転生天使は視続ける   作:オルフェイス

16 / 16
だいぶ遅れました。そして幕間です。

今回は短く、アスティが聖槍の本質に気付く話です。


幕間。真実と決意

「なるほど、聖槍にそのような機能が……」

 

 

アッシュからの報告を、私は念話を通して聞いていた。

 

 

聖槍───それは、謎が多い具現化した究極能力(アルティメットスキル)だった。

 

 

私でさえも解析困難であり、それこそヴェルダナーヴァでもなければ何もわからないものだった。

 

 

その聖槍を、偶然にも、ヴェルドラが知っていた───いや、偶然なわけがない。

 

 

ヴェルダナーヴァがヴェルドラに教えていたということは、もともと隠す気がないということなのだろう。

 

 

つまりは、不特定多数の存在が、聖槍を探ろうとするであろうことを予測していた、ということになる。

 

 

聖槍の本当の機能……それを踏まえた上で考えるとするならば。

 

 

「…やはり、足りませんね」

 

 

聖槍に連なる究極能力(アルティメットスキル)は、他にも存在する。

 

 

恐らく、最低でもあと二つ、最大三つは存在しているはずだ。

 

 

だとして、残りの究極能力(アルティメットスキル)は一体どのようなもので、何処にあるのか……そして。

 

 

その究極能力(アルティメットスキル)を使って、ヴェルダナーヴァは何をしようとしていたのか。

 

 

「……記録媒体、か」

 

 

記録媒体───ヴェルドラはそう言った。

 

 

何を記録している?

記録して、どうするつもりなのか?

なぜ具現化している必要がある?

それに、どうやって神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)の体質を貫通した?

 

 

「……いえ、まさか……?」

 

 

聖槍には、謎が多い。

 

 

その原理はわかっていないことの方が多く、アッシュが扱えているのは、あくまで上辺の力でしかない。

 

 

レジーでさえ、あれを完全に制御するのは不可能なのだ。それは、アスティがやったとしても同じこと。

 

 

いや、そもそも、アスティでは聖槍を扱うことは出来ない。あれはアッシュのスキルであり、そのアッシュ本人も聖槍を詳しくは知らない。

 

 

それに───聖槍は、アッシュに突然宿った力だった。

何の前触れもなく、いつの間にか、突然に。

 

 

「……記録媒体……だとすれば……アッシュが扱えるのは……

……理想之王(アヴァロン)?」

 

 

アスティは、自然とアッシュの獲得した究極能力(アルティメットスキル)の名を口に出していた。

 

 

「あのスキルは……改めて考えてみれば、おかしい」

 

 

自分の体内に、異次元の世界を創る?

明らかにおかしい。いや、できるはずがない。

 

 

ヴェルダナーヴァでさえ、世界を創造するのに膨大なエネルギーを必要としていた。

 

 

真似るだけなら、ある程度エネルギーは削減されるかもしれない。だが、そうであっても創るのに必要なエネルギーは膨大。

 

 

アッシュに聞いたところ、生物はいないが、環境はまったく同じらしく、魔素も漂っていたらしい。

 

 

ならば尚更不可能だ。環境を完璧に再現するなど……一体、何処からそれだけの世界創造に足るエネルギーを持ってきた?

 

 

「……繋がっている、とでも言うのでしょうか?」

 

 

情報は聖槍が。

 

 

創造は理想が。

 

 

そして、エネルギーを残りのスキルから持ってくる。

 

 

「ヴェルダナーヴァ……とんでもないものを遺していきましたね」

 

 

もしも、理想と聖槍が本質を同じとするスキルで、アスティが考えている通りならば………

 

 

()()()()()()()()……といったところでしょうか」

 

 

扱いを間違えれば、今の世界は()()()

 

 

存在していた過去は崩れ、未来の可能性は掻き消され、現在に生きている命は、全てを忘れる。

 

 

────そんな未来が、視えてしまった。

 

 

 

「……最悪ですね。

滅びの原因の大部分はこれだった、というわけですか」

 

 

まさか、滅びの原因そのものを育ててしまっていたなんて────

 

 

「好都合です。今ならば修正も間に合う」

 

 

今の段階で気付けて良かった。もしも気付くのに遅れてしまっていたら、本当に取り返しのつかないことになっていたかもしれない。

 

 

だが、今なら大丈夫だ。

 

 

「最悪の未来───そんなもの、私が否定する」

 

 

そんな未来など、認めない。

 

 

私は、その最悪を回避してみせる。




世界が滅びかねないという。傍迷惑な話ですよね。


……遅れてすみませんでした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

黄金の暴君×永遠の二番手=星の皇帝(僕)(作者:パンダコパンダ)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

 馬になった人がなんだかんだ頑張る話。▼ 馬素人なのでご都合主義は大目に見て……。▼ なお、最初は馬です。▼ ウマ娘回はたびたび挟む予定。▼ ※ウマ娘回の馬の表記に関して。▼  ツァーリの口調では馬、その他は全てマで行きます。▼例 ツァーリ「今度の有馬記念さぁ」▼  モブ「ん?有マ記念がどうしたの?」▼ 今後のんびり後日談とか書く予定


総合評価:7635/評価:8.43/完結:58話/更新日時:2022年04月04日(月) 20:00 小説情報

君は完璧で究極の式神(作者:水際)(原作:呪術廻戦)

少女、アイは異質で魔性だった。▼母親に疎まれ、ガラス入りの米を食わされる。▼腹の底から湧き出す負の感情。▼――なんか影から犬、出てきた……。▼


総合評価:3660/評価:8.48/連載:22話/更新日時:2026年05月26日(火) 18:05 小説情報

【完】これは圧倒的美貌で凱旋門賞馬になる俺の話(作者:SunGenuin(佐藤))(原作:ウマ娘プリティーダービー)

※2021年12月時点の情報で書いているのでそれ以降発表された情報や実装されたウマ娘とビジュアル、性格が異なる場合があります※▼タイトルがすべて。▼アプリ版ウマ娘を始めたばかりの競馬知識ほぼゼロ男が、過労死して気づいたら逆行馬転生していたよくある(?)話です。▼5話ごとに1話、ウマ娘シーンを挟む予定。▼物語の都合上、牡馬が牡馬にウホッするシーンがありますので…


総合評価:41576/評価:9.05/完結:79話/更新日時:2022年05月29日(日) 22:00 小説情報

超かぐや姫! ~ヤチヨの最古の親友~(作者:まじのエリート)(原作:超かぐや姫!)

ヤチヨの初めての友だちで、8000年経っても親友で居てくれるような女主人公を追加したらという妄想。主人公は8000年の時を過ごしてもらうために何度も転生してもらう予定です。▼8000年の地獄をどうにかして、目指すは超ハッピーエンド!▼ハピエン厨です。▼アニメの他に小説や漫画、ガイドブックも読んでいるので、アニメだけだと出てこないような情報が出てくるかもしれま…


総合評価:1090/評価:8.52/連載:10話/更新日時:2026年04月02日(木) 12:15 小説情報

いや、死神とか聞いてないし(作者:わお)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

死神少女にTS転生してしまった一般人。▼本人はただの下っ端役職だと思っている。▼だがそんなはずもなく。


総合評価:3323/評価:7.92/連載:11話/更新日時:2026年06月21日(日) 20:03 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>