転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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サブタイで嫌な予感がして不穏な空気を感じた方、鋭い!
ソ連では禁じられてるはずのクリイベ(?)です。

え~、作中AIイラストは基本、エロ可愛い系だと個人的に思ってますが……
文章は、ちょっと……いや、わりとおどろおどろしいです。
ソ連(というかベリヤ)を描くとどうしても、ね?

それをご注意した上でお読みください。





第404話 ベリヤと”人形”達のсочельник ~閉ざされたセカイで禁じられた幸せを耽溺する夢現~

 

 

 

 さて、ドイツ、日本ときたら次は米ソと言いたいところだが、まあ、ソヴィエトにおいて”クリスマスを祝う”事は粛清対象だ。

 まあ、共産主義者にとって”宗教は麻薬”らしいのでさもありなん。

 「クリスマスパーティーをやったら聖職者がリンチされ生き埋めにされた&村ごと粛清された」という史実を持つお国柄は伊達ではないのだ。

 その代替として考えられたのは、新年を祝う”Новый год(ノヴィ・ゴード)”という祭りであり、クリスマスツリーの代わりに”ヨールカ”なる如何にもクリスマスツリーのパチモン臭い飾り付けがされた”新年を祝うモミの木”が飾ることとされた。

 要するに『モミの木を用いたクリスマスツリーっぽいソ連版門松』を立てるのだ。

 欺瞞、ここに極まれりだろう。

 

 しかし、それらの”ソ連事情”とは、赤い政府の中枢に居ながら全く無関係の男がいた。

 その男こそ……

 

 

【挿絵表示】

「「「ご主人様、С Рождеством(メリークリスマス)♡」」」

 

 

【挿絵表示】

「「「С Рождеством♡ 今日はまだ日が高い内からお帰りですか?」」」

 

 ソ連では禁じられた「クリスマスを祝う言葉」を口にする幼くして孕んだ事を誇るように笑顔を魅せる少女・童女・幼女達……

 このような状況が許された存在はソ連でただ一人。

 

「ああ。せっかくのクリスマスだ。お前達と過ごすのは当然だ」

 

 ソ連NKVD(内務人民委員部)長官、”ラヴィアン・ベリヤ”だ。

 スターリンの右腕であり、”ミングレル・ネットワーク”……(特に北米において)一般的な名称でいう”グルジア人(グルジアン)マフィア”の元締めだ。

 そして、”転生者(サクセサー)”でもある。

 

 ベリヤは前世知識を用いて薬学、特に化学的見地に優れていた。

 その一つがノブゴロド防衛戦で事実上壊滅した、”赤衛国際革命旅団(Красная гвардия Интернациональной революционной бригады)”に大量供給・投与されていた”突撃支援薬”、高純度精製の”メタンフェタミン”だ。

 それが300万人に十分な必要量を確保する大量生産技術を(”この世界線”では)開発したことになっているのがベリヤだった。

 他にも”アンフェタミン”の大量生産法を編み出したとされ、それらの化学合成麻薬の最大の輸出先が、新大陸……アメリカ合衆国だった。

 

 そう、ベリヤの配下にあるアメリカに根を張るグルジアン・マフィアを通じてこれらの合成麻薬を流していた。

 そして、賢しいのは数的な規模の小さいグルジアン・マフィアが直接的にアメリカ市民に流しているのではなく、イタリア篇でも名が出てきた、シチリア島系(コーサ・ノストラ)の米国組織”ルチアーノ・ファミリー”などに”新たな商材”として供給したのだ。

 つまり、ベリヤとその組織は、自らがアメリカに蔓延る犯罪組織・結社の商売敵(ライバル)となる「麻薬販売者」ではなく、それらの犯罪組織への「麻薬供給者」となることで自らが米国で確固たる地盤を築き、大量の資金を稼ぐことに成功していた。

 そして、稼いだ大量の資金は、米国に深く広く根を張りアメリカ政府機関、あらゆるアメリカ国内の民間シンクタンク、民間平和団体、宗教関連団体、出版社などを事実上コントロールしていた”赤いネットワーク”の資金源となっていたのだ。

 

 だからこそ、スターリンは「米国工作の要にして根幹」のベリヤにあらゆる自由を許していた。

 そして、スターリンはベリヤの本質をよく理解していた。

 

 

【挿絵表示】

「「「今日は、”сочельник(クリスマス・イヴ)”だもんね♡」」」

 

 

【挿絵表示】

「「「”子供”がいっぱい”遊べて”、幸せになれる日だもの♡」」」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ベリヤはそもそも、「共産主義者ですらない(・・・・・)」事をスターリンは知っていた。

 ベリヤ自身が開発したとされる”成長抑制剤”や”排卵誘発剤”を使い、『幼いままに自分の子を孕み、その妊娠状態を可能な限り維持し続ける幼子』という歪な……”自ら外の世界と大人になることを拒絶したベリヤの愛玩人形のような幼女”……

 ”自分に依存し、自分がいなければ満足に生きていけない「自ら進んで鳥籠の中へ入る身重の幼女」は、ベリヤにとりこの世で唯一価値のある物だった。”

 

 そんな幼女達が詰め込まれた”人形館”こそがベリヤの守られるべき全てであり、そして、それを守るためにすべての手段を肯定するのがラヴィアン・ベリヤという男だった。

 

『ベリヤ君が常軌を逸した”人形館”を維持するには、ソヴィエト連邦という”囲い(オリ)”が世界で一番都合がよい。だからこそ、ソヴィエトを守るために必死で知恵を絞るのだよ。私とベリヤ君は思想の一致ではなく、利害の一致で繋がってるのだ。だからこそ、信用できる。ソ連が滅亡すれば、”人形館”もまた滅びるのだから』

 

 これはソ連という言葉が歴史用語になった時代に発見されたスターリンの手記の一節とされる。

 後年の研究によると、実はスターリン自身が「思想的に結びつこうとする同志」を全く信用していなかったという結果が出てる。

 つまり、あれほどの数の”赤い同志”を内部粛清した理由は、「人の考えは移ろいやすく、思想も理想も変化してゆくもの」という事実を、スターリンが理解していたゆえの行動だと言うのだ。

 皮肉なことに、彼が最も信用したのは、資本主義的な”利害の一致”、”損得勘定”だったと後の時代には見直されたのだ。

 

 マルクスによれば、「資本主義が高度に発展し、生産手段の社会(コモン)化が進むことで共産主義社会へ至る=資本主義が限界に達し、必然的に新しい社会制度へと移行する」と資本論で論じていたが……なるほど実に皮肉が効いている。

 実は、この時代のソ連において、「誰よりも資本主義を理解していたのは、スターリンとベリヤだったのではないか?」とする議論は、ソ連が存在していた時代から、研究者の間で盛んに議論されていた。

 つまり、この二人が「資本主義の権化たるアメリカの中枢をあそこまで赤化できたのは”資本主義の急所”、弱点や脆弱さを理解していたからだ」と言うのだ。

 究極的に言えば、「金で全てを動かせる社会」と「そんな社会に不満を持つ層」の矛盾を突いて内部から崩すことがその手口なのだから的外れでもないだろう。

 なるほど、「裕福だが現状に満足していない、社会に不満のある理想主義的知識人層(インテリゲンチャ)」と、「資本家層や富裕層に激しい嫉妬や社会に不平等を感じる貧困層と重なる労働者層(プロレタリアート)」。この両極端な二つの階層が社会主義や共産主義に感染しやすいとされるが……どちらもアメリカには不足していない。

 そして、資本主義国家らしく「国よりも自らの利益を優先する”無自覚の売国奴(・・・)”」も嫌というほどいるだろう。

 

 もっとも、これは1940年代の話でも、フィクションの話でもなく、いわゆる”チャイナマネー依存者(パンダハガー)”が公然と政治家やって国家の中枢にいるのだから実に救われない。現実日本も全く人のことを言えないが。

 

 

 

 さて、以上の事実からスターリンが転生者である確率は極めて低いが、かと言って「史実のスターリン」とはまた異なる存在、異なるメンタリティの可能性はある。

 そして、ベリヤは”転生者”であり……そして、どうも「ベトナムシンドローム」を知ってる臭いのだ。

 広義な意味ではなく狭義の、ベトナム帰還兵が発症したそれは、「麻薬とゴールデン・トライアングル」が強く関わっている。

 そう、「アメリカ合衆国を薬漬け」にした事例をどうにも先取りしてるように思えてならない。

 

 例えば、ソ連の風土では天然由来のアルカロイド(アップ)系のコカインやモルヒネ(ダウン)系のヘロインは栽培できない。

 だからこそ、「工業的に生産できる化学物質」である”合成麻薬(ケミカル)”に全力で舵を切ったとも取れる。

 そして、それを資金源(ぶき)にして、今日もアメリカの腸を食い荒らしているのだ。

 

 もっとも、ベリヤにとってはそれすらもモスクワ郊外の”リュベツイ”に建つ外部と隔離された閉ざされた豪邸(セカイ)、”人形館”を維持するための手段に過ぎないかもしれないが……

 

 

【挿絵表示】

「「「じゃあ、今日はいっぱい遊べるね♡」」」

 

 

【挿絵表示】

「「「いっぱいイッパイイッパイアソボ♡」」」

 

 

 

 それは、狂ってはいるが、少なくともベリヤとその人形には”幸せ”なクリスマス・イブには違いない。

 それを否定する人間は誰もいないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、どうしようもない陰湿な事実を語ろう。

 ソ連が歴史用語になった時代に公式発表された資料によれば、この”幼い人形娘”達の死因の多くは、暴力的な物ではなく、幼い肢体(からだ)に大きな負荷がかかる”妊娠・出産時の合併症”が一つだ。

 ベリヤの開発する薬物や医療技術の局所的発展により、”人形館”では無痛分娩がすでに出産技術として確立されているが、当然のように出産時の痛覚負荷が小さくなる(それでもかなりの出産負荷低減にはなるが)だけで、合併症その物を抑制する物ではない。

 

 もう一つは”薬物の過剰摂取(オーバードーズ)”。成長抑制剤や排卵促進剤の過剰摂取も幼い肉体にかかる負荷は大きいが、彼女たちがベリヤとの性行為でより深い快感と多幸感を得たいがために”催淫剤”として自発的に(・・・・)使う薬物」も大きな問題があった。

 その”催淫剤”の主成分は、”メチレンジオキシメタンフェタミン”。通称”MDMA”。

 米国などではPTSDに対する治療薬として使われる場合もあるが、その実際はベリヤが「戦後の次世代商材(・・)」として米国を中心に世界へ流そうとしているエクスタシー(・・・・・・)と呼ばれるケミカル・ドラッグと同じ物であった……

 

 

 

 

【挿絵表示】

「「「ごしゅじんさまぁ♡ わたしであそんでぇ♡」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




幼い肢体(からだ)でこんだけ薬物依存してたら、そりゃあ長生きとか無理だろうさ……(挨拶

お久しぶりなソ連代表、スターリンではなくベリヤです。
ベリヤですが……この”ベリヤの人形っ娘”たち、「とても健気」なんですよ?
自分で進んでベリヤ謹製新薬の”被検体(テスター)”を引き受けるぐらいには。
快楽や多幸感はそのトレードオフです。
そして、寿命さえも「ベリヤとの幸せな時間」と共にトレードオフします。

だって、彼女たちは「長生きなんて興味はない」んですから。
人形館だけが、「彼女たちが生きれる世界」であり、ベリヤこそが「この世で唯一欲しいもの」ですから。
”そういう娘たち”なんです。

自分で書いててなんですが……刹那的だなぁ、ヲイ!
シモヘイのハーレムとの大きな違いは、ベリヤの人形っ娘たちは「瞬間瞬間でしか生きてない」ってことなんではないでしょうか?
結果も行く末も未来も関係ないし、興味もない。大事なのは「ベリヤと共にあるこの瞬間」だけなんですから……
絶望もなく不安もなく、ただただ快楽にのみ飲み込まれ溺れ行く”充実した日々”……

ある意味、それは崇拝とか信仰に似た何か、か?
そういえば……方向性も対象も規模も全く違うけど、狂信者を生み出す事が得意などこぞの大公(フレンズ)がいたっけか……

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次回もどうかよろしくお願いいたします。



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