東方虚悪魔異聞(原作厨が原作キャラに憑依してしまう話)   作:イベリ子

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 あけましておめでとうございます。思ったより更新が遅れてしまいましたが、更に内容が本編と関係の無い話となっています。

 アンケートを取っていた紅魔館のざっくりキャラ解説を書いていたら、もう過去話として別に書いた方がいいなと思いこんな形になりました。想像100%かつ全編シリアス、小悪魔(笑)は出てこないと色々申し訳無い感じです。読まなくても問題ない内容なので、捏造設定が苦手な方はご注意を。


本筋とはまるで関係のない、紅魔館に集う人々の話(1)

 ①黄金の炎は紅い月を見た

 

 

 

 

「名前を教えたくない? 地下室に篭もりたい? ……お前本当に私の妹?」

 

「ま、好きにすればいいんじゃない? 私も好きにやっとくから」

 

「ただ、名前を呼べないのは不便だから。金髪で綺麗な紅い瞳だし、私は貴方のことゴールデンフレイムって呼ぶわ!」

 

「え? 嫌? ……んー、じゃあFlamme d'Or《フランドール》でどう? 意味一緒だけど、フランス語よ? かっこいいでしょ!」

 

「どうでもいい? ま、もし呼ぶ機会があったらフランドールって呼ぶわ」

 

 

 

 そんなやり取りが、私が閉じこもる前にした最後の会話だった。

 

 産まれ落ちた瞬間から「狡猾で凶暴な悪魔」という幻想が基盤にあった私は、幻想の存在(わたしたち)に課せられた呪縛から抜け出したくて仕方なかった。そのための方策を朧げながら構築していた私は同じ吸血鬼の妖怪とそんなやり取りをしてから彼女の館の地下室に引きこもり、誰からも認識されないようにした。

 

 たまに外の様子を魔術で覗き見ることがある。同じ地、同じ種族に産まれたはずだというのに彼女は私の性格とはかけ離れていた。強者を楽しみ、支配を楽しみ、吸血鬼を楽しんでいた。その支配も人間から忘れ去られるまでの仮初のものだと分からないのだろうか? 私達が"生"を楽しむには吸血鬼でいてはならない。そのためには誰にも知られてはならないのに、何を邁進しているのか。

 日光、流水、銀に十字架。危険を侵し外に行き、ただでさえ短い運命を更に縮める愚か者。5年は早く産まれ落ちたはずなのに、まるで人間のガキのよう。やはり植え付けられた本能のまま動くものは知能が低下してしまうのかな? 

 

 だけど、私はこれで正しいのか。飢えを感じる機能は破壊したけれど、毎日血を飲まないと頭が働かなくなって身体が動かなくなる。名前を知られていないはずなのに吸血鬼と定義された身体は正常に機能していて腹が立つ。何でだ。畜生。あああ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ忘れられたくないよ。

 違うだろ馬鹿。こんな本能から解き放たれるためにやってるんだろ。でも怖い。あいつが正しいんじゃないか? だって血を吸わないと動けないんだから、人を襲うのが普通なんだよ。その普通が受け入れられないんだろうが! 

 

 嫌だ。イラつく。嫌だ。イラつく。イラつく。イラつく! 何に? 私に! 

 

 私の理性は間違ってない。私の理性が目指すものは正しい。身体が嫌い。本能が嫌い。あれ、じゃあこれ壊していいんじゃない? 壊そ。きゅっとして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ? くらい。め、ひらいてる? とじてる? なんだろ、これ。

 

 

 うごけない。うごかすものがない。でも、さむい。

 

 

 

 

 

 あ。きえる。わたしが、せかいから、はなれて

 

 

 

 

 

 

「何やってんのフランドール!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっとだけ、あかるい。……つき? 

 

 

「お前めちゃくちゃやるわねえ! 運命が全部解れてる奴なんて初めて見たわ、肉体もボロボロだけど自分自身の運命全部破壊しやがって!」

 

 

 

 ちがう。ひと? だれだろう、しらない。

 

 

 

「へー運命の糸が全部解けるとこうなるのね! どの運命も引っ掛けられないし勝手にふよふよ浮かんで楽しそうねえ! 勝手に行くなよフランドール!」

 

 

 てをのばされてる。けど、とおい。ふらんどーる? だれのなまえ? 

 

 

 

「好きにしろと言っておいて悪いけど私の館で妹を消させたくないんでね! 私も好きにする……けどどうなってんのよこれ! 糞、私が運命に縛られてる? 運命の糸があるから届かないのか……おいフランドール! お前も動きなさい!」

 

 

 

 あ。ふらんどーる、わたし? わたし、ふらんどーる? 

 

 よかった。さいごに、わたしをしってるひとがいてくれて。わたしは、ふらんどーる。このひとの、いもうと。それがあれば、わたしは、じゅうぶん。

 

 

 

「あああお前ふざけんなよこらぁ! 何満足そうにしてんの絶対消させないからね! ……ぐぐぐぐこれしかない? これしかないか? 畜生私も消えたら祟るぞフランドール! いや絶対に消えないけど! 消させないけど!! オールベットだ覚悟しなさい!」

 

 

 

 え? 

 きえるちょくぜん、めのまえのひとも、きえちゃった。

 

 まって。それはだめ、だってわたしは、あのひとの────

 

 

 

 

 

 

 

 

 背中に、暖かな感触が伝わる。目の前に、あの人が立っていた。紅い、紅い瞳が私を射抜いている。蒼白い髪が赤い魔力によって靡いていて、紅い月のようだった。

 そして、背中に回されていた手でそのまま抱き締められた。ずきん、と身体が痛みを訴えている。喉に溜まった血を吐き出す。後から後から血が溢れてくる、中身が壊れてるし外傷も酷そうだ。でも、自分の身体よりも、添えられている手と彼女の身体から熱が伝わってきて火傷しそうだった。

 

 

 

「がぼ。……おね"え、ざま?」

 

 

 今までそんな呼び方したこと無かったのに、自然とそう声が出た。だって私が産まれてから、引き篭ってから初めての会話だ。ただ、抱き締められた手が暖かくて。助けてくれた、そう思うと訳が分からない感情が溢れてくる。でも分からなかった。

 

 

「どうじて。……だすげて、くれたの?」

 

 

 私は彼女を覗き見て知っている。けど、彼女からしたら同じ種族なだけの訳の分からない存在のはずだ。なのにどうして? 今まで見向きもしなかっ「うるせー馬鹿!!」

 

 

「お前馬鹿馬鹿馬鹿過ぎる! 馬鹿過ぎて死ぬかと思ったわ! もう本当に馬鹿!」

 

「え、え? げぽ、何? ごめんなさい?」

 

「謝って済む問題だけど何の事か分かってないだろ馬鹿!」

 

 

 抱き締められた体勢のままぱんぱんと軽く背中を叩かれる。怒っているようだけど手つきは優しい。何となく、優しさ、を感じて嬉しくなる。でも、怒らせているのは申し訳ないな。その理由が分からないことも。

 

 

「別に何してても良いとは言ったけどやりすぎってことよ。……名前、もう思い出せないでしょ」

 

 

 言われて、自分の名前を思い出そうとする。『フランドール・スカーレット』。それが私の、あれ? 

 

 

「元のお前の運命は途絶えた。もう名前も無くなってそのまま消えそうになってたから、無理矢理私の運命に引っ掛けて戻したのよ。でもお前の名前知らないから、私の呼び方がそのまま名前になっちゃってついでにファミリーネームも付いちゃったわ。……謝らないわよ」

 

 

 ああ、それでお姉様って呼び名が私の中から出てきたのか。私の記憶にある通り本能と身体を破壊出来て、それがやりすぎちゃって死にかけてたんだね。

 

 

「謝る必要なんてないよ。呼んでくれて嬉しかったし……むしろ私がお礼を言わなきゃ」

 

「嬉しかった? いやお礼なんていらな「嬉しくなんかないけど!!」おおう?」

 

 

 口が滑った! くそ久しぶりの会話で気が緩んでるな私! でもお礼は言おう! 

 

 

「げほ、助けてくれてありがとうお姉様。消えるあの時、私もお姉様も消えちゃったんじゃないかと思って本当に不安だった」

 

「要らないって言ってるでしょうに、怪我してるんだから黙ってなさいよ。ま、私じゃなかったら間違いなくお陀仏だったわね」

 

「あは、思ったよりお姉様変な人」

 

 

 ぎゅっと抱き締められた感触が心地よい。私の身体は血塗れになってるだろうに、離さないでいてくれてる。……? あれ、違う。お姉様の手、震えてる? 

 

 あ。いや、忘れてた。さっき私が言ってたじゃないか、あの時お姉様も世界から消えたように見えた。もしかして、

 

 

「……お姉様、私も怒っていい?」

 

「は? 何によ、一応言っておくけど名前はどうしようもないからね」

 

「そんなことどうでもいいわ。ねえ、私をどうやって助けたの? 世界から消えたように見えるくらいで、手が震えるくらいなどんなことをしたの?」

 

 

 問いかけると回されていた手がぴくり、と一瞬私の背から浮く。けれど、諦めたようにまた強く強くぎゅっと抱き締められた。

 

 

「そこは強くてかっこいいお姉様がかっこよく助けてくれたんだろうなあ、で終わりなさいよ」

 

「嫌。思ったより、というか思ってた通りお姉様も馬鹿みたいだから怒んなきゃダメ」

 

「私のイメージどんなんだったの? 

 ……まあ、フランドールに運命を引っ掛けるためにちょっと無茶したのよ。そのままだと世界の運命に縛られてる私の力が届きそうになかったから、貴女の真似をして世界から浮いてみるかって」

 

 

 私に繋がってた運命を全部引きちぎって、ね。

 

 

 そう続けるお姉様。何でもないように話しているけれど、そんなことしたらどうなるか、私が1番良く知っている。自分が誰だか分からなくなって、この世から浮いていく。死ぬじゃなくて、存在そのものがテクスチャから消去されるような、思い出すだけで足元が崩れそうになる感覚。そんな状態になって、私を助けて引っ張って世界にもどって来たの? 

 

 胸が熱い。手の感覚もまだ戻ってないけど、溢れる感情のまま無理矢理手をお姉様のもとに回す。ブルブル震えてみっともないことこの上ないけど、強く強く彼女の背中を握り締める。私の熱がこの馬鹿な人に届くように。

 

 

「げほっ、げほ。……ほ、本当に馬鹿。何の関係もない、私を助けるためにそんなこと、する意味ないでしょ。自分が、……消えちゃうかもしれなかったんだよ?」

 

「……うーん、まあそうね。妹とはいえここまでやる必要があったのかは微妙、っていうか無かったかもしれないわ」

 

「だったら!」「でもねフラン」

 

 

 何を言えばいいか分からなくて、自分の中の熱を何とか言語化しようとしたけど的外れな皮肉しか出てこない。

 それをぶつけると、お姉様は薄く微笑んで、私が失った蝙蝠の羽で2人を包み込み、落ち着いた声で私の耳元に囁く。

 

 

 

 

「こうやって姉妹で抱き合えてる。それが出来るようになったのなら、私の無茶にも意味があったさ」

 

 

 

 

「まあ、もうお前は純正な吸血鬼って訳じゃなくなっちゃったみたいだから色々不便があるかもだけど。今回くらいの問題なら手伝ってやるから1人で突っ走らないように」

 

 

 そう言い残し、羽と手をほどいて私を棺桶まで運んでくれた後、地下室を去るお姉様。人間だったら不謹慎極まりないな。さっきまで気づかなかったけど、お姉様から感じる魔力がほとんど空っぽになっている。疲れてるんだろうな、とぼんやり思う。あー。

 

 

「……お姉様、ありがとう」

 

 

 まだ、私は幻想の存在が嫌、UNKNOWNになりたい。でも我慢じゃなくて、研究をしよう。好きなことをやる、けどあの人に迷惑はかけないように。自分でやれることをやる。そして、人間に依らずとも生きていけるようになろう。……2人で。

 

 

 

 

 

 

 でもお姉様は思ったより大した人じゃないというか、あの人の方がよっぽど周囲に迷惑かける奴だと気づくのはすぐだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ②家出する知識の魔法使いは紅い悪魔と契約する

 

 

 

 

 

 私が産まれたのは、知識の名を冠する魔術師の家系だった。

 喘息と引き換えに手に入れた五大元素+天文への理解と操作する能力は、まあごくごく当たり前に親より優秀な魔術師となることを意味している。昔ならね。

 

 

 

「ゲホッ、ゲホッ、ガホッ」

 

 

 私は産まれてくる時代が200年遅かった。今の都市はスモッグとガスに覆われていることがほとんどで、私が生きるのにまるで適していない環境だった。それは体質も魔術も家も、あらゆる意味で。

 

 自然科学の発展によって、魔法という幻想の駆逐が始まっている。それはどの魔術師にとって火を見るより明らかで、ゴーレムを操る錬金術師なんかは自動機械が開発されて以降出力が致命的な程落ちているらしい。まあ両親による又聞きで信憑性は低いが、原理的には当然でもある。

 幻想が衰退する前ならば常に結界を貼って過ごすことでガスから身を守ることが出来たかもしれないが、幻想を駆逐している証拠である機械化によって産まれたガスは遮断する魔法の構築が難しい。自身にフィルターをかけて何とかこれまで過ごしてきたが、後どれだけ保つか分からない。

 

 

 そして、後どれだけ保つか分からないのは、家の中での私の立場もだ。

 

 

 

 ────パチュリーはもう駄目よ。魔力量が減らない内に取引材料にして他の家から世継ぎを貰わないと。

 

 

 ────何とかノーレッジ家の血を受け継ぐことは出来ないか? もう初潮は来たんだ、受精さえ出来ればいい。

 

 

 ────母体があの調子じゃ出産が上手く行く訳ないじゃない。はぁ、あの娘が苗床になってくれればノーレッジ家は安泰だったのに。

 

 

 

 

 こんな調子でね。非常に腹立たしい。現実が見えてない愚か者め、何の策も練らずにただ世代を繋ぐだけじゃ魔術師としての寿命は変わらないということから目を背けている。

 

 下手に歴史と地位を持ったのが難点だったのだろう。両親は家系を残すことが第一と考えて、魔法の研究は第二第三だ。いや社交界が第二でプライドが第三かしら? なら魔法はもっともっと下ね。馬鹿らしい。

 

 けど、今の私はそんな愚か者に頼らないと生きていけない弱者である。なのでどうしようもなかった。今日まではね。

 

 

 

 

「ゲホッゲホッ。どうも、お父様お母様」

 

 

 ────ん? おお、パチュリー。立てるなんて珍しく調子がいいじゃないか。

 

 

 ────ああよかった。死ぬんじゃないかと心配していたわ。

 

 

 にこやかで嬉しそうに満面の笑みを浮かべているが、全く心は揺れない。本当にどうしようもない奴らだな、こいつら。

 

 

「ええまあ。げほ、げほ、捨食の魔法と捨虫の魔法を使ったので。人間から魔法使いという妖怪になったんですよ」

 

 

 あえて素っ気なく、何でもないことのように続ける。どのような反応をするか観察してみて……ああダメ、予想通りっぽいわ。

 

 

 ────なんと素晴らしい! ■■歳で不老の術を会得出来るとは! パチュリーはノーレッジ家の誇りだ! 

 

 

 ────最高よパチュリー! これなら貴女の婿も選り取りみどり、ノーレッジ家も安泰ね! 

 

 

 馬鹿過ぎ。はああ、と大きく溜め息をつき、きょとんとしている両親を通り抜けて屋敷の扉へと向かう。

 扉の前まで私が来てもこちらをただ見ているだけの彼ら。……これ無言じゃ駄目かしら。いやまあ、ここまで育ててくれた恩はあるし一応ちゃんと伝えよう。

 

 

「では。けほ、私が魔法使いになったとしてもその方策に興味を示さずに家の存続ばかり気にかけてる魔導の落伍者さん、貴方たちが読まずに埃をかぶせてた本のおかげでこれからは1人で生きていけそうです。けほ。

 

 私は魔法使いとして生きる、あんたたちは大事な大事な貴族のプライドだけもって魔術を失い生きていけばいいんじゃない?」

 

 

 それだけ言い残して扉を開け、視界を真っ白に埋めるガスを突っ切るように空へ飛ぶ。結界は貼っているけれど今まで私を殺しかけてきた霧だと考えると息を止めてしまうわね。そのまま上へ上へ、この霧が晴れるまで。

 

 

 

 開けた視界。満天の星空と満月。霧に包まれた都市はあちこちにガス灯でぼんやりと灯りが灯っていて、都市の周囲にある海、川、山林の自然を見下ろす。……見える。今日の夜は元々かなり明るいけれど、こんな風に夜目が効くなんて。魔法使いとして動けるようになったことを実感出来て、高揚してるのとこれからの一人旅にちょっとドキドキする。素体が貧弱な私だからさほど身体は強くなってないことは弁えておかないといけないけど、躊躇することなく山林の方へ今度は一気に高度を下げる。魔術の研究が出来るかどうかは、まず都市から離れないと話にならないからね。死ぬし。

 

 林冠に凹みが見えたのでそこへ。林道が着いてないと進めないだろうし、とりあえず視界が確保出来ないと普通に死ぬ。妖怪になったとしても過信してはいけないけれど、妖怪も近代化の流れによって力を削られている。それでも強大な力を持っている妖怪はいるし、私が用があるのもそのうちの1つだ。

 林道、というよりは獣道を通ることしばらく。目当ての物が見えてきた。

 

 紅い、見渡す限り全てが紅い館。遠目に見えて居るだけでも禍々しい妖気が渦巻いている。ふぅ、と息をつく。別に戦いに行くわけでもない、皮肉なことに礼儀作法は完璧。あの館の主の不興を買わずに、傘下に下ることが出来ればそれで「こんばんは、良い夜ね」

 

 

「っ!?」

 

「あら、私に用があって来たのではなくて? 他の者が間に入るよりも直接の方がいいと思って来たのだけど」

 

 

 背後から聞こえてきた声に振り返り、距離を取る。そこに居たのは、小さい吸血鬼。蒼白い髪に紅い眼を持ち、小さい身体に不釣り合いな程の魔力が詰まっている。間違いない、こいつがあの館の主、吸血鬼レミリア・スカーレット。

 

 

「げほっげほっげほっ。お気遣いありがとうございます、レミリア様。お手数をおかけして申し訳ございません。お初にお目にかかります、魔法使いとして妖怪になりましたパチュリー・ノーレッジと申します。ご慧眼の通り、レミリア・スカーレット様にお目通りを願いたく訪れました。お会いできて光栄です、げほ」

 

 

 急に身体が緊張して咳が止まらない。無駄に驚かせないでよね強い妖怪でもマナー守りなさいよこっちは喘息持ちよ、と思っても身体はしっかりと跪いて頭を垂れる。咳だけは出てしまうけれど、頭を垂れていればそこまで失礼には当たらないはず。

 

 

「……んー、何か違うわね」

 

「げほっ、……何か、粗相がありましたか」

 

「いやまあ、……まあ、いいか。紅魔館に住みたいんでしょ? いいわよ、大図書館を管理してた妖怪が消滅しちゃったしちょうど良かったわ」

 

 

 こっちよ、着いて来なさいなと館の方へと歩みを進めるレミリア・スカーレット。話が早くて助かるが、何か不興を買っていたとすると気が気でない。しかし大図書館と言われたら着いて行かざるを得ないのが魔法使いの所以。むしろちょっとワクワクするわね、けほ。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ヴワル魔法図書館に大興奮しながら外見は取り繕い、住み着くようになってからしばらくして。

 

 

 

「いやー人間の兵器ってどんなものかしらと思ってチャレンジしてみたら思ったより破壊力あってびっくりしたわあはは」

 

「馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどここまでとは思わなかったわ! なんで侵略の計画とか練れるのにそんな短絡的に行動起こせるわけ!? ゲホッ、身体半分ちぎれてよく帰ってきたわねっていうか私の所に来ないでよもう!」

 

「回復魔法使えるだろ〜? でもパチュリー私に畏まった言葉使わずに今みたいなのでいいわよ? やっぱそのほうが良い気がするのよね、うん。あと地雷踏まないほうがいいわ」

 

「ええ、ええ絶対に踏まないわ外に出ないから! ゲホッていうかあんた重症通り越して致命傷なの分かってるわけ「お姉様!? どういうことなにその怪我誰にやられたの!?」うわ誰!?」

 

「お、フランドール久しぶりじゃないの。地雷踏んでみたら思ったより強くてさ、パチュリーに治して貰えたらいいかなって」

 

 

 

 レミィ(この後愛称を勝手に決められた。友達を選ぶ権利は私にもあると思うのだが家主権限で強行された)が頭良いのに好奇心に赴くまま周囲を振り回す馬鹿ってことと、同じくこいつに振り回されるフランドールという地下室に住む妹を知ることになった。この後もレミィの謎の思い付きに度々付き合わされることになり、思ってたのと違う……が、まあ魔法使いとして充実してることは確かだし。周囲の人間も、まあ、家族よりはマシでしょう。まあまあ充実した日々を送ることが出来るようにはなったわね、一応。

 

 

 




後書きに書くことかとも思いますが、タイトルを変えました。それに合わせて米田さん(Twitterアカウント @yuRyone5 )に表紙を書いて頂きました、ありがとうございます。


【挿絵表示】


原作東方ではパッチェさんは先天性の種族魔法使いです。フランドールと言い捏造設定ばっかりだな!
次の話で美鈴と咲夜の紅魔館加入小話を書き、キャラ解説を載せ、本筋に戻ります。まさかこうなるとは…


【挿絵表示】



ぴえん小悪魔

紅魔館メンバーのざっくり紹介

  • 作品ページに載せた方がいい
  • 活動報告の方がいい
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