔の採掘場が有った所みたい。これなら何とかなると思う」

「…分かったわ。じゃあ、私達は待機しているから、それ以外で、妖精は採集班を編成、アカシ達からは救助班を編成。問題が無かったら直ぐに帰ってくること。以上。全艦、進路反転、エンケラドゥスに急行します。」

 

冥王星

 

「テロンの船が進路を変えた?」

「偵察機の報告では、第六惑星ゼダンへ向かっている模様です。」

「ヤレトラ、ゼダン付近には偵察揚陸艦が二隻配備してあったな。」

「はっ」

「それを使え。出来るなら捕虜を取れ。奴等の意図が知りたい」

 

揚陸艦

「目標、第八衛星周回軌道二接近中。」

「指令項目ノ最優先、敵艦娘ノ捕獲。ソノ際、必要ト認メタ場合ハ、武器ヲ使用」

 

エンケラドゥス

「何だか、ひび割れた鏡餅みたい」

「フブキちゃんは食いしん坊さんなんですね」

「ち、違いますよ!ヤマトさん!」

「ホントですか~?」

「もう!」

 

 

 

「で、フブキの言う通り、何でひび割れているのか分かる?」

 

すると、イセが

 

「土星や他の衛星からの潮汐力とかで間欠泉の様なものが吹き出してひび割れているように見えているのよ」

 

すると、フブキが感心したように

 

「イセさんって、物知りなんですね~。」

「抜錨する前に学んできただけよ」

「でも凄いです」

 

「着いたわ、全艦、降下開始、赤15、艦首やや下げ、下げ舵5、進入角良し、両舷探照灯展開、艦首スラスター噴射、停止を確認、採掘班は採掘装備を持ち、採掘場まで移動、アカシは、救難隊を編成して、発信源に向かうこと。以上」

 

「「「了解!」」」

 

「第三格納庫開け、シーガル発艦準備。古代さん、雪さんをお願いしますね。」

 

(分かりました。シーガル、発艦!)

 

採掘場

銀河航路(鼻歌)~♪

 

(古代の奴が姫のお供ですってね~)

(?)

(いやね?訓練学校時代、あいつの訓練教官をやってたんですけどね、兎に角女の扱いが下手なもんで、大丈夫かな~と、)

 

(大丈夫な訳無いだろ、女の子達だけなんて…)

(護衛は任せますが、それ以外は私に任せてもらいます。)

(はいはい)

(はいは一回で結構)

(はいはい)

 

「ねぇ、アマツカゼちゃん、ヤマトさんって綺麗でいい人だよね~」

「どうしたの?急に」

「いやね?何か最近、ヤマトさんの事ばっかり考えている様な気がするんだよね~。何でだろ?」

 

すると、ハマカゼが物凄い事を言って来た

 

「それって多分、フブキが恋愛的な意味でヤマトさんの事が気になってるからじゃ無いのかな?」

「へ?」

「なななな、何を言っているのハマカゼ!おおお、女の子が女の子をなんて、そんな事…」

 

『こら!三人とも、私語は禁止ですよ』

「ヤ、ヤマトさん。すみません。」

『フブキちゃんは偉いですね。ちゃんと謝れて』

「そ、そうですか?ありがとうございます」

 

「(小声)ね?そうでしょ?」

「(小声)そ、そうかもね」

 

「二人とも、もうすぐ発信地点だよ。」

「着陸します。着陸し次第発信している艦娘に接触します。」

 

「この子が、救難信号を…」

「顔、雪で見えないけど、この艤装は…」

 

(イソカゼ型、突撃宇宙駆逐艦。兄さんのユキカゼと同型艦だ)

 

「古代さん達は艦内へ、私達は待機します。」

(了解)

 

古代達が中に入ると、フブキが顔に積もっていた雪を振り払う

 

「!っ、ユ、ユキカゼ、ちゃん」

「うそっ」

「ユキカゼ!返事をしろ!ユキカゼ!」

 

「古代さん、帰投します。降りてきて下さい。」

 

古代達が降りてくると、驚くように、膝を突いた。

 

(この艦娘は、兄さんのだ、兄さんのユキカゼだったんだ!)

 

「皆さんは先に帰ってください。私達は付近を散策します。」

 

(分かりました。)

 

(シーガル、発進!)

 

シーガルが帰還する。

 

「じゃあ、皆、ユキカゼちゃんと、乗組員の墓標を立てよう」

「そうね」

「あぁ」

 

[ユキカゼと、ユキカゼ乗員24名の魂、この地に眠る]

 

「さぁフブキ、帰…フブキ!後ろ!」

「へ?きゃあ!」

「ヤマトさん!聞こえますか?応答してください!フブキちゃんが敵に拐われました!」




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第五話「フブキ、救出!冥王星へ」
人類滅亡まで、後、352日

※次回はフブキを救出した後に、冥王星に向かいます。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「作者さん、私の帽子の事に触れてはくれないんですか?」

うっ、


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フブキ、救出!冥王星へ

エンケラドゥスに眠る艦娘は、ユキカゼだった。報告の為に古代達を帰投させた直後にフブキが拐われる。フブキはどうなるのか…


「フブキ!後ろ!」

「へ?きゃあ!」

 

フブキが気付いた時には既に遅く、敵に拉致され、連れていかれた。

 

「ヤマト!ヤマト聞こえるか!」

「ヤマトさん!フブキが、フブキが!拐われました!』

 

「…そ、そんな…、………くっ!」

「何を考えているの!ヤマト!」

「イセ!止めないで!私はもう、吹雪ちゃんを二度と、失いたく無いんです!」

「どういう、事…」

「2031年5月24日、日本艦娘で初の轟沈者が出てしまいました。その艦娘は、私が一番愛した娘でした。」

「それが、フブキの初代だと…」

「えぇ。その時私は、資材を消費し過ぎると言うことで、出撃できず、鎮守府で、ただ、指を咥えていることぐらいしか、出来なかった……」

「だから、助けたいと」

「えぇ、その通りです!だから、だから私を止めないで下さい!」

「それは無理よ、私達はまだ、機関の修理が終わっていないの…」

「いえ、動ける分には修理が終わっています。イセ、戻ってきた娘達を、お願いしますね。」

「ヤマト……」

 

「ヤマト、発進!」

 

〔フブキちゃん、待っていて下さい。今度こそ、私が助けてみせます!〕

 

「本艦の全機能を使ってフブキを捜索します!発見し次第航空隊は発艦、その他にも移送されている艦娘を確認し次第攻撃、救出します!両舷増速、黒二十!」

 

 

冥王星

「シュルツ司令」

「どうした、ヤレトラ」

「は、偵察揚陸艦36号が、敵の駆逐艦を捕縛に成功し、現在、ゼダン付近を航行中との事です」

「そうか、直ちに基地へ輸送せよ。」

「はっ!」

 

 

「あ、あれ?私、何があったんだっけ?……………………………っ!そうだ、私、ガミラスに…」

 

フブキが居たのは、エンケラドゥスではなく、土星のリングの、カッシーニの隙間と呼ばれる場所だった。

 

「こ、ここは…カッシーニの隙間?一体、どうやってここまで………」

〔そう言えば、ガミラス艦が見えないけど、何だか後ろ向きに進んでる様な感じもするし…〕

 

そう思い前を向くと、二本の黄色い線が伸びていた。

 

「こ、これは、、牽引ビーム!?それに、揚陸ネ級eliteが二人!!、こちらフブキ、こちらフブキ!応答願います!応答願います!!」

 

しかし、通信には、かなりのノイズが在り、通信は困難だった。

どうやら、フブキの気絶中に、通信機の細工を仕掛けた様だった

 

「もう、駄目だ…、誰か…誰か、助けて……、ヤマトさん、助けて……助けて!ヤマトさん!」

 

 

土星の輪(カッシーニ付近)

 

「!、レーダーに感在り!捉えた!フブキちゃん、待っててね。航空隊、発艦準備!ゼロは指示あるまでカタパルトで待機!」

 

そう指示を出したヤマトが左腰から、『九九式戦』と書いてあるマガジンを一つ取り出す。そして、右腰から、2145年迄日本に在り、それ以降は、国防軍として纏められた、旧陸上自衛隊の主装備の一つ、9mm拳銃を取り出し、マガジンを装填した。

 

「発艦用意!」

 

そう言ってヤマトが9mmを構える。

 

「隼、発艦!」

 

ヤマトが八回引き金を引き、再びマガジンを装填、又八回引き金を引き、同じ動作を繰り返す。そして、三個目のマガジンを装填した後

 

「ゼロ、発艦!」

 

そう言って、後ろのカタパルトからコスモゼロが発進する。そして、再び八回引き金を引き、最後の四個目のマガジンを取り出し、装填、八回引き金を引き、コスモファルコン32機が発艦する。

 

「各機、目標にターゲティングを開始。完了と同時に離脱、本艦が主砲を発射する。逃した敵艦は各機撃沈せよ。又、敵は揚陸艦と推測される為、敵の航宙機に注意されたし。…、全機、攻撃、ターゲティング開始!」

 

ヤマトの合図と共にファルコン、ゼロが行動を開始する。

 

(まもなくターゲティング完了)

「了解、完了と同時に待避せよ。」

(ラジャ、これより離脱する。)

 

航宙隊が離脱したのを確認してから、ヤマトが主砲(1,2番)を構える。

 

「発射よーい!、ってーーー!」

 

(こちら加藤、敵一隻撃沈、もう一隻はビームを離し離脱。)

「航宙隊はしっぽを見せた奴を撃沈せよ。フブキは私が救助します」

(ラジャー)

 

「フブキちゃん!」

 

そう言ってヤマトがフブキに近付き、抱きつく。

 

「や、ヤマト、さん?」

「はい、ヤマトです。フブキちゃんのヤマトです!」

「え?ちょ、え、えええ!ちょ、ヤマトさん、それは、えっと、その、そう言う事ですか?」

「私は昔、貴女を守ると約束したんです。ある人と…」

「あ、成る程」〔な、なんだ~、ビックリした~。てっきり私とヤマトさんが両思いなのかと思った〕

「さぁ、帰りましょう。皆さんの所に」〔あ、危なかった~、ついつい『フブキちゃんの』、とか言っちゃったよ~、ばれてないよね?ばれてないよね?〕

 

(こちら加藤、舞踏会は終了した。これより帰投する)

「りょ、了解、左舷着艦口を開きます。八機ずつ進入せよ」

(ラジャー)

 

数分後、八機が着艦口に進入し、八機の固まりでマガジンが生成され、ヤマトの腰に装着されていく。

[ゼロは艦尾の収容される]

 

「行きますよ、フブキちゃん。手をしっかり握って下さい」

「え?あ、は、はい!って、ヤマトさん!これ、こ、これって、こ、こここ、ここ」

「へ?…あ、す、すみません!わざとじゃないんです。」

「あ、い、いえ、別に」

「コホン、それでは気を取り直して、行きましょうか、フブキちゃん」

「はい」

 

エンケラドゥス上空

 

全員が採掘終了し、ヤマトの帰還を待っていた。

 

「イセ、ヤマト、帰ってくるかな」

「来るわよ。フブキと一緒にね」

「でもまあ、不安になる気持ちもわかるけどね」

「ムツ……」

「でもね、信じましょうよ。ヤマトの事を」

「はい」

 

「!レーダーに感在り。二です!」

「こちらでも捉えた。解析完了……ヤマトとフブキ!」

「やった」

「やっぱりか」

 

『皆さん、お待たせして申し訳ありません。採掘の方はどうなっていますか?』

「見てわかりなさいよ。無事に終わったわ。機関の修復も完了。後はあんただけよ」

『イセ、ありがとう」

「任された事をやっただけよ。それより、これからどうするの?」

「一旦予定の航路に戻りますが、状況によっては[メ二号作戦]を発令するかもしれません。」

「分かったわ。」

 

「全艦、進路反転120、予定の航路に戻りますが、冥王星戦も考え、常に第一種戦闘配置のままでお願いします。両舷増速、第三戦速!ヨーソロー」

 

「「「了解!」」」

 

冥王星

「???砲、発射ーーー!」

「???砲、命中まで、3,2,1、命中、小惑星グリゴーリ、テロンへの予定軌道に入ります。」

 

「愚かなりテロン人、我々の様に共存を望めば生きることも出来たのになぁ」




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第六話「発令!メ二号作戦〔前編〕」
人類滅亡まで、後349日

※次回、地球side出ます。


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発令!メ二号作戦〔前編〕

エンケラドゥスで拐われたフブキを救出したヤマト一向。再び冥王星を叩くか議論が始まる中、ヤマト達の付近を遊星爆弾が通過する……


冥王星

 

「反射衛星砲、発射ーーー!」

「反射衛星砲、命中まで、3,2,1、命中、小惑星グリゴーリ、テロンへの予定軌道に入ります。」

 

「愚かなりテロン人、我々の様に共存を望めば生きることも出来たのになぁ」

 

「シュルツ司令、例のテロン艦、ヤマトが進路を戻しました。」

「そうか、だが恐らく、奴等はここを攻めに来る」

「何故そう思うのですか?」

「今に分かる…」

 

 

ソウリュウ

 

「小惑星グリゴーリ、周回軌道から離脱。遊星爆弾になったと思われる。十分後に艦隊左舷を通過」

 

「くっ!ガミラス!」

 

イセが叫ぶ

 

「ヤマト!」

「な、何?イセ、そんなに怒ったように」

「もう、我慢の限界…」

「え、えっと、なんか、ごめんね?」

「違うわ!メ二号作戦をやって冥王星を叩くの!」

 

「い、いいの?」

「ええ!当たり前よ!仲間の仇であり、地球の敵なの、殺るわ。絶対に」

「分かったわ。では、3時間後にブリーフィングを行います。小惑星グリゴーリは、魚雷の射程に入り次第、迎撃します。」

 

「「「了解!」」」

 

三時間後

「皆さんも御存知の通り、ガミラスは、冥王星から遊星爆弾の雨を降らせ続けています。地球の安全を確保するためにも。そして、これまでの戦いで散っていった仲間達の為にも、この基地は叩かねばなりません。今回の作戦概要を説明します。今回の作戦は、ヤマト、イセ、ソウリュウの合同航空隊から成る、四部隊を構成、これを、『アルファ』『ブラボー』『チャーリー』『デルタ』として、冥王星の北極、南極、東、西から、冥王星基地を捜索し、攻撃します。又、敵の基地と言うこともあり、かなりの防衛用火器があると想定されます。そのため、我々は波動防壁を展開、展開可能時間は20分と短いですが、それでも、敵の陽電磁砲は防ぐことが出来ます。いくら敵が深海棲艦と似ているとはいえ、離島棲姫の様なものが居るとは思えません。そこは安心していいはずです。又、今回の作戦での波動砲の使用は、冥王星破壊の危険性があるので禁止します。イセ、ソウリュウは、他の艦を率いて、反対側、カロンの方へ回ってください。恐らく敵に名前が知られているのは私だけです。私が囮に成りますが、死のうとは思って居ません。皆さんも、決して刺し違え様とは思ったりしないで下さい。今回の作戦は、全員が生還することに意義があるんです。作戦開始は、2日後の2130です。それまでは、周辺の警戒を怠らず、装備の点検をお願いします。アカシさんは、皆さんのチェックをお願いします。以上でしゅ」

 

「あ、噛んだ」

「噛んだね」

「うん、噛んだ」

 

「……」

 

「や、ヤマト、大丈夫?」

 

「だ、だいじょうびゅでしゅ、あ…」

 

「…………」

 

「「「……………」」」

 

「さ、さぁ、気を取り直して行きましょうか……」チラ

 

「あ、あの、ハルナさん、何で此方をみるんですか?」

 

「いえ、なんもでもありません。」

 

冥王星

 

通信台には、冥王星基地司令シュルツの上司であるゲールが出ていた。

 

『それで、シュルツ、お前は、捕虜一つ取れなかった上に、浮遊大陸を失ったと言うのか!どうしてくれる!!』

 

「で、ですが、奴等は想像以上に強く…」

 

『言い訳はいい!貴様達が結果を出して初めて私は総統閣下に御報告出来るのだ。』

 

「は、」

 

『シュルツ、お前は何か考えておるのか?』

 

「はい、奴等はここ、プラートを絶対に攻めて来ます。」

 

『何故そう言い切れる』

 

「奴等の星をあの様にした遊星爆弾は、この基地から出ているのです」

 

『成る程。良し!並ば貴様等が敵を倒した暁には、二等臣民から、一等ガミラスへと昇格出来るよう取り合わせよう。これは、青い肌を持たぬ劣等種族が、帝国への忠誠を示す絶好の機会だ』

 

「帝国への忠誠心は、純血ガミラスに引けは取りません!」

 

『ははは、それでこそ、栄えあるガミラス軍人だ!期待しているぞ、シュルツ。ガーレデスラー、総統万歳!』

 

「総統万歳!」

 

「司令、どの様にしてヤマトを叩くのですか?」

「反射衛星砲だよ。ガンツ」

「?」

 

2130

 

「アカシさん、艤装の整備は」

「全員分完了したよ。」

 

すると、ヤマトが腰から銃を取り出した

 

「これは、お願い通りに」

「やったよ。一回引くだけで全機出れるようにしたから、時間はそれほどとらなくなるはず。」

「ありがとうございます。」

 

「ヤマト、全員の準備、整ったよ」

 

「分かりました。では、これより、メ二号作戦を発令します!隼降ろせ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤマトが地球を発って、凡そ一ヶ月。暴動は収まる気配がない。新鋭艦を建造できても。波動エンジンのコアは、もうない。どうするべきか……」

 

「本部長!コアが、波動コアが一つ、確認できました。これで、彼女に命を吹き込めます!」

 

「本当か!完成を急がせろ!」

「後二日で完成します!」




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第七話「発令!メ二号作戦〔中編1〕」人類滅亡まで、後、342日



※今のところ〔中編1〕と表記していますが、話の進め方によっては変化する可能性があります。今のところは問題はない、はずです……、多分

てか、最後の子、誰?


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発令!メ二号作戦〔中編1〕

仲間の敵を打つため、地球の汚染を少しでもおさめるため、太陽系を解放するため、ヤマト達は、待望のメ二号作戦を発令した。例え、航海日程に遅れが生じても、地球に残った人達を安心させるために、彼女達は立ち上がる。
第二章最終話「発令!メ二号作戦〔中編1〕」始まります。



「これより、メ二号作戦を発令します!総員、第一種戦闘配置、全艦、戦闘準備!」

 

「ヤマトさん」

「どうしました?オオヨドさん」

「はい、今作戦に対し、一つ進言させてもらいたいのです。」

「構いませんよ。」

「敵の捕虜となってしまった艦娘が居る可能性を考慮して、主力部隊の2,3人を、冥王星上陸部隊として別行動させてほしいのです。」

「それは…、無理です」

「何故ですか!同胞を見捨てるんですか!」

「では、貴女は冥王星基地の場所が分かっているんですか?それに加えて、冥王星基地を見つけたとして、貴女は、敵基地からの反撃の危険を犯してまで、救出に向かいたいんですか?捕虜が居ると言う保証は何処にあるんですか?」

「そ、それは…」

「言えないのでしょう?なら、諦めて下さい」

「っ、わかり、ました」

 

すると、イセが提案する

 

「ヤマト、一ついいかな?」

「何ですか?イセさん。」

「少し位は協力してあげてもいいと思うんだ」

「では、プランは?」

「うん、簡単な事だよ。敵の基地を発見した航空部隊に、捕虜の収容所みたいな所を探してもらえばいいんだよ。見つけたら五分だけ時間を与えて、捕虜を解放。解放の連絡が入ると同時に、一斉攻撃をかけるんだ。これなら何とかなると思う。」

「はぁ、分かりました。その作戦でいきましょう。オオヨドさん、そちらの方で人選は任せます。」

「っ!はい!」

 

すると、ヤハギがオオヨドに近付き

 

「良かったな、オオヨド。捕虜がいたら、絶対に助けてやろうな!」

「はい!」

 

「アカシさん、例の物の準備は」

「できてますよ。はい、これ」

 

そう言って手渡されたのは、まるでM○SVT○Pで使われてそうな小型端末だった

 

「ありがとうございます。これを待っていたんです」

 

すると、ソウリュウが、目を輝かせてよってきた

 

「ねぇねぇヤマト、それ何?」

「これですか?小型端末型のホログラム投影機です。他にも、煙草をつける火が出たり、文書を読み取って解析したり、あと、一番凄いのが、ここからミッションというクエストを受けられるんです!」

「うん、ごめん、一番最後のだけは理解できなかった。」

「そうですか?残念です。」

 

「では、気を取り直して、皆さん、これを見てください。これは、冥王星の表面です。ここに、国連宇宙軍が特定した、敵の基地と思われる場所を赤点で表示します。」

「こ、これは」

「多い、ですね」

「恐らくですが、敵は何らかの遮蔽物を利用して基地を隠している筈です。」

「手当たり次第に調べていると時間がかかるから四部隊に分けた訳か、成る程。流石に艦隊旗艦を担うだけはあるな」

「有り難う御座います。ヤハギさん」

 

すると、ソウリュウが叫ぶ

 

「こ、これは!艦隊後方から、ワープアウト反応!」

「そ、そんな!」

「て、敵!?」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

メ二号作戦発令前日 地球

 

「長官、完成しました。」

「そうか、発進は」

「今すぐ行けます」

「良し、直ぐに発進させ、ワープでヤマト達に合流させろ」

「了解」

 

「準備は」

「出来ています。」

「良し、抜錨せよ!」

「了解!潜宙空母、『401』抜錨します!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「し、シオイさん?」

「はい、ヤマトさん。お久しぶりですね。164年振りですね」

「え、えぇ、でも、何故貴女が…」

「実は、あの後、残っていた軽巡達から爆雷の一斉射を受けて沈んだんですけど、10日前に目覚めまして、やって来ました。いやぁ~、宇宙って広いですね。それでは」

 

そう言ってシオイは消えた。

 

「では改めて、航空隊、全機発艦!」

 

ここで、兵装解説をしよう。イセの飛行甲板は、本家艦これに似ては居るが、感覚としては、2202のアポロノーム等な感じだと思ってくれ。

続いてソウリュウだが、これは、波動砲の影響も有って、弓矢ではなく、本家艦これのサラトガのロケットランチャー式だと思ってくれ。

では、去らばた!

 

ヤマト、イセ、ソウリュウを発艦した航空隊は、四方向に分離、敵基地捜索に入った。アルファを率いるのは古代、副隊長は元主計科の山本である。

 

「では、皆さん、行動開始です。」

 

「「「了解!」」」

 

「ふぅ、皆さんいきましたね。では、波動防壁展開!これより、冥王星へ突撃します。」

 

(ヤマトさん)

 

「どうしたの?雪ちゃん」

 

(高熱源体が接近、接触します)

 

「波動防壁があるから大丈夫よ」

 

 

そう言って着弾したビームは、波動防壁を貫通した。(少しは防いだが)

 

「くっ!どこから…」

 

ヤマトは端末を展開して確認する。

 

「あそこなら死角に…」

 

冥王星

「お見事です。シュルツ司令。まさか反射衛星砲を武器に転用なさるとは。」

「発想の転換だよ」

「ドメル司令の教えですね」

 

「反射衛星砲、次弾装填!」

「6号、33号、28号、リフレクター展開」

「反射衛星砲、発射ーー!」

 

ヤマトに再び着弾する反射衛星砲によりヤマトは制御を失い、冥王星へ落ちて行く。




反射衛星砲を打ち込まれたヤマト、冥王星基地の所在は知れず。ヤマトは沈むのか?
次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第八話「発令!メ二号作戦〔中編2〕[ヤマト、冥王星の海に沈む]」

次回、ヤマト、海底に没する


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発令!メ二号作戦〔中編2〕[ヤマト、冥王星の海に沈む]

何処からか飛来した熱源体、発射場所が分からぬまま死角と思われる場所に隠れるヤマト。しかし、再び命中する。
ヤマトは慣性制御を失い冥王星へと落ちて行く。そんな中、ヤマト、イセ、ソウリュウから発艦した航空隊は、敵基地の捜索を続けていた……


「反射衛星砲、発射ーー!」

 

「デブリの数が多いですね……」

 

すると、警報が鳴り響く

 

「まさか!」

 

そのまさかであった。ヤマトに再び着弾し、バランスを崩す。

 

「きゃあああああああああああああ!」

 

(舵が効きません!操舵不能!操舵不能!)

 

「破損箇所から波動流体が漏れてるようです!艦長、冥王星の海へ着水をさせて下さい!」

 

(君に任せる)

 

「了解!艤装結合!スラスター、姿勢制御始め!艦首起こせーーー!」

 

スラスターが噴射され、冥王星の海に対してヤマトの艦底部が会う形となった。

 

「着水体制に入ります。総員、衝撃に備え!」

 

ヤマトの艦尾底部が着氷し、そのまま氷を割って全体が水に浸かる。

 

「ふぅ、着水完了。………って、気を抜いちゃダメ!」

 

「もうすぐ波動防壁の展開限界時間。次同じ攻撃を受けたら…」

 

冥王星基地

「ヤマト、お前は良く戦った。しかしこれで終りだ。さらば、ヤマト!反射衛星砲、発射ーーー!」

 

ヤマト

「高エネルギー反応!?真上!」

 

ヤマトの第二副砲に命中する。

 

「きゃあああああああああああああ!」

 

其所から爆発を起こし、艦首が浮き上がり左に回転し、逆さに成った状態で艦首が持ち上がり、ほぼ垂直に冥王星の海へと沈んで行った。

 

冥王星基地

「おめでとうございます。シュルツ司令。これで、帝星司令部に報告できます。ゲール司令に報告は」

「あの男に報告してみろ、さも自分の功績の様に報告するに決まっている。直接本星に連絡する。」

 

ガミラス本星

 

指導者であるアベルト・デスラーは総統府の浴場にいた

 

「総統、シュルツから連絡が入っております。」

「シュルツ?」

「はい、何でも、テロンの宇宙船を撃破したとかで」

「あぁ、確か、テロン攻略を任せたんだったな」

 

総統府内

 

 

『テロン侵攻軍プラート前線基地司令、シュルツであります、総統。』

 

すると、ヒス副総統が怒鳴る

 

「シュルツ!直属上官のゲールを差し置いて直接連絡とは、本来ならばあり得ない事だ!」

「まぁまぁ、いいじゃないか、ヒス君。報告を続けたまえ」

 

『はっ!我々プラート前線基地は、テロンの光速宇宙船ヤマトを勇戦の末に撃破いたしました!』

 

「…君は、そんな当たり前の報告をするためだけに私を呼び出したのか?」

 

『間も無く行われる建国記念祭に、細やかな花向けをと思いまして…』

 

「まぁ、耳に留めておこう。」

 

『ほ、ガーレデスラー、総統万歳!』

 

冥王星基地

「それで、総統は何と」

「耳に留めておくと言っていた。」

 

 

ブラボー

『ガミラス基地と思われる建造物を確認』

(加藤よりブラボー各機へ、電波管制解除)

 

ヤマト

『こちら加藤、敵基地を確認!』

 

「艦の修復は!」

 

(後少しだ!)

 

「っ、偽装爆発ももうすぐばれる。早く…」




次回、宇宙艦これヤマト2199 第二章最終話「発令!メ二号作戦〔後編〕[ヤマト浮上!反撃開始!]」
次回、冥王星基地、陥落


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発令!メ二号作戦〔後編〕[ヤマト浮上!反撃開始!]

冥王星の海へ沈んだヤマト、しかし、ヤマトは生きていた。偽装爆発によって、身を隠し、修復を行っていた。
加藤率いるブラボー隊からの敵基地発見の報により、動き出すヤマト。

第二章最終話、始まります。


アルファ

(綺麗、オーロラかぁ。…ん?あれは)

 

『古代さん、オーロラから』

 

(あれは!まさか……、何処からか入れる場所を探すぞ!)

(ラジャー)

 

数分後、クレーターの亀裂を発見した。

 

(古代さん、あそこから入れそうです。)

(良し、全機続け!)

 

ブラボー

 

『ブラボー2ロスト』

(くっ、)

 

冥王星基地

 

「第三環境プラントに、ヤマト艦載機とおぼしき機体が侵入」

「何だと?撃ち落とせ!」

 

アルファ

 

『警告、警告、この先、未知のエネルギーを感知。警告、警告』

(なっ!)

 

オーロラの中を進むと、その先には

 

(これは、古代さん!)

(間違いない、此方が基地だったんだ!)

 

冥王星海中

 

「艦長、冥王星の周辺に浮かぶデブリですが、敵の反射衛星と思われます。恐らくこの反射衛星を使って攻撃してきたものと思われます。」

 

(艦体の補修が終わり次第迎撃を開始する。敵のビームの接近を確認し次第迎撃するため、タイミングを違えるな)

 

「了解。榎本さん。修復はどんな感じですか?」

 

(各部の応急修理完了、ヤマト、これで地べたに足をつけて戦えますぜ)

 

「ありがとうございます。ツリム反転、メインタンクブロー、上げ舵35°ヤマト浮上!」

 

ヤマトの指示が有った直後に、ヤマトの沈んだ付近から氷を割って第三艦橋と艦底部が露出する。

 

冥王星基地

「ヤマト沈没地点に、浮上する物体有り!」

「何だと!?」

「この潜水艦は、一体……」

「見て分からぬか!ヤマトだ!」

「なっ」

「まだだ、ただ報告が早すぎたというだけだ。反射衛星砲、次弾装填!」

 

ヤマト(潜水艦)

『こちらアルファリーダー、敵の基地を確認、アルファはこれより、半数に分かれ捕虜の捜索、遮蔽フィールドの破壊を開始します。』

 

「古代君、その近くに敵のビーム砲台らしいものは有りませんか?」

 

『確認出来ません。』

 

「分かりました。二機だけ捜索に回してください。」

 

『了解』

 

「本艦の直上に位置する反射衛星を狙います。対空迎撃ミサイル、発射用意」

 

アルファ

(山本は俺と共に砲台の捜索に向かう。それ以外は半数に分かれ捕虜の捜索と遮蔽フィールドの制御装置を破壊せよ)

 

『『ラジャー』』

 

(行くぞ、山本)

(了解)

 

(敵基地の侵入口を確認、全機突撃!)

 

(遮蔽フィールド制御装置は基地外周部だ!ミサイルを撃ち込め!)

 

「ヤマトの艦載機と思われる機体が侵入!」

「遮蔽フィールドはどうした!」

「健在です」

「どういう事だ…」

 

(こちらアルファ三番機、遮蔽フィールドの破壊完了。又、捕虜を一名確認。容姿からして、巡洋艦イスズ)

 

「今度こそ、これで最後だ、ヤマト!反射衛星砲、発射ーー!」

 

ヤマト(潜水艦)

 

「ヤハギ、オオヨド!五分だけよ!急いで!」

 

(とらえました!)

 

「対空迎撃ミサイル、発射始め!」

 

ヤマトの艦底部のVLSからミサイルが発射され、凡そ30秒後、命中した。

 

「命中確認。敵ビームは明後日の方向へ飛んでいったわ」

 

冥王星基地

「反射衛星27号、迎撃されました。」

「ヤマトめ、反射衛星に気付いたな。今度は奴の射程圏外から撃つ、次弾装填!」

 

「こちらオオヨド、侵入完了!」

「ヤハギだ、救出も完了した。」

 

『了解、イスズを連れて離脱せよ。』

 

「「了解」」

 

ヤマト

 

『こちら山本、敵ビーム砲台を特定。場所、氷結した湾内』

 

「了解、直ぐにデータを」

 

『ラジャー』

 

「艦長」

 

(うむ。これより本艦は、冥王星基地と、敵のビーム砲台を攻撃する。艦体復元!戻ーせー!)

 

(艦内慣性制御良し!)

 

「空間ジャイロ反転、右舷バラスト放出、戻ーせー!」

 

ヤマトの右舷側のバラストが放出され、艦橋が氷を割って回転して現れる。

 

(各部点検異常無し)

 

「三式弾、時限信管セット完了。照準合わせ!撃ちー方ー始め!」

 

冥王星基地

 

「ヤマト浮上!」

「反射衛星砲、次弾装填!」

 

三発の弾丸が飛翔する。

 

「発射準備完了」

「反射衛星砲、発射ーー!」

 

その直後、敵のビーム砲台に着弾し、タイマーが動く、発射完了と同時に爆発を起こし二度と使えなくなる。

 

「反射衛星砲台の反応無し!」

「そんな!」

 

『こちら山本、敵のビーム砲台消失、破壊しました。』

 

「了解。これより、敵基地殲滅のため出撃します。上げ舵20、ヤマト、発進!」

 

波動エンジンを点火し、海から離れて行く。その直後、放たれていたビームが、氷へ着弾する。

 

冥王星基地

「ヤマト、急速接近中」

「司令!ここは脱出を」

「脱出だと!?」

「生きていれば、汚名を雪ぐ機会も有ります。」

 

ヤマト

「測的良し、照準良し、空対地ミサイル、発射準備良し」

(撃ち方始め!)

 

ヤマトの主砲から三式弾が撃たれ、煙突からはSAMが発射され、敵の基地に命中する。

 

脱出するために展開していた敵艦の半数が殺られ、地下に有った惑星間弾道弾に直撃し大爆発を起こし、敵の基地は壊滅した。

 

(敵艦四隻、離脱していきます。)

「追撃します。主砲、ショックカノンに切り替え」

 

敵は最後の抵抗をするために発砲するが、全てが外れる。

 

「二番、照準合わせ、ってーー!」

 

二隻が撃沈され、残りが二隻に成ったとき

 

(ここは我らが盾に成ります。どうか御無事で)

 

(っ、)

(ゲシュタム航法に移行準備)

 

(いかせはせん!)

 

(敵艦一隻、突っ込んできます!)

 

「ってーー!」

 

最後の一隻を撃破し、残る一隻はワープで脱出した。

 

(デストリア轟沈!)

(っ、ゲシュタムジャンプ!)

 

(敵艦、ワープしました。)

 

「冥王星基地はこれでおしまいです。地球に遊星爆弾が落ちることは無いでしょう。」

 

(こちら古代、これより、ヤマトへ帰還します)

 

「アルファ、ブラボーを収容次第、各艦と合流、イスズには自力で戻ってもらいます。合流次第、予定航路にて太陽系を離脱します!」

 

((了解))

 

ガミラス本星

「プラードが落ちた?私は夢でも見ていたのかね?ヒス君」

「いえ、全て私も聞きました。」

「そうか…」

 

「艦隊、冥王星軌道を離脱、これより、予定航路に戻ります。機関、第一戦速」

(第一戦速)

 

〔有り難う、ヤマト、地球へ帰してくれて…〕

 

「ヤマト、401、艦隊に加わります!」

 

「これから宜しくお願いします。シオイさん」




これにて、第二章は終了です。次回からは、第三章「銀河系」です。

次回、第三章第一話「赤道祭」人類滅亡まで、後、339日

※次回、サイレント・レイさんから許可を得まして、少し、向こうのヤマトが出てきます。(ネタですが)本人から許可を得ているので、違反報告は御遠慮ください。

※三章からは後書きに裏話とかを書いていきます。


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第三章 銀河系
赤道祭


冥王星は陥落した。地球への脅威は無くなった。ヤマト達がエッジワース・カイパーベルトに差し掛かった頃、へリオポーズの影響が出始め、地球との交信が徐々に難しく成ってくる。そんな中、沖田艦長が、太陽系赤道祭を執り行う……

※今回は、サイレント・レイさんのヤマトの話と、フミヅキとキヨシモがとんでもないものを持ってきてくれますが、本人からの許可は得ているので、違反報告は御遠慮ください。


〔冥王星戦は終わり、地球へ遊星爆弾が落ちて汚染速度が加速することはない。これで、地球艦隊は残存艦の捜索に出れる。我々はもうすぐ太陽系を離れる………〕

 

「ヤマト」

「何?ソウリュウ」

「地球から連絡」

「了解。パネルに回すわ」

 

『おぉ、ヤマト、沖田君』

 

ヤマトが、士官の敬礼をする。〔帽子を被っているため〕

 

『君達から冥王星陥落の報が届いた時、地球で待つ人々が、遊星爆弾が降らなくなることに、どれ程安堵したことか…、君達は今、エッジワース・カイパーベルト。もうすぐで太陽系を脱出する。ヤマト、地球は、君、ちの、、りを』

 

「何が有ったんです?相原さん」

 

(ヘリオポーズの影響が出始めているようです。通信回復まで、少し時間を下さい)

 

「分かりました。」

 

「ヤマトヤマト」

「何ですか?アカシさん」

「はい、これ」

 

そう言って手渡されたのは、一つだけの丸いものだった。

 

「これは?……」

「インカムだよ。この前の冥王星戦の時、余り連絡が無くて皆が心配してたんだ。だから、小型で耳に着けて片方からは別の音が聞こえるように片耳を開けたインカムを配っているんだ。」

「成る程。これの交信可能範囲は?」

「38万Kmだから、地球から月までの距離位だよ。」

「この小さな機械が、月から地球の距離を…」

 

(ヤマト)

 

「どうしたんですか?艦長」

 

(乗組員の一人から、地球の家族へ最後の交信をさせてはどうかと意見が有ってな)

 

「良いと思いますよ?」

 

(聞くまでもなかったか。それに際して、太陽系赤道祭を執り行う。)

 

「赤道って、ここ宇宙ですよ?」

 

(古来より船乗りは、赤道を越える際、航海の無事を祈って赤道祭を行ったという。それを宇宙版に置き換えるだけだよ)

 

「成る程」

 

(この時位は肩の力を抜いてリラックスした方がいいぞ)

 

「そうさせて貰います。久々に少し眠りたいので、一時間ほどイセに牽引ビームで引っ張って貰います。恐らく、太陽系を越えるとガミラスの攻撃も本格的になってくるでしょうから」

 

(うむ)

 

ヤマト艦内

(ワイワイ、ガヤガヤ)

 

「ヤマト、後方からワープアウト反応。」

「えっ!?」

 

後方からワープアウトしたのは、別世界の謹慎を受けているフミヅキとキヨシモだった。ワープアウト直後に、何かを外していたので、恐らくワープ機関か何かなのだろう。それに、何か持ってきてる。

 

「フミヅキに、キヨシモ?でも、あの二人とは違う雰囲気が、それに、あの二人は火星戦で沈んだ筈」

 

フミヅキ「私達は別の世界から来ました。」

キヨシモ「これを届けるために。アカシさんは何処に」

 

「私だよ。例の物を持ってきてくれたんだよね?」

 

フミヅキ「はい」

 

すると、ヤマトが目を輝かせたように

 

「例のって、まさか!飛行場姫パフェですか!」

 

キヨシモ「うん。それと、ヤマトから手紙」

 

すると、ヤハギが

 

「ヤマトから手紙?どういう事だ?ヤマトはここに居るぞ?」

 

フミヅキがそれに答える

 

フミヅキ「私達の世界もこの世界と同様に2199年に現在進行形で地球を救う為にヤマトが出撃しているの」

 

「で、其処のヤマトは、パフェの存在を知らなくて、パフェじゃなくて、パ(↓)フェ(↑)エエって面白い言い方をしてね。」

「ヤマト、後で復讐されそうだから、ね?」

「あ、はい」

 

ムツが飛行場姫パフェを見て、叫ぶ

 

「なにこれ!ビーチボール並みの大きさじゃない!」

 

キヨシモ「長門がこれを食べて、内閣総辞職**をしたらしいよ」

 

「ナガトでさえ食べきれないなんて……、ヤマト、辞めた方が……」

 

「いやぁ~、起きたときから何も食べてなくて、今ならあのときの赤城さんさえ超えられそうです」

 

「「ええ」」

 

「手紙、見せてもらえます?」

「どうぞ、ヤマトさん」

 

[異世界のヤマトへ。冥王星攻略おめでとう。私の方はもうすぐで冥王星につける、筈です…。やはり太陽系を抜けるとガミラスからの攻撃は強くなると思います。お互い無事に地球に帰りましょう。いーなー、飛行場姫パフェ……P.S. 噛んだときは大爆笑したわ]

 

ギリ

 

[P.S.2 貴女もパフェ恥をかけば良いのよ]

 

 

「あのヤマト………」

 

「ヤマト~、食べないと、皆が食べちゃうよ~これ、ヤマト専用なのに」

 

「食べますよ!ところでフミヅキさん、キヨシモさん。」

 

フミヅキ、キヨシモ「はい」

 

「皆さんに、向こうのヤマトの話をしてもらえますか?」

 

フミヅキ、キヨシモ「はい」

 

一時間後

 

「ふぅ~、甘くて沢山有って、久々に沢山食べられました。ご馳走様でした」ツヤツヤ

 

フミヅキ「え?食べきったんですか?」

 

「はい」

 

キヨシモ「バケモノかよ」

 

「酷いですね。私だって乙女ですよ?」ツヤツヤ

 

キヨシモ「ごめん、そうは見えない」

 

「皆さんはどうでした?向こうの世界の話は」

「興味深かったよ。向こうじゃヤマトが好かれてないとは…」

「それに、今は潜宙艦を相手にしていると…」

「でも、うちにも潜宙艦居たような…」

 

すると、次元が裂けてシオイが出てくる。

 

「呼んだ?」

 

キヨシモ「401?」

 

フミヅキ「この世界では401が存在するなんて…」

 

「皆さんに言いますけど、シオイさんは、潜宙艦ではなく、次元潜航艦という全然違う艦種なんです。」

 

「「へ~」」

 

(ヤマト、艦体の補修完了。これで問題ない筈だ。もうすぐ赤道祭も終わる。)

 

「分かりました。艦長。終了の20分後にワープに移行して、太陽系を脱出します。アカシさん」

 

「うん、二人分の高性能ワープ機関完成したよ」

 

フミヅキ「え?」

 

「まだ有るかも知れませんが、恐らくこちらの方が性能いいですよ?」

 

キヨシモ「有り難く使わせてもらうよ」

 

「えぇ」

 

「ヤマト!艦首方向からワープアウト反応多数出現!」

「こんな時にもですか!艦隊各艦、戦闘配置、ソウリュウは攻撃隊を発艦させた後、敵の解析、イセ、ムツ、ハルナ、私は主砲の自動追尾を有効、各目標をロック。ヤハギ率いる巡洋艦、駆逐艦は速力を上げ、近接戦もしくは雷撃戦で対応、全艦、行動に移せ!」

 

「「了解!」」

 

「ヤマト!あれを」

 

「はい、皆さん聞こえますか?」

 

『『聞こえるよー』』

 

『こちらソウリュウ、敵の解析を完了。ル級1、タ級2、リ級elite5、ツ級4、イ級7』

 

「多いですね。一から三番主砲、一、二番副砲、各目標をロック、空対艦ミサイル、発射準備、艦首ミサイル、発射準備!」

 

『新たにワープアウト反応、解析、完了。敵は、ヌ級flagship!』

 

「ヤマト、イセ航空隊発艦準備!全機、緊急発艦!急げ!」

 

『了解!』

 

「イセ、ムツ、ハルナ、照準は」

 

『問題なし』

『発射準備完了』

『いつでも撃てます!』

 

「全艦、撃ち方始め!」

 

ヤマト以下三艦から蒼白い光が放たれ、ル級、タ級、リ級3が沈む。又、航空隊の攻撃により、ヌを撃沈。巡洋艦隊は、近接魚雷戦がうまくいき、ツ級2、イ級4撃沈した。

 

「残った敵を掃討します!全艦、全主砲、斉射ーーー!!」

 

ソウリュウ以外の全艦から蒼白い光が放たれ、全ての敵が沈む。

 

フミヅキ「凄い…」

キヨシモ「これが、この世界のヤマトの力……」

 

「各艦、損害を報告」

 

「全艦損害を確認せず」

 

 

「キヨシモさん、フミヅキさん。彼方のヤマトに、これを…」

 

キヨシモ「わかった」

フミヅキ「任せて」

 

 

(ヤマト、こちら島、ワープ準備完了)

 

「了解、イセ、ソウリュウ、行きましょう。」

「「うん」」

 

〔さようなら、地球、私達は必ず帰る。必ず帰ってきます!〕

 

「ヤマトさん?」

「ごめんなさい、何でもありません。行きましょうか。全艦、ワーープ!」

 

ヤマト達が先程までいた宙域から姿を消した。ワープに成功したのだ。

 

フミヅキ「戻ろうか。皆行っちゃったし」

キヨシモ「うん」

 

フミヅキ、キヨシモ「ワープ!」

 

 

[異世界の友へ、負けても挫けないで]




次回、宇宙艦これヤマト2199第三章第二話「死か、それもと死か、突入!グリーゼ581」

人類滅亡まで、後、342日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「いやぁ~、遂に太陽系を抜けましたねぇ」

あぁ、やっとだな。

ヤマト「設定としては、まだガミラスの位置を知らないんですよね?」

あぁ、そうなっている。

ヤマト「この作品はどこまで続けるつもりなんですか?」

やれるなら星間国家連合までかな?

ヤマト「結構続けるつもりですね。」

途中挫折する可能性もあるけど、2202までは絶対にやるよ。ただ。今の2202、最終章でヤマトが沈んだら、話が終わる…

ヤマト「でも、旧作の2,3、永遠に、完結編、復活篇、劇場版、さらば、新たなる旅立ち全部見たなら何とか…」

なるかなぁ、次回の、結構大変なことになると思うしなぁ~~


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死か、それとも死か、突入!グリーゼ581

「ソウリュウ、現在位置は?」

 

「太陽系から約8光年に位置する、シリウス恒星系を、18sknotで航行中」

 

「此処が、あの地球の姿が見る事の出来る最後の宙域ね」

 

「あの地球?どういう事?イセ」

 

「まあ見てなさいな。ソウリュウ」

 

「は~い」

 

「?」

 

「これが、8年前の、地球が攻撃を受ける直前の最後の姿よ」

 

「そして、ヤマト、貴女が発見される二年前の地球よ。」

 

「これが、地球、写真では見たことがあるけど、綺麗ですね。」

 

「ヤマト、皆、この地球の姿を覚えておいて。これが、私達が取り戻すべき、本来の地球の姿よ。」

 

「分かりました。良く覚えおきます。」

 

 

 

「皆さん、これより、ワープに移行します。ワープアウト先は、グリーゼ星系です。全艦、ワープ準備!」

 

「「了解!」」

 

 

 

ガミラス本星

 

 

 

演説を終えたデスラーは、拍手と共に多くの官僚に迎えられた。

 

 

 

「セレステラ、例の、何だったかな?」

 

「ヤマトですね。」

 

 

 

セレステラと呼ばれた女は前に出て、全体に話しかける。

 

 

 

「今宵、皆様には、帝国最前線の映像をご覧頂きます。」

 

「何故その様なものを?」

 

「それは、この作戦を、総統御自身が立案されたからです。」

 

 

 

周りがざわつく。

 

 

 

映像が展開される。

 

 

 

ヤマト後方、シュルツ乗艦のガイデロール(艦娘の間ではル級)

 

 

 

「ヤマトガゲシュタムジャンプヲシタ。追ウカ?」

 

(勿論だ)

 

「ダロウト思ッテトレースシテイル」

 

 

 

(ゲール司令から補給です!我々は、まだ見捨てられていなかったのです!)

 

 

 

「ホントウカ」

 

(そうか、ならば、補給を受け次第、直ちにジャンプでヤマトを追う)

 

「(ザ・ベルク!)」

 

 

 

ヤマト

 

「ワープ完了、艦隊各艦、損傷を確認」

 

「確認できず。全艦異常無し。」

 

「ソウリュウ、現在の宙域は?」

 

「グリーゼ星系の、グリーゼ581付近です。」

 

「アカシさん、次元アクティブソナーでシオイさんがついて来ているか確認してください。」

 

「了解……次元アクティブソナーに感有り。音紋照合完了、次元推進音、イ401と確認」

 

「了解しました。この恒星け…」

 

 

 

ヤマト艦隊の全艦に電撃が走る。

 

 

 

「な、何が…イセ、分かる?」

 

「プラズマ波の様だよ。フレアとかから飛ばされてくる。」

 

「な、成る程」

 

「でもおかしい。通常の数値よりかなり高い。」

 

「まさか……」

 

「明らかに人為的に撒かれているものだよ」

 

 

 

ガミラス本星

 

 

 

映像通信機に、ゲールが写し出される。

 

 

 

『銀河方面軍司令官、ゲールであります。総統閣下。今回はこのような作戦に私めを参加させて頂ける事は大変光栄であり…』

 

「もういい、ゲール君、報告したまえ」

 

『は!現在のヤマトは、ネズミが罠にかかった状態であり、又、後方からは、新型魚雷…』

「デスラー魚雷」

『デスラー魚雷を搭載した艦が居ます』

 

ヤマト

「レーダーに感有り!ガミラス艦、艦隊後方12000!」

「対艦戦闘用意!」

「敵艦、魚雷発射!」

「迎撃用意!」

 

「迎撃可能限界まで、後10,9,8,7,6,5」

 

ヤハギが叫ぶ

 

「ヤマト!まだ撃たないのか!」

 

「3,2」

 

「艦尾魚雷、ってーー!」

 

「敵魚雷撃破確認、異常無し」

「ふぅ、良かった」

「…待って!敵魚雷からガス状の生命反応を感知!」

 

「え!?」

 

すると、ハルナが震えた声でヤマトに話しかけてきた。

 

「ヤマトさん、あ、あれ、何ですか?」

 

「な、何、あれ、ガス、よね?」

 

ガミラス本星

「これは、一体…」

 

ヒスの疑問に、デスラーが答える。

 

「何、とある惑星に住むガス生命体を魚雷に組み込んだだけだよ。さぁヤマト、どう乗りきる」

 

デスラーが不敵な笑みを浮かべながら画面を見ていた。




次回、宇宙艦これヤマト2199第三章第三話「ヤマト、波動砲でフレアを撃て!」

人類滅亡まで、後、325日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「作者さん」

はい、

ヤマト「やらかしたそうですね」

はい、

ヤマト「何故しっかり保存しなかったんですか?」

いえ、その、一気に作り上げようと思いまして油断してました…

ヤマト「とある人が言っていたじゃないですか!」

あるひと?

ヤマト「『油断、怠慢、すなわち…』」

わーーーーーーーー!それ以上は駄目ーー!違うやつーー!

ヤマト「て、一つ要請が来ているのですが」

要請?

ヤマト「えぇ、重巡洋艦で、鎮守府内の多くの人からは、とあるアニメに出てくる紫色の髪をした軍人気質の癖に普通の女子高生を自称する女の子に似ている艦娘さんからで、」

おい、それ、何とか戦隊の隊長的立ち位置に居そうな那智じゃな…

ギロ

な、那智姉じゃないですか~、ハハハー
(何か恐ろしい視線を感じた)

ヤマト「はい、そうですよ?で、本人から、『私の出番は無いのか』と、」

2202まで無いです

ヤマト「分かりました。そう伝えておきます。」

それではまた次回


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ヤマト、波動砲でフレアを撃て!

グリーゼ星系に到達したヤマトを追うガミラス艦から発射された魚雷を迎撃したヤマト達に魚雷から出てきたガス生命体が襲いかかる。これをどう切り抜けるのか!


ガミラス本星

 

「総統、これは一体…」

「何、ある惑星のガス生命体を魚雷に組み込んだだけだよ。さぁヤマト、どう切り抜けるのか見せてもらおうか…」

 

ヤマト

「や、ヤマトさん、あ、あれ、何ですか?」

 

ハルナが言った方向を向くと、黒いガス状の生命体が迫ってきていた。

 

「な、何あれ、ガス?……」

 

皆が狼狽える中、ヤマトとイセは落ち着いていた。

 

「皆さん落ち着いてください。あのガス生命体は、イセさんの解析でエネルギーを吸収して成長する事が判明しました。すぐに離脱します。イセさん、プラズマ波の隙間を探してください。」

「わかったわ」

 

ガミラス本星

 

「諸君、私は、ヤマト達に一つの逃げ道を用意したのだよ」 

 

デスラーの言った逃げ道が表示される。

 

「これは…」

 

「例えヤマトが逃げ道を見つけても、赤々と輝く熔解炉が口を開けて待っているのだよ。」

 

一拍置いてからデスラーが言った。

 

「諸君、ヤマト達が選択した道は、我々が拍手で健闘を祈ろうじゃないか」

 

「がはははは、罠に引き入れた敵に健闘を祈るとは、総統も『相当』冗談がお好きですな。」

 

その男は再び笑い出すが、それを不快に思ったデスラーは、椅子の隠しスイッチを弾きその男を落とした。

 

「ガミラスに下品な男は不要だ。、では諸君、ヤマト達がどの選択をするのか、じっくりと観察しようではないか。」

 

ヤマト

「イセ、解析は!?」

「出来た、けど……」

「けど?」

「これ、見て」

 

イセがそう言って全員に見せてきたのは、プラズマ波が出ている空間図だった。

 

「嘘、でしょ?」

「残念ながら、真実よ」

 

ソウリュウが嘆く。

 

「そんな……」

 

すると、ヤマトが口を開く。

 

「前門の虎、後門の狼、ですか…」

 

pipipi pipipi pipipi pipipi

カチャ

 

『ヤマト』

「何でしょうか、艦長」

 

〔(小声状態)あれ、何?アカシ〕

〔新開発の妖精間無線通信機です。〕

〔なんだか右肩の方に追加されたと思ったら、それだったのか〕

〔はい、何でも、あのゲームを模してほしいとか〕

〔あのゲーム?〕

〔え!?ソウリュウさん知らないんですか?20世紀から21世紀前半に販売されていた、coma〇〇製作のあの名ゲームを〕

〔わかんない〕

〔そんな~、メタ〇ギアですよ、メタ〇ギア〕

〔いや、わかんない〕

〔そんな~〕

 

一方ヤマト

『艦隊を率いてこのままグリーゼ581に向かえ』

「で、ですが艦長!」

『入り次第私からの指示に従え』

「ですが…」

『いいな?』

「わ、分かりました。」

 

「皆さん、艦長には、何か策が有るようなので、命令に従い、グリーゼ581に向かいます。どちらにせよ、出口は其所しかありません。全艦、両舷増速!最大戦速!機関一杯!」

「「「了解!」」」

 

ガミラス本星

「諸君、テロン人達は、どうやら焼身自殺の道を選んだようだ」

 

デスラーがゆっくりと拍手を始め、それに続いてその場の官僚達も拍手をし、拍手の音が響き渡った。

 

ヤマト

 

ヤマト達は、グリーゼ581の真上に来ているために、物凄い熱気や熱な襲ってくる。

 

「艦内の冷却が間に合わない。しかも耐熱限界が近い。」

『ヤマト、艦内の全員は船外服を着用した。全シャッターを下ろし、波動防壁を展開しろ。』

「分かりました。全艦、シャッター下ろせ、波動防壁展開」

「「「了解」」」

 

すると、ソウリュウが異変に気付く

 

「こ、これは…、後方のガス生命体が消失しました!」

 

イセが仮説を説明する。

 

「成る程、我々よりもエネルギーの多い恒星を呑み込もうとして、逆に吸収されたというわけね。艦長はこれを狙っていたのか」

 

ヤマトが口を開くがとんでもないことを言う

 

「いやぁ~、この艦隊に瑞鶴さんとか加賀さんが居なくてよかったです。うっかり口を滑らして『焼き鳥』とか『七面鳥』とか言っていたら、確実にリンチですね。」

「ちょぉ、ちょぉ、ちょぉ、何言ってんの!ほんとだよ危ないなぁ」

「「「ハハハ」」」

 

「前方にフレア」

「全艦取り舵回避!」

 

「回避完了」

「ふぅ」

「気を抜かないで!」

「「「はい」」」

 

「前方に巨大フレア!」

「回避!」

「大きすぎて回避できない!」

「どうすれば…」

 

pipipi pipipi pipipi pipipi

カチャ

 

「はい、艦長」

『ヤマト、波動砲でフレアを撃て!』

「は、フレアをで、ありますか?」

『復唱はどうした!』

「は、はい!宇宙戦艦ヤマト、波動砲でフレアを撃ちます!」

 

「「「………」」」

 

全員が固唾を飲んで見守るなか、ソウリュウが叫ぶ

 

「ヤマト!艦隊後方に戦艦ル級、いえ、ガイデロール級戦艦接近!」

「構わないで!応戦する暇はありません!」

「敵戦艦発砲!」

 

ガイデロールの放った主砲がヤマトに当たる

 

「くっ、まだ、もう少し」

「ヤマト!」

「電影クロスゲージ、メイド9、波動砲エネルギー充填120%、発射10秒前!9,8,7,6,5,4、対ショック対閃光防御!2,1、発射ーーーー!!」

 

ヤマトから発射された蒼白い閃光は、フレアを引き裂いて通っていった。

 

「今です!突破口はすぐに閉じます!最大戦速で突っ切ります!」

「「「了解!」」」

 

後方のガイデロール

「司令、追ウカ?」

(もちろんだ!急げ!)

(艦内温度急上昇れ艦、耐えきれません!)

「グ、グア、ト、溶ケル……」

(シュルツ司令万歳!)

((シュルツ司令万歳!))

 

轟音を響かせガイデロールが沈む

 

ガミラス本星

「映像、途絶しました。」

「「「」」」

 

全員が途切れた画面を見ていた。

 

「……」

『あ、あの、総統、これは全てあのシュルツめが』

「…」

 

デスラーは無言で強制的に連絡を切る

 

『あ、あら?』

 

「諸君、テロン人達は、悪運が強いようだな、それでは、お休み、諸君」

「「「お休みなさい」」」

「そうそうセレステラ、あのテロンの船、何といったかな」

「ヤマトです。」

「ヤマト、覚えておこう。」

 

「…」

「どうしたのですか?タラン」

「あの最後に放った兵器、兵器開発局で制作中の武器に似ているような……」

「気のせいでしょう。」




次回、宇宙艦これヤマト2199第三章第四話「ワープ失敗、全てが逆の世界、次元境界面」人類滅亡まで、後324日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「作者さん、久々に2000文字越えましたね。」
そうだな。
ヤマト「ところで、」
はい、
ヤマト「後二話で三章終了は早くないですか?」
オルタの話は艦娘が全くといっていいほど出てこないから。2199第四章の最終話の『魔女は囁く』でもおんなじだね。
ヤマト「でも、そうすると2199最終話一話前のデスラー戦ではオルタのウイルスがキーじゃないですか!」
だから、飛ばした話の次の話は、前の話の内容が、艦娘の間で出てくるよ。
ヤマト「無茶苦茶じゃぁ」
言わないでくれ……
ヤマト「次の話はいつですか?」
来月の7日位かな。宇宙戦艦道の方に力を注ぐから。
ヤマト「そうですか」
うん。それでは、待っていてくれる皆様、12/7までしばしお待ちを。さようなら
ヤマト「さようなら」


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ワープ失敗、全てが逆の世界、次元境界面

デスラーの魔の手とグリーゼ581の灼熱地獄から逃れたヤマトたち。
彼女達は、再びワープをしようとしていた。

※今回は、ヤマトのみでストーリーが進みます。ほかの艦と合流するのは次回になります。ご注意ください。


「これより、ワープに移行します。各艦、衝撃に備えて下さい。」

 

すると、ソウリュウが

 

「何か、もう慣れたよね。」

 

アカシやムツも同じく

 

「確かにそうだね。」

「初めてワープした時はちょっと大変だったけど、2,3回やっちゃうとね。」

 

「皆さんしっかりしてください!今までは成功していましたが、ワープはかなりのリスクを伴っているんです!何時何があっても良い様に備えていないといけません!」

 

ヤハギやフブキはヤマトに賛同してくれた。

 

「その通りだ。私達はまだ2,3回位しかやっていないんだ。誰かが別の場所に行ってしまう可能性もあるんだ。」

「そうですよ!失敗したら誰かが死んじゃう可能性もあるんですよ!」

 

ソウリュウ達は

 

「気を抜きすぎていたのは認めるけど、多少はリラックスしても良いんじゃないかな?」

 

と、相変わらず楽観主義だった。

 

「ワープ開始します!……、ワープ!」

 

 

「ん、……」

 

ヤマトは異変に気付いた。本来ならばここら辺の自分達の時間は止まっているはずなのにも関わらず、ヤマトは動けているのだ。

 

「お、おかしい。何で動けて……。」

 

ヤマトは腕の時計を見てみた。その時計は、何時も道理に動いていたのだ。

だが、理由は分かった。

ヤマトも馬鹿ではない。ただ単に、宇宙の知識が乏しいだけであり、艦娘の中では一、二位を争う頭の良さを誇るのだ。

 

「周りに仲間が見えないところを見ると、私だけがこの空間に居て、皆と同じくワープ中でわあるものの、1ナノ秒の空間に居ると言うわけね。その影響で私はこの空間で意識があり、動けているわけね。」

 

理解した直後、ワープアウトするが、凄まじい衝撃がヤマトを襲う。

 

「くっ!……」

 

ヤマトが出現した、いや、ワープアウトした空間は、よく分からない空間だった。

 

「一体、この空間は………、っ!推力が低下している!?そんな!波動エンジンからエネルギーが漏れている!?おかしい、本来なら真空から無限にエネルギーを生成するのに………!、まさか!この空間では、逆に放出してしまう!機関を止めれば多少は流出が抑えられるはず……」

 

すると、ヤマトの帽子についているレーダー機能に反応が有った。

 

「前方に浮遊物体?………、こ、これは……。成る程、此処に迷い込み、行き場が無くなりここで無くなったガミラス艦ですか。」

 

アナライザーから通信が入る。

 

「何?アナライザー。」

 

『前方に、ガミラス艦』

 

ヤマトが前を見ると、確かにタ級、いや、ケルカピア級巡航戦艦が居たが、生きていた。

 

「!、アナライザー、あのメルトリア、生きてるわ!」




次回、宇宙艦これヤマト2199第三章最終話「共闘せよ!地球・ガミラス、次元断層脱出作戦!」
人類滅亡まで、後、318日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ヤマト「予定道理七日に更新しましたね。」

うん、

ヤマト「あの、」

はい、

ヤマト「私の帽子に触れるの遅くないですか?」

すみません。

ヤマト「レーダー機能だけなんですか?」

いえ、主砲やミサイルの照準装置も備えています…

ヤマト「それだけですか?」

その他には、ホログラム投射による航路確認、現在地の確認。ガミラス語の翻訳機能(地訳、ガ訳)があります。

ヤマト「成る程、では、作者さんは罰としてバイカル湖の上下7往復の刑に処します。それでは、さようなら」

あの、凍死するんだk……


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共闘せよ!地球・ガミラス、次元断層脱出作戦!

ワープ中に異変を感じたヤマト。ヤマト一隻だけが次元断層に迷い混んでしまう……

※第三章最終話です。


「あのメルトリア、生きているわ!」

 

『敵ガミラス艦、臨戦態勢二入ッタ』

 

「艦長、殺りましょう。敵は一隻だけです。火力ならば此方が上です!」

 

(泥沼に足を踏み入れた二頭の獅子が、互いに逢い争えば、沈むだけだ。敵も、そのくらいの事は解っている筈だ。)

 

「はい、艦長。」

 

(ヤマトさん、艦長。敵艦が呼び掛けています。)

 

「回線を開いてください。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「アルファ2、発艦準備。敵艦載機、発艦を確認。零式、発艦してください!」

 

ヤマトからゼロが発艦する。

 

「アルファ2、此方ヤマト。アルファ2は、ガミラス機を第三格納庫まで誘導してください。」

 

ゼロと、ガミラス機、赤のツヴァルゲが並走し、誘導する。

第三格納庫に収用されたガミラス機を保安部が囲み、沖田と古代が出迎える。

 

話の内容は簡単だった。ヤマトの波動砲で次元断層を撃ち、メルトリアが曳航しつれていくと言うことだ。又、あり得ないことも言ってきた。

 

『地球が先に攻撃を仕掛けてきた。』

 

と、

 

艦長は、この提案を承諾し、ガミラス艦と交信することになった。

 

『私は、ガミラス宇宙軍、メルトリア級巡航戦艦、EX178(と、その艦長の、ヴァルス・ラングだ。)』

 

「国連宇宙軍所属、宇宙戦艦ヤマト(同じく艦長の沖田十三だ。ヴァルス艦長、貴官の提案に感謝する。)」

 

『(我々も丁度、この次元断層に迷い込み、途方にくれていた所だ。貴艦が役目を果たした後は、我々が、責任を持って、曳航する。だが、この空間を出た後は敵同士だ。貴艦と砲火を交えることを、楽しみにしている。)』

「私モソウ思ッテイル、ヤマト」

 

「えぇ、イナヤさん。」

「イナヤ?」

「はい、EX178だと言いにくいので……。ダメでしょうか?」

「イヤ、悪クナイ。イナヤデ良イ」

「ありがとうございます。」

 

イナヤは、挨拶を終えると、射線上から退く。

 

「波動砲、発射準備に入ります。セーフティロック解除。強制注入機作動。最終セーフティ解除。ターゲットスコープ、オン。電影クロスゲージ、明度20!対ショック、対閃光防御!10,9,8,7,6,5,4,6,2,1、発射ーーーー!!」

 

例の如く、砲口から蒼白い閃光が放たれ、次元断層にあたり、次元境界面が形成される。

 

「コレヨリ、ヤマトヲ曳航シ、共ニコノ空間ヲ脱出スル」

 

「(牽引ビーム射出!)」

 

「イナヤさん…」

「ガミラスハ、結ンダ約束ハ、例エ敵デアッテモ守ル」

 

「(艦長もこの船も出来損ないか!私は艦橋を降りる!)」

 

すると、突然牽引ビームが途切れた。

 

「どう言うことですか!イナヤさん!」

「ワタシノ意識ヲ介サズニ勝手ニ長空間通信ト牽引ビームノ解除ガ……。マサカ!アノ、親衛隊ガ!」

 

すると、急に牽引ビームが再び射出され、ヤマトを曳航する。

 

「先程ハ、スマナカッタ、ヤマト。艦内デチョットシタ問題ガ有ッテ勝手ニビームヲ切ラレタ。ダガ、モウ少シダ。」

 

「はい!」

 

(開口部が閉まり始めている!)

 

「後何分!」

(後、凡そ3分!)

 

 

ヤマト達は、遂に出ることが出来た。安堵していると、突如、ワープアウトしてくる艦隊が有った。

 

「マサカ!サッキノ長空間通信デ!」

 

「イナヤさん?」

 

『EX178、ドケ!ワタシ達ノ射線ニ入ッテイル』

「ゲルガメッシュ…」

『繰リ返ス、EX178、ドケ!』

「ドカナイ!ヤマトハ、助ケアッタ仲間ダ!」

『仲間ダァ?笑ワセルナ!ドケ!EX178!』

「一ツ言オウ。私は、EX178デハナい!イナヤだ!」

『ナンダト!バカヲ言ウナ!全艦、EX178事撃テ!』

「ヤマト……、ありがトウ」

 

そう言って、イナヤが此方に見せた顔は、誇らしい笑顔に満ちていた……

 

「イナヤさん!」

「サラばだ、ヤマト。」

 

その瞬間、イナヤに砲火が命中する。

 

「イナヤ、さん……」

 

(ヤマト、右回頭、逃げるぞ)

 

「分かりました……」

 

回避した直後、ガミラス艦隊が境界面に吸い込まれていく。

 

「そうか。閉じようとする反動で開口部が急激に吸引力を増して知るわけか!」

 

そんな中、イナヤがゲルガメッシュと言っていた艦が逃げた。仲間を置いて。

 

「機関のエネルギーは問題なし。正常に増加中。」

 

ヤマトは、付近に散乱していたイナヤの残骸を見ていた。

 

「……これは…。」

 

ヤマトは、緑の艤装の欠片を一つ拾い、一部に穴を開け、紐を通して首にかけた。

 

「行きましょう、艦長」

(あぁ)

 

ヤマトは、敬礼をし、ワープでその場を去った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ワープアウトした先には、皆が待っていた。

 

「ヤマト…」

 

ソウリュウが前に出てきた。

 

「……」

「ソウリュウさん?」

 

すると、ソウリュウが急に抱きつき泣いてきた。

 

「よがった~~~!よがったよぉ~~~!」

「ソウリュウさん!?」

「ごべんなさい、ヤマト、これからは緊張感持って慎重にワープするから!もういなくならないでぇ~!」

「すみません。心配かけてしましましたね。」

 

と、ソウリュウを抱き返す。

 

すると、イセがヤマトの首元に違和感を感じ、訪ねた。

 

「ヤマト、首のそれ、ガミラスのじゃ……」

 

「はい、」

「何でそんなものを…」

「これは、私の大切な仲間の記しです。一緒に生き抜こうとした証です。」

「そうなんだ…」

 

ヤマトがつけていたものには、ガミラス語で、こうかかれていた。

 

[EX178]

 

と。

 

「さぁ皆さん。行きましょ……」

 

ヤマトの左舷後方を爆発の衝撃が襲う。

 

「何処から!」

「ヤマト!魚雷攻撃!」

「そんな!」




次回、第四章『潜宙戦』第四章第一話「魚雷戦!、幻と狼の戦い。」

人類滅亡まで、後、316日。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
三章が終わりました。次回はシオイが活躍する筈です。

ヤマト「筈ってなんですか、筈って。」

いや、ほら、ここで沈められないからさ、狼のUX-01を、ね?最後の方でゲルガメッシュ足止めしてくれるしさ?

ヤマト「じゃあどうするんですか?」

どうしよう……

ヤマト「考えてないんですか!?」

うん、次回の投稿は絶対に新年になるもん。

ヤマト「それまで何をやるんですか?」

コミケとか、艦これとか、いぶきのプラモ製作とか。

ヤマト「それじゃあ仕方ありませんねってなると思います?暇なんだったら作ってください。」

いや、ほら、この作品を楽しみにしてくれてる人とか居るかわかんないし。

ヤマト「急に卑屈にならないでくださいよ!1000以上のUAついてるんですから!沢山いる筈です!ほら!元気出して。」

どちらにせよ、新年になることは確実ですので、ご了承下さい。

ヤマト「それでは、良いお年を。」


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第四章 潜宙戦
魚雷戦!幻対狼の戦い。


ワープの際、ヤマトのみが1ナノ秒の空間に迷い混んでしまった。迷い込んだ先の空間は、時空の性質が反転する次元断層。
そこに、同じく迷い混んでしまったガミラス艦と共闘し、共に脱出に成功した。しかし、ヤマトがイナヤと呼び共闘した彼女は、同じガミラスによって沈められる。イナヤを沈めたガミラス艦隊の半数以上は次元断層に取り込まれた。
ヤマトはワープでその場を離れ、艦隊の元へと戻ったが、その直後、見えない敵からの雷撃を受ける。

第四章『潜宙戦』始まります。

※歴代最短で終わる可能性があります。ご注意ください。


原子恒星系

 

「雷撃2、来ます!」

 

ソウリュウが言った後直ぐに付近で爆発が起こる。

 

「微惑星に着弾。周辺に艦艇は探知出来ず。」

「分かりました。シオイさん、そちらはどうでしょうか?」

 

『此方も見つからない。』

 

「了解しました。シオイさんは引き続き、索敵を、ソウリュウさんは、」

「また来た。雷撃、今度は4。……微惑星に着弾。敵の探知は出来ず。」

「またですか……」

 

すると、アカシがぼやき始める。

 

「もう4時間もこうしているんだよ?こっちだって我慢の限界があるの」

「根比べは続くよ、ね」

「でも、ヤマトさんは流石です。」

「あぁ、そうだな、こんなに星間物質が有るから、敵も我々の空間航跡は見つけられないだろうしな。流石は艦隊旗艦様だ。」

「お褒めに預り光栄です。ヤハギさん。ですが、此方も此方で、面倒なんですけどね。」

「まぁ、辛抱強く待つしかないでしょ。」

 

 

「また一本来ます!………微惑星に着弾。距離二百」

 

 

「ヤマト」

「何ですか?イセさん」

「微弱だけど、次元振を感知したの、恐らくだけれど、ヤマトの見立て通り潜ってるのかも。」

「その可能性が高いですね。…、では、これより、敵を次元航行能力を有する潜宙艦として対処を開始します!対潜哨戒用意!哨戒機発進準備!」

 

すると、ムツが呼び止めた。

 

「まってヤマト。哨戒機を出す位なら、次元アクティブソナーを仕様するべきよ。」

「ですが、ピンガーを仕様すれば、此方の位置がトレースで判明しかねません。」

「じゃあ貴女は、こんなに濃密な宇宙塵の中に哨戒機を出すの?それは自殺行為よ。そんな役割を、誰の哨戒機に任せると言うの?」

「私の哨戒機に任せます。」

「ダメよ!」

「イセ!」

「この状態で貴重なシーガルを失うのは出来ない。それに、この状況ならばムツ案の方がより先決よ。だから、敵を感知し次第使用する。」

「……分かりました。ピンガー発信用意」

 

レーダーを見張っていたソウリュウから連絡が入る

 

「エンジ音聴知!波形は……、ガミラスのものだよ!」

「ヤマト、」

「分かってます。ピンガー、って」

 

次元空間

 

「ピンガー!?何で、トレースしてくださいと言っているようなものじゃん!急速無音浮上!シーガル発艦用意。搭載装備は、亜空間ソノブイ」

 

 

ヤマト

「第三格納庫、ハッチオープン。対潜装備にて発艦してください。」

 

ヤマトは、皆にばれない様に小声で発艦指示を出し、発艦させた後、少し前に沖田艦長に言われたことを思い出していた……

 

『もしそれが命令であったとしても、間違っていると思ったら立ち止まり、それを正す勇気も必要だ』

 

「次元空間から浮上する物体を感知!これは…シオイ?何で」

 

電子双眼鏡をのぞいていたイセがおかしいことにきずく

 

「シオイから、シーガルの発艦の確認。もう一つは誰の…」

 

「新な次元震を探知!これは…、ガミラスのものです!、ピンガーがトレースされてるよ!」

「そんな……」

 

「機関始動!直ちにこの場を離れる!」

 

イセの指示で、艦隊が移動を始める。

 

「シーガル、ソノブイ、投下開始してください!」

 

ヤマトが、シオイと自分のシーガルに指示を出す。




次回、宇宙艦これヤマト2199第四章第二話「潜宙戦、始め!」
人類滅亡まで、後、314日
______________________
皆さま、あけま

ヤマト「あけましておめでとうございます!」

横取りされた……

ヤマト「作者さん、新年になってから一週間が過ぎたんですよ!」

すみません……

ヤマト「多くの作者さんは新年になってすぐに投稿したのに、家の作者と来たら………」

すんません

ヤマト「四章次回で終わっちゃいません?そんな気がするんですが……」

確かに本編は終わるけど、計画として、後、魔女は囁くのストーリーとして、過去の、深海棲艦時代の話を出す予定にしてるから、歴代最短終了は免れると思うよ。

ヤマト「それならいいんですが……」

まあ、また次回に

ヤマト「本年も、宜しくお願いいたします」


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潜宙戦、始め!

敵を潜宙艦と断定し対処を始めたヤマト艦隊。ムツの提案した亜空間トランスデューサーを応用した亜空間ピンガーがトレースされる。
ヤマトは、反対されていた亜空間ソノブイの投下を行うため、シーガルを発進させる………




「シーガル、ソノブイ投下開始してください!」

 

ヤマトが、自分から発進したシーガルに対して命令を出す。

しかし、反対していたイセからは反論が来る。

 

「ヤマト!どういう事!」

「トレースされたピンガーは当てに成りません。ソノブイなら、位置がバレずに叩くことができる。だから、カモフラージュの為にもシーガルを出したのです。」

「貴女ねぇ!」

「此方ヤマト、シーガル、敵射線を確認できしだい、データにてこちらに送られたし。」

 

『此方シーガル、了解』

 

「シオイさんは、一、二番に次元魚雷を装填して、次元雷撃戦に備えてください。」

 

『了解』

 

「ヤマト、データ来たよ!」

「有り難う、ソウリュウ。対空迎撃!」

 

『此方シオイ、敵潜確認、攻撃許可を』

 

「了解しました。一番は牽制、二番は艦首を。それでまだ抵抗するようでしたら、撃沈を許可します。」

 

『了解。一番発射!』

 

ヤマト達からは見えていない次元断層で、シオイの放った、無誘導牽制魚雷が走る。UX-01は、予想道理回避し、二発目のコースに入った。が、敵も魚雷を撃つ。これは牽制では無く、シオイへの直撃コースだった。

 

「くっ、二番、データ入力緊急変更。目標敵魚雷!ヤマト!そっちに二本魚雷が行った!」

 

『分かりました。』

 

「二番、ってーー!!」

 

シオイの放った魚雷は、敵の放った魚雷に命中し、爆発を起こす。これによって、聴音は出来なくなる。しかし、シオイは、自分の勘を信じて、予備装填をしていた三番を放つ。すると、再び命中音がなる。駄々もれの通信からは、敵の潜望鏡をやったと言っている。

 

「あ、危なかった~~~~。っと、報告報告。此方次元断層シオイ。多少ハプニングは有ったが、目標の攻撃力の奪取に成功。間も無く浮上すると思われる。これより私も完全浮上にて艦隊に合流、以上。」

 

『此方ヤマト。了解。お疲れ様でした、シオイさん。』

 

ヤマト

「皆さん。シオイさんが完全浮上を完了すると同時に、最大戦速で現宙域を離脱。その後、ワープで敵を振り切ります!」

 

「シオイの完全浮上を確認!」

「最大戦速!全艦、ワープ準備!!」

「ワープ準備完了!!」

「ワープ!!!!」

 

ワープ直後、艦首が破損したUX-01が浮上してきた。

 

「ヤマトは確認できず。逃げたな……」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ワープ完了」

「全艦ワープアウト。各艦に損傷は認められない。」

「了解しました。これより二週間、対潜警戒を強化してください。」

「「「了解!!」」」




次回、第四章第三話「始まり」
人類滅亡まで、後、311日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「UX-01は、個人的には格好いいと思うんですよ。」

それは思った。

ヤマト「いきなり話変わりますけど、次回はどういう話なんですか?」

魔女は囁くの前置き(古代と雪のイチャイチャ)をやって、二人がヤマトを元に戻す話しです。聞かれる前に言うと、ソウリュウたちも記憶のやつやられるけど、ガミラスに名前がバレてるのはヤマだけだから、ヤマトだけが連れていかれそうになってる(設定だよ)。

ヤマト「そうですか……。眠ってる皆さんはどうするんですか?」

バランの遺跡でミレーネル死んじゃうから、皆のやつも解けるよ。

ヤマト「成る程」

それではまた次回


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始まり

UX-01から逃げ延びたヤマト達。彼女達は、バラン星を目指す。しかし、何かが襲い来る。


『例の潜宙艦はもうおってきていないみたいだな。』

『この辺りはもう安全ね。……ぁ、綺麗』

『あっちが僕たちの居た銀河系。で、前に有るのが、僕達の目指す大マゼラン。』

『ね、古代君』

『何?』

『いい機会だし、操縦。交代しない?』

『駄目』

『何でよ、良いじゃない』

『大事な機体を失いたくない。』

『ちょ、それ、どういう意味よ』

『そのままだけど?』

『古代一尉、船務長命令です。操縦を交代しなさい。』

『戦術長権限で、お断りします。』

『貴方、この前の一件で、戦術長権限停止中でしょ。』

『あ、それ言っちゃうわけ』

『言っちゃいます~』

 

「青春してるわね~」

「ムツさん、お母さんみたいですよ?」

「それよりも、駄々漏れになってること言ったら?」

「えぇ、003、此方ヤマト。言いにくいんだけど、会話、丸聞こえだよ?」

 

『『え』』

 

「あ、あれ?雪?」

「歌も聞こえる。」

「雪、これは雪だ………」

 

『ヤマト、応答しろ、ヤマト!』

 

すると、雪が操縦を取り、反転する。

 

『ちょ、森君!?』

『ヤマトに帰艦します。』

 

戻ってきたときのヤマト達は、縦回転をしていた。

 

『駄目、格納庫にアクセス出来ない』

『操縦、返してもらうよ。』

 

『シドー、回転と同機を同調』

『分カリマシタ』

 

『一体、何が……』

『わからない』

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

西暦2028年3月18日 日本 ニュース

 

『本日未明、千葉県銚子港へ緊急寄港した、海技教育機構の練習船青雲丸が、何者からか攻撃を受け、神戸大学3年生の高松祐太さん(21)と、東京海洋大学の4年生白浜幸人さん(22)が亡くなったと、防衛省が発表しました。又、凡そ20名の負傷者が出たとのことです。先程の記者会見で、防衛大臣は、防衛閣議を開き、これの対策などを行うと発表しました。次のニュースです……』

 

 

 

 

 

太古より人類は、異形の存在との戦いを繰り広げて来た。

 

この国で昔有った、山田の大蛇は剣に、『霧』は『蒼の艦隊』に、我々は、我々の力では乗り切ることは出来なかったが、何か、いや、何者かに手を貸して貰うことにより、一段と強くなった。

 

このニュースが流れた時、人類の、誰一人として疑問を持つことはなかった。『新たな未知の敵』が現れることに。それよか、日本は北朝鮮を言及、国連で問い詰めるような事をした。しかし、まだ知らなかった、この後、霧の時よりも酷い危機が訪れることに、ただ一人を覗いて…………

 

 

 

『彼女』は、このニュースを見ていた。この戦いの切り札と成る『彼女』は、既に危機を察知していた。

 

二ヶ月後 5月18日 N○Kニュース

 

『こんにちは。正午に成りました。全国のニュースをお伝えします。本日政府は、全船舶に対し、艤装を強化し、謎の攻撃に耐えられる強度にすることを義務化しました。又、防衛省は来月、第5護衛隊群を、近海へ、哨戒に向かわせる事を発表しました。次のニュースです………』

 

この時、海外でも謎の攻撃を受けた似たような被害が続出していた。世界の多くが、北朝鮮、韓国を責めたが、その後、韓国や北朝鮮の船舶も同じような攻撃を受けたことから、本格的に謎化していく事になった。

 

一ヶ月後 6月24日 N○Kニュース

 

『こんばんは。ニュース7です。船舶を狙った相次ぐ攻撃事件。遂に、自衛隊が動き出しました。本日午前8時30分、海上自衛隊第5護衛隊群が、横須賀を出港しました。第5護衛隊群は、凡そ一週間の哨戒を終え帰ってくるとの事です。次のニュースです………』

 

『彼女』は、夕飯を食べながらこのニュースを見ていた。

夕飯を食べ終えた彼女は、直ぐそばに有った、『それ』を磨きだした。

『彼女』が何故出ないのか。出ないのでは無い、出たくでも、心の中の何者かが、まだその時では無いと語りかけてくるのだ。

 

この一週間後、予定道理に帰還した第5護衛隊群からの報告は、海上自衛隊第1、第2護衛隊群を動かすまでになった。これは、戦後初の、日本連合艦隊として、知られることになった。しかし、この連合護衛艦隊は、旗艦の航空防衛護衛艦いずも、イージス護衛艦こんごう、この二隻以外は帰ってこなかった。

又、これは、公開されていない事実だが、艦隊司令は、報告に、『人型をした敵が居た』と伝えた。

 

西暦2028年 12月8日 日○レ

 

『本日の国連決議にて、全世界に対し、第一級非常事態宣言と、国連軍の召集、協力者の募集を開始しました。又、一般船舶、旅客機等は全て国内航行のみと成りました。国連は、人型の敵生命体を、深海棲艦と名付け、自衛隊が戦闘体制に入りました。続いてのニュースです…………』

 

 

この月、人類は異常な速さで再び、制海権、制空権を失った。大国アメリカも、ロシアも、中国も、強いと言われていた全ての国が、なす統べなく、制海権を奪われ、空軍も、制空権を奪われた。この時、全人類は思っていた。この敵には、絶対に勝てないと。15年前の霧の災害では、まだ人類は抵抗できた。だが今回は、抵抗の余地さえも与えてくれないのだ。全ての生物が諦めていた。しかし、この時、まだ諦めていない組織が有った。自衛隊だ。彼等は何とかして勝つことは出来ないか模索していた。

 

そんなところに、『彼女』がやって来た。

 

『彼女』は、自分の生まれを知らない。

 

『彼女』は、自分がどこから来たか知らない。

 

『彼女』は、自分の本当の名前を知らない。

 

しかし、『彼女』は、奴等に対する手段を持っている。だから『彼女』は、基地司令に対し、こう言った。

 

「司令官さん。私は、彼等深海棲艦に対抗することのできる方法を、手段を持っています。私を使って貰えませんか?」

 

「君は、誰だ」

 

「帝国海軍、最重要軍事機密の一つ。超弩級戦艦。大和型一番艦。大和です!」




次回宇宙艦これヤマト2199第四章最終話「終結」
人類滅亡まで、後、304日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「原作では、一番会いたい人に会えたのに、私だけですかね?」

まぁ、今回の話は君の過去の話が主だからね。

ヤマト「成る程。ところで、私が話しかけた基地司令の名前って何ですか?」

一応、君の艦長の先祖だよ。

ヤマト「成る程。次回はどうするんですか?」

一応、吹雪の轟沈の話から始まって、君が沈み、その後、武蔵指揮で戦いが完全終結したとこまでかなぁ。その直後、古代が雪を助けた事に成ってるから、君が目を覚まして、ソウリュウ達を起こして終わり。

ヤマト「成る程。」

それではまた次回


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終結

謎の雪の影響で、ヤマト達は眠ってしまった。その夢の中で、ヤマトは、昔の自分の記憶を見ていた。

その記憶は、ヤマトが、まだ大和として在った頃の話。

第四章最終話「終結」


大和が、横須賀基地司令に直談判しに行った翌日、大和は、防衛省に呼ばれていた。

 

防衛省

 

「これが、防衛省ですか……」

 

中に入り、10分程待つと、秘書ではなく、防衛大臣本人がやって来た。

 

「始めまして、大和さん。私は、防衛大臣の、島辺です。」

「戦艦大和です…」

「本日貴女にお越し頂いたのは、貴女に御聞きしたいことがあるのです。」

「はぁ……」

「単刀直入に申します。貴女は何者ですか?」

「分かりません。私が分かるのは、戦艦大和の記憶を持っている事です。」

「そうですか……。では、昨日、横須賀司令に、『対抗手段を持っている』と言ったそうですね。その対抗手段とは何ですか?」

「それは……、私には、艤装と呼ばれる装備があります。それを体に装着することで、彼等に対して攻撃をすることが出来ます。」

「成る程。その艤装を装着出来るのは、他にもいるのですか?」

「一般人や、他のクラスの人は無理です。ただ、私の他にも、駆逐艦や空母等も存在しているでしょう。」

「貴女達の名前は、何でしょうか。」

「名前、ですか……。そうですね………。艤装をつけられるのは、その艦の記憶を持った女の子だけですから。艦の娘と書いて、艦娘。艦娘でどうでしょうか?」

「艦娘、ですか。了解です。では、艦娘の扱いとしては、海上自衛隊所属とします。階級は、戦艦は2佐、空母が3佐、巡洋艦は1尉、駆逐艦、潜水艦は2尉、支援艦は3尉ですね。」

「分かりました。」

「本日は有り難うございました。大和2佐」

「有り難うございました。」

 

西暦2028年12月20日 TB○

 

『本日14時、防衛大臣は記者会見で、全国に居る、艤装使いを集めていると述べました。艤装使いの詳細は、機密のため言えないとしていますが、、深海棲艦に対抗することのできるということを明かしました。次のニュースです………』

 

この日、このニュースが流れて以降、海外艦を含む艦娘が、防衛省に集まってきていた。そして、凡そ2週間が経つと、判明している限り全ての艦娘が現れた。

 

その3週間後、国会で、『艦娘に対する、安全及び権利保護法』が制定され、艦娘の権利が損なわれることなく生活することができるように成った。

 

そして、西暦2029年1月29日 この日、人類・艦娘対深海棲艦の、凡そ6年に及ぶ戦争が、幕を開けた…………

 

最初の頃は、資材が余りあるほど有り、余裕だった……。しかし、そんな中、一つの事件が起こる。

 

当時、大和・武蔵は、一度戦場に出たきり、資材の消費が激しいため、常に待機を命じられていた。そう…、あの戦争の時の様に………。

 

西暦2031年4月7日 この日は、大和が坊ヶ崎で沈んだ日である。

 

当時、大和は、こんなことを呟いたという………

 

『もし、この世界に、神という存在が居るとしたら。私は、神を二度と信じない。人類を死地に追いやり、私の大切な、あの人を失わせた神という存在が在るのなら!!私は、その神を二度と信じない!!』と

 

この日、深海棲艦の異常行動を感知した防衛省深海棲艦対策本部幕僚会は、調査のため、赤城・加賀を軸とした、特別調査艦隊を編成。

 

その際、加賀の随伴を担っていたのが、駆逐艦『吹雪』である。

 

彼女達は、マレー沖へ派遣され、敵情を調査。発見されずに帰還するところを、敵潜にバレ、それに気付かぬまま、午後二時三四分、駆逐艦吹雪機関部に、魚雷3本命中。その影響で、大破炎上。その後、爆沈。

 

14:30

 

「本当、何も無くて良かったですね。加賀さん。」

「気を抜くのはまだ早いは、吹雪さん。大和さんに早く会いたいのは解るけれども。」

「そうですよね。だって、加賀さんには、瑞鶴さんが居ますもんね。」

「あ、赤城さん。何故それを」

「うふふ」

 

「Lancico del siluro!(魚雷発射!)」

 

全四門から発射された魚雷は、無防備で、一番遅れていた吹雪に命中。直後、大きな水柱を立て爆発。

 

「嘘!魚雷!いやだ!沈みたくない!いやだ、いやだよぅ」

 

その直後、爆発を起こし、沈んでいった。

 

「Colpire!Conferma di affondamento(命中!撃沈確認)」

 

17:46 帰還

 

「旗艦赤城。報告します。調査終了後、帰還途中にて、敵潜と遭遇。魚雷の先制射により、駆逐艦吹雪機関部に、全弾命中。その後、大破炎上、爆発。捜索を続けましたが、発見に至らず、撤退。……………、撃沈です。沖田司令。」

「了解した。報告書の詳細部に、爆沈と表記し、提出せよ。この件は、私から大和に報告する。」

「了解しました。……、失礼します。」

 

「赤城」

 

「はい」

「すまなかった。」

「いえ。その言葉は、私ではなく、大和さんに。」

「そうだな。」

 

大和型 部屋

 

コンコンコン

 

『私だ、沖田だ。大和、話がある。』

 

すると、扉が開き、大和が出てくる。

 

「君に、報告することがある。」

「はい」

「本日、17時46分に帰還した、特別調査艦隊の話だ。」

「はい」

「本日14時34分、加賀随伴艦吹雪の、……、撃沈が確認された………」

「そ、んな………そんな………嘘、ですよね、沖田司令。嘘と言って下さい!お願いです!!沖田司令!!!!」

「残念ながら…、事実だ……。」

「そんな……、何で吹雪ちゃんじゃなきゃ駄目だったんですか!?吹雪ちゃんの代わりに、他の艦娘が沈めば良かったのに!!」

 

パシン

 

乾いた音が響き、大和が、熱くなっている自分の頬を触る。何が起きたか、頭が理解し出した。

しかし、叩いたのは、沖田ではなく、武蔵だった。

 

「大和!!ふざけたことを言うな!!!!」

「むさ、し?」

「貴様も分かっていることだろう!!、私達艦娘は、船だ!酷い被害を受ければ沈む!良いか!!いくら吹雪がお前にとって大切であったとしても!そのようなことを言って良いはずが無いだろう!」

「………、ごめんなさい。武蔵、私、取り乱してて。ちょっと、外に行って頭冷やしてくるわね。」

 

この日から大和は数週間塞ぎ込んでいた。大和の傷が癒えたのは、吹雪撃沈から、4ヶ月半がたった頃だった………

 

それから4年後

 

西暦2035年10月11日

 

この日は、大和が沈む日であり、大和がヤマトに移るまで意識を途絶させた日でもある。

 

深海棲艦は、ほぼ世界中からいっそうされていた。

 

しかし、まだ、たった一ヶ所、奴等に奪われたままの場所がある。

 

其処の名前は……、『沖縄』

 

過去の対戦で、アメリカにより占領された島県だ。其処に、飛行場姫と呼ばれる最後の敵と、敵の最終戦力が集結していた。

 

人類も、深海棲艦も御互いに、負けることの出来ない最後の戦いに成った。

 

この日、艦娘の既存戦力、凡そ137人が集まっていた。

 

 

司令である沖田は、訓示を言う為に、台の上に立っていた。

 

『諸君、この日は、我々人類に取って、最良の日と成ることを願う。我々に、残された資材も日数も少ない!しかし、この作戦を成功させる事によって、人類は解放され、また再び、自由な生活を送る事が出来る!これより、本作戦の作戦名を伝える。作戦名は、『天二号作戦』!!今回の艦隊総旗艦は、大和、副艦に武蔵。その他主戦力に、アイオワ、ガングート、ローマ、イタリア、ビスマルク、ウォースパイト。その他戦艦等だ!………、これより、天二号作戦を発令する!!全艦、出撃せよ!!』

 

「「「了解!!!!」」」

 

西暦2035年10月11日11時23分 東シナ海

 

 

「全艦、戦闘用意!!」

(吹雪ちゃん。貴方の仇、取らせてもらいます!!)

「攻撃、始め!!!!!!!!」

 

「各砲座、個々に照準合わせ。副砲は、周辺の駆逐を、対空砲、弾幕張り続けて!!」

 

「主砲、斉射三連、ってーーーーーーーー!!!!」

 

大和は、装填しては撃って、装填しては撃ってを繰り返し、当時とは打って変わった活躍をした。

 

そして、もう少し踏ん張れば、人類の勝利と言うとき、隣に居た天津風が大破し、その直後、リ級から魚雷が放たれた。大和は、天津風を庇うため、前へ出たが、それは、大和の下を通り、命中しなかった。

大和が天津風を逃がし、合流しようとしたその時、ヲ級やル級、タ級が包囲していた。

 

「くっ……、これでは、………。武蔵、聞こえますか?」

『どうした?大和』

「これより、旗艦権限を武蔵に移行、貴女に、全権を預けます。必ず勝利してください。人類の明日のため」

『何を馬鹿な事を言っているんだ!よせ!!やま…』

「さて、これで舞台は整いました。…、思う存分、戦いましょう!」

 

「sommerso!yamato!!(沈め!大和!!)」

「ってーーーーーーーー!!!!」

「sparare!!(撃て!!)」

 

大和は、一人で、20近い敵を倒して行き、後15人程に成ったとき、飛行場姫から放たれたと思われる爆撃編隊が、一斉に急降下、大和に向け、爆撃を刊行した。

 

「う、そ………」

 

「Questa è la fine(これで終わりだ)」

 

その直後、全ての爆弾が命中。そして、大和は、同じ坊ヶ崎で、その生涯を終えた。

 

「あぁ、また沈むのね。あの時の様に……。皆、無事に、作戦を終えて、生きて、帰っ、てね……」

 

 

武蔵

「武蔵」

「どうした?ビスマルク」

「大和が……、沈んだわ」

「………、そう、か。」

「作戦は?」

「押しきる。それだけだ。」

「了解」

 

大和沈没から、30分。武蔵達の活躍により、飛行場姫は撃破され、人類は、平和を取り戻した………

 

西暦2035年10月11日午後10時54分 深海棲艦戦争。『終結』

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ヤマト

「…………あ、あれ、私、は……………」

 

回りを見ると、ソウリュウが寝ていた。

 

「ソウリュウ、起きてください。何をやっているんですか?早く起きてください。」

「んぅ、何?うるさいなぁ、って///」

 

急にソウリュウが遠ざかる。

 

「何ですか?ソウリュウ。急に飛び退かないで下さい。」

「いや、目を開けた直後に人の顔が目の前に有ったら誰でも驚くよ……」

「スミマセン」

「それよりも、私達、何で寝てたんだろぅ」

「分かりません。」

「皆は?」

「起きたみたいです。」

「良かった。」

「えぇ、それでは、行きましょうか。全艦、ワープ準」

「ちょっと待って、ヤマト、貴女まだ、旗艦権限停止中だよね?」

「あ」

「と、言うわけで、ワープ準備!」

「「「了解」」」

「私、旗艦じゃなくなった……」




次回、宇宙艦これヤマト2199第五章『マゼランへの道』次回、第五章第1話「猛将、ドメルとの戦い〔前編〕」
人類滅亡まで、後、295日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「作者さん」

はい

ヤマト「さっきのソウリュウの反応が凄く可愛かったです」

そうか(あ、この人、やっぱりそっちのけがある人なんだ。)

ヤマト「何か変なこと考えませんでした?」

んなわけないだろ~ハッハッハッ

ヤマト「そうですか……。それよりも、遂に、スネーク、ではなく大塚さん、ではなくもないけれど、ドメル将軍との戦いですね!!」

うん、何か違うの聞こえたけどそうだね。

ヤマト「ドメラーズにこの端末見せたらどんな反応しますかね?」

一応タグにMGS(ネタ)とは入れたけど自重しようね

ヤマト「すみません。」

良いけどさ。それよりも、ヤマトって、吹雪じゃなくて、今はソウリュウが好きなの?

ヤマト「な、何を行って張るんですの?オッハハハハ」

何かいろいろ変な言葉になってるがそういうことなのね。まぁ良いけどさ。それではまた次回。第五章で


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第五章 マゼランへの道
猛将、ドメルとの戦い〔前編〕


謎の雪の正体は解らぬまま有耶無耶に終わった事件。ヤマトは旗艦権限を取り戻し、ワープに移行する。


「敵艦、レーダーに感知。」

「総員、戦闘用意」

「また威力偵察?」

「敵さんに聞いてください」

「っ!敵艦、180°転進」

 

「っ!!こう、何度も何度も準備準備じゃあ気が持たないよ!!」

「落ち着いてください。艦内では、オムシスも不調な上にこの状況なんです。私達が落ち着かなければ、皆がどんどん落ち着きなくなって殺られてしまいます。」

「でも……」

「お願いします。」

「解ったわ」

 

ヤマト達は最近、ガミラスからの威力偵察に悩まされていた。この威力偵察は、ドメル将軍の差し金であり、ヤマトを疲弊させるのが目的であった。

 

「全艦ワープ準備!」

「了解。でもヤマト、このままワープすると、この先に在る、中性子星カレル163の重力勾配の影響で、航路が歪められちゃうよ。」

「ワープの航路修正をお願いします。」

「了解」

「航路修正完了、問題ないと思う」

「分かりました」

「…、ヤマト、緊急事態。敵駆逐2、接近!」

「恐らく何時もの威力偵察でしょう。気にせずにワープ準備を…」

「敵駆逐発砲!」

「そんな……」

「何をしているんですか!直ぐにワープで敵を振り切りますよ!!」

「「「了解」」」

「全艦、緊急ワーープ‼」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「全艦ワープアウト。損傷は確認できず」

「やっぱり、カレル163の影響で、航路が歪められたよ」

「やはりですか。」

「ソウリュウ、直ぐに、ワープ航路の測定を」

「了か……、ヤマト!敵艦隊、前方から、多数ワープアウト、それに続き、後方からも多数ワープアウトを確認!敵艦隊、本艦隊の包囲陣形を展開!」

「全艦戦闘用意、各砲座、配置に付け」

「ヤマト、航空隊の準備を」

「駄目よ、敵は我々が艦載機を出すタイミングを狙ってくるはず。全艦、波動防壁展開、副縦陣、最大戦速、このまま突っ切ります!」

「でも、前方には敵旗艦とおぼしき、超弩級戦艦が」

「死中に活を見いださなければ、この包囲を破ることは出来ません。」

 

ガミラス

 

「cornered era!yamato!(追い詰めたぞ!ヤマト)」

「della nostra la rabbia Si può pensare!(我々の怒りを思いしれ!)」

「Tutta la nave Sparare!!(全艦、撃て!!)」

 

ヤマト

「主砲、副砲、各砲座配置良し」

「全砲門開け、ってーーー!!」

 

ヤマト達から、魚雷やミサイル、主砲の蒼白い光が放たれ、敵を沈めて行く。しかし、波動防壁も無限の壁ではない。耐久力も存在する。

 

「波動防壁へのダメージ増大、間もなく突破される!」

「構わず進んでください!」

「波動防壁消失!」

「構うな!ってーー!!」

「機関、推力低下!?」

「機関室、状況報告!!」

「一番砲搭、応答しろ!どうした!返事しろよ!」

 

「全艦、散会!!本艦はこれより、敵旗艦の足止めに行きます!島さん!ぶつける覚悟で進めてください!!」

 

『りょ、了解!!』

 

『此方ソウリュウ!左舷推進機被弾、速力低下!!誰か!』

 

『此方オオヨド!レーダーに被弾!第一、第二主砲損傷、攻撃不能!』

 

『ハマカゼ!起きろ!まだ傷は浅いぞ!しっかりしろ!』

 

『フブキ!!何をやっているの!早く動きなさい!っぐぁ!!』

 

『アマツカゼちゃん!!起きて!此方フブキ、背中の推進機に被弾!又、アマツカゼちゃんが被弾、誰か助けて!!』

 

「二番副砲、応答して下さい!二番!くっ!二番主砲、敵旗艦に照準合わせ!狙うは旗艦ただ一隻………ってー!!」




次回、宇宙艦これヤマト2199第五章第二話「猛将、ドメルとの戦い〔後編〕」
人類滅亡まで、後、286日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「結構被害が大きい様な…………」

キ、キノセイジャナイデスカ?

ヤマト「というか、駆逐艦被害受けすぎじゃないですか?ハマカゼは意識不明、フブキは航行不能、アマツカゼはフブキをかばって損傷して、意識不明。長門さんが居たら、リンチにあったあげくに宇宙の彼方へLet'goですよ」

は、ははははははははは、やべえな。

ヤマト「次回は?」

勿論正面装甲で弾かれて、ぶつけて攻撃。ハマカゼは意識不明。

ヤマト「そうですか」

所で誰に電話を?

ヤマト「長門さんに決まってるじゃあないですか。もしもし、長門さん、殺っちゃってください。」

お、おい、よせよ、悪い冗談だ…… ガシッ

へ?

長門「次回、おまけ、『去らば作者よ、永遠に』」

二種類くらい映画が混じってるよ!其処は愛の戦士達にしてよ~

ヤマト・長門「それではまた次回」


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猛将、ドメルとの戦い〔後編〕

ワープアウトと同時にガミラスが仕掛けてきた。その影響で、ヤマト以外の艦が多大な被害を受けてしまう。


『此方ヤハギ!ムツの三番主砲が爆発した!』

 

『ハルナ、大丈夫じゃ、なさそう、です……』

 

『ハルナ、しっかりしなさいよ!ハルナーーーーー!!!!っがは!!』

 

無線からは、味方の悲鳴や、血を吐く様な声が聞こえた。

 

「二番、発射ーーーー!!」

 

しかし、ヤマトの放ったショックカノンは、敵艦首で、むなしく弾かれた。

 

「そんな………。だったら!」

 

ヤマトが前進し、敵の真横にぶつける形で進んでいた!

 

ガキン!!という、金属同士がぶつかり合い、擦れ会うような音がする。

 

「ってーーー!!!!」

 

超至近距離でヤマトが主砲を発射する。

すると、敵の主砲が火を吹き、使い物にならなくなった。

 

ヤマトと、敵旗艦は互いに睨み会うような行動をとった。

 

『イセ!!甲板が!!』

 

『大丈夫よ、ソウリュウ……』

 

『アカシからの反応が無いが、どうしたんだ?』

 

『あぁ、アカシ』

 

『ヤハギ』

 

『アカシは、いい奴だったよ………』

 

『ぐっ、ゴホ!ま、まだ生きてるよ………か、勝手に、殺さないで、貰いたいなぁ………』

 

『誰か!ハマカゼちゃんとアマツカゼちゃんが目を覚まさないんです!きゃぁ!!』

 

『どうした?フブキ、応答しろ!!フブキ!!フブキーーーー!!』

 

「ソウリュウ、まだ動けますか?敵は私が何とかします。まだ動けるのなら直ぐに駆逐艦の救助を、オオヨドは、気絶しているハルナと、アカシを曳航して戦線を一時離脱してください。イセはまだ戦えますか?」

 

『主砲は無事だよ』

 

「わかりました。では、合流してください。ヤハギはムツを曳航、オオヨドと共に戦線の一時離脱を」

 

『了解』

 

『此方も了解』

 

『同じく』

 

 

「ヤマト」

「イセ、その格好は……」

「大丈夫だよ。主砲は全て問題ないから。」

「なら良いけど………」

「それよりも、”アレ”をやらないと、でしょ?」

「えぇ、」

 

 

『二人とも!死ににいくわけじゃないよね!?ちゃんと帰ってくるよね!?』

 

「死にに行く分けないじゃないですか、私は、国連宇宙軍の旗艦です。まだ目的も達せられていませんから。」

 

『本当だね!信じるからね!』

 

「はい、帰ったときの約束もありますから。ソウリュウは負傷した娘達を庇いつつ戦線を離れて下さい。その時間だけでも稼げれば、後はワープでどうとでもなるはずですから。」

 

「ヤマト、行こう。議論より行動。残った敵を切った張ったすればいいだけ。戦艦としてこれほど嬉しいことはない。」

 

「そうね。行きましょう。待っててくださいね。ソウリュウ」

 

 

ソウリュウ

 

「ヤマト…………」

〔必ず戻ってきてくれるって、信じてるから……〕

 

「んぅ、あ、あれ?フブキ?」

「アマツカゼちゃん!良かった、目が覚めたんだね!!」

「えぇ、まぁ。」

 

ヤマト

 

「艦尾一番カタパルト損傷!!」

「右舷対空砲、応答しろ!!」

「一番副砲大破!!右舷レーダー破損!!第二環境被弾!応答して!」

「二番、三番、砲塔大破!一番、四番、撃ち続けろ!」

 

「あれは、ソウリュウ航空隊!?」

 

『時間が稼げればいいんでしょ?航空隊だけなら独立して行動できる!あの子達が引き付けている内に早く!』

 

「ソウリュウ………。有り難う」

 

『何か手伝えることが無いかって探してて見つけたことだから。今は、そっちの役目に集中して。一緒に生きよう?』

 

「勿論です!簡単には死ねませんよ!ボスもきっと見てますから!」

 

『ボ、ボス?』

 

『そうですヤマトさん!きっと大佐やオタコンも見てるますよ!』

 

「はい!」

 

イセ・ソウリュウ〔〔なんの話だろう??〕〕

 

ガミラス

 

『Domerazu La tua nave e Generale Dom a Quartier generale dell'imperatore da Ordine di ritorno di emergenza Lo è(ドメラーズ、貴艦とドメル将軍に、帝星司令部から、緊急帰還命令だ。)』

 

「Perché. Vicepresidente! Avevamo Yamato detenuto in un altro passo!(何故です。副総統!我々は、あと一歩でヤマトを仕留められたのです!)」

 

『Non ascolto obiezioni. Ritorna immediatamente(反論は聞き入れない。直ちに帰還せよ。)』

 

「accidenti(くっ)」

 

ヤマト

 

「何……」

「敵が、撤退していく……」

 

『全敵艦ノワープヲ確認シマシタ』

 

「見逃してくれた…の?」

 

〔敵に何かが有ったのでしょう。それだけは解りました。〕

 

『ヤーーマーートーーーー!!!!」

 

ヤマトの名前を叫びながら抱きついてきたソウリュウを、全員が困惑の目で見つめる。

 

「良かった~~~!!ヤマト、もう絶対危険な真似はしないでね!」

 

「戦闘が発生する以上確約はできません...ですが、他ならぬソウリュウの頼みですから、可能な限り最大限の努力は捺せれもらいますね。各員の損害を報告。ワープ不能な艦の機関の修理が完了し次第、現宙域を離れます」

 

「「「了解!!」」」




次回、宇宙艦これヤマト2199第五章第三話「亜空間ゲートを越えて」
人類滅亡まで、後、278日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おまけ

ヤマト「そういえば、今日は、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士達』と『ヤマトよ永遠に』の連続放送って聞いたなぁ~。見たことないし、見てみよう。」

『本日放送予定だった、宇宙戦艦ヤマトですが、予定を変更して、[去らば作者よ 永遠に]をお送りいたします。』

ヤマト「え?」

その映画は酷いものだった。何かの作者(名はコスモゼロと言うらしい。)が、長門に投げ飛ばされ、地面に叩きつけられ、何かよくわかんないけど、宇宙に飛ばされてガトランティスに当てられて終わるという話だった。

ヤマト「よ、良くわかんない映画だったな………」

御仕舞い

このおまけに出てくる人物、団体はフィクションです。実際のものとは関係はありません。


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亜空間ゲートを越えて

ドメル将軍の攻撃から逃れたヤマト達。ビーメラ4と呼ばれる惑星にて古代達はある情報を持ち帰ってきた。その情報とは『亜空間ゲート』


「全く、何だったのさ、あの伊藤って奴」

「まだその事を言ってるんですか、ソウリュウ」

「だって、ヤマトの事を化け物呼ばわりした上に、ヤマトに銃撃ってきたんだよ?」

「あの事に関してはもう問題は有りませんから、落ち着いてください。」

「でも」

 

すると、イセが静止する。

 

「ヤマトが大丈夫だと言っているんだよ、それ以上は良いでしょう。それに、最近ソウリュウおかしいよ、ヤマトの事に成ると」

 

「ご、ごめん……」

 

「でも、確かにそうだね、なんと言うか、ソウリュウってばヤマトの事に成ると剥きに成るって言うかなんと言うか……」

「確かに!この前のビーメラの時なんか、マジギレしてたしね。」

 

「アカシにムツまで、別にそんな事無いのに……」

 

「この前ソウリュウが怒ってくれたのは、私を心配していてくれたからですよね?ソウリュウ」

「う、うん///ありがと////」

「いえ、此方こそ有り難う御座いました」

 

〔あ~、やっぱりヤマトは笑顔だよね~。有り難うなんて言われちゃったし。〕ニヘラ

 

ア「(小声)ねぇイセ、あれって絶対あれだよね?」

イ「(小声)あぁ、アカシも気付いていたか。ヤマトが居なくなった時が有っただろう?あれ以来ずっとあんな感じで、何かあるとヤマトに抱きついたりしているんだ」

ハ「(小声)これって、ソウリュウさん本人は気づいているんですかね?」

ム「(小声)気付いてないんじゃない?」

ハ「(小声)ムツさんもそう思いますか……」

オ「(小声)私もそう思いますね」

ア「(小声)オオヨドも察していたとは……」

ヤハ「(小声)というかこれ、ヤマト本人も気付いてないんじゃないか?」

ア「(小声)それは思った。でも、ヤマトもヤマトでソウリュウにあまいから、多分あれなんだろうね」

ヤハ「(小声)駆逐艦には言わないでおこう。ついでに二人をくっつけよう。」

全「(小声)そうしよう。」

 

「皆さん何の話をしているんですか?」

 

「何でもないよ?ね?イセ」

「あ、あぁ、何でもない、ね?ハルナ?」

「えぇ、何でもありません。そうですよね?ムツさん」

「そうね、何でもないわ。ね?オオヨド」

「はい、何もありません。そうですよね?ヤハギ」

「あぁ、何でもない。」

 

「そうですか、それよりも、後10分です。」

 

「そうだね。」

 

 

2時間50分前

 

『此方sword3、発艦する。』

 

「時間は三時間です。繰り返しますが、続行不能と判断したら直ぐに帰還してください。」

 

『分かってるって。それじゃ、発艦する!』

 

現在

 

「ヤマト、後5分だよ」

「機関始動!」

「イセ!」

「ヤマト、万が一の事を考えての事なの。」

「でも」

「亜空間ゲートからsword3の信号探知!来るよ!」

 

篠原の乗っている鹵獲されたツヴァルゲが出てきた。しかし、ツヴァルゲの右翼は、敵の攻撃を受けたのか被害を受けていた。

 

 

「ヤマト、篠原さんの体調はどうなの?」

「佐渡先生曰く『まぁ、問題なかろう。』との事なので、無事のようですよ。」

「良かった~」

「それよりも、篠原さんの持ち帰った情報を見てください。」

 

そういうとヤマトは端末を取り出し、横についているスイッチを押しホログラム投射する。其処に映し出されたのは、バラン星と、マゼラン側ゲートの存在。そして、大集結しつつある敵の艦隊だった。

 

「こ、これは」

「篠原さんが持ち帰った情報の中に、このバラン中心部に、人工構造物があるというのがありました。恐らくこの星は、ガミラスが人工的に作り出した星だと考えられます。そして、現在このバランに、一万を裕に越える数の敵が集結しつつあると言う事です。」

「ヤマト、回避航路は既に策定済みだよ。」

「いえ、このまま行きます。敵中に活路を見いだすのです。」

 

「ヤマト、沖田艦長に似てきたね。」

「そうですか?」

「うん、言うこととかね。」

「それは光栄ですね。全艦、発進準備!」

 




次回、宇宙艦これヤマト2199第五章第4話「バランの戦い〔前編〕」
人類滅亡まで、後、265日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
えー、読者の皆さま。題名に『亜空間ゲートを越えて』と書いてありますが、読んで分かる通り、今回は亜空間ゲートを越えていません。すみません。次回には絶対に越えますので、今しばらくお待ち下さい。次回は、前、後編編成と成っていますので、どこで切れるか予想しながらお待ち下さい。

ヤマト「本当に申し訳ありませんでした。」

次回もぜひお読み頂けましたら幸いです。


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バランの戦い〔前編〕

篠原が身を呈して持ち帰ったバランの情報には、多くのガミラス艦が集まってきていると有った。そんな包囲網を、ヤマト達はどうやって突破するのか。


「全艦、発進準備!準備が整い次第、作戦を説明します。」

「「「了解」」」

 

「作戦概要、と言っても簡単な説明ですが、今回は亜空間ゲートを越えた直後、私は直進し、バラン内部の人工物を確認します。イセはムツ、フブキ、アカシ、オオヨドを連れて左に散会、ソウリュウはハルナ、ヤハギ、アマツカゼ、ハマカゼを連れて右に散会してください。越えた直後に全艦第一戦速に移行。そのまま敵の包囲を突破。イセ、ソウリュウ隊は、マゼランゲートに到達し次第突入。先にマゼランへ。私は、波動砲での破壊と同時に重力アンカーを解除。マゼラン側へ突入します。」

「危険だよ。ヤマト」

「確かに危険です。ですが、これを成し遂げれば、敵の多くを殲滅することが出来るのです。そうすれば、今後の航海も少しは楽に成ると思うんです。」

「でも………」

「ソウリュウ。私は別に沈もうとしているわけでも、沈む気も有りませんから。」

「信じてあげたら?ソウリュウ」

「イセ………」

「ヤマトが約束を破ったこと有った?」

「無い」

「なら信じなさいよ。周りから見ても、二人はいいパートナー何だからさ。」

 

〔〔〔然り気無く二人の反応を見るつもりだ!!〕〕〕

 

「「パ、パートナー///」」

 

「いや、何で二人して赤く成ってるのさ」

「「な、成って無いです(もん)!」」

 

 

「はいはい、そうだね。それよりヤマト」

「え、えぇ。これより作戦行動を開始します。全艦、亜空間ゲート突入!!」

 

ヤマトの指示により、全員が亜空間ゲートに入っていった。

 

亜空間ゲート内部

 

「これが、亜空間ゲート。ワープとは又違った感触ですね」

「でも、意外と、きつい気がするんだけど」

「で、ですね。」

 

イ「(小声)こ、ここでもイチャつけるとは……」

ア「(小声)た、確かにそうだね。」

ヤハ「(小声)いや、あれ、イチャついてるのか?」

ハ「(小声)きっとイチャついてます。」

ム「(小声)辛そうにしているように見えるのだけど?」

 

「皆さん。もうすぐフェイズ2に移行しますよ。」

「まさか、あの渦に入るの?これ、大丈夫!?」

「問題ないはずです。行きます!全艦、フェイズ2移行!!第一種戦闘配置!!突破します!!」

 

バラン

「Rispondere alle porte sul lato Galactic!! Qualcuno sta cercando di apparire qui !!(銀河方面側のゲートに反応!!何者かが、ここに現れようとしています!!)」

 

「全艦突破完了。作戦行動に移る」

「イセ、ソウリュウ。お願いします。」

「「了解!」」

 

「第一戦速!主砲副砲は左右展開!撃ち方始め!!」

(撃ち~方~始め!!)

 

ヤマトの主砲から放たれた蒼白い閃光は一本づつ線を描き敵艦に命中した。

 

「艦首魚雷、両舷対空ミサイル、ってーー!!」

 

「La nave Telon irrompe nel gruppo in via di sviluppo 6 Ulteriormente in corso(テロン艦、展開中の第六群を突破。更に進行中)」

「Questo è esattamente il post del dio che mi lancia a Yamato Successo !! (これぞまさに、我にヤマトを討てとの神の掲示。成敗!!)」

 

「各シャッター閉鎖!このまま前進します!」

(左舷防核に直撃弾!)

(左舷高射砲、応答しろ!)

(右側底部に被弾!)

 

「主砲、撃つ手をやめないで!!ってーーー!!」

 

(バランの重力に、捕まった!)

(引きこまれます!)

 

「Una nave Telon, un modello affondato vicino a Balar Equator(テロン艦、バラン赤道付近にて沈没した模様)」

「Per dire che un nemico di questo grado non può essere sconfitto, il nome del lupo è caduto,(この程度の敵一人倒せぬとは、オオカミの名も落ちたものだな、ドメル)」




次回、宇宙艦これヤマト2199第五章最終話「バランの戦い〔後編〕」
人類滅亡まで、後、263日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ヤマト「次で五章が終わるということは、遂に七色星団ですね」

ああ、リメイク版だとなかったけど、オリジナル版だとあったドメルからの通信をどうしようか悩んでいるんだ。

ヤマト「一回戦っちゃってますから、リメイクの方でいいんじゃないんですか?」

やっぱりかー。それより……

ソウリュウ「ヤマトー、一緒にお昼食べよー」
ヤマト「少し待ってくださいね」
ソウリュウ「後、イセから映画のチケットと、ムツからディ○ニーのペアチケもらったから、明日一緒にいこー」
ヤマト「ディ○ニーですか…、行ったことがないんですよね……」
ソウリュウ「ならいこ!楽しいよ!」
ヤマト「ですが、私よりも、ほかの人と行った方が楽しいのではないですか?」
ソウリュウ「ヤマトは私と行きたくないの?ディ○ニー」
ヤマト「行きたいです……」

君たち、予定についての話は別のところでしてもらえる?後、一回爆発して。

ソウリュウ「ムツじゃあるまいし、そんなことしないよ~」

もういいや。勝手にイチャついてて。

それでは、また次回


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バランの戦い〔後編〕

銀河方面側のゲートを使用し、バラン星へ来たヤマト達。ヤマトは、敵の引き付け役と人工構造物の確認のため、単身バランに突撃する。ソウリュウ隊イセ隊は、マゼラン側ゲートに近づいていた………


「此方ソウリュウ、イセそっちはどう?」

『もうすぐゲートに到達する。ソウリュウの方は?』

「此方も同じ」

『了解』

 

――――――――――――――――――――――

「くっ!バランの重力に捕まった!引き込まれる!」

 

〔どうすれば……このままでは………、いや、このまま引き込まれて沈んだ様に見せれば……〕

 

 

「Una nave Telon, un modello affondato vicino a Balar Equator(テロン艦、バラン赤道付近にて沈没した模様)」

 

「Per dire che un nemico di questo grado non può essere sconfitto, il nome del lupo è caduto,(この程度の敵一人倒せぬとは、オオカミの名も落ちたものだな、ドメル)」

 

――――――――――――――――――――――

 

「イセ!!ヤマトの反応が!!消失したよ!!私見てくる!」

『止めて!!ソウリュウ!ヤマトならまだきっと無事よ!』

「何でそんな事言えるの!」

『この突破作戦の説明を聞いてなかったの。ヤマトはバラン中心部に潜む人工物の確認に向かったのよ。』

「本当に?」

『貴女が本当にヤマトを好きなら信じてあげなさい。』

「すっすすす//好きって///何言ってるの//!でも、信じなきゃ始まらないよね…………うん、信じる。生きてるって」

 

――――――――――――――――――――――

 

「Bandiera di Gelugamesh!!(ゲルガメッシュ旗艦!!)」

「Cosa !!(何か!!)」

「C'è un oggetto che sorge vicino all'Equatore Balun!(バラン赤道付近に、浮上する物体有り!! )」

「Quello che ho !!(何ぃ!!)」

 

――――――――――――――――――――――

 

「此方ヤマト、敵の人工構造物を確認!これより、波動砲の発射シークエンスに移行する。友軍全艦は、至急マゼラン側ゲートに突入されたし!」

『此方イセ突破隊、了解。これより、フェイズ3に移行する。』

『此方ソウリュウ隊了解。大マゼランでまた会おうね、ヤマト』

「えぇ、もちろんです。」

〔また無事に、向こうで会えますように。〕

「浮上!最大戦速!!艦首艤装結合!!targetスコープオープン!!」

 

「Yamato! Yamato è arrivato!(ヤマトです!!ヤマトが浮上してきました!!)」

「Che cos'è !! Tutte le navi, attacco !!(何だと!!全艦、攻撃!!)」

 

「艦首回頭180°、発射弁開け。セーフティロック0、強制注入器作動を確認。最終セーフティ解除!目標、人工構造物、取り舵に当て」

(重力アンカー、解除準備良し!)

「発射10秒前。対ショック対閃光防御!5,4,3,2,1、発射ーーーー!!」

 

ヤマトの撃った波動砲は、敵の艦隊には当たらず、バランを狙っていた。

 

「È quel cannone? Scarsamente, dove miravamo(あの大砲か。下手くそめ、何処を狙って)」

「Anomalia nel sistema di controllo dei balun! Pianeti, crollo !!(バラン中心部の制御システムに異常!惑星、崩壊します!!)」

「Ritirate !! Tutte le navi si allontanano immediatamente !!(て、撤退!!全艦直ちに離脱しろ!!)」

 

「重力アンカー解除!!総員、衝撃に備えよ!!」

 

その直後、波動砲を撃っているヤマトは後ろに進み出した。

 

「っ、くっ」

 

波動砲を撃ちながら亜空間ゲートに突入したヤマト。その直後、マゼラン側ゲートは崩壊し、破壊された。

 

――――――――――――――――――――――

「っ、んぅ、」

「ヤマト、起きて」

「ソウリュウ?」

「そうだよ、皆無事にマゼランに来られたよ。」

「良かったです。シオイさん、周辺の敵反応は」

『確認できない。問題なく来られたみたい』

「良かった。…………あれが、大マゼラン」

「私達、ここまで来たんだね」

「えぇ、やっと、やっとイスカンダルへ行ける。」

 

マゼランゲートを抜けた艦隊の皆は笑顔で、「ここまで来たんだ」など様々に口ずさんでいた。

 

「皆さん。私達は確かに人類が到達しえなかった所までやって来ました。ですが、未だに敵の母星の位置が解っていません。銀河系を抜ければ少しはましになると思っていた敵の攻撃も、マゼランに近付くに連れて激しく成ってきています。最悪、大マゼランに敵の本星が有るかも知れない以上、気を緩めることは出来ません。それに、まだようやく1/4が終わった程度です。後3/4残っているのです。もうすぐで半分です。頑張りましょう!!」

「そうだね。それに、この前の敵。銀色の超弩急戦艦。ゼルグート級だっけ?あれもまだ居るしね。」

「そうです。此処からが本番です!!」

「張り切って行きましょーーーー!!って、ムツキちゃんなら言ってたと思います。」

「そうですね。では、気合い、入れて、行きましょう!!」




次回、第六章『七色星団の戦い』
次回、第六章第一話『決戦七色星団!!〔前編〕』

人類滅亡まで、後、256日

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と、いうわけで終わりました。

ヤマト「次回、何だか嫌な予感がするんですけど………」

?もちろん波動砲は一時使えなくなるけど、別の艦に刺さるよ。ガルントのやつ

ヤマト「そうではないんですよ。影で何者かが私とソウリュウに何かをしようとしているような……」

き、気のせいじゃないかな~?それよりも、七色星団では、我が艦隊から誰かが雪と共に拐われるよ。ダレダロウナーボクニハワカラナイナーー

ヤマト「守りますから、絶対に!」

やらせはせんよ、ヤマト!


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第六章 七色星団の戦い
決戦七色星団!!〔前編〕


亜空間ゲートを越えたヤマト艦隊の目の前に、到達すべき大マゼランが広がる。その先に待つ敵とは………


「皆さん。このホログラムを見てください。」

「これは?」

「七個の惑星?」

「はい。我々は便宜上、ここを七色星団と呼びますが、ここはイオン乱流が有り、一度呑み込まれると、脱出はほぼ不可能と言われているところです。」

「回避航路は既に策定済みだよ、ヤマト。」

「有り難う、ソウリュウ。でも、今回は敢えてここを突破します。」

「何でさ!自殺行為よ!それは!!」

「イセ。この前のゼルグート級を覚えていますか?」

「うん」

「ここは、サレザー恒星系の一歩手前の場所です。もし敵が、我々がイスカンダルヘ行くのを阻止しようとしているのならば、ほぼ必ず彼の時の指揮官が来る筈です。」

「だからさ!何で死の危険が有る所を行こうとするのさ!」

「あの指揮官、いえ、あの艦とは決着をつけなくてはいけないんです。七色星団は、イオン乱流が激しいことも在り、広域レーダーは使用が出来ません。又、七色星団に到着直後、イセ、ソウリュウ、そして私の航空隊を展開します。これよりワープを行い、七色星団へ向かいます。全艦、第一種戦闘配備のままワープに備えてください!」

 

――――――――――――――――――――――

 

「Quanto è stato difficile trasformarlo dal reparto di sviluppo tecnologico ……(あれを技術開発部から廻してくるのが何れ程大変だったか……)」

「Sono grato. Segretario Thalang〔感謝してます。タラン長官)」

「Ma cosa diavolo pensi di usare per queste cose(しかし、あんなものまで、一体何に使うつもりだ)」

「Pensando ad una piccola idea segreta(ちょっとした秘策を考えまして)」

 

「Nobile fiore blu che fiorisce nella terra Nessun mio canto di risonanza della mia città natale di giubilo La protezione di Dio continua con noi Continua a Garlegan Millon Lodate la vittoria del paese(蒼き 花咲く大地 気高き我が故郷よ 響け歓喜の歌 神の加護は我らと共に在り続けん ガーレガミロン 称えよ祖国の勝利を)」

 

「Lancio di tutte le navi!(全艦発進せよ!)」

 

ゲルバデス級のダロルド、三段空母のランベア、バルグレイ、シュデルグ、次元潜航艦のUX-01、ドメルのゼルグート級[ドメラーズⅡ世]が、第二バレラスを通過する。

 

「Notificare tutte le navi sul corso. Corso 728, obiettivo, sette gruppi di stelle a colori !!(全艦に針路を通達する。コース728、目標、七色星団!!)」

 

「「「comprensione(了解)」」」

 

――――――――――――――――――――――

「全艦、ワープ完了。シオイ、次元振は?」

『無いよ。』

「了解。問題ないみたいだよ、ヤマト」

「分かりました。全航空隊、発艦準備!!敵反応を確認し次第発艦!!パイロットは機内で待機。総員、第一種戦闘配置!これより、イオン乱流による電磁嵐が激しくなります。広域レーダーから光学レーダーに切り替え!!」

「結構揺れるね。艦内は大丈夫かな?」

「何言ってるんですかソウリュウ。大荒れの日の海の方がもっと酷いですよ。」

「こんな状況で、良くそんな話が出来るな。ヤマト」

「ヤハギさん、慣れですよ。」

「……そうか」

 

――――――――――――――――――――――

「Senso di occorrenza, direzione delle 9(感有り、9時の方向)」

 

「Input dal segugio. Le pecore entrarono in una foresta di esitazioni(猟犬より入電。羊は迷いの森に入った)」

「Da questo punto passare all'azione operativa(此より作戦行動に移る)」




次回、第六章第二話「決戦七色星団!!〔中編1〕[敵航空隊の猛攻]」
人類滅亡まで、後、253日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「遂に七色星団ですね。」
ソウリュウ「いや~、ここまで来たねぇ」

そうだなぁ~って!!何故ソウリュウが此処に!!

ヤマト「私が呼びました」
ソウリュウ「私が呼ばれました。」

まぁ良いや。それで、七色星団と言えばやっぱり、オリジナル、リメイク共にあるドメルの自爆だけど、ヤマトに聞こう。

ヤマト「何ですか?」

第三艦橋どうしたい。

ヤマト「リメイクでお願いします」

了解。それでは。読者の皆様に問題です。答え合わせは〔中編2〕でやります。

中編2では、ヤマト艦隊の一人が、雪と共に拐われてしまいます。そこで、此処に書いた艦娘の誰かが拐われていきます。コメント欄に答えを書く必要は在りませんので、ぜひやって見てください。

1,ソウリュウ(え?)

2,イセ(いや!)

3,ヤハギ(ふざけるな!!)

4,シオイ(やめて!)

5,ヤマト(主人公ですよ!?)

6,アカシ(酷いことするつもりでしょ!エ○同人みたいに!!)しねーよ!

以上です。それでは次回、お会いしましょう。


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決戦七色星団!!〔中編1[敵航空隊の猛攻]〕

ドメル、ヤマト共に七色星団に突入し、既に見つかっていることを知らないヤマト艦隊。ドメルは航空隊による奇襲を考え、ヤマト艦隊の航空隊を誘き寄せる。

今此処で、この旅で3本の指に入る壮絶な戦いが、幕を開ける!!

※今回、ガミラスの回想を挟みます。その際は、イタリア語ではなく日本語でやります。


「アルファ2は、右舷1格カタパルトで待機を、ファルコン、全機発艦!!」

 

(一○○加藤、発進する!)

 

「イセとソウリュウも航空隊を」

 

『了解』

『何機かは防空用に残すよ』

 

「お願いします」

 

---回想---

 

「エルク、君には辛い思いをさせた。」

「いえ、総統が御無事で何よりです。それよりも総統、私に、一言御命じ下さい。ヤマトを討てと」

「やって、くれるかね」

「自分は、総統と帝国に忠誠を尽くす軍人です。総統のご命令と在らば」

 

「…そうか、では、我が友エルクよ、二つ程頼みがある。」

「何でしょうか」

「艦隊の誰でも良い、一隻、連れてきてくれ。それと、ヤマトに乗っているイスカンダルの姫を、此処に。私の猟犬を貸そう。頼むぞ、エルク」

「ザ・ベルク」

 

--------

 

「艦隊、輪形陣!!対空警戒を怠るな!」

 

ガ軍

「Il primo corpo d'attacco, distrutto!Invita il corpo aereo nemico e dirigi la seconda squadra d'attacco alla flotta Yamato(第一次攻撃隊、発艦!!敵の航空隊を誘き寄せ、第二次攻撃隊をヤマト艦隊に向かわせる)」

 

航空隊

(有視界で戦闘なんて、まるで大昔の大戦みたいじゃないですか………ん、隊長!10時方向下方に敵機)

(あぁ、全機、突撃!命落とすな、敵落とせ!!)

(((了解!!)))

 

ファルコン隊が突撃すると、激しい航空戦が始まる。

その戦場は、164年前の深海棲艦航空隊との戦いや、254年前の第二次世界大戦の航空戦を彷彿とさせるような、敵味方入り乱れた激しい機動戦だった。

 

ガ軍

「Attira le truppe nemiche verso il successo !!(敵部隊の誘引に成功!!)」

「Corpo d'attacco secondario, partenza!(第二次攻撃隊、発進!)」

 

帽子が紫色の空母ヲ級もといランベアから爆撃機が発艦し、艤装が白銀のドメラーズⅡ世の前に集まる。

 

「Il secondo gruppo di attacco è entrato nell'intervallo.(第二次攻撃隊、射程に入りました。)」

「Macchina per il trasferimento di sostanze istantanee, irradiazione !!(瞬間物質移送機、照射!!)」

 

ヤマト

「敵機、直上!?」

「嘘!」

「ソウリュウ、何で今まで分からなかったの!」

「わからない、突如現れて……」

「貴女それでも」

「イセ!今は言い合っている場合じゃないの!全艦、対空砲火!ってー!!」

「数が多い!!押さえきれない!」

 

すると、敵の攻撃隊から放たれた爆弾により、イセ、ソウリュウ、ヤマトのレーダーが大破する。

 

「レーダー大破!目を潰された!!」

「左舷一格カタパルトに被弾!二番副砲応答してください!」

「第二艦橋に被弾!生存者、応答して!」

「工作機器に損傷!友軍の修復できない!」

「一、二番砲塔に被弾!敵攻撃隊を抑えられない!!」

「二番砲塔に被弾!!駄目です!弾幕張れません!」

 

(ヤマト、こちらアルファ2山本、発艦する)

 

「お願いします!!」

「対空、手を緩めるな!!」

 

(好き勝手してくれちゃって!!)

 

「加藤隊長!聞こえますか!?こちらヤマト、現在、本艦隊は敵の集中攻撃を受け、被害甚大!イセの直掩隊が奮戦するも、攻撃が激しく対処が追い付かない、至急艦隊防空任務に当たれ!」

 

『了解!』

 

山本や、ヤマト達の粘りも有って、敵の攻撃隊は撤退する。

 

「どうするの、ヤマト。レーダーが潰された今、私達にできること何て……」

「有ります。まだ、自分達に出来ることは」

「何よ!爆撃を受け、敵が撤退しても、敵の接近すら察知出来ないのよ!」

「『目』です」

「目?」

「そう、目です。私達にはまだ、自分の目があるじゃ無いですか。自分の目を使って、敵を探すんです。」

「……………、そうね、冷静じゃ無かったかも。やれるだけやる。生きて、絶対にイスカンダルヘ行く!」

 

ガ軍

「Capitano Fraken, scosse gli occhi di Yamato. Disconnettere il cliente.(フラーケン艦長、ヤマトの目を潰しました。お客さんを切り離します。)」

(Capisco Quando l'intera nave è emersa, mettilo nel suo culo[了解した。全艦浮上、奴の尻に着ける。])

( Oh !! Dimension Tank Bro !![よっしゃ!!次元タァンクブロォ])




次回、宇宙艦これヤマト2199第六章第三話「決戦七色星団!!〔中編2[敵弾直撃!?絶対絶命ヤマト艦隊]〕」

人類滅亡まで、後、252日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「作者さん。何故縛られているか、解りますね?」

解りません……

ヤマト「前回の投稿からどれだけの日数が空いたと思っているんですか」

すみません……

ヤマト「理由は?理由は何ですか?」

勉強と、ちょっとしたスランプの様な状態に………

ヤマト「で、次回は誰が拐われるんですか?」

さ、さぁ?楽しみにしとかないと、勿体無いよ。

ヤマト「駆逐艦だったら、また長門さんに絞められますよ」

ひ、ひぃ、もう、あれは嫌だ

ヤマト「さぁ、教えて下さいさぁ!!」

〇〇です。

ヤマト「へ?」

だから!〇〇です!!

ヤマト「死にます?」

いやぁーーーー!!


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決戦七色星団!!〔中編2[敵弾直撃!?絶対絶命ヤマト艦隊]〕

知らぬ間に接近するUX-01。レーダーがやられたことにより、浮上しても解らない。攻撃により大きな被害を受けたヤマト達に、新たなる脅威が現れる。


「Completamente in aumento! Sto andando a separare i clienti(完全浮上! お客さんを切り離すぞ)」

 

UX-01から放たれた小型艇は、ヤマト艦尾に張り付き、中の妖精達が、艦内に侵入する。

 

 

 

『ヤマト、敵機、正面!』

 

「なっ!」

 

(È un regalo !! Accetta!〔プレゼントだ!!受けとれ!!〕)

 

「ヤマト!!」

 

そう叫ぶと同時にイセが前に出る。すると、イセの波動砲口に敵弾が直撃する。

 

「イセ、無事ですか?」

「えぇ、これ、不発なのかしら?」

「解りません。とりあえず、ヤマト第三艦橋にソレのデータを」

「了解」

 

『ヤマト、こちら第三艦橋真田、イセ艦首に当たったのは、恐らく遅延信管でしょう。全体図を見たのですが…ヤマト、副長意見具申』

 

(以外デスネ、コンナニ簡単ニ中ニ入ル事ガ出来ルナンテ)

(元々兵器じゃないのよ、これ。それを急いで兵器に作り変えた、だからこんなに簡単に入れるのよ。敵も追い込まれてるのよ。ま、此方も同じか…)

 

『うわ~、や、止めろ!!』

 

後ろに付いた敵機が攻撃を受けて墜ちる

 

『大丈夫か、ルーキー』

『沢村』

『無理すんなよ』

『っ…!!艦影十時の方向!』

『ぇ!?……空母だ』

 

すると、ルーキーの機体は、敵空母のバルグレイに向けて突撃をする

 

『小橋!待ておい!!』

『殺ってやる!!』

『小橋!小橋!!』

『僕はビビりなんかじゃない!!』

 

(Aereo nemico sinistro〔左舷敵機〕)

「Inizio combattimento anti-aereo!(対空戦闘始め!!)」

 

バルグレイから小橋のファルコンに対して機銃が撃たれる中、二発のミサイルを撃ち込む。しかしその直後、小橋の機は機銃弾を浴び炎上し、「母さん!!」と言い残し、小橋の機体は爆散した。

 

『小橋ー!!』

 

小橋は墜とされたが、小橋の放ったミサイル二発は、見事に命中した。しかし撃沈には至らない

 

『ちっきしょぉーーー!!!!』

 

そこに、小橋の仇を討たんと沢村が、バルグレイの艦首からミサイルを撃ち込み、その内一発が右エンジンを大破させ、その上でバルグレイの顔を吹き飛ばし沈める。

 

一方、加藤隊長は、バルグレイの航空隊長と格闘戦(ドッグファイト)をしていた。

 

『くっ!やる!!』

 

『È un buon braccio, ma ... dipende da qui(良い腕だ、だが…ここまでだ)』

 

『Ghetto maggiore! Balgray è stato fatto !!(ゲットー少佐!バルグレイがやられました!!)』

 

『Cosa !?(何!?)』

 

バルグレイ轟沈の報を受けたゲットー航空隊長の動揺の隙をついて、加藤隊長が後ろに回り込む。

 

『Accidenti!(クソッ!)』

『もらった!!』

 

『ガーレ・ドメル』

 

加藤隊長が撃った機銃弾が当たり、墜ちて行く。加藤隊長は、墜ちて行く敵に敬礼をした。

 

次元潜航中だったUX-01は、本国ガミラスから送られてきた画像を見て、拐う艦娘を決めた。

 

「Salita, cattura la figlia della nave dai capelli blu accanto a Yamato e recupera il pesce.(浮上、ヤマトの隣に居る青髪の艦娘を拿捕し、コバンザメを回収する。)」

 

ヤマトの右舷後方からUX-01が浮上し、艦載機射出機を残して艤装ごとソウリュウを拐って行く

 

「へ?な、何!?ヤマト!助けムグ!!」

 

「!?………イセ!!腰の刀、お借りします!!」

「え!?ちょっ、ヤマト!」

 

ヤマトがイセの腰についている刀を抜くと同時に、ゼロが発艦する。

 

「くっ!!待て!!止まれ!!」

 

(どうしたら…)

「どうすれば……」

 

(雪ーー!!!)

 

ガ軍艦隊

(Da Sunderg, richiesta di lancio dello squadrone d'attacco〔シュデルグから、攻撃隊の発艦要請〕)

(Vuoi mettere fuori〔出しますか〕)

(Che cosa fai, il Domere〔どうする、ドメラーズ〕)

 

「Se una polvere da sparo esplode, Yamato e altri saranno affondati, ma non potrà mai essere sul campo di battaglia(削岩弾が爆発すれば、ヤマトもろとも沈められるが、戦場に絶対はあり得ません。)」

(È giusto Esci da un fulmine e uccidi Yamato con tutta la tua forza! Terza squadra d'attacco, decolla!〔そうだな。雷撃機を出し、全力でヤマトを仕留める!第三次攻撃隊、発進!!〕)

 

シュデルグから雷撃隊が発艦し、ドメラーズの物質転送装置が照射され、ワープする。

 

ヤマト艦隊

 

『新見より、イセ、ヤマト。起爆装置、解除しました。』

「ご苦労様です。」

 

『ヤマトさん!!フブキです!!両舷より敵雷撃隊が接近!!』

 

「対空砲、敵雷撃機を完全に仕留めてください、両舷から来ます!ありったけ撃ち込んで下さい!!残存する全兵装を用いて落とします!」

〔もう二度と、雷撃機の、敵雷撃隊の好きにはさせません〕

 

『っ!!ガミラスめ!』

『くっそ、いいようにやりやがって』

 

「っ!!被弾箇所から酸素流出!?ダメージコントロール、急いで!!っきゃあ!」

 

「ヤマト!落ち着いて!貴女が冷静に成らなくてどうするの!」

「……すみません」

「ヤマト、気持ちは解るけど、今は戦闘に集中し…」

「分かってます。敵が攻撃しているこの間にも、あの艦、そしてあの時の指揮官なら、確実に新たな一手を投じてきます。総員、警戒を強化!不穏な動きが確認できしだい、速やかに報告。…………イセ」

「何?」

「実は、ソウリュウだけじゃなくて、森一尉もさらわれたの、艦内でガミラス兵との戦闘が有ったみたいで……」

「敵は、何が目的なんだろう……」

「解らない……」

 

『Qui, la terza squadra di attacco riconosce il punto di ulteriore attacco! Attualmente, il nostro team incontra un aereo nemico ed è in battaglia con questo !!(こちら第三次攻撃隊、更なる攻撃の要を認む!!現在我が隊は敵機と遭遇、これと交戦中!!)』

『墜ちろ!!』

 

ガ軍艦隊

(Mio signore!〔閣下!〕)

(Il Cielo dice che Yamato dovrebbe essere affondato con questa mano〔天はこの手でヤマトを沈めよと言うのか〕)

「Allora obbedirò alla missione. Flotta, avanti !!(ならば天命に従うまで。艦隊、前へ!!)




遂に動き出したドメル本隊ヤマトをかばったイセの艦首の削岩弾は刺さったまま。古代やその他航空隊の力により、少しは墜ちたがまだまだ敵機は有る。連れ去られたソウリュウは、何か出番の無かった他の艦は!?

次回、宇宙艦これヤマト2199第六章最終話「決戦七色星団!!〔後編[決着!!ヤマト対ドメラーズ]〕」

人類滅亡まで、後、251日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「……」カチャ

あの、ヤマトさん、無言で波動砲を構えないで、ほら、ソウリュウ!!早く!

ソウリュウ「ナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガナンデワタシガ」

あ、駄目だこりゃ

ヤマト「何でソウリュウが此処にいるんですか?」

後書きだから

ヤマト「そうですか………」

ヤマト ガチャン(強制注入機が作動する音)

(あ、駄目だ、死んだな、これ。あ!そうだ!!)

で、ではまた次回にお会いしm

ヤマト「させません!!発射ーーーー!!!」

嘘!!ギャァーーーー!!

ヤマト「では、また」

し、死ぬ……


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決戦七色星団‼〔後編[決着‼ヤマト対ドメラーズ]〕

ドメルとヤマト、因縁の戦いが幕を開ける。

ヤマト「ここで、倒します!!」


(Il Cielo dice che Yamato dovrebbe essere affondato con questa mano〔天はこの手でヤマトを沈めよと言うのか〕)

「Allora obbedirò alla missione. Flotta, avanti !!(ならば天命に従うまで。艦隊、前へ!!)

 

ドメル本隊が前進を始めた頃、ヤマト達は艦載機を収容していた。

 

「ヤマトさん、帰還報告、良いでしょうか」

「お願いします。オオヨドさん」

「分かりました。帰還報告ですが、ヤマト航空隊ブラボー、未帰還12、チャーリー未帰還15、デルタ未帰還10。又、ソウリュウはカタパルトを残し敵に拉致され、消息不明。」

「補給を急がせて下さい。ソウリュ……いえ、イセ、イオン乱流は特定できましたか?」

「えぇ……」

 

『此方索敵班ハマカゼ、右舷(みぎげん)前方に敵艦見ゆ』

 

〔来ましたね……〕

「全艦、対艦戦闘用意!!」

 

ヤマト達が構えると同時に先頭のダロルドが発砲し、ヤマトの右舷に当たる

 

「くっ!!応戦します!二番ってー!」

 

イセ艦首

(アナライザー)

『イッテクダサイ』

 

〈逆転 接続〉

 

ヤマト

「回避行動、取り舵(とりかじ)40℃!第一戦速!!」

「ヤマトさん!そっちはイオン乱流の嵐が!」

「呑み込まれれば!航行不能になりますよ!」

「命令が聞こえないんですか!」

「す、すみません!」

 

(ヤマト、沖田提督に似てきたわね………)

 

「くっ!」

「ヤマト!何を考えてるの!」

「……イセ、放出した敵弾頭の軌道を私に、敵艦隊との軸線に乗った時に私が撃ちます!」

「当ててよ?ヤマト」

「ふふふ、ムツさん、任せて下さい。私は大砲屋ですよ。三番左舷に旋回!C砲発射用意!!ってーー!!」

 

ヤマトの三番C砲から発射されたショックカノンは綺麗に敵の弾頭に直撃し爆発ダロルドを巻き込んで行った。

 

「Uh uh !!!(う、うぁーーーー!!!)」

 

ダロルドの爆炎を避けるようにドメラーズ等が航行するも

 

「Non va bene! Evitabile, uh!(だ、駄目だ!!避けられな、うぁーーーーー!)

 

シュデルグは巻き込まれ沈む

 

「敵を沈めます!撃て!」

 

「Shu, Shudergu è affondato(シュ、シュデルグが沈んだ!!そんな!)」

(Cosa stai facendo !! Canta la bara di un amico〔何やってる!!爆装で出る!仲間の仇をうたっ〕)

 

ランベアにヤマトの砲撃が当たる

 

「Tale, tale fine! Non posso essere convinto(こんな、こんな結末!!納得出来ない!)」

 

ランベアはイオン乱流の嵐の中に入って行ったが、爆発はしなかった。そのため、沈んだかは不明

 

「Lambea! Accidenti! L'intero campo sta girando!(ら、ランベア!くっ!全門斉射!)」

 

ドメラーズから砲撃が来る

 

「くっ!三番、ってーー!!」

「Proiettili con colpo diretto a sinistra!Non esitare! Oltre oltre!(左舷(さげん)に直撃弾!怯むな!ってーー!)」

「残った火力は敵旗艦に集中!!皆さん!これは私と彼女(ガミラス戦艦棲姫)との戦いです!手出し無用!静観をお願いします。」

「Non smettere di sparare, affonda il tuo Yamato qui!(撃つ手を止めるな!!ヤマトをここで、沈めろ!!この程度!損害にも成らない!!)」

「対空砲を使用しても構いません!!何が何でもここで仕留めなければ!後がありません!」

 

「ヤマト………」

「イセ、信じましょう。ヤマトを」

「ムツ…、そうね。」

「ヤマトさん……」

「フブキ、待ちましょう。」

「そうだね、アマツカゼちゃん」

 

左舷(さげん)ミサイル、一斉射!ってーー!!!」

 

命中するも被害が大きくなかった。しかし

 

「Non aspettare! Continua a scattare!(怯むな!撃ち続けろ!)」

 

しかしドメラーズ(ガミラス戦艦棲姫)が何者かにイオン乱流の嵐に引き込まれる。

 

「Tsu! Che a!( っ!な、何だ!)」

 

「ヤ、ヤマト達は、殺らせ、無い!!」

「Bene, se fosse un sottomarino di dimensioni !? Quel Teron aveva una tale tecnologia .........Sbagliato per colpire la mano in questo ultimo, l'ultimo giorno, o la separazione della corazzata!Domel Commander, grazie! E 'stato un onore essere sulla tua nave!(じ、次元潜航艦(じげんせんこうかん)だと!?テロンにそんな技術があったとは……、このドメラーズ、最後の最後で打つ手を誤ったか……。コアシップ分離!ドメル司令、有り難うございました。貴方の艦で居られたこと、光栄でした!)」

 

シオイが自らの命と引き換えに、ドメラーズ(ガミラス戦艦棲姫)をイオン乱気流に引き込み、沈めた。ドメルとコアシップを残して

 

「シオイ………。有り難うございました。」

 

 

ガコン!!大きな音がヤマトの足元からする。

 

「な、何でしょ…!?そんな……」

 

ヤマトの足元には、敵のコアシップがついていた

 

『私は、ガミラス銀河方面軍司令長官、エルク・ドメル』

「地球艦隊旗艦、宇宙戦艦ヤマト」

(その艦長沖田だ。)

『やっと、お会い出来ましたな………貴艦の奮戦、素晴らしかった。』

(ドメル司令、このまま我々を行かせてはくれまいか)

「もう、戦う必要は無いんです!血を流す必要も!」

『そうも生きません。沖田艦長、ヤマトさん、貴女も、貴方方も軍人なら、解るはずです。最後に会えて、良かった。テロンとガミラスに、栄光あれ』

 

(敵は自爆するつもりだ!)

「艦低部、波動防壁展開!!急いで!!」

 

その直後、ドメルは自爆した。ヤマトは、波動防壁の展開が間に合い、無事で有ったが、脚部艤装は損害を受け、第三艦橋は大破した………

 

「全艦!!シオイと、この戦いで亡くなった艦娘に対し!!敬礼をしつつ、しばし黙祷を捧げる!!敬礼!!」

 

「イセ………」〔有り難う……〕

 

 

七色星団の戦いは、敵味方の多くの犠牲を払い終結した。これは、後に、七色星団海戦と呼ばれ、ミッドウェーと同じ位知られる事となった………




次回、宇宙艦これヤマト2199第七章 『イスカンダルへ』

次回、第七章第一話『収容所惑星、レプタホーダ』

人類滅亡まで、後、250日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト、いいかい、それをしまうんだ。今すぐに

ヤマト「嫌です。ソウリュウを拉致させたうえ、シオイさんまで!」

いいか、それはビームジャベリンといって人に向けていいものでは無

ヤマト「問答無用!」


イセ「長い間お待たせしました。ちょっと手違いで少し早めに出してしまいましたが、これで完成です。それではまた次回」


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第七章 イスカンダルへ
収容所惑星、レプタホーダ


七色星団の戦いにおいて、多くの仲間を失い、多くの損害を出したヤマト、彼女達の傷は癒えることなく進まなければならない……


「七色星団での戦いで、お互いの正義の為、自身の祖国の為に散った勇士達に、哀悼の意を示します!」

「総員!敬礼をしつつ、しばし黙祷を捧げる!!敬礼!!

 

〔シオイさん、シオイさん、シオイさん!!シオイさぁーーん!!!!

 

(宇宙葬を行う。射出始め!!敬礼!)

 

「礼砲、斉射感覚5秒、撃ち方始め!」

 

ズドン!

ズドン!

ズドン!

 

ヤマトは、自分の首から下げている首飾りに手を添え考えていた。〔…イナヤさん、私は、これからどうすればいいんでしょうか……。皆を守ると誓ったのに…………〕

 

「礼砲、撃ち方止め、これより、予定道理にイスカンダルへ向かいます。両舷前進半速!」

 

-----------

「ヤマト、私達は補修と補給が必要だと思うの。」

「えぇ、そうね、レーダーも応急修理したとはいえ、機能には制限があるわ」

「それなら、付近に良い惑星が有ります。」

「本当ですか?オオヨドさん」

「ええ、ヤマトさん、例の機械、借りても良いですか?」

「ええ、どうぞ」

 

あのホログラム投射機を渡されたオオヨドは、すぐに展開し、現在の宙域を表示した。

 

「私達の今現在の位置はこの赤でプロットした場所です。そして、ここから2000宇宙キロ離れた空間に惑星が有ります。 惑星の名前は『レプタホーダ』ここら辺は既にガミラスの勢力圏内ですので、植民惑星の可能性も高いですが、資源が豊富に有る為、ここでの補修が最適と思われます。」

「…………」

「ヤマトさん?」

「オオヨドさんの案で行きましょう。古代君」

 

『なんです?』

 

「レプタホーダによる予定です。偵察のため、シーガルで出てくれますか?」

 

『了解です!!』

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

報告日誌

私達は、ドメル司令との戦いで傷付いた艤装と、身体の癒しの為に、惑星『レプタホーダ』へと寄港した。何が起こるかわからない為、古代戦術長等に偵察に出てもらった。その後の報告で判ったことだが、此処はガミラスの収容所惑星として使用されているらしい。又、今回我々は、ガミラスの高官であるディッツ提督とその艦であるガイデロールとの会合もあり、ガミラスについて情報を得ることが出来た。敵の指導者は『アベルト・デスラー』彼は反デスラーとして逮捕されていたと言う。今回我々は情報将校としてEX-178(イナヤ)に乗艦していた、メルダ・ディッツ少尉を残して行った。我々はガミラスの反デスラー側と協戦出来ないかどうか話し合ったが、叶うことはなかった。今回ディッツ提督との会合により、艦隊の空母であるソウリュウと、本艦の船務長の森一尉の無事が確認された。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤハギ、この作戦書だけれど」

「何?」

「最後の項目は認められない」

「冗談、よね?」

「いや、許可出来ない」

「なんで!?貴女は!」

「私達の目的地はイスカンダルよ。ガミラスじゃない」

「本気なの!?じゃあ彼女はどうなるの!!見殺しにするの!!」

「………」

「ガミラスはイスカンダルと目と鼻の先よ、再考する余地は有るんじゃないの?」

「……」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤマトより索敵班の駆逐艦、巡洋艦及び妖精さんに達します。本艦隊は1100(ヒトヒトマルマル)よりワープに入ります。総員、第二種空間装備で待機せよ」

------------

「皆さん!地球は、私達の遥か後方16万光年先に有ります!!ですが、そんなものは数字に過ぎません!!地球は直ぐ後ろに有ります!!後ろに有って、私達の帰りを待っています!!まもなく私達は、イスカンダルの有るサレザー恒星系に到達します。ですが、敵の母星もまた、同じ恒星系に有ります。そこは目的地でもあり、敵地でもあるのです!ですが、私達はイスカンダルへの道を選びます。それは、其処に希望が有るからです。そして、直ぐ後ろに有る地球が、その希望を手に、私達が帰ってくるのを待っているからです!全艦、対艦戦闘用意!!縦陣形!総員、第一種戦闘配置!!これより、イスカンダルへ向けての最後の大ワープを刊行します。ワープ準備!!」

「全艦!ワープ準備!!」

「波動エンジン、臨界へ!」

「ワープ座標、全艦連動確認!」

「波動エンジン内圧上昇!亜光速から光速へ以降!!」

「ワープ座標異常なし!」

「ワープ10秒前、9,8,7,6,5,4,3,2,1、ワープ!!」

 

ヤマト達は向かう、希望の星へ、地球は待っている、君達の一刻も早い帰りを………

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

地球

 

「長官、ムサシ、タイホウの艤装はどうされますか」

「波動コアが量産出来ない以上は、機関以外の製造に注視してくれ」

「はっ!」

 

コン コン コン

 

「誰だ」

「ムサシ、タイホウです」

「入りたまえ」

「失礼します」

 

ムサシ、タイホウは何故呼び出されたのか理解が出来ないようすだった。

 

「君達の艤装だが、波動エンジンの量産が確率出来ない以上発進する事が出来ない」

「分かった」

「それについては理解しています。ですが長官、それまでの間、我々は何をすれば良いでしょうか」

「うむ、艤装の攻撃の訓練等をしていた方が良いかもしれんな」

「はっ!」

「では、失礼する」




次回、宇宙艦これヤマト2199第七章第二話「激突!ガミラス対ヤマト艦隊」

人類滅亡まで、後、243日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
え~、ヤマトは当分喪に服すそうです。
って、ヤハギ、その格好はどうした!?ヤマトみたいな格好してるじゃん

ヤハギ「ある人の所のヤハギにやられた………」

そ、そうか、ヤハギ、その、似合ってる、ぞ?

ヤハギ「ぶっ殺してやる!!!!」

ブベラ!!


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激突!ヤマト艦隊対ガミラス

ガミラスへ行かず、イスカンダルへ行く決意をしたヤマト一行、彼女達はサレザー恒星系への最後のワープを行った。地球では多くの人が待っている。その事を胸に、目的地へと向かうのだった……

※今後地球sideがよく出てきます。因みに今回も出ます。


空間が歪み、歪みが生じた地点からヤマト達が出てくる。

 

「ワープ完了、各艦の損害確認できず」

 

『サレザー恒星系第5惑星のエピドラだ』

 

「遂に来たのね、ここまで」

「イセ…、えぇ、そうですね」

 

「っ!艦首(かんしゅ)方向に高エネルギー反応!!真っ直ぐこちらに向かって来ます!!!

 

「全艦散会!!急いで!!!」

 

ヤマト達が散会した直後、赤紫色をしたんだよ閃光が横切る。

 

「こ、これは……」

「波動、砲」

「敵も波動エネルギーを使用しているからこそ、作り上げたのです。皆さん、損害は」

「対空砲が少し溶けた位かな」

「私達も同じだな」

「私は第三砲塔が少し焼けた位ね」

 

〔ムツさん………〕

 

『発射点特定カンリョウ。ガミラス、イスカンダル中間点L1カラデス』

 

「ヤマト、このままここに居ても」

「イセ、私が何も考えてないと思います?全艦、第5船速!敵が例え波動砲を所持していても、亜光速の物体の狙撃は出来ない筈です。目標変更!目標、ガミラス!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「Yamato, approccio rapido!〔ヤマト、急速接近!!〕」

「Le guardie se ne andranno. Per favore lasciala, Gamirasu Princess〔親衛隊が出ます。お任せ下さい、ガミラス棲姫様〕」

「L'ho lasciato. Ti mostrerò il potere delle guardie.〔任せた。親衛隊の力、見せて貰うよ。〕」

「Gare Gamirasu〔ガーレ・ガミラス〕」

 

「前方に敵空母群を確認!」

「艦首スラスター全力噴射!!航空隊、急速展開!!イセ!オオヨド!」

「「了解!」」

 

ヤマト、イセ、オオヨドからコスモファルコンが展開され、ヤマト第三格納庫からメルダ機が出た。

 

「これよりガミラスへ降下します。面舵20!急速転舵!波動防壁展開!」

 

「何でしょう、この海は」

「ハルナ?」

「いえ、少し疑問に思ったので…」

「そうね。私も気になるわ」

「ヤマトさんもですか……」

「えぇ、でも、ここは敵の本土よ、気を引き締めて行きましょう」

「はい!」

「大気圏内航行速力にて、敵総統府…いえ、ガミラス棲姫を叩きます!」

「敵艦、両翼より接近!!」

「主砲、ってーー!!」

「ヤマト!」

「何?イセ」

「ガミラス棲姫への突撃は私がやるから!!貴女は、今貴女の成すべき事をして!」

「私の……成すべき事………、はい!後は任せます!!」

「行ってこい!ヤマト!」

 

「急速転舵!皆さん、振り落とされないでください!古代君!ゼロでの発進許可を出します!行きますよ!」

『了解!!』

 

「Nave figlia diversa da Yamato assalta l'ufficio del governatore!〔ヤマト以外の艦娘が、総統府へ突撃します!どうされますか、総統〕

 

(Yamato probabilmente è venuto in soccorso dei suoi compagni. Deusula, separa il 633 Cork, consegnalo all'ufficio presidenziale. Yamato attacca la flotta e affonda. Valeras, con il suo prezioso sacrificio, rimuove i suoi vecchi abiti e questo secondo Valeras sarà un nuovo ponte tra Iskandar e Gamiras.[ヤマトは恐らく仲間を救いに来たのだろう。デウスーラ、633コークを分離し、総統府府に落とせ。ヤマトは艦隊攻撃を行い撃沈する。バレラスは、その尊い犠牲をもって、古き衣を脱ぎ捨て、この、第二バレラスがイスカンダルとガミラスの架け橋となるのだ])

 

「Capisco Presidente Sua Eccellenza.633 Trasmissione codice isolato sughero! Imposta il punto di discesa per il governo presidenziale, Gamirasu Tsubaki!〔了解しました。総統閣下。633コーク分離コード発信!降下地点を総統府、ガミラス棲姫へ設定!!〕」

 

「Impostazione del punto di discesa completata. 633 Sughero, separazione, iniziare a scendere!

〔降下地点設定完了。633コーク分離、降下開始します〕」

 

「なに、あれ……」

「おいイセ!此方に落ちてくるぞ!」

「アナライザー!落着予想位置は!!」

『総統府、ガミラス棲姫。ツマリ、此処デス』

「もう無理だ……」

「いや、嫌だよぅ、こんなところで、死にたくないよぅ」

「オオヨド……」

「アカシ……有り難うね」

 

まだよ!まだ手は残ってる!!

 

「イセ?」

「ヤハギ!引き続き目標の観測を!」

「わ、解った」

 

「ハルナ、ムツは妨害する敵艦の迎撃を!」

「え、えぇ」

 

「アカシ、チャージャーを私に繋げて!」

「わ、解りました」

「任せなさい」

 

「ハマカゼ、フブキ、アマツカゼ!ガミラス翻訳機を使用して周辺住民への避難指示を!!」

「「「了解!」」」

 

「オオヨドはヤハギと共に観測手を!」

「了解、でも、何を………!!まさか」

 

「えぇ、波動砲で迎撃するわよ」

 

「波動砲チャージャー、接続完了!」

「周辺住民への避難指示、及び避難誘導完了」

 

「目標進路変わらず」

「波動砲直撃圏内まで、後50秒!」

 

「周辺の敵艦総統完了」

 

「間もなく、直撃圏内!」

 

「イセ…」

「ヤハギ……」

「チャンスは一回のみよ、失敗したら……解ってるわよね」

「任せなさい。私は大砲屋よ?それに、命中率100%の信頼性は伊達じゃないわよ。ターゲットスコープ、オープン!波動砲への回路開け!ロケットアンカー射出!艦体固定!強制注入機作動!最終セーフティ解除!電映クロスゲージ、明度25、エネルギー充填、120%!総員、対ショック対閃光防御!発射5秒前、4,3,2,1発射ーーー!!!!

 

イセの艦首から発射された波動砲は、第二バレラス633コークを直撃し、全壊させ、ガミラス棲姫や、バレラスに住むガミラス人を守った。この後、ヤマト艦隊は、ガミラスの救世主として、国内全域へと知れ渡る事と成るのだが、それはまだ、少し先の未来の話である。

 

「Lo hanno fatto ...?〔彼女達が、やってくれた…のか…?〕」

 

(Quindi, è giusto .... Gamirasu Princess ..........[そ、そのようです……、ガミラス棲姫様……])

 

「全艦、反転用意、これより我々は、ヤマトとの合流地点に向かいます!」

「「「了解!!」」」

 

「やったわね…、イセ……」

「えぇ、そうね」

 

「「……」」

 

「ヤハギ……」

「何?」

「貴女…、喋り方変わった?」

「そう?」

「えぇ、前は何だか………男みたいな喋り方だったわよ?」

「それを言えば、イセもそんな感じだったろぅ」

「そうね……」

「まぁ、私の場合は、少しグレてたのかも」

「グレてた?」

「私は………いえ、イスカンダルで話すわ」

「分かったわ」

 

ヤマト

〔イセ、有り難うございます〕

 

その直後、第二バレラスは突如爆発し、消し飛んだ

 

「嘘………何で…………ソウリュウ…………」

〔結局……、始めの約束、一回も守れてないじゃない……それに、それにようやく…〕

「ようやく自分のするべき事が判ったのに」

 

(雪……俺は、結局…………、?あれは……まさか………!!)

 

「!、まさか!!!!」

 

(雪!!)

「ソウリュウ!!」

 

ヤマトと古代は、お互いの探していた人を見つけ近寄っていく

 

「ヤマ…ト?」

(古代…君?)

「えぇ」

(そうだよ)

「(夢じゃ、無い、よね?)」

「えぇ、夢じゃ無いです」

(あぁ、夢じゃ無い)

 

そういいながら抱き合う四人、そして、その後ろには、青く広がるイスカンダルが有った……

 

「合流完了」

「お帰りなさい、ソウリュウ」

「有り難う、イセ」

 

「ソウリュウさん、これ…」

「私の飛行甲板……有り難う、オオヨドさん」

「いえ……」

 

その直後、次元震をソウリュウが感知する

 

「次元震感知…、ワープアウト反応!!」

「こんな時に!」

「また性懲りもなく!!」

「待って!これは……、友軍識別信号……ワープアウト位置は……艦隊後方!」

「友軍?どう言うこと?ソウリュウ」

「判らない、けど、識別信号は国連宇宙軍だよ?」

 

「キ、キサラギちゃん!?ま、まさか、キサラギちゃんの幽霊!?」

「そ、そそそんな訳無いでしょ!な、何言うのよフブキ!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

地球side

「ムサシ」

「何だ?」

「ヤマトってどんな人?」

「知らん」

「でも姉妹艦でしょ?」

「会う前に行ったんだ、知るわけ無いだろう」

これは噂何だけどさ、ヤマトが昔の深海棲艦との戦いの時の艦何だって

「そんな訳無いだろぅ、100年も人は生きられない」

「だよね………」

 

〔ヤマト…か、どんな奴だろうな〕




次回、宇宙艦これヤマト2199第七章第三話

「到達!イスカンダル」

人類滅亡まで、後、241日

※次回は、サイレント・レイさんから許可を得て、再びサイレント・レイさん側の艦娘が登場します。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ソウリュウ「あれ?ヤマトは?」

シオイが沈んだから、喪に服すそうだよ

ソウリュウ「へーー、というか、またやらせて貰ったんだ」

うん、凄く有り難いよね。あ、そうそう、今度はサイレント・レイさんの方でもコラボしてくれるって

ソウリュウ「え!?そんな事有っていいの!?」

い、いや、此方としては物凄く嬉しいよ?

ソウリュウ「そうじゃなくて、あっちよりも読者少ないのに」

………言わないで、俺の文才が無いだけだから

ソウリュウ「な、何かゴメン。それより、次回は遂にイスカンダルにつくわけだけど、妖精さんはどうするの?」

………それ、今聞く?

ソウリュウ「気になるじゃん」

内緒

ソウリュウ「ケチ」

……それではまた会いましょう


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到達!イスカンダル

ガミラス本土決戦を終え、イスカンダルへ向かおうとしていたとき、波動エンジン搭載艦が残っていない筈の国連宇宙軍艦娘が現れた。

※今回は、サイレント・レイさんの許可を得て、コラボpart2となってます。


「次元震感知!これは、艦隊後方です!!識別信号は、友軍!?」

 

「き、キサラギちゃん!?」

「ジンツウさんまで!?」

 

「フブキ、アマツカゼ、そんな訳無いでしょ、二人は、木星海戦で沈んだのよ」

 

「でも、ヤハギさん!あれは……」

「見て、フブキ、2人の後ろに誰か居る!」

 

「?アカシさん、何で震えてるんです?」

「あぁ、ハマカゼさん。ちょっと嫌な予感がして……」

「はぁ」

 

「ねぇ、ヤマト」

「何だろう、こんなことが前にも有ったような……」

「イセもソウリュウも察しが良いですね。あの三人は、あの世界の皆さんです。」

「あ、やっぱり?でも、前に行った時は居なかったよね?」

「えぇ。亜空間跳躍ネットワークを使用して、此方に来るのは連絡済みですが、まさかあの人が来るなんて」

「あ、亜空間跳躍ネットワーク?」

「この端末の最新機能ですよ。前に行った時にアカシが製作したそうです。」

「は、はい、その通りです。」

 

「ヤマト、あの人ってどう言う事?」

「藤堂兵九郎防衛艦隊司令長官の秘書艦の宇宙駆逐艦如月。そして、駆逐艦から鬼軍曹として知られている巡洋艦神通。最後に、春藍級二番艦かが」

「先の二人は解ったけど……春藍級?」

「向こうの波動エンジン搭載型先行配備艦です。」

 

かが「皆への紹介は済んだようね。地球連邦宇宙軍艦隊総旗艦様?」

「えぇ、目的地は目の前です。降りてから色々話しましょう。」

如月「そうね。やらなければ為らない事も有るからね」

「えぇ。全艦、イスカンダルへの降下用意!イスカンダルからの誘導ビーコンに従い着水、CRSの受領作業に移ります!」

 

「「「了解!!」」」

 

「着水態勢に移行、艦首艦底部スラスター噴射、波動エンジンへの出力カット、着水と同時に補助エンジンへエネルギー伝達」

「着水10秒前、補助エンジンへの回路接続準備良し」

「5,4,3,2,1、着水。補助エンジンへ回路接続。第一船速、係留班、係留作業準備」

 

「前方に建造物群確認。港湾都市と思われます」

「誘導ビーコンはあそこから発せられています」

 

「解りました。接岸準備、左舷タラップ降下用意」

「目標地点到達。全艦、両舷錨降ろせ」

「錨降ろせ、了解」

 

「ヤマト、艦隊各艦、及び同行三隻の係留作業完了。問題なし」

「有り難う。ソウリュウ」

 

全艦が停泊すると、代表として〈真田〉〈古代〉〈森〉〈新見〉がタラップを降り、そして、妖精の姿から普通の姿へと変わった

 

「ヤマト、君も来るか?」

「真田さん、御厚意に感謝します。ですが、私は艦娘です。任務が終わるまで、自分の艤装からは離れないようにしています」

「解った」

 

かが「それより、早く行うわよ」

「解ってます。如月さん、お願いします」

如月「了解。それではこれより、国連宇宙軍イスカンダル特別派遣ヤマト艦隊の、勲章授与式を行います!呼ばれた人は私のところまで、胸に勲章を付けるから」

 

「「「了解!」」」

 

如月「まず、改イソカゼ型突撃宇宙駆逐艦フブキ!」

「は、はい!」

神通「おめでとう。此からも頑張ってね」

「あ、有り難うございます!!」

 

如月「次!同駆逐艦、アマツカゼ!」

「はい!!」

神通「貴女も、お疲れ様。まだ先は長いわよ」

「はい!有り難うございます!!」

 

如月「次!同駆逐艦、ハマカゼ!」

「はい!!」

神通「元気が有って良いわね。此からも、そのままの貴女でね」

「はい!光栄です!」

 

如月「次!改ムラサメ型巡洋艦、ヤハギ!」

「はい!」

神通「貴方の戦果は聞いているわ。同じ巡洋艦としてとても誇りに思うわ」

「有り難う、神通。君も良い教官だと瑞鶴から聞いているわ」

神通「そんなこと無いわよ」

 

如月「次!オオヨド型特殊宇宙巡洋艦、オオヨド!」

「はい」

神通「蒼龍さんから話は聞いています。航空隊運用は大変だったでしょう」

「えぇ、ですが、私も一応は航空隊を持っていますから」

 

如月「次!工作艦、アカシ!」

「は、はい!」

神通「戦闘能力が乏しい貴女だけど、良く生存してくれました。此からも艦隊の為に頑張ってね」

「は、はい」

 

如月「次!改コンゴウ型宇宙戦艦、ハルナ!」

「はい!」

神通「お疲れ様です。此からも頑張って下さい」

「はい!有り難うございます。」

 

如月「次!改コンゴウ型宇宙戦艦、ムツ!」

「はい!」

神通「七色星団の戦いの活躍は聞いています。お疲れ様です。」

「有り難う。此からも頑張るわ」

 

如月「次!イセ型超弩級宇宙戦艦一番艦イセ!」

「はい!」

かが「此処からは私が渡すわ。お疲れ様。でもまだ旅の半分よ。気を引き締め直しなさい」

「えぇ。後で色々話聞かせてもらえるかしら?」

かが「良いわよ」

 

如月「次!ソウリュウ型超弩級宇宙空母一番艦、ソウリュウ!」

「は、はい!!」

かが「貴女は空母としてとても活躍してくれて居たそうね。先代が空母だからか少し誇らしいわ」

「有り難う!」

 

如月「最後に、艦隊旗艦、ヤマト型超弩級宇宙戦艦、一番艦ヤマト!」

「はい!」

如月「貴女には、藤堂長官からこれまでの活躍を称えられ、甲種勲章が授与されます。」

 

「「「甲種勲章!?」」」

 

「そ、そんな大層な物を貰って良いのでしょうか?」

かが「藤堂長官直々よ。ありがたく貰いなさい」

「は、はい」

如月「はい、どうぞ」

「あ、有り難うございます…」

如月「とても似合ってるわよ……あら?これは…何?」

 

そう言って如月が手に取ったのは、あのイナヤの残骸のプレートだった

 

如月「これは……ガミラスのよね?何で貴女が?」

「これは……私のかけがえの無い仲間の証です。」

如月「そう……それよりも、ヤマト。伊401は何処に」

「っ…し、シオイさんは…、七色星団で……」

「「「……」」」

 

如月「…そう。ではこの勲章は、貴女が持っていて下さい」

「……解りました」

 

神通「さぁ、しんみりした空気とはおさらばして、明石以外の皆はデザートが有るわよ」

「あんみつ!」

神通「はしゃがないで、ヤハギ。ちゃんと有るから」

「飛行場姫パフェ!」

神通「有るから……」

 

〔〔〔あ…、有るんだ……〕〕〕

 

「あの……神通さん」

神通「どうしたの?フブキさん」

「何でアカシさんのデザートは無いんですか?」

神通「……………さぁ、何故かしら………」チラ

 

「ヒッ!」

 

神通「それよりも、ヤハギとヤマトは除いて、食べたいもの選んでね」

 

「「はい!」」

 

「わーい、どれにしようか」ガシ

 

「なっ!!」

神通「貴女は駄目でしょぅ?」

「す、すみません……」

 

この時、イスカンダルの謁見の間では、地球へのCRSの受け渡しが、拒否されていた……




次回、宇宙艦これヤマト2199第七章第四話「去らばイスカンダル、いつかまた…」

人類滅亡まで、後、241日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「あ~、やっぱり?やっぱり拒否されますか~」

まぁ、ね?仕方ないよ

ソウリュウ「このまま次の章行ったとしたらどうしますか?」

あ~、アンケートとろうかなと

おい、待てムツ!そのハンマーは何だ!

ムツ「忘れた罰よ」

ちょっと待って!そんなので殴ったら死nブヘァ!

ムツ「罰よ」

※アンケートが表示されていたら、是非御投票下さい


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去らばイスカンダル、いつかまた…

特務艦との合流を果たし、ヤマト達はイスカンダルへ到達した。しかし、真田等からの報告は、ヤマト達に衝撃をもたらす事になる……


如月「ヤマト、これを貴女に」

 

そう言って如月が渡してきたのは、ドラグーンピストルに似たものだった。

 

「これは!まさか!」

「ヤマト、何?それ」

「あ~、ソウリュウ、覚えてない?聞いたら大変な事になる……」

 

「これは戦士の銃と呼ばれ、空間龍騎兵のみが使うと言われている、宇宙戦士の銃(コスモドラグーン)と言う宇宙拳銃です」

 

如月「えぇ、そうよ、製作者は亡くなっているのの……。あと、それはコピー品よ。使えないから」

 

「え…………、そうですか……」

 

「あ、あの~、私のお菓子は……」

 

かが「はい、これ」ドサッ

 

「こ、これは?」

 

神通「カロリーメイト一年分よ」

 

「そ、そんなぁ~!食べたら口がパサパサするじゃないですかぁ!!」

 

如月「反論が其処とは……」

 

「あ、皆さん、真田副長達が帰ってきましたよ」

 

真田「ヤマト………」

「?どうされたんですか?真田さん」

古代「コスモリバースの受領を検討させて欲しいと……」

「そんな………何で!?」

新見「今ユリーシャさんが説得してくれてるけど……」

「理由は!理由は何ですか!?」

雪「波動砲よ……。私たちが波動エネルギーを兵器に転用したことで……、検討したいって……」

「そんなっ!」

 

そう報告して、彼らは妖精の姿に成り、艦内へ戻っていった

 

如月「……」

「何故…、なんでしょうか………」

かが「地球へ救いの手を差しのべた彼等が断る事は波動砲に有るみたいですね……」

「何にせよ、返答が来るまでは待つしか無いでしょう………」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「どうです、ソウリュウ、船ってのは良いものでしょう。この波の揺れとか」

「そうだねぇ…………、ねぇ、ヤマト」

「はい?」

「私達、いつまでまたされるんだろう」

「それは……、私にも解りません。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤハギ、この前言ってた事、教えてくれる?」

「いいわよ」

 

「あれは、丁度遊星爆弾の投下数が増えだした頃………

火星沖海戦は、敵の攻撃を防いだとはいえ、辛勝、その影響で戦力は、どの国も枯渇していた。そんな事は知らず、敵はまた大規模な侵攻作戦を計画しているようだったの。木星沖海戦は、それを防ぐ為に出撃した艦隊とガミラス艦隊とのたたかいだったの」

「知ってるわ」

「ムラサメ型巡洋艦の私の姉妹である、『アガノ』『ノシロ』『サカワ』も参加していた。当時の艦隊旗艦は、ナガト。ムツは待機だったみたいで。」

 

回想~~~~

「ノシロ姉、この戦い、勝てるかな」

「ヤハギ、私達は今、勝つ勝たないじゃなくて、敵の行動を『阻止』をしなきゃいけないの。」

「皆、もうすぐ作戦宙域よ。気を引き締めて。」

「サカワ?どうしたの?お喋りな貴女が静かだなんて」

「ヤハギ………。私、物凄く嫌な予感がして震えが止まらないの」

「大丈夫。気のせいよ、きっと」

 

回想~~~~

 

「私はこの時、サカワの『嫌な予感』の事よりも、作戦阻止の為についてで頭が一杯だった。

そして、サカワの『嫌な予感』は、最悪の結果と成って現れたわ。

此方の侵攻作戦阻止の為の奇襲は、敵に読まれていた。いや、バレていたの。」

「……」

「さっき私は、敵の地球侵攻作戦阻止の為に出撃したと言ったわね」

「えぇ」

「その侵攻作戦の情報そのものが嘘だったのよ。私達はまんまと偽情報に騙されて。敵の思う通りの行動をしたのよ」

 

回想~~~~

「アガノ姉!敵にバレてるよ!このままじゃ!」

「判ってるわ!ノシロ、地球司令部に打電!『先行の駆逐艦隊及び巡洋艦隊は、敵の攻撃を受け壊滅、撤退の許可求む』よ」

「分かった!」

「後発隊各艦へ通達!全艦、応射しつつ散会!反転!アステロイド帯まで後退!それ以降は地球司令部の指示に従う!」

「ノシロ姉!地球司令部から返信!『艦隊はそのまま残留し』…………『敵を撃滅せよ』!?」

「アガノ…………」

「司令部の命令は絶対よ……。それが命令なら、殺らないと……」

「アガノ姉正気!?敵の戦力はこっちの倍異常なのよ!そんな命令無視して撤退しないと、地球を守る人がいなくなっちゃうよ!」

「上からの命令は絶対よ、ヤハギ。旗艦であるアガノが決したの、それなら、遂行するのよ」

「でも!このままじゃ殺る前に殺られるよ!」

「……、アステロイド帯まで後退!小惑星を利用し、艦隊は反撃に移ります!」

 

回想~~~~

 

「この作戦は、最初は上手くいってたの。小惑星の影に隠れて奇襲したり、小惑星を爆破して、気をそらさせて攻撃したりしてね。でも、途中から敵も反応が変わってきたの」

「手当たり次第に小惑星を破壊したとか?」

「ええ、そうよ。奴等は私達が潜んでいそうな小惑星を破壊して回った」

 

回想~~~~

「どうするのとアガノ姉。このままじゃ居場所がバレるのも時間の問題だよ」

「判ってるわ。でも、私達の主砲は彼等には歯が立たない。突撃しても殺られるだけよ」

「だったら、陽動は?てきを引き付けさせて背後から狙い撃ち」

「誰がそれをやるの!……………!、ヤハギ!」

「え?何?アガノ姉」

 

その瞬間、アガノが自分の居る小惑星からヤハギを押し出した。

その直後だった。敵の攻撃がアガノ達の小惑星に直撃した。

ヤハギがアガノに押し出された理由は簡単だ。潜んでいた小惑星の端に居たからだ。恐らく。其処にいたのがサカワやノシロでも、アガノは同じ事をしただろう。

 

いやぁーーーーーーーーー!!!!!

 

しかし、結果として、ヤハギはおかしくなってしまった。

 

回想~~~~

 

「で、敵は私が沈んだと思ったのか、そのまま過ぎて行った。結局、出撃した艦隊は、駆逐艦2隻を残して全滅。私は、意識を失った状態で漂流していて土星沖まで来ていたの。そして、そのままあのコロニーへたどり着いた。精神状態がおかしくなっていた私は、カムイ・コタンでリハビリをしていたの。でも、結局精神状態は治っても、グレたまんまだった」

「でも、今は普通よね?」

「えぇ、この艦隊が、家族みたいで落ち着くから……」

「そぅ、なら、救ったかいあったわね。」

「イセ!」

「何?ヤハギ」

「………、やっぱ、何でもない。早く戻ろ?皆待ってるよ」

「そうね。何か有ったようだし」

 

(私のこの気持ちは、閉まっとこう……。今が、一番幸せだから……)

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤマトさん、宜しいでしょうか?」

「スターシャさん。少しお待ち下さい。今、艦長を……」

「いえ、大丈夫です。少し貴女とお話がしたくて」

「はぁ」

「ヤマトさん。貴女は、貴女方が波動砲と呼ぶ兵器を、どう思っていますか?」

「あの武器は、私達を守ってくれました。凄く有難いです」

「……そうですか……」

「ですが…、一度撃った時に気付きました。これは、使い方を誤れば、宇宙のバランスを崩しかねないと。だから私達は、あれはあくまでも、自分達の身を守る為でしか使って来ませんでした…」

「そうですか………。有り難う、ヤマトさん。貴女と話せたお陰で、決心がつきました。」

「それは、良かったです?」

 

翌日

「ヤマトさん、艦長をお呼び頂けるかしら?」

「はい!少しお待ち下さい。」

 

沖田艦長がヤマトから出てくる。

 

「沖田艦長。昨日、ヤマトさんと話しをして、決心がつきました。コスモリバースを、お渡しします。」

「感謝します。」

「貴女達が波動砲と呼ぶ兵器。あれを最初に造ったのは、我々なのです。我々は、その兵器を使い、この大マゼランを支配していた大帝国だったのです。しかし、我々の行いを悔いたイスカンダル人は、他の星への波動回路の提供をしないように成りました。そんな中、ガミラスに侵略されている地球が目に留まりました。我々は、一縷の望みを賭けて、地球へサーシャを送りました。貴女方には、あれを他国侵略の為に使用しないでもらいたいのです」

「お約束します。」

「お願いします。それと……、貴方、古代さんと仰いましたね?少し、宜しいかしら」

「はい」

 

墓地

「ここは……」

「此処は、この星の共同墓地。この下に、多くのイスカンダル人が眠っています。そして、この人も」

「これは………」

 

[古代守]

 

それは、古代進の兄の名前だった。スターシャからの話では、地球人をのせた捕虜護送船が墜落し、助け出すことが出来たものの、既に体はボロボロだったそう

 

「これを、貴方に」

 

渡されたのは、雪の持っているものと似たものだった。

 

ヤマト

『私は、国連宇宙軍、駆逐艦ユキカゼ艦長、古代守。私は、捕虜護送船でガミラスに連れていかれるところを、彼女に助けて貰った。そして、彼女から、地球からこのイスカンダルへ宇宙艦隊が来ることを聞いた。だが、俺の体はそれまで持ちそうに無い。だから、地球から来た君達に伝えたい。俺達は、異星人とだって理解しあ合える。愛し合うことが出来る。俺は、此処に来てそれを学んだよ。それと、もし地球からの艦隊に弟の進が居たら伝えてほしい。進、生きて、昔のような美しい地球の姿を、俺の分まで目に焼き付けてくれ。そして、もしその艦隊に、親友の真田とトチローが乗っていたら、伝えてほしい。真田。俺が出撃したあの時、お前は、俺に何かを伝えられない様な事があったんだろう。そしてお前は、その事を後悔しているだろう。だが、気にする事は無い。だから、後に引きずるな。トチロー、お前の力は、多くの人の為に役立ててくれ。お前の力があれば、多くの人の命を救う事だって出来る。

貴艦隊が無事に地球へ辿り着くことを祈る。』

 

「古代………、お前の言葉、大山に必ず伝える。それが、俺のせめての罪滅ぼしだ。」

「兄さん………有り難う……」

 

この言葉は、艦内放送で、ヤマト全艦へ、そして、艦外放送で艦隊全艦へ伝えられた。

この翌日から、ヤマト艦首へコスモリバースの搬入が行われた。

コスモリバースの搬入作業は2日掛けて終わり。ヤマト、ソウリュウ、イセの波動砲は、封印された。

 

「皆さん。本艦隊は、イスカンダルよりのコスモリバースシステムの受領を終え、これより、発信する。……艦長」

『あぁ……。帰ろう。故郷(ふるさと)へ』

「錨上げぃ!!」

「錨、巻き取り完了!」

「艦隊全艦、波動エンジン始動!接岸解除!補助エンジンが第三戦速へ到達と同時に右180°回頭!回頭完了と同時に波動エンジンに点火し、浮上します。全艦、発進せよ!」

「「「了解!」」」

 

ヤマト達は、様々な思いを乗せて行く。地球で待っている人の為に……

 

「全艦浮上!!上昇角30!安定翼展開!イスカンダル大気圏離脱と同時に第五戦速へ切り替え、速度が乗り次第、亜光速へ移行。その後は、旧第五惑星宙域にて、七色星団を越えるワープを刊行します!」




次回、宇宙艦これヤマト2199第八章「星巡る方舟」

次回、第八章第一話『新たなる敵』

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「……………」

ほんまにすんません(どけざ)

ヤマト「1ヶ月以上開きましたね」

大変反省しております‼️

ヤマト「次回は星巡る方舟編に突入ですけど、あの惑星はどうするのですか……」

《居ない》

ヤマト「しばいてきます。それではまた」


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第八章 星巡る方舟
新たなる敵


一時はどうなる事かと思われたコスモリバースの受領を無事に終え、イスカンダルを後にしたヤマト一向は、ガミラスからの波動砲で消滅した、サレザー恒星系第5惑星『エピドラ』の宙域へ来ていた


かが「それじゃあヤマト、私達は元の世界に帰るわ」

 

「はい。如月さん」

 

如月「何かしら?」

 

「彼方の藤堂本部長に、私からの感謝の意伝えておいて貰えますか?」

 

如月「分かったわ。」

 

「あ、あの、神通さん」

 

神通「何ですか?アカシさん」

 

「これを、そちらの技研に」

 

神通「これは………。解りました。渡しておきます。」

 

かが「それじゃあ私達は行くわ。ワープ!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「行っちゃったね……」

「ええ」

「二人とも何呆けてるの?ワープするよ」

「そうだね」

「皆さん、これより艦隊はワープに移行します。」

「全艦のワープ先の空間座標連動及び固定完了、いつでも行けるよ」

「ワーープ!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「全艦ワープアウト、異常確認せず」

「これからは安全に帰る事が出来るね、ヤマト!」

「………」

 

「どうしたの?」

「………ソウリュウ…、このデッドコピー品のコスモドラグーン何ですけど……」

「うん」

「これ、トリガーが動くんです。」

「コピーなら動くんじゃないの?」

「で、ですよね……。じゃ、じゃぁ、エネルギーシリンダーにビームエネルギーが入っているのは、何かの間違い何ですよね?」

「うんそう、間違……、え?ホントに?」

「はい。しかも、シリアルナンバー5と書いてあります。」

「撃ってみたら?」

「そうですね」

 

ヤマトはコスモドラグーンを構え、何も無い空間に緑の衝撃を放つ。

 

「「……………………………………………」」

 

「これ、レプリカじゃ無いですよね?」

「うん、絶対に本物」

 

「ヤマト、今何したの?」

「何かビームみたいなの飛んでたけど?……」

 

「き、気にしないで下さい……………」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

航海日誌 ヤマト著

[イスカンダルを出てから一ヵ月経った。ガミラスは、イスカンダルからの仲裁により一時的では有るが、休戦協定がしかれた。コスモリバースを受領し、ガミラスからの攻撃も無い今は、艦隊と艦内の雰囲気はとても明るい。情報科所属の桐生御影は、情報長の新見薫とともに、異星言語の翻訳作業に取り掛かっている。このまま順調に航海を続ければ、日本の12月頃に地球へ帰り着けるだろう。以上、本日の航海日誌への記録を終わる。]

 

「平和って、いいですね」

「そうね。このまま何事もなければ良いわね」

「ムツさん、それはフラグが建ってる気が………」

 

「そう言えば……」

「どうかしたの?アカシ」

「いや、ヤマトさんと沖田司令が親子みたいだなぁと」

「仲良いわよね」

 

その直後、ヤマトが攻撃を受ける

 

「!、な、何ですか!」

「前方!、所属不明機確認!」

「2番、三式、対空戦闘!ってーー!」

「ソウリュウ、至急不明機の解析を」

「分かった」

 

『誰が指示を出した』

『自分が出しました』

 

「解析したけど、データベースに無いよ」

「それは本当?」

「うん」

「となると何処が………」

 

「艦隊後方より、艦隊ワープアウト」

 

「各艦、臨戦態勢。」

「艦隊より通信入電」

 

『Розкажіть Теронському флоту про життя імператора Зодера(テロン艦隊に、大帝ズォーダーの命を伝える)』

 

「言語一致ガトランティス」

 

『我が名は雷鳴のゴラン・ダガーム。テロン艦よ、直ちに此方に明け渡すべし』

 

「御断りします」

 

「貴様!!!!自分ノ立場ガ解ッテイルノカ!!我ラガ大帝ニ逆ラウツモリカ!!」

 

「我々は航海の途中で有り、そちらの戦闘機が攻撃を仕掛けて来た為にやむを得ず応戦しただけです。此方に戦闘の意思はありません」

 

「笑止!!」

 

「っ!」

 

『和睦、有り得ぬ!命令に従わぬのなら、力ずくで奪い取るまで』

 

「通信切断されました」

「仕掛けてくる!!全艦、戦闘用意!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「ソウリュウ、周辺に惑星を確認できる?」

「了解。……確認。惑星の構造は空洞惑星」

 

「全艦、惑星へ転舵!」

 

「逃げるんですか!?ヤマトさん!!」

 

「えぇ、逃げます」

 

「でも……」

「フブキ、指示が有ったんだから、その通りに行くわよ」

「アマツカゼちゃん……、うん解った」

 

「全艦、第3戦速、降下用意!」

 

 

「星ヘ逃ゲルカ……」

 

『火炎直撃砲、発射用意!』

 

「了解、次元転送跳躍装置、指導。エネルギー充填。………艦長、グリアデガ先行シスギダ」

 

『構わん、やれ』

 

「了解。火炎直撃砲、発射!」

 

メガルーダが艤装の一部を引くと、炎が射出される。

そして、ヤマト達の後方から、メガルーダが放った炎が現れ、グリアデを沈め、ハマカゼ、ハルナを大破させる。

 

「ハルナさん!ハマカゼさん!」

「ハルナは……大丈夫です。このまま…行けます。ただ、ハマカゼちゃんが……」

 

「…………アカシさん。ハルナ、ハマカゼと共に、バラン宙域まで離脱し、当該宙域で補修作業を行って下さい。」

「………良いの?」

「いずれにせよ、バランには寄る予定でした。お願いします。」

「了解。何か有ったらIdroidで」

「はい。」

 

「ハルナ、ハマカゼ、撤退するよ。出せる最大速力で行くよ!」

「解り…ました」

「了…解」

 

「敵の気を引きます!全艦、ってーー!」

 

「ワープで離脱するよ!行けるね!」

「はい」

「問題有りません」

「ワープ!!」

 

「敵艦隊、上部より接近!」

「SAM発射始め!!」

「後方からも接近!」

「イセ!」

「艦尾魚雷、一斉射!ってーー!!」

「右舷に敵艦!!ムツ!」

「任せて!主砲、斉射!」

 

「ヤマト!」

「何?ヤハギ」

「艦隊後方から、unknowntarget複数接近!!」

「オオヨドさん、殺れますか!?」

「やってみます。」

『マッテ下サイ』

「何!アナライザー!」

「未確認物体ニ、生体反応有り」

「オオヨドさん、攻撃取り止め、未確認物体の様子を見ます」

「了解です」

『未確認物体、敵艦ニ接触』

 

ヤマト達が見たのは、未確認物体の触手部分が艦のエネルギーを吸いとり、地面に接触して沈む様様だった

 

「ひゃあ!!」

「こいつら、まとわりついて!艦の電力とかを吸ってる!」

 

「ヤマト、このままじゃ、航行不能に陥るよ!」

「ヤマト!」

「………ワープで振り切りましょう。」

「えっ!?」

「危険じゃないか?」

「行けるかも知れない。ワープ次元震の影響で、振り払える可能性は十分に有る」

「ヤハギ……」

「何事もやってみなければ解りません。それに、このまま行っても袋の鼠です。」

「解った。やろう。ヤマトの言う通りだよ」

「……解ったわ、やりましょう」

 

「全艦、ワープ準備、これより艦隊は、緊急ワープに入ります。」

「波動エンジン、回転数良好、行けるよ!」

「全艦、ワープ!!」




次回、第八章第二話「異次元の惑星」

人類滅亡まで、後、198日
______________________
え~~~、非常に長らくお待たせ致しました。本作を楽しみにしていた読者様に、心からお詫び致します。誠に申し訳有りませんでした。

大和「残り10話程で完結する見込みとなっております。私達の旅に、今暫くお付き合いください。」

それでは、次回はなるべく早く投稿しますので、またお会いしましょう。


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異次元の惑星

ガトランティスから攻撃を受けた艦隊は3隻の離脱を余儀無くされた。追い込まれたヤマト達は、空洞惑星で緊急ワープを実行したが、彼女達の行き着いた先は………


大頭督(だいととく)、敵ハ空間跳躍シタ模様デス」

 

『姑息な!!直ぐに跳躍先を割り出せ!!』

 

「ハッ!!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

……………」

「此処は?………」

「判らない。レーダーは反応するが、存在しない空間点を示している………」

 

ヤマト達が呆然としていると、艤装が急に動き出す。

 

「!!、おかしい!操作を一切受け付けない!!」

 

『ヤマト…、俺達は一度、この現象に遭遇している』

 

「!!、魔女、ですか……」

 

『そうだ。そして、このまま行き着く先が、あの時の目的地だろう……』

 

「解りました」

 

______________________

 

「前方に、浮遊する巨大構造物!」

 

『どうやら、此処が終着駅の様だ…』

 

すると、ヤマト、イセの空間探照灯が点灯し、壁面を照らす。そして、ヤマト、イセ、ソウリュウのアンカーが射出され、停止する。

 

「此処は、一体……」

「イセ、ソウリュウ、調査班をコウノトリで出します。それまでは、ひゃ!!」

 

そこまで言った所でヤマトは艤装が外れ、惑星へ自由落下していった。それと同じく、ヤマトからコウノトリが発進し、惑星へ入っていった。そして、ヤマトとコウノトリが惑星に消えると、表面が硬化し、通信不能に成った。

 

「ヤマト!!ヤマト!!!!どうしよう、イセ、繋がらないよ!!」

「落ち着いて!今は様子を見ましょう。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「キャアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

「うおおおおおおおおおお!!」

 

惑星に入ったコウノトリは、通常の大きさへ戻っていた。操縦不能に近い状態ではあるが、なんとかヤマトを収用し、飛行した。

 

「有り難うございます。助かりました。沢村さん」

「いえいえ」

 

着陸すると、アナライザーが解析し、大気成分が問題ない事を告げた。ヤマト達が熱帯雨林の中を歩いていると、桐生はこう言った

 

「私、此所に着たことあります!!昔、両親連れられて、アマゾンに来たんです!」

「となると、」

「此処は………桐生さんの記憶?」

 

「ヤマトさん!!戦術長!此方に来て下さい!」

 

相原に呼ばれ、向かった先にあり得ない光景が待ち構えていた。

 

「これは、何だ……」

「全長、264m、全幅、74m」

 

「基準排水量、六万四千t、艦首に四六サンチ砲六門、艦尾に三門、計九門完備し、大戦当時最大と言われた、大和型超弩級戦艦一番艦、私の前の姿でもある、大和です」

 

「ヤマトの、前の、姿………」

 

其処には、有り得ないはずの(ふね)が、森の中で、佇んでいた…………




次回、第8章第3話「奇妙な一週間」

人類滅亡まで、後、197日
______________________

と、言う訳で、前回の事を反省し、今回は早く投稿できたと思います。

ヤマト「………」

どうしたの?

ヤマト「手抜き?」

違う!!


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奇妙な一週間

ヤマト達は、異次元に在る惑星へと辿り着いた。しかし、艤装が外れ、惑星へ落下していった


「大和………、これが、ヤマトの前の姿」

「えぇ、懐かしいです……」

 

「ヤマトさん、戦術長!ガミラスの救難信号を受信、場所は…彼処です!」

 

そう言って相原が指差したのは、大和だった。

 

「行ってみましょう」

「そうだな」

 

ヤマト達は、大和に向かい、中に入れる所を探した。

 

「此処から入れるみたいッスよー!」

 

沢村が入口を見つけた様だ。

 

「よし、行こう」

「はい」

 

ヤマト達が中に入って行く。進んだ先に扉が有り其処を開けた先は、まるで、ホテルの様だった。

 

「何かしら、此処は………。まるでホテルね……」

 

ホテルじゃありません!!……あ、いえ、すみません。昔普通の艦娘だった時の癖で………」

「いえ、こちらこそ申し訳ないわ」

「いえ…、それよりも、此処は、私の中では有りません。こんな空間は有りませんでした。」

 

「私、此処にも来たことあります!アマゾンに旅行した時に泊まったホテルです。」

「一体どうなってるん……」

 

ああーーーーーーー!!

「どうした!沢村!」

「と、扉が!!此所に在った扉が無いです!!」

 

チ~~ン

 

「「「っ!!!!」」」

 

「あ、いや、こうしたら誰か来るかなぁって……スミマセン……

 

「戦術長!救難信号は此方からです!」

「判った、行くぞ!」

「「「はい!」」」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

相原の受信機を頼りに、艦内を進んで行くと、一つの広間に出た。やはり其処も、ヤマトの記憶には無く、桐生の記憶の中に在るホテルの様だった。

広間からピアノを引く音が聴こえ、そちらを見ると蒼い肌のガミラス人と血の気がまるで無い白い肌と真っ黒な闇を思わせる様な髪と服を着たガミラス艦が居た。

古代はコスモガンを、ヤマトはコスモドラグーンを取るために腰に手を当てると、不思議な事に、着いているはずの銃が無く、服装も地球に在るような普通の服装に変わっていた

 

ソファーに座り煙草を吸っていた男が此方に気付いた。

 

「よぉ、此方に来いよ。」

 

呼ばれ、降りて見ると、もう一人のソファーに座って居た男が呟く

 

ちっ、ザルツ人かよ……

 

ザルツ人?

恐らく、彼等に併合された惑星の人間ね

 

「んで、お前達はどうしてここに?」

「君達の救難信号をキャッチした為、救助に来たのだが………」

「扉が消えて此所に来たと………」

「…はい」

「そうか。お前達の所属は?」

「極秘任務に当たっている為、所属と階級は明かせません」

「そうか」

「隊長!こんな奴等の言葉を信じるんですか!?」

「こんな状態じゃ、信じる他無いだろ。…俺はバーガー、フォムト・バーガー少佐だ。」

「古代進です。」

「古代か…変わった名前だな」

「バーガー少佐達は…」

「バーガーで良いよ」

「バーガー達は、此処で何を?」

 

それからは、バーガーが七色星団で戦い、(ふね)と自分が生き残り、直属の上官だったドメルとヤマトが戦い亡くなった事へのヤマトへの復讐についてを聞いた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

惑星外面

「ねぇ、ソウリュウ、この格好…どういう事………?」

「あ~、アカシが『何か有った時のために』って渡してきたの」

「ヤ、……ヤハギ…っ!す、凄い、っっ、に、似合ってる、わよ……っっっ、ぶっ!ハハハハハ、ご、ごめんなさい、ふふっ、笑わないようにしてたのだけど、フフフ、む、無理!お腹痛い!」

「~~~~!!///な、泣くぞ?///」

「~~~!!、ヤハギ………」

「な、何?イセ…」

「惚れて良い?」

「~~~~//////!!」

「恥ずかしくて何も言えなくなってるじゃん……」

「ごめんごめん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バーガーの話が終わり、各自が部屋に行った時、ヤマトの部屋にミランガルがやって来た

 

 

「オマエのナマエはナンダ」

「へ!?、あ、私ですか?」

「ソウだ、オマエダケナマエをイッテイナカッタカラな」

「私の…名前は……、山下友紀子です……」

「ウソはツクナ」

「っ!な、何を、言っているんです…?」

「オマエが艦娘で、ヤマトでアルコト位判ッテイル」

「違う!!私の名前は山下」

「バーガー少佐がドメル将軍の話をしていたときの顔をみれば直ぐに理解できる。」

「………」

「私は、………、もう、誤魔化しても意味は無いですね。………私が、ヤマトです。貴方達が心から恨んでいる艦娘です。」

「私は恨んではいない。EX178の話も聴いた。あいつは、前は私の部隊だったからな。」

「そうですか……」

「奴の件に関しては感謝している。」

「いえ、私は、彼女を守れなかった……」

「だが、形見を持ってくれている。有り難う」

「いえ……」

「だが、私は、感謝はしても、お前を信用してはいない。不審な動きをすれば、お前を容赦無く殺す。良いな」

「判り…ました……」

「ワタシはヘヤにモドル」

「はい、お休みなさい」

 

そうして、ミランガルは部屋から出ていった。

 

その翌日から、地球とガミラスの奇妙な共同生活が始まった。

 

ヤマトとミランガルが部屋で話しているときに、廊下を歩いていた沢村が落ちた穴があり、其処から外に出るために穴を掘っていった。

 

不思議な事に、何処からか水は供給され、飲み水には困らなかった…………、しかし、食料が供給されている訳では無く、私達の持っているレーションも無くなりかけていた。

 

このホテルに来てから7日が経った。この日、バーガーの部下のメルヒが、姿を眩まし、穴堀では無くメルヒの捜索に成った。




次回、第八章第四話「共同作戦」

人類滅亡まで、後、196日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「…………」

どうしたの?

ヤマト「ヤハギ可愛い」

そうか。
次回は、自分が星巡る方舟で最も好きなシーンが在ります。題名判った人も居るかも知れませんね。

ヤマト「それではまた次回」


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共同作戦

ガミラスとの脱出への共同生活がが始まり、一週間が経ち、7日目、メルヒが突如として姿を眩ましてしまった


7日目、その日、昼前に突如としてメルヒが姿を眩ました。その日の穴堀は中断し、メルヒの捜索に当たることに成った。

 

桐生美影は、最初のロビーに来ていた。彼女は、ロビーの動かない、そして階数の合わないエレベーターを疑問に思っていた。

 

ふとその時、ヘレン・ケラーの本の内容の一つを思い出した。

 

そして、彼女は、自分が溢したバケツの水の上から文字を読み取った。

 

地面に、いや、タイルに書かれていた文字は、ジレルの言葉だった。言語学者の卵で有る彼女はその言葉を解読し、指示にしたがってエレベーターに乗り込んだ。

 

彼女が降りた階は、"12階"。

ホテルのロビーからは見ることが出来なかった、戦艦大和の戦闘艦橋(第一艦橋)。そして、直ぐ側に有った扉から階段へ出て、防空指揮所へ登ると、探していたメルヒが、肉(の様なもの)を食べようとしていた。

 

「これを…、奪いに来たのか!!」

 

メルヒは、持っていなかった筈の銃を向けて来た。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ホテルの廊下にも、メルヒ、桐生は居ない。

二人を捜索していると、昨日には無かった階段が現れていた。

その階段を登り終えると、桐生と同じ様に、大和第一艦橋に辿り着いた。

すると、上から悲鳴がこだまする。沢村は、悲鳴の直後に窓から外へ出た。古代、ヤマト等は、階段を上り、メルヒの元へと辿り着いた。

 

「おいメルヒ!お前何やって!」

「隊長!!やっぱりザルツ人は信用出来ません!この女も、俺の食料を盗もうとしてきたんですよ!」

「それは…、食料何かじゃ無い……」

「黙れ!」

 

「彼は、何故銃を?」

「判らん……」

 

「あら、貴方達だって持っているでしょう?」

 

そう言われて古代、ヤマト、バーガー、ミランガルは自分の銃がある事に気付いた。

 

その直後

 

「やめろーー!うぉーーー!」

「なっ!」

 

沢村が測距儀から落ちて、メルヒに当たり、桐生を救出した。その反動でメルヒの手から落ちた紙袋からは、人骨が出てきた。

 

「ひっ!」

 

「これで判ったでしょう。テロン人と共存何て出来ない。」

「何、言ってるんだ…」

「判らないの!?貴方の目の前に居るのは、あのヤマトと、乗組員なのよ!」

「………冗談…、だよな……」

 

「「………」」

 

「マジ……なのか………………。っ!」

 

バーガーがヤマトに銃を向け、古代がミランガルに銃を向け、ヤマトはバーガーに、ミランガルは古代に銃を向けた。

 

「どうした……、撃たねえのか…」

 

バーガーとミランガルに銃を向けていた古代とヤマトが、銃を下ろす。

 

「例え、産まれた星が違くても俺達は、理解しあえる。俺の、死んだ兄さんの言葉だ。」

「バーガー少佐。私達は、確かにドメル将軍と戦いました。彼は、最後の最後まで、誇りを持った立派な軍人でした。」

「っ……」

 

「撃って!バーガー!早く!」

 

「……茶番は、終いにしようぜ!」

 

そう言ってバーガーが銃を向けたのは、メレディアだった。

 

「俺は最初っから考えていたんだ。黒幕はお前じゃねえかって」

「何を言っているのバーガー」

「お前は、お前の妹にそっくりな桐生を見ても全く興味を示さなかった。…それに…………、メレディアはな、俺の事、"フォムト"って呼ぶんだぜ…」

 

「記憶を、読み損ねた様ですね……』

「メレディアを何処へやった!」

 

『元より、彼女は此処へは来ていません……』

 

「そうだったのか…」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「Конец прыжка. …… они звезды сокровищ.(ジャンプ終了。……、奴等が居るのは、宝の星です。)」

 

[Как вы можете привести их к звездам, чтобы посвятить себя Императору! Go! Цель - звезда сокровищ!〔大帝へ献上するための星へわざわざ連れてきて貰えるとはな!行け!狙うは宝の星ぞ!!〕]

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

星〔?〕の中

 

突如として全体に振動が走る。

 

「……どうやら…、招かれざる客が来ているようです……………」

 

気付いたら皆は、艦内だった場所に居た。

 

「ここは……」

 

メルヒは、付近に転がっていた人骨に近寄って種族を確認した

 

「っ!こいつら、ガトランティスです!」

 

『彼等は、此処を宝の星と呼び、中へ入ってい来て、食料の為に同士討ちをして死んだ者達。貴方達もそうなると思って居た。…………けれど、貴方達は、そうは成らなかった。』

 

外部

「ヤハギ、ヤマトの艤装の修理状態は?」

「もうすぐ終わるみたいね。」

「そう………。ところで、あれ、どうする?」

「あれって?……………あーーーー、あれね」

 

 

「………ハア…………」

 

「ありゃ重症だな~~」

「そういえばイセ」

「ん~~?」

「ソウリュウっていつからヤマトが好きになったの?」

 

「ブフゥ!!」

 

「「!!!!」」

 

「い、いや、あの、ヤハギ、あのね、私は別に、その、ヤマトがね、好き、とかじゃなくて………」

 

内部

 

惑星の内部では、桐生が何かに憑かれた様な状態に成っており、古代とバーガーは、アケーリアスの民と話あっていた。

 

『さあ、行くのです、此処も間も無く………』

 

「いや、君もだ。」

 

『安住の地を捨て、又明日へ進む等………』

 

「出来るさ、俺達が出来たのだから。」

 

『………』

 

古代とバーガーが手を差し出す。

 

「君の名は?」

 

『レレラ・レーナ』

 

レレラが手を取る。すると、周りが光に包まれる。

 

その後、左舷最上甲板にて

 

「これは…………」

 

『オ迎エニ参上ー!』

 

「アナライザーー!!」

 

古代、ヤマト等はコウノトリで、バーガー等は内火艇で惑星外部へと出た。

 

ヤマトは、外部へ出たあと、艤装へ吸い寄せられるように戻って行った。

 

「お帰り、ヤマト」

「はい。すみません、七日も開けてしまい……」

「??何言ってるの?半日しか経ってないよ?」

「へ!?」

 

〔〔〔よくよく考えたら…、半日でアレだったのか………。重症だな。〕〕〕

 

「皆さん。敵が来ています。それも、さっきよりも多く。これより、現宙域離脱の為、応戦を開始します。全艦、機関始動!この構造物を大回りして、雲の上に出ます!」

 

「「「了解!」」」

 

ヤマト達が、雲を引きながら出てくる。全員、顔は覚悟を固めている。

 

「この数で、勝てるの?」

 

「安心してください。心強い味方が居ますから。」

 

「左舷より、ガミラス艦隊浮上!」

「戦闘用意!」

 

「撃たないで下さい。彼等は味方です。」

「まさか、味方って……」

 

「そう、彼等です。本艦隊はこれより、ガミラス艦隊と共同で敵に当たり、これを叩きます!!」

 

「「「了解!!!!」」」

 

ヤマトとミランガルがお互いを見合う。そして、敬礼を交わし、共同戦線を張る。




次回、宇宙艦これヤマト2199第八章第五話「大決戦!地球・ガミラスVSガトランティス[前編]」

人類滅亡まで、後90日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ま、待て、落ち着け!!

ヤマト「レッド中隊、Sフォイル展開、戦闘体型。ゴールド中隊、突撃用意。各機、目標、5ヵ月程投稿を遅らせた挙げ句投稿ミスした作者。攻撃開始」

す、すみませんでしたーーーー!!!!!!!!!!!!

ヤマト「成敗!!」


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大決戦!地球・ガミラスVSガトランティス[前編]

地球へ無事に帰るため、バランで待つ仲間の為、未知の惑星から脱出する為、行く手を阻む敵を討つ。その敵は、最強で、最恐の敵、ガトランティス…………


第八章第五話「大決戦!地球・ガミラスVSガトランティス[前編]」


「これより本艦隊は、ガミラスと共同で敵に当たり、これを叩きます!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「よ~し、攻撃隊、発艦始め!」

「チャーリー、全機発艦!」

「航空隊全機発艦!航空隊は、ガミラス航空部隊と合同航空隊を展開、左翼の敵機動部隊を攻撃せよ!」

 

「ココニ残ッタ、ジイサンヤガキ達ヲ無事ニ故郷ニ返ス。ソレガ、今ノ我々ノ使命ダ!!私ト、艦長ヲ信ジテ、ツイテコイ!!」

 

「「「ザ・ベルク!!ガーレ・ガミロン!!」」」

 

 

「Флот противника приближается!〔敵艦隊接近!〕」

 

「Пламя с прямым попаданием, готово к стрельбе!〔火焔直撃砲、発射ー!!〕」

 

メガルーダから火焔直撃砲が発射され、ガミラス艦数隻に直撃し轟沈する。

 

「っ!この兵器が…」

 

「安心してください。実は待機中に、弾道予測のプログラムを立てておきました。当たる確率は70%ですが…」

 

「有り難うございます。オオヨドさん。私達三人はこれより、砲撃戦を開始します。ヤハギは、駆逐艦を率いて、敵艦隊へ突入、近接戦で、敵の撹乱及び攻撃を行って下さい。」

 

「了解、任されたわ!ヤハギ、出撃する!」

 

「Пламя, вторая волна, огонь!〔火焔直撃砲、第二波、発射ー!!〕」

 

『ヤマト、来るよ!方位、S33,Z74!』

 

「全艦、ソウリュウ指示の方位より待避!急げ!!」

 

オオヨドが立てたプログラムにより、二発目を回避し、損害を出さなかった。そして、ヤマト達の反撃が始まる。

 

「これより、反撃を開始する!全艦、砲戦用意!!」

 

「イセ、砲撃準備完了!」

「オオヨド、砲撃準備よし。」

 

「全艦、各目標に照準合わせ!」

 

「測的良し!」

「照準よし!」

 

「全艦、主砲、凪ぎ払え!!」

 

「「ってーーーー!!!!」」

 

「各砲座、配置良シ、全門、ッテーー!!」

「攻撃開始!!」

「蛮族ドモメ!根絶ヤシニシテヤル!!」

「死ニサラセ!!」

 

『こちらヤハギ、突入部隊は敵深部へと侵入。現状は被害無し。これより攻撃を行う!』

 

「了解。全員生きて帰って来なさい。」

 

『判ってるわ、イセ。それじゃ、また会いましょう』

 

「ええ、またね」

 

『こちらソウリュウ。合同航空隊より入電、[敵機動部隊を発見。現在の損害、407根元]だって』

 

「判りました。航空隊へ、こちらヤマト。敵を殲滅せよ!」

 

『こちら400加藤。了解!』

 

「ヤマト!敵旗艦、惑星への降下コースを取った!離脱しているわ!」

「攻撃が激しくてっ、追撃に向かえない!」

 

『ミランガル様!こちら航空隊!メルヒは、敵空母と相討ち!機動部隊の旗艦撃沈!』

『ミランガル様!ランベアガ座礁!敵旗艦ノ降下コース上!!』

 

「ナンダト………」




次回、宇宙艦これヤマト第八章最終話「大決戦!地球・ガミラスVSガトランティス[後編]〔決着、そして別れ……〕」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「今回は結構早かったですね。」

が…頑張った……よ……

ヤマト「手抜き?」

違ぁう!!

ヤマト「で、何か台詞本家艦これに寄ってました?」

出きる限り寄せました。

ヤマト「インカムも久々に使いましたね」

今回は必要に成りそうだったからね。(忘れてたとは口が裂けても言えない。)

ヤマト「はい。折檻」

え?

ヤマト「それではまた」

え……?


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大決戦!地球・ガミラスVSガトランティス[後編]〔決着、そして別れ……〕

遂にガトランティスとの戦いが始まった。オオヨドが組んだプログラムにより、火焔直撃砲の脅威は去った。だが、どういう訳か、惑星が姿を変えたのだ!

第八章最終話、始まります。


(隊長!あれ!)

 

そう言って篠原が示したのは、メガルーダの放った火焔直撃砲が直撃した場所から変貌していく惑星の姿だった。

 

ランベアは、惑星の上部から出現した構造体に当たり、そして座礁した。

 

メガルーダは、ヤマトに攻撃された次元跳躍管が破損し、惑星へと進路を取っていた

 

『ミランガル様!ランベアガ座礁!敵旗艦の降下コース上!』

 

「ナンダト………」

 

『ヤマト!ガミラス旗艦より入電!』

「こっちに回して下さい!」

『了解………はい回した!』

 

『ヤマト…、ランベアが座礁した』

 

「そんな!」

 

『しかも、敵旗艦の惑星降下コース上に居る。助けに行ってくれ』

 

「行っても大丈夫何ですか?」

 

『美味しい所をやるの。素直に従いなさい』

『此方は大丈夫よ!自力で脱出する!』

『たまには言うこと聞きなさいな。ヤマト。頼む』

 

「っ、各艦へ!艦隊指揮権限を一時的にイセへ移行!私はランベアの救助及び敵旗艦の追撃を行います!」

『任されたわ!行ってきなさい』

「はい」

『ヤマト……』

「何?ソウリュウ」

『必ず…、必ず戻ってきて!ヤマトが居ないのは寂しいから………』

「ソウリュウ………」

『それに私、ヤマトの手料理楽しみなんだよ…』

 

〔これは……益々頑張らないとですね〕

 

「安心して下さい。私も、そう簡単に死ぬつもりは有りませんから。」

 

「ヤツラを此処デ食イ止メ、ヤマトヲ旗艦ノ追撃ニ集中出キルヨウニスルゾ!」

「「ザ・ベルク!!」」

 

「山崎さん、現状で最大出力いけますか?」

『主砲に回すエネルギーをカットして補機も合わせれば行けるはず。いや行けます!!』

「航海長!」

『了解、よーそろー!!』

 

〔絶対に間に合わせる!もう誰も沈ませない!〕

 

[Яматте приближается!〔ヤマッテ接近!〕]

「Я не потеряю! Мега Руда побежден !!!!(負けぬ!メガルーダは負けぬーー!!!!)」

 

メガルーダが火焔直撃砲のレバーを最大に引き発射装置をヤマト目掛けて撃つ

 

『敵弾接近!』

「回避運動!艤装はかすっても構いません!右傾斜5°、急げ!」

『回避運動!』

『左舷展望室、第一カタパルト損壊!死傷者無し!』

「錨射出用意!合図で発射!」

『ロケットアンカー射出用意良し!』

「目標、敵右艦尾、錨撃ち込め!」

『って!』

 

ヤマトの左舷の錨がメガルーダの右艦尾に食い込む。急激にブレーキがかかったことにより、遠心力の要領で振られていく

 

「くっ!近接戦闘!対空砲、ってーー」

 

「Погружной! Yamatte! Для великого императора!(沈め!ヤマッテ!大帝の為に!)」

 

「主砲、三式装填!!」

 

ヤマトがメガルーダの正面に出る

 

「Я мертв !!!!!!(死ねぇーーーー!!!!!!)」

「ってーーーー!!!!」

 

メガルーダの攻撃が対空砲を掠り、ヤマトの三式弾が顔を直撃する。ヤマトはメガルーダの大爆発に巻き込まれる

 

「ヤマトハ……」

『敵旗艦の大爆発により電波障害が発生、探知不能です』

 

「ヤマト………」

『ソウリュウ、ヤマトは生きてるわ。絶対に……』

「そう、だよね」

 

『…ちら、…マ…、こちらヤマト。敵旗艦の撃沈を確認。損害軽微、各艦は現状報告。』

 

「ヤマト………、無事だったんだね。……損害報告、406根本機撃墜。ガミラス、メルヒ機撃墜。以下損害無し」

『こちらヤハギ、艦隊駆逐艦、巡洋艦、ガミラス駆逐艦は損害軽微。轟沈艦無し』

『こちらイセ。ムツ、オオヨド中破。ケルカピア大破轟沈艦無し。ケルカピアは航行可能』

 

「艦長、私ハ、ヤマトト共ニ戦エテ良カッタ」

『俺もだ。だが、俺はまた、生き残っちまったな。まあ、悪くない』

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

無事にガトランティスとの戦いに勝利し、アケーリアスの方舟は光を越える速度で、新たな安息の地を求め、無限の海へと船出していった。

 

「ランベア、無事に故郷へ帰れる事を祈ってます」

「アリガトウ」

「ミランガル。共に戦えて光栄でした。またいつか会うことがあれば、今度は銃では無く、言葉で……」

「アア。マタアオウ、ヤマト………」

「はい」

 

『別れも悪くない』

「ホントウニ……」

 

「Velocità di avanzamento su entrambi i lati.Ritorna a Gamirasu!〔両舷前進微速。ガミラスへ帰還する!!〕」

「Ricevuto!〔ザ・ベルク!〕」

 

エンジンを噴射し、故郷であるガミラスへ進路を取り、やがて見えなくなる。

 

「さあ、バランでハルナさん達が待っています。」

「アカシからは損傷の修復完了したって連絡が来たよ」

「行こう。ヤマト」

 

「はい。全艦、両舷前進半速、地球へ、いえ、バランへ向けて、発進!!」

「「「了解!!」」」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

地球said

 

「ヤマトが行ってから、間も無く一年。遊星爆弾が降らなく為った事で、滅亡時期が70日程延びたと言え、我々も限界に近い」

 

「おい!何だお前!」

「うるせえ!俺は土方さんに用事が有るんだ!」

 

「通してやれ。俺に話があるのだ」

 

「はっ!」

 

「どうした」

「意見具申!来日も来日も暴徒鎮圧。俺達空間騎兵の銃は、同胞に向ける為に有るんじゃない!ヤマトも帰って来るか判らんのでしょう!」

「ヤマトは来る。必ず帰ってくる!」

 

「藤堂本部長!銀河系外縁より、超空間通信を傍受!これは…………、ヤマトです!!」




次回、宇宙艦これヤマト2199最終章「艦隊の帰還」

最終章第一話「バラン星」

人類滅亡まで、後、八十九日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「もう最終章ですか……」

もうと言いつつスタートしてから1年半位経ってるんだよ

ヤマト「カタツムリ」

俺は…、カタツムリじゃない……

ヤマト「はいはいそうですね」

ひどい!

ヤマト「そんな事より、最終章はどうやって話を作るんですか?」

亜空間ゲートはきちんと入れるよ

ヤマト「はぁ……」

それ以外はお楽しみに


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バラン星

ガトランティスとの戦いに勝利し、ヤマト達は、仲間の待つバラン星宙域に向かっていた……

宇宙艦これヤマト2199最終章『艦隊の帰還』始まります。


「思ったより、此方は損害が少ないですね。」

「私はヤマトが無事で何よりだったよ~。」

「御心配お掛けしました。」

「本当だよ~」

「では、御詫びに沢山作りますので、それで良いですか?」

「本当!?」

「えぇ」

「わーーーい!!」

 

「フブキ、何であの時無茶したの」

「アマツカゼちゃん……」

「死ぬ気だったでしょ」

「っ!!そんな事は、無い、よ」

「嘘!あの時の貴女は、死んでも構わないって目だった!」

「良いでしょ、別に…。生きる楽しみが判らなくなっちゃったんだもん」

「そんな事で………」

「そんな事って何!?アマツカゼちゃんには判らないよ!憧れだった人が、別の人のモノになっちゃったんだよ!」

「判るわよ……。私だって。私は、あそこ(カムイ・コタン)にいた時からずっと我慢してたのよ……。」

「えっ?」

「何でもないわ。忘れて……」

 

「あの二人、大丈夫かしら……」

「そうね……。それよりもヤハギ」

「何?イセ」

「今回は随分とお手柄だったじゃない」

「そんな事無いわよ」

「いやいや、ヤハギ、三隻も沈めたんでしょ?しかも一人で。十分お手柄よ」

「そう言って貰えるとありがたいわ。イセもお疲れ様」

 

ム・オ〔〔なんだろう。この取り残された感じ………〕〕

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『ヤマトさん。相原です。ガミラスの救難信号を探知しました。』

「了解。全艦へ通達。ガミラスの救難信号を探知。これより、救助に向かいます。」

 

「「「了解!!」」」

 

ヤマト達が救助した人物は、セレステラと言う、ガミラスの高官であり、尋問は、接触したことの在る森雪船務長に任された。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「これより、離脱した三人と合流する為の最後のワープを行います。このワープが終われば、バランです。三人が待っています。ワープ先の空間座標固定、全艦連動。ワープ!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ワープ終了。全艦以上認めず」

「な、なに、あれ………」

「あれが、あの時のバラン星ですか……」

 

「ヤマト、原因が判ったよ。元々人工惑星だったバランが、中心の核が破壊された事で変異を起こしたみたい」

「成る程……」

「ヤマト、友軍信号探知。アカシから」

「了解です。発信ポイントへ向かい、三人と合流します。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「おっ、来た来た。」

 

「お待たせしました。」

 

「これで"全艦"揃いましたね。」

 

「"全艦"ね……」

「ヤハギ、ハマカゼはそういうつもりで言った訳じゃ無いよ。」

「判ってるわ…」

 

「皆さん御無事良かったです。」

 

「二人の損傷も治っている様ね。」

 

「はい、アカシさんが頑張ってくれたお蔭です。」

 

「良かった。ヤマト、亜空間ゲートはまだ使えるよ!」

「行きと同じ進行フェイズで戻れそうね。ヤマト、これで遅れをかなり取り戻せるわよ。」

「それと、此処バランがガミラスの、銀河系侵攻の中継基地だったのもあって、行きと違う、銀河系に最も近い亜空間ゲートに出れそうだよ。」

「それは良かったです。では、各装備のチェックをしてから行きましょう。」

 

「「「了解!!」」」

______________________

地球side

 

ヤマトから受信した超空間通信によってもたらされた、コスモリバース受領成功の報告は、地球全土を光の如き速さで巡った。

ニュースでは、世界各国からの喜びの声が連日報道された。

だが、最も喜びが深かったのは、ヤマトが飛び立ってからずっと通信を待っていた士官や、藤堂、芹澤含む国連軍極東管区司令部の皆、そして、艦娘候補生達だった。

 

「おい君!此処は民間人立ち入り禁止だぞ!」

「私は艦娘候補生です!」

「皆そう言って入ろうとするんだ。早く家に帰りなさい。」

 

「君、どうかしたのか?」

 

「これは、山南司令!申し訳ありません。民間人の立ち入りを許してしまい。」

「いや、彼女は艦娘候補生だよ。」

「本当で有りますか?」

「ああ、勿論だとも。艦娘候補生第92期ヒリュウ候補生だ。」

 

「お久しぶりです。山南教官。」

 

「さ、通してやって貰えるかな?」

「はっ。失礼しました!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「何しに来たんだ?ヒリュウ候補生」

「姉さ…、いえ、ヤマト艦隊所属の航宙母艦、ソウリュウの状態を聞きたくて……」

「そういうことか。確か、君達は姉妹だったな。成る程。気になる理由(わけ)も判る……。大丈夫。君のお姉さんは無事だよ。」

「有り難うございます!…………あの……、それで……、厚かましいお願いだとは思うのですが……、ソウリュウと交信は可能でしょうか……?」

「彼女達はまだレーザー通信圏内に入っていないから難しいだろうな」

「そうですか…」

「彼女達とのレーザー通信が可能に成ったら連絡するよ」

「っ!有り難うございます!!」

「さ、もう戻りなさい。」

「はい。本日は有り難うございました。失礼します!」




次回、宇宙艦これヤマト2199 最終章第二話「再突入、亜空間ゲート!〔絶望の手前〕」

人類滅亡まで、後、八十三日

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
君は、生き延びる事ができるか(cv永井一郎)

ヤマト「ふざけないで下さい。」

すみません。

ヤマト「処で。先日、宇宙戦艦ヤマト2199にて、掌帆長、榎本勇宙曹長役を努められました、声優の藤原啓治さんが亡くなられました。」

心より、御冥福をお祈り申し上げます。

ヤマト「次回は、亜空間ゲートに突入する時の攻防から、デウスーラとの接触直前までを描きます。」

因みに、ヒリュウはソウリュウの姉妹であり姉妹艦で在るという設定です。本編終了後に宇宙艦これヤマト2199設定を投稿する予定です。
本編は残りニ、三話程で完結の見込みです。

ヤマト「私達の旅も間も無く完結です。もう少しお付き合い下さい。」

それでは、また次回をお楽しみに。


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再突入、亜空間ゲート!〔絶望の手前〕

ヤマト達は、亜空間ゲートを使用し、これまでの遅れを一気に取り返すべく、バランヘとたどり着いた。しかし、影でヤマト撃沈を目論む者が居た

※今回は、ガミラス同士の会話が在るので、其処だけは日本語で表記します。


地球side

タイホウは、防衛司令部内に在るトレーニングルームに居た。

タイホウは、宇宙艦娘の中でも、生粋のトレーニング好きで知られていた。

 

「おや、タイホウか、精が出るな。」

「ムサシ。貴女もトレーニング?」

「あぁ。宇宙(そら)に出る事が出来ないからな。」

「そうね…………。」

「そう言えば、聞いたか?」

「何を?」

「2日程前に、艦娘訓練生の一人が此処に来たみたいでな。」

「ええ、聞いたわ。何でも、ソウリュウの妹何だとか……」

「あぁ、遠征艦隊の。」

「ええ。今帰還途中のね。」

「少し、会ってみたいな。」

「その子に?」

「いや、どちらにもだ。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ガミラス[ゲール艦隊]

 

「全く、ゲール司令といいゲルガメッシュ殿といい、人使い……いや、(ふね)使いが荒い。」

「そうね。非常に同意出来るわ。」

「いくらゲシュタムの門を繋げる為とはいえ、私達のエネルギーを回す何て………」

「しかも、『ヤマトを門に追い込む為に残ったエネルギーを使用して全速で突撃しろ』ときた。ゲルガメッシュ殿もゲール司令も、我々を捨て駒程度にしか思って無いのか?」

 

「貴様ら私語は慎め!我々はヤマトを誘導すれば良いのだ!間も無く総統も所定のポイントに到達される。早くせんか!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「各艦各部チェック完了。」

「波動エンジン、以上無し。発進後は何時でも最大出力出せるよ。」

「ソウリュウ、レーダーチェック」

「レーダーチェック。異常無し………とまでは言えないね。」

「ガミラス艦の残骸ですか…」

「うん。結構妨害されてるよ。」

「では、亜空間ゲートまでは警戒を厳にして進みましょう。突入フェイズ1始動!」

「「「了解!」」」

 

しかし、どれだけ警戒していても、人の目やレーダーには限界が在る。

そして、残骸に紛れる様に配置されたゲール下の艦隊は、予定ラインを越えたヤマト達へ、一斉に攻撃を開始した。

 

「Alla fine ci sono voluti! Yamato! Tutte le navi iniziano ad attaccare! Guida!(遂にかかったな!ヤマト!全艦、攻撃開始!追い込むのだ!)」

 

「「「ricevuto(ザ・ベルク)」」」

 

「まずい!レーダーの隙を突かれた!ヤマト!」

「判っています。各艦増速!このまま亜空間ゲートまで一気に走り抜けます!」

 

「「「了解!!」」」」

 

「Fufufu. Hahahaha! Dovresti andare così com'è! Al di là di questo sarà il tuo cimitero!(フフフ。ハハハハ!そのまま行くが良い!その先が貴様等の墓場と成るのだ!)」

 

「これは……。ヤマト!艦隊前方に、次元震感知!ガミラス潜航艦が浮上してくる!」

「こんな時に!」

「敵潜航艦、魚雷発射!!ヤマトへの直撃コース!」

 

〔迎撃が間に合わないっ!!〕

 

「敵潜航艦、完全浮上!」

 

「Generale Gale e Gergamesh di classe Heiserard. Arrestato per non aver ottemperato all'ordine di convocazione dell'ammiraglio Ditz.(ゲール閣下、及び、ハイゼラード級ゲルガメッシュ。ディッツ提督の召喚命令に従わなかった為、逮捕する。)」

 

「Con UX-01!? Avvisa tutte le navi! Oh, questo è un nemico, attacca! Lavello! !!(UX-01だと!?ぜ、全艦に通達する!あ、あれは敵だ、攻撃!沈めろ!!)」

 

「敵魚雷、ヤマトから外れたよ。」

「…………いえ、恐らく在れは、私では無く、後ろのガミラス艦に向けられた物だと思います。」

 

「ガミラスの同士討ち?何で?」

「判りませんがチャンスです。全艦、突入フェイズ2始動!全速で突入します!」

「「「了解!」」」

 

ヤマト達が亜空間ゲートへと入って行く………

 

「Colpisci la zavorra per le immersioni. Capitano, non puoi immergerti.(潜航用バラストに被弾。艦長、潜航出来なくなったぞ。)」

〔È un po 'brutto. Torpedo spara il prossimo proiettile.(少しまずいな。魚雷、次弾発射。)〕

 

UX-01の放った魚雷は、真っ直ぐとゲルガメッシュへ向かう。

 

〔Voi ragazzi! Chi pensi che io sia! Sono Gale, Gremt Gale!(貴様ぁ!俺を誰だと思っている!俺はゲール!グレムト・ゲールだー!)〕

 

ゲールの叫びと共に、ゲルガメッシュの頭が吹き飛び、艤装が爆発、そのまま、宇宙の藻屑に成っていった。

 

「Capitano! Riparazione del motore completata! Puoi immergerti in qualsiasi momento.(艦長!機関修復完了!何時でも潜れるぞ。)」

〔Tutto a posto. Immersione rapida. Lascia questo posto.(よし。急速潜航。この場を離脱する。)〕

「Ricevuto. L'ho preso e aspetto sempre a casa.(了解。"七色星団で"拾ったあいつも、家で待ってるからな。)」

 

"Sono stato in attesa. Persone Yamato ...(待っていたよ。ヤマトの諸君………)"

 

そして、最後の、大いなる絶望が、ヤマト達へと襲い掛かる…………




次回。宇宙艦これヤマト2199最終章第3話
「たった一隻(いちせき)の戦争」

人類滅亡まで、後、八十二日
______________________

…………………
ヤマト「………………………」

ス、スミマセンでしたぁぁぁぁぁーーーーーー!

ヤマト「……………………」

ヤ、ヤマト、さん?

ヤマト「……………………………………」

ハッ、死んでる!?

ヤマト「生きてますよ!」

ウゲッ!

ヤマト「何ヵ月ですか!何ヵ月待ったと思ってるんですか!!」

え~~と、2ヵ月位かなぁ?

ヤマト「7ヵ月ですよ!7ヵ月!前回の投稿から半年以上経っているんですよ!何やってたんですか一体!?」

え~~~~~~と……………、APEXとか

ヤマト「あ"?」

バ、バトルフィールドトカ………

ヤマト「……」

FGOとかドラクエとかやってました…………
ヤマト「判決。死刑。」

はい…………………

ヤマト「え~、読者の皆様。大変お待たせ致しました。こんな体たらくで完走出来るのか本当に不安に成ってきましたが、失踪はしないはずですので、是非次回も気長にお待ち下さい。それではまたお会いしましょう。」


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たった1隻(いちせき)の戦争

亜空間ゲートに突入したヤマト達。ガミラスの攻撃を抜け、安全だと思った時。一人の、ヤマトへ執着する男がやってくる………

※前回、前々回に、一部修正を加えました。前々回の修正に関しては、セレステラ救助が抜けていたので、追加しました。
修正した前回、前々回を再度読んでから、本話を読んで頂けると幸いです。


"Sono stato in attesa. Persone Yamato ...(待っていたよ。ヤマトの諸君………)"

 

この時、デスラーにとって、銀河辺境の星など、どうでも良く成っていた。今は只、精鋭達を破り、そして、自分の懐にまで潜り込んで来たその(ふね)が、その艦娘が欲しく成っていたのだ。

 

そして、彼等(艦娘達)が、デスラーのかけた罠に引っ掛かる………

 

『コース以上ナシ。全艦、亜空間コリドーニノッタ』

「了解、アナライザー。」

 

その応答の直後、ヤマトの舵が利かなくなる。

 

「か、舵が…!一体……ワイヤー!?…………影?」

 

上を向いたヤマトは、ニタリと笑う敵と目が合う。

 

「ヤマト!!」

 

「各艦へ通達!至急、本艦から離れ、先行し亜空間ゲートから離脱せよ。」

「でも、ヤマト!」

「それで、ヤマトはどうするの!」

 

「これは命令です!早く!」

 

「っ。了解しました!駆逐艦フブキ、命令に従い、離脱します!」

「フブキ!ヤマトさんを見捨てるの!?」

「………っ」

「フブキさん…………。了解しました。駆逐艦フブキに続き、駆逐艦ハマカゼ,アマツカゼ、離脱します…。」

「ハマカゼ離して!私は残」

「これは命令なんです……。上官の命令は絶対なんです!」

「………わかっ、たわ…」

 

〔有り難う、フブキちゃん、ハマカゼちゃん〕

 

「………戦艦ムツ、戦艦ハルナ,巡洋艦ヤハギを引き連れ離脱するわ……」

「ヤマトさん。御武運を…。」

「皆待ってるわよ、ヤマト。」

 

「戦艦イセ,宙母ソウリュウは離脱し、亜空間ゲートを出て、ヤマト到達まで待機します。行くよ、ソウリュウ」

 

「………かない……」

 

「何?ソウリュウ」

 

「…………私は…かない………」

 

「え?」

 

「行かない!私は行かない!ヤマトと居る!」

 

「何を言っているのソウリュウ!我が儘は」

「ソウリュウ……。お願いします、行ってください…。」

 

「ヤマト………」

 

「必ず、必ず貴女達と合流します。だから、先に行ってください…、お願いします。」

「……」

「言うこと聞いてくれないと、嫌いになっちゃいますよ?」

「……やだ、嫌われたくない………。」

「じゃぁ、行ってください。今、艦内では、攻め混んで来るガミロイド兵を対処しようと踏ん張ってます。それに、敵もガミロイド兵の操作に集中しています。今なら行けます…」

 

「……必ず来てね…」

 

「えぇ、必ず。」

 

「判った。宙母ソウリュウ、旗艦命令に従い、戦艦イセと共に亜空間ゲートを離脱し、ヤマト到着を待ちます。」

 

〔これで、全員行きましたね………。後は………〕

 

「アナライザー、艦内の状況は。」

『艦内、50%ガ、ガミロイド兵ニヨッテ占拠サレマシタ。可能ナ限リ応戦中。』

「ガミロイド兵の解析は。」

『情報室ニテ、新美情報長及ビ副長ガ解析中。間モ無ク完了』

「了解」

 

〔近接なら、ドラグーンが有るけど、この空間でビーム兵器が使用できるか判らない…なら、後は………〕

 

『解析完了。オルタト同ジタイプデス。ウイルスノ使用許可ヲ待チマス』

「許可します。やっちゃって下さい。」

『了解。』

 

嘗て鹵確(ろかく)したガミロイド兵"オルタ"の情報を元に作られたウィルスは、瞬く間に感染。全ての敵ガミロイド兵は活動を停止した

 

『艦内ニテ銃撃ガ止ミマシタ。………イエ、一ヶ所発砲確認。敵整体反応有リ。森船務長負傷。簡易診断ノ結果、重症ト思ワレマス。』

 

「雪ちゃんが!?」

 

『敵ハ撤退。艦内ニ敵性個体見受ケラレマセン。』

 

「了解。」

 

乗り込んで来た敵はデスラーであった。捕虜であったセレステラは、デスラーの護衛に殺され、又、その射線上に居た森雪も凶弾に倒れる事に成った。

しかし、応援に駆けつけた古代から攻撃されたデスラーは、ヤマトの上に居たデウスーラに帰投する。

すると、ヤマトに繋がれていたワイヤーが外され、デウスーラは攻撃体勢に入っていた。

 

〔離れた今が好機!殺れる!〕

 

ヤマトは、腰に装着されていた9mmを抜き取り、即座にマガジンを、実弾へと入れ替え、構える。

 

「貴女は、此処で倒します!」




次回、宇宙艦これヤマト2199最終章4話
「終わりなき戦い」

人類滅亡まで、後、八十一日
______________________

ヤマト「今回は早く投稿出来ましたね」

つ、疲れたぁ………………

ヤマト「この程度で疲れていたら歩いているだけで死にそうですね」

いや、小説書くのって結構疲れるよ?特にスマホ投稿だからね。パソコンじゃないから滅茶苦茶疲れるよ。

ヤマト「へぇ~そうなんですね。」

さて、では、何となく次回予告詳しくやってみますか。

ヤマト「アニメみたいに?」

そう。では、どうぞ
______________________
「ワイヤーが切り離され、舵が利く様に成ったヤマト。亜空間ではビームが使えない、腰から取り出した拳銃は、艦載機ではなく実弾を射出する。最後の敵を倒す為、力を振り絞るヤマトは、先に進んだソウリュウ,イセ達と合流出来るのか。次回、宇宙艦これヤマト2199最終章第4話"終わりなき戦い"」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヤマト「いや、なんか、うーーーん。やる必要在りました?」

言わないで!書き終わったときそれ思ったから!

ヤマト「まぁ、良いでしょう。」

では、又次回お会いしましょう

ヤマト「さようなら~~~」


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終わりなき戦い

遂に始まったデスラー,デウスーラⅡ世との戦い。この戦いを切り抜けなければ地球に、ヤマトに明日は無い。

最終章第4話、始まります。


ヤマトに繋がれていたワイヤーが外され、デウスーラが自身の砲塔を展開し、攻撃する。

しかし、ビームは無効化され、ヤマトに届かない。

 

〔やはりビームは使えない。なら!〕

 

 ヤマトは、腰に装着されていた拳銃を抜き取り、即座にマガジンを、実弾へと入れ替え、構える。

 

 「貴女は、此処で倒します!」

 

パァン!パァン!

 

ヤマトが放った弾丸は、デウスーラの肩と腹に直撃した。

 

「Barbari………(野蛮人が………)」

 

そう言い、デウスーラは意識を落とした。

 

〔これで、終わった……〕

 

(Non è ancora finita, Yamato[まだ終わらんよ、ヤマト])

 

デスラーがデウスーラⅡ世の艤装でそう言うと、止まっていた艤装が動き出した。

 

「そんな!艤装を自立制御できると言うの!?」

 

[敵艦、本艦6時の方向へ移動!]

 

「まさか!!」

 

(così. È una pistola Deathler.「そう。デスラー砲だよ」)

(Per favore, smettila, Presidente. È un atto suicida, come usare un cannone Deathler in questo corridoio!「お止め下さい総統。この回廊内でデスラー砲を使うなど、自殺行為です!」)

 

そんな制止も意味は無く、既にデスラーは暴走していた。

 

(Taran, sono in guerra.「タラン、私は戦争をしているのだよ。」)

(Presidente………「総統………」)

(Cannone Desler, pronto a sparare「デスラー砲、発射準備」)

 

「左90°急速回頭!左舷を敵艦と相対!1,2,3番砲塔弾種切り替え、三式弾!敵艦は、波動砲を撃つ気です。それまでに確実に仕留めます!」

 

[三式弾、装填完了!]

[敵艦との相対位置に付いた]

 

「主砲、撃ち方始め!各砲射撃後、着弾点修正。弾幕を!!」

 

(Che diavolo!「何事だ!」)

(È un proiettile! Il nemico sta sparando proiettili!「ほ、砲弾です!敵は砲弾を撃って来ています!」)

(Barbari ...「野蛮人め………」)

 

デスラーがそう言い放った直後、艦橋の付近に着弾した三式弾の影響で、デスラー以外が死んだ。

 

(………… Io… salvo questo universo… ……, invece di te …………「…………私が…この、宇宙を…救済する……、君の、代わりに…………」)

 

その直後、デウスーラⅡ世の艤装は暴発し、その爆発の勢いで、ヤマトは押し出されていく。

 

しかし、ヤマトが押し出される爆発の最中、コアシップが、脱出していた事は、誰も知らない………

 

「っ!」

 

ヤマトはそのまま、亜空間ゲートを抜け、銀河系外縁、ソウリュウ達が待つ宙域へやって来た。

 

「ヤマト………」

 

「ソウリュウ、皆さん。お待たせしました。ヤマト、健在です。」




遂に最後の敵を倒し、亜空間ゲートを抜けたヤマト。先で待つのは仲間、地球に生き残った全ての人々、そして他にも………。
長き航海の末に、ヤマト達艦娘が見たものは。

次回、宇宙艦これヤマト2199最終話 「地球と言う星、ヤマトと言う艦娘(ひと)

人類滅亡まで、後、七十九日
______________________
ヤマト「遂に次回で最終話ですか………」

感傷に浸るにはまだ早いんじゃ無いかな?ヤマト

ヤマト「そうですね。先ずは次回が投稿されるのか心配しましょう。」

え?そこ?

ヤマト「そりゃあねぇ。どこかの誰かさんは7ヵ月近く放置してましたし?そこから又1ヶ月以上開けてますし?」

それを言われると何も言えないッス……

ヤマト「所で、今回はやけに短くないです?」

そう感じてるだけかもしれないけど…………。うーーーん、確かに短いかもね。

ヤマト「手抜きですか?」

いや、それは無いんだけど……、取り敢えず、戦闘描写が上手く成るよう特訓します。

ヤマト「先程も言いましたが、次回は遂に最終回です。新年入る前に終わるのでしょうか」

ど、努力します。

ヤマト&作者「それでは又次回、最終話でお会いしましょう。」


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地球と言う星、ヤマトと言う艦娘(ひと)

デスラーは倒された。これで、旅も終わりを迎える。地球は今、彼女達の一刻も早い帰りを待っている。
急げヤマト!地球は今……!

※最終話ですが、何と此処でも、サイレント・レイ様の御厚意により、在る一人の艦娘が特別出演して頂ける事と成りました。先に、お礼申し上げます。有り難うございます。

※前話に、デウスーラコアシップ脱出の描写を追加しました。宜しければ、そちらも読んで頂けると幸いです。
又、本話の一部にて、艦長室のシーンが出てきますが、そのシーンのみ、妖精さん基い乗組員の声を通常の「」で書かせて頂きます。ご了承下さい。


「無事で良かったよ。ヤマト。」

「えぇ。お待たせしました。」

 

ヤマトがゲートから出てきた事で、艦隊は安堵に包まれていた。

 

「さあヤマト、帰ろう。」

「はい。全艦、最大船速。地球へ帰還します!」

______________________

「副長、先程の戦闘の報告をお願いします。」

 

(了解。…、先の戦闘での艤装の損害は軽微。負傷36、戦死17。森船務長も負傷し、意識不明の重体です。)

 

「そう、ですか……。先生、回復の見込みは」

 

(残念じゃが、奇跡でも起こらん限り………)

(奇跡は、起きるものでは有りません。)

 

「(?)」

 

(奇跡は、起こすものです。)

 

〔雪ちゃん。貴女はまだ死んじゃ駄目な人ですよ。だから……〕

 

「ヤマト、どうかしたの?」

「へ?」

「皆心配しているわ。さっきから変よ。」

 

「………いえ、何でも有りません。艦内の状況を調べていただけですから。」

 

「それなら良いんだけど。」

 

「ヤマトさん!地球との通信が回復しました!」

「本当ですか!?」

「はい!直ぐに繋ぎます!」

 

『………マト、ヤマト聞こえるか!ヤマト作戦本部長の藤堂だ!』

 

「此方ヤマトです。」

 

『おぉ、繋がったか。』

 

「現在我が艦隊は、イスカンダルにて受領したコスモリバースを持ち、地球へ向け帰還中で有ります。」

 

『それは本当か!?イスカンダルは幻では無かったのだな!よくぞ……、よくぞやってくれた!』

 

『この1年近くの間、我々は待った。歯を食い縛り、君達の帰艦に希望を繋いで待ったのだ。』

 

『君の艦長は。沖田君はどうなのだ。』

 

「……、艦長は、遊星爆弾症候群を再発されて、艦長室の方でお休みに成って居ます。」

 

『そうか……』

『ヤマト、土方だ。雪はどうしているかな。』

 

「森船務長は………、戦闘にて負傷。現在」

 

ヤマトが報告をしていると、音声と映像にノイズが入る。

 

『どうしたヤマト。聞こえているか。ヤマト君!』

 

その言葉を最後に通信は途切れた。

 

「すみませんヤマトさん。まだ超空間リレーが不安定です。開発中の物なので、時間を下さい。」

「判りました。相原さんも、アカシさんを手伝ってあげて下さい。」

(了解!)

 

「でも、帰ってきたんだね。私達。」

「えぇ。帰ってきたのよ」

「皆さん。太陽圏が近くなって来たからと言って、気を抜いては行けません。」

「え?あ、うん。ごめん、ヤマト」

 

〔やはり、亜空間ゲートを出てから、ヤマトの様子がおかしく感じる………〕

 

「で、でも、これで私達に乗ってる妖精さんの家族や、私達の家族の安否が判りますね。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤマトさん!地球に着いたら皆でパーティーしませんか?」

「パーティー、ですか……。良いですね!なら、料理は私が作りましょう。」

「え~~、私との約束はどうなるの~~。」

「その時は別な物を作りますよ。楽しみにしていて下さいね。」

「はーい」

「そういえば、発進の時に二人でそんな話してたよね。」

「イセさんも一緒にが良いですか?」

「いいえ。どうぞお二人で仲良くして下さいな。」

 

「アマツカゼさん。良いんですか?貴女は……」

「言わないでハマカゼ。良いじゃない、好きな人が楽しそうにしていれば……。」

「でも」

「良いの。私は別にそこまで嫉妬深くないもの。」

「そうですか……」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「…では」

(あぁ。森船務長を自動航法室へ移動させて延命措置を取る事が決まった。)

「確かに彼処(あそこ)なら、昏睡状態だったユリーシャさんも居たので不可能では無いと思いますけど…艦内で何とか出来ないのでしょうか……」

(艦内での回復は希望が持てない。それにこのままだと、彼女の体が地球まで持たない可能性が高い。現状維持の為の一時的な措置だ。)

「…………、判りました。宜しくお願いします。」

 

[航海日誌]

〈意識不明の状態に在る森船務長を、真田副長の発案で自動航法室に移した。現在は、医務科の原田女医が定期的にバイタルチェックに来ている。森船務長と関わりの深いで有ろう古代戦術長は、無理に元気に振る舞っている。状況も相まってとても不安だ。

艦隊の状態はとても良好。ガミラスが追って来ないというのは、乗員、艦娘共に安心する事が出来ている。

艦隊はワープを繰り返し、間も無く銀河系内へと突入する。

そういえば最近、艦内では話題になっているとある事がある。

それは、艤装内に現れるという、防衛軍の服装をした男の幽霊の話だ。〉

 

「国連宇宙軍第1艦隊所属、イソカゼ型突撃宇宙駆逐艦ユキカゼ艦長、古代守3佐………。冥王星沖海戦にて戦死。二階級特進。最終階級は1佐、か。」

「ヤマト何を調べてたの?」

「古代君のお兄さんの事を。」

「何で?」

「何でと言われても………、ふと気になったとしか。」

 

〔今までは特に気にならなかったのに、何故今になって急に………〕

 

「そっか。それより、司令の容態はどうなの?」

「それは………」

 

「それは私も気になるよ。ヤマト」

 

「イセまで………。判りました。イセとソウリュウの二人には話しておきます。」

 

「「……」」

 

「正直、艦長の容態は芳しくありません。佐渡先生も毎日の様に診察して下さってますが、悪くなる一方で………」

「そんなに悪かったんだ……」

「まだヤマトが目を覚ます前、司令部でとある噂を聞いたの。遊星爆弾症候群は現状では、治す術が無いと。」

「私は…、艦長に死んで欲しくありません。」

「ヤマト………」

「でも、それは難しい話な

「難しい話なのは判ってます!でも、沖田さんは、私にとってお父さんの様な人なんです!亡くなって欲しくないんです………」

 

「「………」」

 

「すみません。声を荒げて。」

「いいえ。私も、少し正直に話しすぎたわ。」

「誰も、沖田司令には亡くなって欲しくないよ。あの人が居なかったら、何処で私達が沈んでいたか判らないもん。」

「……、有り難う二人とも。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

アカシとオオヨドの努力の甲斐あって、地球との交信が行える様になった。

しかし、艦隊、艦内では、様々な空気が入り乱れていた。

全員に吉報が待っている訳では無い。物語の様に上手く事は進まないのだ………

 

「フブキ………」

「お父さんが死んで、家には年老いたお母さん1人。このままじゃ、いずれお母さんも……」

「だ、大丈夫よ!私達は絶対間に合う!地球も、フブキのお母さんも、私達が救うのよ!」

「そうですよ!私達は地球の希望なんです!前を見て、一刻も早く帰艦できる様にしなければ!」

「アマツカゼちゃん、ハマカゼちゃん………。うん、頑張らないとだよね!」

 

「駆逐艦の皆は頼もしいわね」

「そうですね。」

「ねぇハルナ。」

「何でしょうか?ムツさん。」

「キリシマとは、話せたの?」

「…はい。アカシさんがモニターを回して下さったお陰で、久し振りに。」

「そっか………。あの子、元気だった?」

「はい。とても元気でした。………お姉様方や私が居なくなってから随分と時間が経った様に感じます。」

「そうね………。フソウやヤマシロが沈んで、私が何故生きているかも判らなかったわ。」

「そうですね……。私が沈んでいたら、キリシマは1人ぼっちでした……。でも、でも私、わたし、生きててよかった。本っ当に、生きてて、よかったです。」

 

そう言ったハルナの瞳からは、涙が流れていた。

心から嬉しそうに、大粒の涙を流して。

 

「えぇ、本当にね。私も、"あの子"を1人ぼっちにせずに済むわ…。」

 

ムツの瞳にも、涙が溜まっていた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ヤマトさん。ヤマトさん。」

「何ですか?アカシさん。」

「通信が回復して少し時間が経ったので、軽くメンテナンスをしてみたんです。」

「本当ですか。有り難うございます。アカシさんとオオヨドさんにはお世話になりっぱなしです。帰ったら足向けて寝られませんね。」

「いえいえ~。……じゃなくて、メンテナンス中に、交信履歴を確認してみたんですよ。」

「はい。」

「そしたら、…妙なノイズと言うか、音声と言うか、よく分からないものが紛れていたんです。しかも」

「しかも?」

「発信源が月のコペルニクスなんです。」

「コペルニクスクレーターですか………」

「はい。…しかもそこは、空間騎兵連隊の拠点の有った場所何です。」

「では、空間騎兵の生存者が…?」

「それが………、国連宇宙軍の識別コードとは違うものの様なんです。」

「………行ってみますか。」

「…へっ?」

「行きましょう。」

「いいいいい、行くんですか!?」

「えぇ、行きます。」

 

『艦隊全艦へ、ヤマトより通達します。現在、月のコペルニクスクレーターにて、微弱な音声信号らしき反応を確認。救難信号の可能性も考え、地球降下前にコペルニクスクレーターに向かいます。』

 

『『了解!』』

 

「え、えぇ~~……」

______________________

 

「"結婚式"ですか。」

(あぁ、嫌がる加藤を説得するのに苦労したよ。)

「あ~、何か想像出来ますね。」

(あいつは古風だからなぁ)

「そうですね。お家はお寺さんでしたっけ。」

(そうだ。だから[するのはいいが、俺は袴だ]って譲らなくてさ。まぁ、何にしても、目出度いのは良いことさ。)

「…そう、ですね………」

 

〔古代君。君は、君はどうなの……?〕

______________________

 

航海日誌

〈先日判明したことだが、古代1尉の勧めで原田真琴、加藤三郎両名が、結婚式を挙げるそうだ。佐渡先生の話では、原田女医のお腹には既に、子供が居るとの事。これは大変目出度い。因みに、アナライザー(AU-O9)は、居心地が良いらしく、佐渡先生の診療室に入り浸っている。

幸せな空気が蔓延しているが、私は古代1尉のメンタルが心配だ。今森船務長が亡くなりで

 

pipipi pipipi

 

(…ザザッ…ヤマトさん!聞こえますか!ヤマトさん!)

 

「原田さん?どうしまし」

 

(森さんが、森船務長が)

 

"亡くなりました"

 

「……………………………へ??」

 

「な、な、な、亡くなった……………?」

 

(…っはいっ………。たった今。一瞬息を、吹き替えして…………)

 

そこからの言葉は、良く覚えていない。

全く耳に入らなかった。

ただ一つ、思った事は、

 

"どうして今なのだろう"

 

と………

 

世の中は残酷だ…。生まれて来る命も有れば、消え行く命も有る………。

 

後少し…、後少し持ってくれれば……

 

次にヤマトの耳に入ってきた言葉は、古代の言葉だった。

 

(真田さん。…この事は、伏せておいて下さい。)

「どうして…」

(やっと地球に帰れるんだ。もう皆に、悲しい顔はさせたくない………。)

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後日、艦内左舷展望室にて盛大な結婚式が行われた。

ただ、私は余り、喜ぶ事が出来なかった…。

 

 

 

「古代守って………、古代1尉のお兄さんですよね?」

(あぁ、そして、俺の親友だ)

(システムの中核が、あの古代君だって言うんですか?)

(論理的に考えた末導き出した答えだ。)

「まさか…、艦内の幽霊騒動って……。」

(先生、実は私、一度見たんです。非科学的と笑われるかも知れませんが………。あれは確かに、古代君でした!)

「"充分に発達した科学技術は魔法と見分けが付かない"か…」

(恐らく、イスカンダルで息を引き取った後、"何らかの方法"でその記憶(・・・・)だけは保存されたのだろう。そして、その意識は、コスモリバースシステムを起動させる核となった…。今やコスモリバースシステムが古代その物)

 

「いえ、私が、ヤマトがそのものなんです。」

 

(やはり気付いていたか…)

「えぇ、でなければ、会ったこともない人について熱心に調べません。」

 

〔だから、今貴方が何を考えているのか、私には判ります……。古代さん………そうでしょう?〕

 

《あぁ、申し訳ない。俺の我が儘を聞いてくれ》

 

〔…………〕

 

皆さん…、ごめんなさい………。私には止められないんです………。

 

《進。俺がお前にしてやれるのは》

 

"これくらいだ"

 

艦娘(ふね)をお返しします…。沖田さん………》

 

 

直後、突如として起動したコスモリバースシステムは、艦内の浄化と再生を始めた……

 

「ヤマト!どういう事!これは!何故止めないの!?」

「イセ…………。もう、止まらないんです……。もう、止められないんです。」

「コスモリバースが使えなくなったら、地球は…!」

「待って下さいヤマトさん!今直ぐシステムの中核に………っ!」

「アカシ?どうしたの!?侵入できたんでしょ!?」

「…………無理です……。コスモリバースの暴走が止まりません……。」

「何で!?貴女なら止められ

「中核がブロックをかけているんです!まるで、CRSが自らの意思でそうしているみたいに!」

「………そんな」

 

「じゃ、じゃぁ、地球はどうなるんですか!?お母さんは!」

「フブキ、落ち着

「落ち着いてられないよ!」

「っ、な、何か!?眩し!」

 

「まさか、そんな…!」

「作動して、しまった………」

「嘘でしょ…!」

 

「出力、急速低下!」

「ま、不味い。このままでは…」

「現状を維持して!CRSを停止させない様に!」

「ヤマトも手伝って!このままじゃ!」

「駄目よ、どうやっても、こちらのアクセスを受け付けてくれない。」

「何故!何故なのヤマト!何故今動かしたの!」

「お願いヤマト……。教えて、何か知っていたら……。お願い……。」

「…………すみません………」

 

ヤマトは泣いていた。

森船務長が蘇った事に。

ヤマトは泣いていた…。

皆の期待を裏切ってしまった事に…。

ヤマトは、泣いていた……。

 

「アカシ、オオヨド!各部の点検を急いで!再起動準備を!」

 

『彼の意識でもある起動パルスは…、殆ど、量子の海に消失して……、再起動不可能よ………。』

 

「え?そ、それじゃぁ、私達が戻っても…」

「地球を、救う事ができない………。」

「アガノ姉達に、何て報告すればいいのよ、これ………。」

 

『ヤマト、いや、古代!これがお前の意思か!お前が望んだ事だとでも言うのか!』

 

「古代って………」

「ねぇ、ヤマト。どういう事か、教えてくれない?」

「………、すみません。…落ち着いたらでも、構わないでしょうか…。」

 

「駄目です!今説明してください!直ぐに!じゃないと、私、私!」

「フブキさん。深呼吸してください。」

「そうよ。まずは貴女も落ち着かないと…」

「判り、ました。」

 

「…あ……、地球」

「まさか…、こんな思いで見ることになるなんてね……。」

 

「キリシマに、何と言えば良いか……」

 

〔"あの子"に、平和な海を、見せられそうに無いわね………。ごめんなさいね、■■■………。〕

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艦内〈艦長室〉

「艦長。我々の地球が見えて来ましたぞ…」

「………佐渡先生。儂を、暫く一人してはくれまいか」

「………」

 

艦長から要望され、静かに立ち去ろうとする、佐渡酒蔵医師。

 

「佐渡先生…。」

「!…」

「………………………、"ありがとう"」

 

自分が泣きそうなのを我慢しながら扉を開け、艦長室を立ち去る佐渡先生。

 

一人になった艦長は、胸ポケットから家族の写真を取り出した。

そこには、火星海戦で命を落とした、自身の最愛の息子と、その嫁。そして、その間入り二人の肩に手を置き、帽子の鍔で目元の隠れた自分が写っていた。

彼は、写真に写った息子と嫁をなぞるかの様に撫でた。

 

「…地球か……。」

 

目元に涙を溜めながらそう呟く。

 

「何もかも、皆懐かしい……。」

 

溜まった涙を流す様に目を瞑り、静かに息を引き取った。

写真を持った右手が椅子の横に垂れ、家族の写真が床に落ちる。

 

再び艦長室に入ってきた佐渡酒蔵は、息を引き取った沖田艦長に対し、涙を堪え、古くからの友人として、心からの敬礼を捧げた。

 

彼の名は、沖田十三(おきた じゅうぞう)

享年58歳

安らかな死に顔であったという。

 

時に、西暦2199年12月8日の事である。

 

しかし、ヤマトはまだ、この事実を知らない。

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艦内にて沖田艦長が亡くなった直後、ヤマトのコスモリバースシステムが突如再起動した。

 

「……これは!」

「CRSの再起動を確認!」

「一体、何が……」

「解らない。只…、奇跡が起きただけよ。」

 

〔コスモリバースシステムは真田さんの言った通りのものだった…。なら、艦内で青い地球を知っている人が亡くなった………。まさか……。そんな事、確認してみなければ解らない。一刻も早く地球へ〕

 

その時、ヤマトに不思議な声が聞こえた。

 

"……ヤマト………ヤマト…聞こえていますか………。私は此処で貴女を待ちます。おいでなさい。私は、クイーンエメラルダス……"

 

「クイーン、エメラルダス…?」

「ヤマト?どうかしたの?」

「何か分かったの?」

「いえ、違うんです。誰かが、私の頭の中に……」

 

〔"私は此処で貴女を待ちます。おいでなさい。"………まさか、コペルニクスクレーターの信号は……〕

 

「…アカシさん!」

「は、はいっ!」

「確認作業を一時中断してください!」

「え、ええ!?どうして急に…」

「緊急の"用事"です!」

「用事って…、此処宇宙だよ?」

「どういう事?ヤマト」

「……」

「また、言えないの?」

「はい。只、一つ約束出来ます。この"用事"が終わったら、全てお話しできます。地球で、ですけれどね。」

「本当に地球で話してくれる?」

「そんな顔しないで下さい、ソウリュウ。嘘は吐きません。」

「ヤマトがそういうなら信じるよ!」

「…判ったわ。私も信じる。皆は?」

 

「「「イセとソウリュウが言うなら!」」」

 

「皆さん。最後までご迷惑おかけしてすみません。必ずすっきりさせましょう。それでは行ってきます。」

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月面・コペルニクスクレーター付近

 

〔着いたは良いけれど、一体何処に……〕

 

ヤマトが辺りを見回すが、それらしい人影が見当たらない。

すると再びヤマト声が聞こえる。。

 

"良く来ましたね。……そう、貴女がヤマトね…。元気そうで何よりよ………"

 

「あの…、そう言って頂けるのは大変有り難いのですが、姿を見せて頂けませんか?」

 

"そうでしたね。呼びつけておいて姿を見せないのは、確かに失礼でした。"

 

その直後、誰も居なかった筈のヤマトの目の前に、オレンジ色の髪をなびかせ、顔には傷跡のある艦娘が現れた。

 

「貴女が…クイーンエメラルダス。」

 

「そうです。私が貴女を此処へ呼びました。」

 

「貴女は一体何者ですか?只の艦娘には見えませんし…、何と言うか、あちらの世界の人の様に見えますが……。」

 

「察しが良いですね。詳しい事は言えませんが、予想通りですよ。」

 

「やはり……、何故貴女が此方へ?」

 

「私は、貴女を貴女達(ヤマト"達")をずっと見て居ました。お互いのヤマトが会ったその時から。」

 

「ビーメラの近辺居た頃から……。」

 

「えぇ、そして、貴女はもうすぐ任務を終えますね。」

 

「はい。」

 

「ですがきっとこの先も、多くの困難が貴女の貴女達の前に現れるでしょう……。」

 

そういってクーンエメラルダスは、武器の様な物を取り出し、差し出す。

 

「…これは?」

 

「重力サーベルと言う物です。貴女達は今後、今回の比にならない旅をする事となるでしょう。持ってお行きなさい。これは、貴女の大切な人達を守るのに必ず役立ちます。さぁ」

 

「で、では、戴きます。」

 

ヤマトが、差し出された重力サーベルを手に取る。

 

「以外と軽いんですね。」

 

ヤマトが手に持った感想を言った時、そこに居た筈の彼女の姿は消えていた。

 

"さぁ、行きなさい、ヤマト。貴女の使命を果たす為に……。私は何時でも貴女を見守っています。私は、クイーンエメラルダス………"

 

「クイーンエメラルダスさん。重力サーベルを有り難う御座いました。私はもう、誰も失いません!」

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「あ!やっと戻ってきた!遅いよヤマト!」

「ごめんなさい。ソウリュウ。皆さんもお待たせしました。」

「聞かせてくれるんでしょ?何が有ったか。」

「勿論です。皆さんにお話しする為にも、地球に戻りましょう。」

 

「機関始動!前進半速!これより、地球へ降下します!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

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凡そ1年前に人類を救う為に旅立った彼女達(艦娘達)は、人々の希望と共に帰還した。

この日、地球は再び、美しい姿を取り戻した。

 

時に、西暦2199年12月8日…………




皆様、作者のコスモゼロで御座います。
まずは、本編を完走できたことが本当に良かったです。
この作品を書くに当たって、コラボの許可等、様々な事に協力してくださった、サイレント・レイ様や、感想、コメントを下さった皆様に、心より感謝致します。
誠に有り難う御座いました。

さて、此処からは本編とは少し話をずらしますので、家のヤマトからお話しして頂きましょう。

ヤマト「はい。作者から変わりました。大和改め、ヤマトです。まずは、この作品に様々な形でご協力頂いた皆様方に、重て御礼申し上げます。有り難う御座いました。
さて此処からは、今後の作品展開についてご説明させて頂きます。
まずは、この作品『宇宙艦これヤマト2199』についてです。此方は、本編は終了しましたが、続編の2202への繋ぎや、途中で登場したキャラ等の回収の為、番外編と言う形を用いて、後日談の方を書かせて頂きます。また、それに合わせまして、私ヤマトが意識を戻す前に起こった出来事を描く、"過去編"の方もやらせて頂きます。そちらも是非ご覧下さい。
続きまして、次回作についてです。一部の方は既に御存知かも知れませんが、次回作は、『宇宙艦これヤマト2202 愛の艦娘達』と言うタイトルでやらせて頂きます。既に1話のみ先行公開されておりますので、"まだ読んでない"という方は是非ご覧下さい。
続編の方に関してですが、番外編と同時平行で進んで行く事を考えております。また、作者自身、様々な都合が御座いますので、投稿感覚がかなり空いてしまう可能性も御座います。その点に関してはご了承頂けると幸いです。さて、再び作者さんに戻しましょう。」

はい。え~、私よりも長文でしたね。此処まで来ると恐らく"くどい"と思われているでしょう。と、言うことで手短に。
番外編を書く前に、本作品の設定を皆様へ公開致します!
気になっていた方もいらっしゃる筈!…………え?いますよね?居ると信じて。
こちらの方は近日公開予定です!

それでは皆様。此処までのお付き合い、誠に有り難う御座いました。今後とも御贔屓に。また後書きでお会いしましょう!


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設定集
宇宙艦これヤマト2199 設定集


今回は、本作品の設定を皆さんに公開致します。
余り面白いものではありませんが、良ければご覧下さい。
宇宙戦艦ヤマト2199で登場し、こちらの独自設定で無いもの(必要なもの以外)は解説いたしませんので、ご了承下さい。

※作者は「ヤマトと言う時代」を見れて居ません。公式の設定とかなり差異が生じております事をご了承下さい。


艦娘

・艦娘…21世紀前半に突如として出現した人類の敵"深海棲艦"に対抗する為に現れた、少女達の総称。

 

・深海棲艦…かつての戦争で沈んで行った者達の無念が集合し、その強い思いが人類への憎悪となって現れた者達の総称。

 

・宇宙艦娘…21世紀後半から発達した宇宙技術を用いて、宇宙進出を目的とした人類が開発した、新型艤装を装備した新たなる艦娘達。

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西暦2100年~2199年頃

・日本国航宙自衛隊…人類が本格的に宇宙進出を開始した頃、西暦2103年に、各国宇宙軍発足に乗っかって設立された。西暦2106年に初めて艦娘を宇宙へ送り出した。第二次内惑星戦争後は、世界中の軍を国連が統括し"国連宇宙軍"とした。

 

・航宙艦娘候補生学校…西暦2105年に日本国航宙自衛隊が設立した学校。艦娘適性の高い者が入学を許可される学校。又、多くの日本人女性の憧れの場所であった。ここの65期生~73期生は第二次内惑星戦争に参加した。しかし現在は、ガミラスとの戦争激化に伴い第92期生(2197年入学)以降は卒業出来ずにいる。

 

・第二次火星沖海戦…西暦2193年頃に起こった、唯一地球が勝利したガミラスとの戦い。また、この敗北を受け、ガミラスはロングレンジ攻撃を開始。

 

・遊星爆弾…火星沖での戦いに敗れたガミラスが、自らの損害を出さずに地球を壊滅させられる様に発案したもの。冥王星に前線拠点を構えていたガミラスは、エッジワースカイパーベルトから流れてくる小惑星に、特殊な装備を用いて起動を変更させ、爆弾として運用した。

 

・木星アステロイド沖海戦…火星沖で敗北したガミラス軍が、地球軍の継戦能力低下を図り仕掛けた戦い。

 

・土星コロニー"カムイ・コタン"…21世紀終盤から22世紀前半にかけて建造されたコロニー。人類の外惑星系へ進出の足掛かりとなる予定で会ったが、ガミラス戦争勃発と同時に放棄されたコロニー。(この事は表向きの事実で有り、実際は防衛軍極秘部隊の軍事基地として運用されていた。2197年にガミラスの土星攻略によって攻撃を受け基地として使用出来くなり放棄される。)

 

・土星防衛戦…第二次火星沖海戦の前に行われた土星宙域防衛戦。その前に行われた第一次火星沖海戦で敗北した地球軍側が、第二次火星沖海戦前に発動した作戦。結果は勝利とは言えないものであったが、第二次火星沖海戦までの時間稼ぎとなった。

 

・メ号作戦…西暦2198年頃、地球人類に救いの手を差し伸べたイスカンダルから、波動エンジンの中核、波動コアを受領する為に2199年1月17日に行われた作戦。これが陽動作戦で有ったことを知るものは少ない。

 

・ヤマト艦隊計画…イスカンダルからもたらされた波動エンジンを搭載した3隻の遠征艦隊。元々は、地球脱出の為のイズモ計画で有ったが、国連が計画を変更した。

・西暦2199年2月11日…国連ヤマト艦隊計画の出港日程から10日程繰り上げられた、宇宙戦艦ヤマト、航宙戦艦イセ、航宙空母ソウリュウ三名の出港日。

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ヤマト出港後

・メ2号作戦…土星コロニー"カムイ・コタン"で合流した8名とヤマト艦隊計画の3名が起こした、航海日程に無い戦闘。

 

・太陽系赤道祭…ヤマト達が、メ2号作戦の成功と、太陽圏離脱を祝し催したもの。地球の赤道通過の際に行われる赤道祭を模して太陽系赤道祭と呼ばれる。又この際、平行世界の艦娘とヤマト艦隊が接触した事により、多次元宇宙論が確立された。

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キャラ紹介

・ヤマト…西暦2029年~西暦2035年までの6年間は戦艦娘大和して生き、その後海の底で163年の眠りついていたが、西暦2196年、地球の海が全て干上がった際に坊ノ岬沖にて発見され、放射能汚染が酷くなる前に中央大病院へ緊急避難。その後

西暦2198年12月22日に意識を回復させ、西暦2199年2月11日に"宇宙戦艦ヤマト"として新たな生を受ける。

 

・ソウリュウ…艦娘候補生学校第88期(2193年)卒業生であり尚且つ首席であった。本来であれば第一艦隊に配属される筈だったが、国連イズモ計画始動に伴い、担当艦娘に任命される。その後2198年頃に変更された国連ヤマト艦隊計画の担当艦娘として続投。空母適性が高かった為、宙母に任命された。妹に"ヒリュウ"が居る。

 

・イセ…ソウリュウの後輩で89期卒業生。卒業時はソウリュウと同じく首席であった。ソウリュウと同時期に任命された別の艦娘が不祥事を起こし解任された為、卒業後直ぐにイズモ計画艦娘として任命された。計画変更後もソウリュウと同じく続投。又、戦艦適性と空母適性のどちらも優れていた為、航宙戦艦に任命される。

(因みに、二人は戦線へ出る事が無かった為、他の艦娘からは"ただ飯食らい"と呼ばれていた時期もある。)

 

・キリシマ…コンゴウ型宇宙戦艦の4番艦。コンゴウ達とは従姉に当たる。艦娘学校をコンゴウ等と65期生として卒業。卒業後は直ぐに全員第一艦隊へと編成され、第二次内惑星戦争に参戦。第二次火星海戦からは沖田提督の座乗艦として有名な戦いに幾度と無く参戦。しかし、第一次火星海戦によって、コンゴウ,ヒエイを失い、土星防衛戦にてハルナを失う。どちらの戦いも、キリシマのみが生き残った影響で"死神"と呼ばれていた。メ号作戦では、自身も被弾するも、ユキカゼが囮として戦域に留まったことで地球へと帰還する事が出来た。間も無く退役予定。

 

・ユキカゼ…ヤマト戦術長古代進の兄"古代守"の座乗艦。第二次火星海戦から生き延びた駆逐艦であり、自身の指揮していた戦隊は必ず全員生還していたことから、幸運艦として全体から親しまれていた。火星海戦後は、古代守が艦長に就任。メ号作戦では、作戦宙域の先見艦として参戦。今回も生還するかと思われたが、キリシマ撤退の支援の為に自らを囮として轟沈した。その後は、土星の衛星"エンケラドュス"へ漂着。その時には既に息を引き取っていた。

 

・ハルナ…コンゴウ型宇宙戦艦の3番艦。コンゴウとは姉妹であり、ヒエイ,キリシマは従姉である。第二次内惑星戦争と第一次火星沖海戦を生き延びたものの、土星防衛戦にて被弾。機関部が損傷し、コロニー"カムイ・コタン"へと漂着した。地球では既に"轟沈"とされていたが、ヤマト艦隊に発見されイスカンダル遠征へと同行する。帰還途中に銀河系外縁部から超空間通信にてキリシマに無事を報告した。(その際キリシマは、ボロボロに泣き崩れたと言う)

 

・ムツ…ムツ型宇宙戦艦の1番艦。姉妹艦では無いが、同系艦としてコンゴウ型とフソウ型の二種類が在る。また、コンゴウ達よりも前の艦娘学校60期卒業生。キリシマが旗艦になるまでは第一艦隊の旗艦を勤めていた。第二次内惑星戦争を生き延びたものの、ガミラスとの初接触の際に起こった戦闘によって被弾。生還したものの、第一次火星沖海戦にてエンジンや主砲等の主要部に被弾し意識を落とす。そのまま宇宙を漂流していたが、運良くカムイ・コタンへと流れ着く。地球に残した娘が一人居る。(名前については番外編にて公開予定)尚、カムイ・コタンの事実を知っている唯一の艦娘で有り、防衛軍極秘部隊に所属していた艦娘のただ一人の生き残り。

 

・オオヨド…ムツとは同期の優秀な艦娘。ムラサメ型巡洋艦の派生型の艤装を使用している。また、空母適性も在るため、非常時は艦載機を運用する事が出来る。第一次火星海戦においては、旗艦であるムツを支援する為に参戦していたが、敵戦闘機からの集中攻撃を受け大破する。ムツのカムイ・コタン漂着から10ヵ月程遅れてたどり着く。ムツと違い、機関部はギリギリ生きていたが、レーダーや方位指示器等は全て破損していた為に地球への進路が判らず、土星方面へ向かってしまった。

 

・フブキ…艦娘学校の86期(2191年)卒業生。この年の初めに、ガミラスと地球が接触し、配属予定だった第3艦隊38駆逐戦隊から変更され、第一艦隊第4駆逐戦隊へ配属となった。第一次火星沖海戦を生き延びたものの、土星防衛戦にて被弾し、同期のアマツカゼ,ハマカゼと共に戦線を離脱した。しかし、ガミラスからの追撃を受け、コロニーへと緊急避難。先にコロニーへ漂着していたムツと合流した。

 

・アマツカゼ…フブキ,ハマカゼと同期の駆逐艦娘。配属予定だった第二艦隊21突撃駆逐隊から配属変更となり、フブキと同じ部隊へと配属された。土星防衛戦にて被弾したフブキの戦線離脱を支援していたが、ガミラスからの追撃を受け、フブキ,ハマカゼと共にカムイ・コタンへと身を隠す。

 

・ハマカゼ…フブキ,アマツカゼと同期で在り、卒業時は次席を取るほど優秀だった為、初めからフブキ,アマツカゼの配属される第4駆逐戦隊へと配属された。また、ガミラス追撃時に二人へコロニーに待避する事を提案したのは彼女である。イソカゼ型の1番艦であるイソカゼとは姉妹。

 

・アカシ…第二次内惑星戦争の頃から司令部付きの艦娘であったが、土星防衛戦に派遣され、後方にて艦娘の整備と補給を行っていた。同僚のマミヤは、後方に入り込んで来た敵に沈められてしまったが、自身は中破ですんでいる。工作艦ということもあり、自身の艤装を簡易的に修理はしたものの、きちんとした整備が出来なかった為にコロニーへ寄港する事となった。彼女自身少しマッドな所があり、普通は作り得ない様なものまで作り上げてしまう。また、カムイ・コタンにいた艦娘の特殊なエンジンも彼女が製造した。オオヨド,ムツとは同期。オオヨドとは幼い頃からの親友。

 

・ヤハギ…ムラサメ型と同系の巡洋艦アガノ型の3番艦。アガノ型は全員姉妹で在り、アガノとは2期、ノシロとは1期の差で入学及び卒業している。4番艦のサカワとは双子の為、艦娘学校は同期。87期(2192年)卒業生で、第二次火星沖海戦より戦列に合流した。その後は、姉妹全員で木星アステロイド沖海戦に参戦。後発艦隊の旗艦を勤めていたアガノが、先発艦隊が全滅した事を地球へ知らせ、撤退の許可を貰おうとしたが、功を焦ったのか地球司令部からは撤退の許可は降りず、アステロイド帯まで後退した。しかし、隠れ蓑にしていた小惑星が攻撃されることを察知したアガノによって押し出され、ヤハギを除いて全員(アガノ型)がそこで沈んだ。ショックが大きかったのか、その場で気絶しそのまま宇宙を漂っていたが、コロニー近郊にて、ムツによって発見され回収された。

 

・シオイ…国連ヤマト艦隊計画発足当初は計画に入っていなかった艦娘。司令部の大規模整理の際に建造計画書が発見された。次元断層内を航行する特殊艦"次元潜航艦"として設計されたもの。艤装自体はヤマト発進前に完成はしていたが、肝心の波動コアが足りなかった為に進水は見送りとなっていた。しかし、ヤマト発進当日、ラグランジュポイントまでのヤマト護衛を行っていたキリシマが、空間騎兵の所持していた"波動コア"と思わしき物体を確保。地球にて波動コアと確認できた為に、彼女の艤装へ搭載され、メ2号作戦時にヤマト艦隊へと合流した。その後は、七色星団にて、敵大型戦艦を道連れにしてイオン乱流へ呑まれた。轟沈の確認はできていない。

(シオイの新型艤装の設計者は"アカシ"と書かれていた。)

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ヤマトの装備

・主機関…正式名称「次元波動超弦跳躍機関」、通称"次元波動エンジン"と呼ばれるものであり、西暦2198年頃にイスカンダルよりもたらされた、恒星間航行用の特殊なエンジン。始動する為には"波動コア"と呼ばれる核となる部品と、一つの地域の電力を全て必要する程の膨大なエネルギーが必要となるが、一旦始動してしまえば、真空から無限にエネルギーを生成する事が可能となっている。

 

・主兵装①…正式名称「次元波動爆縮放射機」、通称"波動砲"と呼ばれる、艤装に搭載された大型砲。発射する為には、ヤマトの艤装を左右結合しなくてはいけない。攻撃力は、一つの惑星を消し飛ばす程。その為艦隊では、必要に迫られた時以外は使用を禁止していた。実際に発射したのは3回程。内1回は、僚艦のイセが放った。

②…正式名称「陽電子衝撃砲」、通称"ショックカノン"と呼ばれるビーム兵器。ヤマトには、主砲9門と副砲6門装備されており、波動エンジンからのエネルギー供給による陽電子ビームの為、波動エンジンが停止している際は、バイパスを繋がなければ発車する事が出来ない。

③…正式名称「八連装ミサイル発射塔」、通称"煙突ミサイル"と呼ばれるもの。主に対空戦闘で使用される。発射形式はイージス艦と同様のVLSとなっている。

④…艦首,艦尾魚雷発射管。主に対艦戦闘で使用される。"魚雷"と銘打ってはいるが、実際は対艦ミサイルである。

⑤…舷側ミサイル発射管。その名の通り、ヤマト舷側に設置されたミサイル発射管である。対艦,対空戦闘に両用できるが、余り使われない。

 

・国連宇宙軍制帽(特別使用)…ヤマトが被っている制帽。艤装の技術がふんだんに盛り込まれている。しかし、その機能の大半は艤装で賄う事ができている為、実際は余り使用されていない。土星沖にてイセより譲渡された。

 

・艤装ネックレス…ヤマトのみがワープに失敗した際に協力したガミラス艦の艤装の一部。次元断層を共に脱出した後に一騎討ちをする筈であったが、艦内にて発生したトラブルより同士討ちに逢い轟沈した艦に残骸である。ヤマトにとって一種のお守りの様な存在。

 

・99式自動拳銃…ナンブが特注で制作した拳銃。マガジンは、艦載機"コスモファルコン"と実体弾の二種類存在する。実体弾に関しては、艦娘同士が余程近付かなければ使用されない為、実際にしようされたのは1度のみである。99式の完成当初は、1発1発打たなければならなかった為に、艦載機の発艦に時間が掛かっていたが、アカシの改造によって、1度引き金を引けば、1マガジン分の機体が一斉に射出される様になった。

 

・99式空間戦闘攻撃機…通称"コスモファルコン"、又は"隼"と呼ばれる。ヤマトには、自動拳銃のガマジン4つ分(ワンマガジン8発装填分)の計36機搭載されている。イセソウリュウはそれより多く、ソウリュウの場合は80機程を搭載。イセは50機程搭載している。

 

・零式52型空間艦上戦闘機…通称"コスモゼロ"。国連宇宙軍が開発した最新鋭艦上戦闘機。本来であれば、ヤマト艦載機は全てコスモゼロとなる予定であったが、開発の遅れや、量産化への移行がスムーズに行えなかった事から、2機のみヤマトに配備されることとなった。発艦は、波動エンジンのノズル近辺にあるカタパルトから行われる。

 

・その他艦載機…その他には、"100式空間偵察機"や「SC-97空間汎用輸送機」、通称"コスモシーガル"を各2機ずつ配備している。

 

・コスモドラグーンNo.5…別の宇宙に存在する、伝説の宇宙銃(コスモガン)。世界に5丁しか無く、イスカンダルでヤマトに譲渡されたもの。本来であれば模造品であり、一切使用する事が出来ない筈だったのだが、向こう側の手違いか、実物のコスモドラグーンが譲渡されていた。製作者は既に亡くなっているらしい。

 

・Idoroid型特殊端末…戦艦娘時代からメタルギアのファンだったヤマトが、同志であるアカシに頼んで開発してもらったもの。原作とは違い、様々な機能に制約がついているが、宙図のホログラム投影等が可能となっている。又、亜空間ゲートの各フェイズの確認は、艤装からでは無くIdoroidで行っていた。

 

・重力サーベル…ヤマトが地球へ近付いた際に月から呼び掛けてきた謎の艦娘"クイーンエメラルダス"より譲渡されたもの。形はレイピアに近いが、刀身の部分はバレルとなっており、一種のコスモガンとして使用する事が出来る。




以上で、各設定の紹介を終了します。呼んでいて、「そんな設定知らねーよ!」「後付けだろ!」と思った方に一言。

辻褄を可能な限り合わせたんで許してください!

ヤマト「いや、そこは否定してくださいよ。」

ソウリュウ「と言うか、土星組は結構設定が無理やりな気がするんだけど?」

はい、ごもっともです………。でも、これ以上どうしたらいいのでしょうか!誰か私に力を下さい………。

イセ「だけど、所々面白い設定も有ったと思うよ。」

彼女の様に優しい心をもって読んで下さると嬉しいです。

ヤマト「ではここで次回予告です。」
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遂に地球へと帰還したヤマト一向。そこで待って居たのはそれぞれの家族。彼ら信じて待っていた多くの人々。そんな彼らからの出迎えを受け心踊る艦娘達。しかし、彼女は一人悲しみにくれていた。

次回 宇宙艦これヤマト2199 番外編第1話「喜びと悲しみ…」
人類は、新たな道へと進み出す……。
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番外編第1話は、近日中に公開致します。

ヤマト「それでは今度は番外編でお会いしましょう!」


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番外編
喜びと悲しみ…


遂に地球へと帰還したヤマト達。コスモリバースシステムを使用する為に一度地球へ降下する艦娘。其処に待っていたのは彼女達の家族だった……。

※ここからは完全オリジナル展開です。予想では番外編は全20話程の予定です。(多すぎるとか言わないで泣)


「こちら、宇宙戦艦ヤマト。極東司令部応答願います。こちら、宇宙戦艦ヤマト。応答願います。」

『こちら極東司令部ヤマト作戦本部。レーザー通信確認。ヤマトさんお疲れ様でした。お帰りなさい。』

「有り難うございます。これより、一時的に寄港し波動砲口のカバーを解除する作業に入ります。ハッチの解放願います。」

『了解しました。関東38番ハッチを解放します。500km地点より誘導ビーコンの圏内です。』

「了解しました。宇宙戦艦ヤマト以下全艦、関東38番ハッチより入港します。」

 

時に、西暦2199年12月8日。遥か16万8千光年彼方の惑星"イスカンダル"よりコスモリバースシステムを持ち帰ったヤマト達艦娘は、防衛軍全職員からの歓迎の元迎えられた。

 

「ヤマト。良くぞ、良くぞ無事に帰ってくれた。」

「藤堂長官……。皆さん出迎え有り難うございます。でも、まだ仕事が残って居ます。艦首のカバーを外したら直ぐに作業に取り掛かります。待っていて下さい。」

「そうだったな。一番の大仕事が残っていた。……ヤマト、頼む。」

「任せて下さい!アカシさん。早速お願いします。」

「わっかりましたぁ!ちゃちゃっとやってしまいますね!」

 

~5分後~

 

「お待たせしました。解除完了です!」

「有り難うございます、アカシさん。」

「ヤマト…。地球を救ってくれ……。」

「はい!宇宙戦艦ヤマト、発進します!」

 

38番ハッチから外へでたヤマトは、制止衛星軌道上にてコスモリバースシステムの発射態勢へと移行する。

 

「これより、コスモリバースシステムを発射します。重力アンカーセット!」

〔セット完了。〕

「コスモリバースシステムにエネルギー充填!」

〔エネルギー充填開始します。〕

「エネルギー充填80%,86%,90%,100%。ターゲットスコープオープン。電映クロスゲージ明度20。発射角修正。左-1.4。」

〔発射角修正完了。〕

〔エネルギー120%充填完了。〕

「総員、対ショック対閃光防御!」

 

「発射10秒前!9,8,7,6,5,4,3,2,1、発射!」

 

 

ヤマトの波動砲口からは、鮮やかな蒼色の光が放たれ、地球へ向かって行く。

そして、放たれた光は地表と接触し、荒れ果てた大地に緑を戻し、干上がった海を青く美しい姿へと戻して行った。

 

「………こちらヤマト。司令部応答願います。」

『こちら司令部。ヤマトから放たれたエネルギー波を確認。外はどうなっているか』

「映像を送ります……。とても、とても綺麗です……!」

 

~地球~

「ヤマトよりの映像受信!」

「おぉ、これは……」

「………」

「どうした芹澤君。」

「これで……、これで人類は救われると思うと……、涙が……」

「そうだな。あぁ、そうだ……。」

 

地球でヤマトを見守っていた職員は、地球の姿を見て涙していた。中には、これで外に出られると喜び柄にもなくはしゃいで居る者達もいた。

 

『宇宙戦艦ヤマトより、極東本部へ。これより、再度帰還します。入港ドックの指定を願います。』

 

「こちら極東本部。再度38番ドックへの入港を指示します。」

 

『了解。これより帰還します!』

 

~帰還後~

 

ヤマトは、地下ドックの中に居た

 

『係留作業員はヤマトの艤装係留作業に移行。ヤマト乗員は下艦、内部での各作業は港湾部作業員に引き継げ。繰り返す…』

 

〔やっと、やっと終わったんですね……。長い1年でした…〕

 

「!そうだ!沖田艦長は!艦長にも色々と話したい事が!」

 

そう話したヤマトの前に、ヤマト医療班班長佐渡酒蔵が立つ

 

「ヤマト…、わしから話しがある……」

「?なんですか?佐渡先生」

「ついてきてくれんか」

「解りました」

 

ヤマトが連れられた先は、霊安室だった

 

「佐渡先生、ここって霊安室ですよね…。こんな所に何が…」

「お前さんには、辛い思いをさせてしまう……。」

「はぁ…」

「よく聞くんじゃ、ヤマト…。艦長は、沖田艦長はな…」

「亡くなった」

「………え?」

 

佐渡先生からの言葉は、あまりにも急でヤマトの理解が追い付かなかった

 

「亡くなったって…え?ど、どういう事ですか?艦長が……え?どうして、そんな…」

「遊星爆弾症候群、その再発じゃ…」

「そんな…、何時、何時亡くなったんですか!」

「地球に着く直前じゃ」

「……………やっぱり、コスモリバースが回復した時に…。あの、佐渡先生…」

「なんじゃ」

「雪ちゃんが生き返ったの見ましたか?」

「ん?あぁ、死んだ筈が艦橋で古代と抱き合っとったな」

「実は、雪ちゃんが生きを吹き替えしたとき、コスモリバースシステムが発動したんです」

「そんな事があったのか…」

「コスモリバースシステムの中核は、”エレメント”とイスカンダルでは読んでいました」

「何じゃその”エレメント”というのは」

「要するに、その星の記憶です。地球で言えば、青く美しかった頃を知っている人の、地球の記憶を使っているんです」

「なんと…、そんなことが…」

「初めは、古代君のお兄さんである、古代守さんがそのコアでした。ただ、一度発動した事で、彼の記憶は失われ、もう再起動できない状態にあったんです」

「まさか」

「はい。まだ憶測ですが、コスモリバースが回復したのは、沖田艦長が亡くなったからだと」

「そんな事が………」

「実は私、薄々気付いてたんです。ただ……、やっぱり、嘘が良かった………、艦長には、生きていてほしかった」

 

そう言ったヤマトの目からは涙が流れていた。




喜びあれば、その裏に悲しみもある。地球司令部の人々や、地下都市に住む人々、そして艦娘達が喜び合う中で、ヤマトは1人悲しみに暮れていた。

次回、宇宙艦これヤマト2199番外編第2話「国葬、そして復興」

早ずぎる復興には、何か裏がある


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国葬、そして復興

コスモリバースシステムで地球を青く美しい姿に戻したヤマト。周りは喜びにあふれていたが、彼女は1人、静かに悲しみに暮れていた。


「実は私、薄々気付いてたんです。ただ……、やっぱり、嘘が良かった………、艦長には、生きていてほしかった」

「ヤマト………」

「このことは、本部長は?」

「既に話した。もう、国連にも話は伝わっていると思う」

「そうですか…。佐渡先生」

「なんじゃ?」

「艦隊の皆には私から話します。」

「わかった。辛い役目を任せて済まない。」

「いえ。これも役目ですから」

 

霊安室からドックに戻ると、まだ多くの人が喜びを分かち合っていた。

 

周りを見渡すと、藤堂本部長と目があった

 

(本部長……)

 

「皆。ごめんなさい、少し話があるの」

 

そう言ってみんなを少し離れた場所に連れて行く

 

「何々?さっきの事?」

「いえ。それはもう少し落ち着いてから話します」

「じゃあもう居る何の話?」

 

イセからの問に、ヤマトは覚悟を決めた

 

「……、沖田艦長が、二度目のコスモリバース発動前に亡くなりました………。」

 

「えっ…と、それは、本当?」

「嘘を…、つく必要がありません……」

「藤堂本部長は知ってるの?」

「佐渡先生からお伝えして頂きました」

「原因は……遊星爆弾症候群ね?」

「はい。佐渡先生からは、イスカンダルまで保った事自体が奇跡だと…」

 

「「「………」」」

 

「話は以上です。最後に、作戦本部からの命令を伝えます。『艤装点検が終了次第、各員別命あるまで待機せよ』です。解散して下さい」

 

全員が静かにその場を去っていった。

そして、ヤマトの帰還から1週間が経った。その1週間の間に地球は目まぐるしい復興の道を歩んでいた。首都には一時的な地球連邦臨時政府が置かれ、そこを中心として徐々に繁栄を取り戻していった。

又、ヤマト艦隊の艦娘には、1人1軒の家が割り当てられていた。

 

ヤマト家

 

(あれからたった1週間だというのに、家が建ち施設が建ち、ゆっくりではあるけれど地下都市からの脱出も進んでいる。)

 

「これって…どう考えても異常よねぇ…」

 

そんな事を考えているとき、ヤマトに電話が掛かってくる

 

「はい、ヤマトですが。」

 

『私だ、藤堂だ』

 

「お久し振りです。何かありましたか?」

 

『ああ、君に大事なことを伝えに』

 

「はぁ」

 

『先程、臨時政府にて、沖田君の国葬が全会一致の元、可決された』

 

「本当ですか?」

 

『あぁ。開催は26日木曜日に決まった。ヤマト艦隊の諸君には後日招待状が届く手筈になっている』

 

「判りました」

 

その電話から数日後、ヤマトに対し国葬の招待状が届き、その日のうちに出席として招待状を返した。

 

2199年12月26日木曜日

 

『去る12月8日、国連宇宙軍ヤマト艦隊司令、沖田十三宙将は、自らの任務を全うし、永遠の眠りにつかれました。』

 

この日の国葬は、地球連邦臨時政府主導でかつ厳粛に行われた。

 

『沖田十三宙将に対し、1分間の黙祷を捧げます。黙祷』

 

(沖田さん。本当にお世話になりました。この美しく蘇った星は、私が、私達艦娘が必ず守ります。ですので…どうか、どうか安らかにお眠りください………)

 

国葬から数日後、首都郊外の小高い丘は英雄の丘と名付けられ、沖田提督の銅像の建設が始まった。

 

そうして運命の1年を乗り越えた地球人類は、2200年を迎えた。

2200年も半年が経つと、地球連邦新政府が樹立され、地球大統領の就任と合わせて、日本に首都が正式に置かれることになり、首都を中心的に、かつての戦後をも上回る復興と発展が始まった。

 

英雄の丘

 

「沖田さん、見てますか。今の地球は、異常ともいえる速度で復興と発展が行われています。波動エンジンと波動コアの量産も軌道に乗ったみたいで、既存艦娘は老朽艦以外は波動エンジンへの換装が進められいます。

この半年で地下都市からは6割が脱出しました。艦隊の皆は地球再建計画に手を貸していて余り会えていませんけど……

私もお手伝いしたかったんですけど、ソウリュウから『ヤマトは勉強していて!』って言われて、今歴史の勉強中です。」

 

ヤマトは、英雄の丘に沖田像が建てられてから週に1度は足を運ぶ様にしていた。自分の艦長だった沖田に、今の地球を報告する為だった。

 

時は遡りヤマト帰還の数日後

 

「話とは何でしょうか、本部長」

 

その日、アカシは藤堂に呼ばれていた。

 

「君に見てもらいたいものがある。」

 

藤堂はそういうと"ある空間"の映像をモニターに映した。

 

その映像は、その"ある空間"に調査に入った人間が録画していたものだった。

 

始めは普通に内部の情報を伝えていた調査員だったが、徐々に語気が弱まり、映像再生から50分足らずで息絶えてしまっていた。

 

「これは、一体……」

「ヤマトがコスモリバースを撃ち込んだ場所にできた、ある種の"特異点"と考えているものだ。ここに入れば人間は1時間と持たない。」

「なぜですか?」

「完全な調査ができていない以上なんとも言えん。空間の組成が合わないのか、あるいわ…」

「あるいわ?」

「時間の進みがここだけ違うのかもしれない。」

「そんなまさか……」

「次はこれを見てくれ」

 

そういって見せられた映像は、先ほどの空間で鉄の変化を記録した映像だった。

 

「これ…早送りは」

「していない。これは等倍での映像だ」

「そんな……」

 

映像には、つい1時間ほど前までは新品同様だった鉄が、酸化して赤錆びてしまっていた様子だった。

 

「この映像を見せた上で、君に頼みがある」

「………何でしょう」

「この中で1時間以上人間が活動できるような活動服を作ってほしい」




次回、「ヤマトとムサシ」
ヤマト型、邂逅


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