第FⅦ特異点 片翼の天使   作:陽朧

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3-15 存在しなかった世界⑤

薙ぎ払う一閃を、野太い剣が弾く。

その剣―――虹霓剣(カラドボルグ)は、剣というには槍に近く、槍というよりはドリルに近い形状をしており、持ち主の力も相まって一撃一撃がとても重い。その繰り出される重量級の一撃を受け止めるのは、折れてしまいそうな細身の剣である。そんな真逆の2振りが、ぶつかり合い火花を散らす。

 

クー・フーリンのような素早さはないが、その力は脅威であった。攻撃を弾くことも容易ではなく、力で押し切ることは不可能に近い。とはいえ、セフィロスの攻撃はどうしても初手が遅いため、速さを以て翻弄することも難しい。それはそうだろう。相手は人間ではなく、英霊であるのだ。このカルデアでは、英雄と呼ばれた数多の強者が揃っている。そこにセフィロスが挑まれた戦いは断らない理由があった。とうに忘れたと思っていた彼の“渇望”が、目を覚ましつつあったのかもしれない。

 

 

「どりゃっ!」

 

「ふん、……こんなものか」

 

 

スキルも、宝具も、使用することなく、2人はただ剣をぶつけ合う。

使用禁止のルールは設けていないのだが、フェルグスは使おうとしなかった。

セフィロスは英霊ではない故にスキルも宝具も持たない。だから、対等を好む彼もまた、それらを使おうとしないのだろう。

そんなフェルグスの思惑にセフィロスは気付いていた。スキルや宝具などはない分、魔法や召喚を使えるのだが、相手が純粋な力での戦いを望むのであればそれで良い。

 

 

「はっはっはっ!! 舐めてもらっては困るなっ!」

 

 

相手取るに“一番厄介”で“一番骨があるタイプ”は、力も知恵も、そして勇気も備えているものである。フェルグスはその大剣を自在に繰るだけの力を持ち、かといって力に頼りきらず戦術を練るのにも長けている。少し挑発しただけで理性を無くして猪突猛進に突っ込んで来るタイプであれば、すぐに決着がついたのだろう。

 

ただ、そのようにつまらない相手ならば、セフィロスが二度と手合わせをすることはないだろうが。

 

 

「っ……!」

 

 

このように高低差の激しいフィールドは、セフィロスが得意とする戦場である。

片翼といえど飛行能力を持ち、リーチの長い剣から放たれる技は上下攻撃に長けている。

少しでもフェルグスが足を止めれば、突き立てられた剣先が彼の胸を突き刺すであろう。

 

一方で、フェルグスからしても戦いにくいようで、実は戦いやすいステージであった。

彼の武器もセフィロスほどではないにしろ、リーチが長い。そのため剣山を思わせる隆起した山の部分に引っ掛かってしまい、存分に振るうことができない。しかし、それはセフィロスも同じであるので、横からの攻撃は来ずに、主にメインとなるのは上下攻撃だけである。

上からの攻撃は、その影を追えば回避することも迎え撃つこともできた。

 

 

「ぬんっ!」

 

「ふっ、」

 

 

“正宗の切っ先”と“虹霓剣の切っ先”がぶつかり合い、弾き合う。

やはり力ではフェルグスの方が上であった。このままでは押し切られるだろうと身を引いたセフィロスは、一度後ろに跳躍するとすかさず斬撃波を放つ。幾重にも重なる斬撃派は、意思を持ったようにフェルグスへ襲い掛かった。

 

 

「はっはっ、笑止!」

 

 

一瞬にして薙ぎ払われたそれに、セフィロスは追撃をしようとして止めた。

さらに後ろへと下がると、いつの間にか迫っていたフェルグスの剣がセフィロスの片翼を掠る。

その衝撃で散った黒い羽が、ふわりふわりと宙を舞った。

 

 

「このような攻撃で、俺を止めるなど片腹痛いわ!」

 

 

翼を掠めたそれが斜めに払われる。避けようとするも後ろは岩場で、完全に追い込まれてしまっている。袈裟懸けに振り下ろされた刀が、セフィロスの肌を切り裂いた———。かのように思えた。

 

 

 

 

 

「―――何を遊んでいるのだ?」

 

 

 

 

 

セフィロスの声でも、フェルグスの声でもない、第三者の声は苛立ちが滲んでいた。

乱入者の降臨に一瞬だけ目を丸くしたフェルグスが、ヒュウと口笛を吹く。

 

 

「おっと! 姐さんじゃないか!まさか……アンタが出て来るとはな」

 

 

セフィロスとフェルグスの剣の間に、“朱色の何か”が差し込まれたかと思うと、そのままフェルグスの剣を弾き返した。降り立ったそれはフェルグスには目もくれず、じろりとセフィロスを睨み上げる。

 

 

「私に何も言わず、この男と遊び惚けているとは……。

一体どういう了見だ?」

 

「遊んでいたつもりはないが」

 

「一度ケルトの戦いに水を差しておいて、言い訳は許さぬぞ。セフィロスよ。

それに私に何も言わず暴れ回っていると聞いたが?」

 

「……暴れ回っているつもりもない」

 

「つもりがあろうがなかろうが、この私に何も言っていないのは事実であろう?」

 

「面倒だな。そもそも報告義務があるのか?」

 

「はあ、……お前は戦士としては飛び抜けて一流だが、如何せん協調性に欠ける。

仕方あるまい。私を師匠と呼ぶならば、面倒を見てやっても良いぞ?」

 

「……断る。俺にとっての師は、1人だ」

 

「ほう? お前にも師がいたのか。それは興味深い。今度酒のツマミにでも聞かせてもらおうじゃないか」

 

 

腕を組んで、じとりとセフィロスを見上げた女―――スカサハは、初めて耳にしたそれに興味深そうに目を丸くした。そうして強引に約束を取り付けると、こほんと咳払いをする。

 

 

「まあ、なんだ……。お前が暴れてなくとも、アレが暴れ狂っているのだ。

いい加減なんとかせねば、面倒な思いをするのはお前だぞ」

 

「……お前たちのマスターのためだろう」

 

「ああ、そうだ。お前は正しい。

だが物事には順序というものがある」

 

 

手にした槍をくるりと回したスカサハは、真直ぐにフェルグスを見据えた。セフィロスは何も言わず、右手に剣を握る。フェルグスに向けられたのは、2人の静かなる闘志であった。

 

 

「ほう、これは……“眼福”というやつか」

 

 

自らの顎に手を添えてそう言いながら、じいとスカサハ……と、何故かセフィロスを見たフェルグスは、歯を出してにっと笑った。

 

 

「はっはっはっ。イイ女に、腕の立つ男。

これほど血湧き肉躍ることはあるまい!

お前もそうだろう? クー・フーリン!」

 

「おう、良い趣味してんじゃねえか―――伯父貴」

 

 

剣を肩に担ぎ豪快な笑い声をあげたフェルグスは、隣に降り立ったかつての盟友にそう声を掛けた。

 

スカサハはセフィロスの傍へ、クー・フーリンはフェルグスの隣へ。

突然姿を現した乱入者たちは、獰猛な笑みを湛えていた。

 

 

「……お前こそ遊びに来たのか?」

 

「ふふっ、ひどいな。このスカサハが加勢に来たのだ。

あの男から“酒”を奪うのは難儀するだろうと思ってな」

 

 

ふふん、と腰に手を当てながら胸を張ったスカサハに、セフィロスは呆れた顔を見せた。どうせ戦いのにおいを感じ取って来たのだろう、野生の獣か、と向こうにいるクー・フーリンに目を移す。そこには、なるほど流石師弟だと言いたくなるほど、同じ表情をした獣がいた。

 

 

「よお、セフィロス。邪魔しちまったようで悪ィな」

 

「いつものことだろう」

 

「ははっ! そういうなって、アンタだって好きな癖によ」

 

 

いくら感情の起伏が少なく、落ち着きを払っているように見えても、セフィロスとて剣士だ。歴史に名を残した手練れを相手取るのはやぶさかではない。だから、挑まれた戦いは基本的に拒否しない。それをカルデアの英霊たち、主にケルトの戦士たちはとっくに見抜いていた。

片翼の男の目は激戦であればあるほど輝き、その剣も冴え渡るのだから、“同じにおいを感じる”のも当然といえよう。

 

クー・フーリンの言葉にセフィロスは反応を返さない。

その代わりに、手にした剣を“左手”に持ち替えた。

 

 

「へえ、やっとその気になったってわけか」

 

 

セフィロスの利き手は、左だ。しかし並大抵の相手では力が過ぎるので、セーブするために右手で扱っている。時折左で持つこともあったが、セフィロスにとっては遊びでしかなく、剣を左手でかつ全力で振るったことは、無いに等しいだろう。

 

フェルグスがしたようにヒュウ、と口笛を吹いてみせたクー・フーリンは、此度のセフィロスの抜刀が“本気”であることを察した。ふとした瞬間から、セフィロスの雰囲気が“変わった”のだ。それは、今まで感じたことのない“焦り”ともいえた。

 

 

「……いいぜ、かかってきな!」

 

「口だけは一人前だな、クー・フーリン。

どれこのスカサハが相手をしてやろう」

 

「悪いな、師匠! 今は、アンタじゃ……っ!?」

 

「ほう? この私では、なんだ?」

 

 

今なら“本気”で“死合える”だろう。

胸の奥からこみ上げる“悦び”を“笑み”に変え、堪え切れぬ興奮を表す猛犬は、待ち侘びた餌に喰らい付こうとその牙を剥いた。だが一直線に向かい来るそれに、セフィロスよりも速く動いたものがいた。神速をも越える槍は、迫り来る朱色と交差し、弾き返す。

 

セフィロスの前に立ったスカサハが、すっと背筋を伸ばし悠然と構える。

 

 

「心乱れた状態で、何を振るう?」

 

 

振り向いた深淵の赤が、セフィロスを捕らえる。

その赤に映る顔はいつもと変わらない。だが、幾人もの弟子を育て上げたスカサハには、はっきりと見えていたのだ。―――水面下の動揺が。

 

 

「……」

 

 

セフィロスは、一度目を伏せる。スカサハの言う通り“乱れて”いた。

鏡の如く凪いだ水面を、風が乱すように。セフィロスの心は、波打っていたのだ。

それが、少なくともカルデアに呼ばれてから“ずっと傍にあった存在”の喪失に由来するものだという自覚はあった。前触れのない消失は、セフィロスの心を、そして剣を乱した。

スカサハはそれ以上何も言わなかったが、彼女はそのセフィロスの様子を見止めたのだ。

 

未熟といわれればそれまでだが、フェルグスとの幾度目かのぶつかり合いの時に、ふと感じた“喪失感”は、卓越した剣士の剣筋を鈍らせるには充分であった。

 

 

「……、セトラ」

 

 

ぐと、拳を握り締めると、黒革の手袋が軋んだ音を立てる。

その存在のことを知らなければ、そんな喪失感など握り潰すことは容易いことであった。

だがその存在を知り、その存在の意味を知った今、言い知れぬ感情は潰れてはくれない。

セフィロスの“史実”では、決して知ることのなかった感情は、そう簡単に呑み込めるものではなかったのだ。『寂寥』、『孤独』、『悲愴』……言葉は知っていたが、その意味を解するには、セフィロスの生涯は儚過ぎた。それが、この異世界で、奇跡ともいえる出会いで、胸に刻むことになるとは、思いもしなかったことである。

 

 

「……。らしくないな」

 

 

深く息を吸い、自分の感情を抑え込む。何を喪おうとも、戦場で取り乱すほどセフィロスの精神は脆くはない。それを理解しているのか、クー・フーリンとフェルグス、2人を相手取り槍を振るうスカサハは、一度もセフィロスを振り返らなかった。

 

セフィロスは強く大地を蹴り上げると、高く跳躍した。

そうして細く隆起した山の上に降り立つと、剣戟の響く戦場を俯瞰して狙いを定める。

すらりと長い剣先がそれに向けられた瞬間、戦場にまた1つ剣の音がこだました。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

なるほど、英霊召喚とはこのような感じか、と場にそぐわぬ声が呑気なことを言う。

心構えも何もなしに大半の魔力を持っていかれたリツカは、それに突っ込む暇もなく、後ろに倒れ込んだ。おっと、危ないと先ほどセフィロスがしたように、リツカを片手で受け止めた男―――セトラは、大丈夫かとリツカの顔を覗き込む。頬に当たる髪は、女性のそれのように柔らかかった。

 

 

「お、……お前は、」

 

「うん? 何処かでみた顔だな……?」

 

「っ!? わ、私を覚えて、いないのか……!?

お前が厄災を封じ込めることができたのも、このスカディが傍にいたおかげであろう!?」

 

「厄災、封印……。うっ、頭が」

 

「しっかりせんか、この馬鹿め!

そもそもなんで私が、お前の墓守りをせねばならんのだ!

それに、あの人間どもに厄災共々掘り起こされ……。

二度と会えんと思ったら、ひょっこり現れよって……!」

 

「ははっ。それはすまなかったな、スカディ」

 

 

雪に落ちた己の武器をそのままに、スカディはセトラに詰め寄った。

うーんと首を傾げながら彼女の顔を見下ろしたセトラであったが、すぐに思い出したらしく、柔らかな笑みを口元に浮かべた。しかしスカディは、一瞬でも存在を忘れられていた、という事実に納得できる筈もない。何故ならば彼女は、雪深く埋もれた厄災を封じる“魂”をずっと見守って来たのだから。

 

 

「まあ、話はあとにしようか。お客さんがおいでだよ。

お前たちが派手にやるから、つられて来たのだろうね」

 

 

“もととなった女性”よりも大きく見える瞳を、僅かに潤ませたスカディにセトラはぎょっとしたが、段々と鮮明になってくる気配を察してそちらに視線を向ける。いつの間にか気を失っていたらしいリツカをスカディに預けると、セトラはずっと静かに話を聞いていたセフィロスにふと目を向けた。

 

 

「こちらの事情に巻き込んですまないが……。戦ってくれるかい?」

 

「ああ、だが……」

 

「わかっているさ、あれを始末したら神羅に向かおうじゃないか」

 

 

がりがりと雪を掻きわける音と共に、獣染みた咆哮が聞こえてくる。

間もなくどおおん!と雪が吹き飛んだかと思うと、閉ざされていた道が露わになった。

ぐるるる、という荒い呼吸音が鮮明となり、セトラとセフィロスは同時にそちらを見た。

 

―――まず視界に入ったのは、巨大な緑の体である。

それはドラゴンと蜘蛛を合体させたような形をしていた。

体つきはドラゴンだが、足は6本ありその爪先は蜘蛛のように鋭く尖っている。

その姿を見たセフィロスは、この魔物がつい最近ニブル山に出現したと報告があった“マテリアキーパー”であることに気付く。

 

シャン、という金属を擦り合わせたような音は、セトラが抜刀した音であったらしい。

漆黒の刀身のその刀は、付け根に片翼があしらわれた特徴的なデザインであった。

 

 

「その刀は……!」

 

「もしかして、こいつを知っているのか?

お前の持つ剣と違って、名刀でも何でもないんだがな」

 

「先ほどの話といい、やはりお前は———」

 

 

セフィロスが次の言葉をいう前に、マテリアキーパーの多脚がセトラとセフィロスに向けて繰り出された。ステップでも踏むように五月雨の如く降り注ぐ鋭い爪は、次々と分厚い雪を貫通し大地に穴を開けていく。それぞれ逆方向へ回避した2人が、剣を構えたのは同じタイミングであった。先にドラゴンの堅牢なる肌へ傷をつけたのは、セフィロスの剣である。リーチの長いその剣が素早く振り抜かれ、無数の傷を刻む。だが切断するには至らなかった。それだけではない。セフィロスの一太刀を受け切った皮膚は、ゆっくりと確実に塞がっていくのだ。どうやら厄介な防御力と治癒力を持っているらしい。

 

 

「脚を先に始末した方が良さそうだな」

 

 

セフィロスがつけた傷が完全に塞がる前に、セトラは刀を深く突き立てた。

中の血肉は皮膚より柔らかく、あっさりと刃先が脚を貫通する。セトラが刀に力を入れると、バキボキという嫌な音を立てて脚が切り落とされた。

 

 

「……うーん、まあそうなるよな」

 

 

切り飛ばした勢いで、鮮血を滴らせた脚が雪山に刺さる。

描き出された白い雪と赤い血のコントラストは、色だけみればうつくしい。

刀を抜いたセトラはすぐに生えて来た新しい脚を見て、うんざりとした。こういう無駄に再生力が高い敵は、かつての厄災(トラウマ)を連想させるので御免蒙りたい、というのが彼の本音であろう。

反撃とばかりに頭上から落とされる爪の雨を避けると、自然とセフィロスと合流する形になる。

 

 

「さて、セフィロス。お前は左をやるんだ」

 

 

ちらりと向けられた視線に、セトラは短くそういうと再びマテリアキーパーへと接近する。

長い金髪を靡かせ敵に切り掛かるその姿に、セフィロスは既視感を覚えた。が、今はそれを追求する時間はない。セトラの指示にすんなりと従ったセフィロスは、左の脚3本を切り飛ばした。

 

脚を切り落とされたマテリアキーパーは、その衝撃で胴体を雪に埋もらせる。

体を再生しようと藻掻いたマテリアキーパーの背に、無情にも二振りの剣が突き立った。

 

 

「随分呆気ないなあ」

 

 

ずるりと抜いた黒い剣に、幾筋もの赤が流れていく。

剣先から伝う血が雪に染み渡った。同様に剣を抜いて、血を拭う為に剣を払ったセフィロスは、倒れ伏した魔物に目もくれずセトラへと向き直る。

 

 

「……聞きたいことがある」

 

「まあ大体想像がつくが、今じゃない。

とりあえず帰ろうか、セフィ……ロス」

 

 

そんな言葉が唇から滑り落ち、セフィロスと……そして、セトラ自身も目を見開く。セトラにとっても無意識のことであったのだ。

本来であればそれは、リツカに言うべき言葉だろう。

“カルデア”へ“帰ろう”その為にセトラはこの場所に来たのだから。

しかしセトラが言ったのは———セフィロスに対してであった。

 

遥か古の時代には、何度もその言葉を口にして幼い彼の手を引いたものだと、蘇った光景にふと息を吐いた。目の前のセフィロスは、セトラの知るセフィロスではない。わかっている筈なのに、重ねてしまう自分が情けなかった。

 

 

「―――ああ」

 

 

ぽつり、と呟かれた小さな言葉に、セトラは勢い良く顔を上げる。

深い色をした瞳はすっと逸らされてしまったが、たった一言返されたそれに無性に熱い何かがこみ上げてくるのを感じた。

それをぐっと抑え込んだセトラは、リツカと、何故かじっとりとした目で睨んでくるスカディのもとへと歩き出す。

 

セトラの後姿を、セフィロスは暫くじっと見つめていた―――。

 

 

 

 

 

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