賽の目は揺らぐ
作者:

オリジナル現代/日常
タグ:天才 少女
 彼女は天才と呼ばれた。

 わずか十三歳という年齢で研究者となった。

 彼女は良くこんなことを言っていた。

「私は常人の三十倍の速度で生きている。常人が三年間かけて出す成果があるのなら、私は一ヶ月でそれと同等の成果を出すことができる。」

 彼女は思考実験を行うだけで正確な答えを予測することができた。

 彼女の予測は絶対的な精度を持ち、実験結果は必ずその通りに現れ、周りの人間はそれを未来予知と呼ぶようになった。
 彼女が研究した分野は次々と開拓され、次第に人々は彼女を崇めるようになった。


 しかし、どれだけ技術を発展させようと彼女の願いは叶えられることはなかった。
 末には、その願いを叶えることが不可能だと自ら証明してしまった。

 そして彼女は神を信じるようになった。

 全能の神であれば、奇跡を起こしてくれるはずだと。

 しかし、それさえも自らの思考で否定してしまった。

 神など存在しないと。


 そんな時に彼女は思いついたのだった。

───私が神になればいい。

 彼女は姿を消したのだった。
  はじまり()
  2018年12月31日(月) 03:12()
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