ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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今回短め なるべく投稿頻度を上げたいけど………まばらになるのはごめんなさい(白目)


第111話 最強、それとも───

 

「気分が悪くなる色だ………」

 

さやかとのコネクトで発現したやちよのドリルランスはレグナントの装甲を削り、中にいた鶴乃の姿を見せた。

快活だった印象のオレンジから陰湿で毒々しいとさえ感じさせる薄緑。

それにさやかは苦々しい表情で見つめる。

 

(ウワサに組み込まれた影響か?だが────)

 

『魔法少女は救われなくちゃならないんだ!!』

 

激情にかられた声と共にレグナントの胸部の粒子ビーム砲を撃ち放たれる。

装甲を破壊しても砲門さえ無事であれば使用可能なのはウワサである故か。

2人は迫ってくるビームに二手に分かれて回避するが、ビームは途中で屈折し、さやかを追った。

 

「あくまで私狙いか!」

 

追ってくるビームを身を捩らせながら回避する。

 

「ッ────美樹さん!!」

 

ビームの軌道から逃れるために地上へ急降下したやちよ。

キレーションランドの床を勢いで削り上げながら見上げた光景に思わず声を張り上げた。

変形したレグナントがその主翼で切り刻まんとさやかに肉薄する。

 

「そう簡単には!!」

 

迫る主翼にさやかはGNソードⅢで迎えうつ。

お互いのブレードのGN粒子が干渉し合い、激しい稲光とスパーク音を撒き散らす。

しかし、それもわずかな時間であり、さやかはGNソードⅢを傾け、主翼のブレードを滑らせると弾かれるようにその刃から逃れる。

 

「───そこ!!」

 

体勢を整えながらライフルモードに切り替え連射。

しかしあまり狙いをつけたものではなかったのと、相手のスピードに狙いをつけきれず、レグナントの装甲を掠める程度になってしまう。

 

「速い………!!」

 

明らかにレグナントのスピードはダブルオーザンライザーを超えている。

幸い向こうがある程度は近接戦を仕掛けてくれているから受けに回れるが、あのスピードで戦場を駆け回られたら間違いなく何人か犠牲になるのは目に見えている。

さやかの脳裏にトランザムの使用がちらつくが、あれは再使用が可能とはいえクールタイムが存在する。ここぞという状況以外でそう何発も乱用するべきではない。

 

「七海やちよ!これを!!」

 

「突然なに………っていうより、いい加減やちよでいいわよ!いちいちフルネーム呼びは大変でしょう!?」

 

「了解!!」

 

こっちに向かってくるレグナントを前にさやかは地上のやちよに何かを投げ渡した。

それは折られた折り紙。

さやかの煩わしさに苦言を呈しながら受け取ったやちよは目を丸くして驚いた。

 

「この折り紙…………まさかみふゆの……!?」

 

見覚えのある折り紙での連絡。それはかつての仲間であり、今は敵である梓みふゆのもの。

どうしてさやかがそんなものを持っているのか問いただしたかったが、肝心のさやかは再びレグナントとの空中戦で鎬を削りあっていた。

そこに会話を挟み込む余裕はない。下手に集中を削いで直撃をさせてしまったら目も当てられない。

 

『さやかさん、聞こえますか?遅くなってしまい申し訳ありません。』

 

(み、みふゆ………!?ちょっと、どうしてそんなタイミングよく………)

 

どうしようかと思っていたところにまさかのみふゆからの声が折り紙を介して聞こえてくる。

思わず声を詰まらせるやちよ。しょうがないだろう。なぜならほとんど喧嘩別れに近い形で離別し、お互いの得物を向け合う覚悟もしてきたのに、ひょんなことから会話する羽目になりそうなのだ。

あまりにも都合の良さにやちよはこれも計算済みかと言いたげな恨めしい表情をする。

ちなみに本人にはそんなつもりはさらさらない。自分が優先的に狙われている以上、戦闘の余波といった何かの拍子でなくなると困るから程度の理由でやちよに投げた。

 

『さやかさん?聞こえていますでしょうか?』

 

「やちよさん!!どうかしましたか!?」

 

「い、いろは……ちょっと待って───」

 

『や、やっちゃん?もしかして今そこにいるのはやっちゃんですか!?』

 

駆け寄ってきたいろはたちに反射的に答えてしまい思わず口を手で覆うが既に意味がなかった。

気まずそうに視線を右往左往させたあとに小さくため息を吐く。

どうやら覚悟を決めるしかないようだ。

 

「ええ………そうよ………」

 

『そ、そうですか……………』

 

微妙な空気が会話している2人を包む。

元々グループを組み、長い付き合いの2人だが、今はお互いに刃を向けあった、敵対しているグループに身を寄せている。

 

「あなたの折り紙、美樹さんが持っていたってことは、そういうことでいいのね?」

 

やちよから切り出された言葉に思わず大きく目を見開いた。

 

『や、やっちゃん……ですが私は────』

 

「もちろん、何もかも許したわけじゃないわ。心配させたこととか今だって言いたいことだってたくさんある。でも─────」

 

やちよが向けた視線の先にはレグナントと戦闘を続けているさやかの姿があった。

目で追うことも難しいほどの高速戦闘。時折見える表情には険しさしかない。

 

「言い争って、そのあいだに死んではいけない子を死なせる訳にはいかない。それに、あの2人にも鶴乃のことを任された以上、あの子を助けるのは私───いいえ、私たちの役目よ。」

 

「だから、手を貸してみふゆ。」

 

『…………分かりました。やっちゃんがそういうのでしたら。』

 

もう請われることはないと思っていた親友からの頼みに、頷かないはずがなかった。

 

 

 

 

 

『美樹さん、聞こえる?みふゆからドッペルに取り込まれた鶴乃を助ける方法を聞いたわ。返事を返さなくてもいいからそのまま聞いてちょうだい。』

 

(梓みふゆから連絡が来たか!とはいえなかなか辛いことを平然と言う!!)

 

やちよからの念話に苦い表情を浮かべながら攻撃を捌き続けるさやか。

鶴乃からのヘイトを向けられているのはいいものの些か度が超えているような────明らかに鶴乃ではない人間の意思が混ざっているような私怨の籠った攻撃を受けつづけるのは気が滅入りそうになる。

おかげで念話も返せそうにない。

それを察しているからこそ返事を返さなくていいとの旨なんだろうが、それでも耳を傾けるだけでも削がれるものは削がれる。正直辛い。

 

 

(─────まぁ、内容は理解したが。)

 

 

要はやることは鶴乃の性格を始めとする人となりをイメージしながら彼女に対してコネクトをする()()()で攻撃をするらしい。それで攻撃した者のイメージとのズレであるウワサが剥がれる理屈のようだ。

ただ──だいぶ綱渡りだと、さやかはそんな印象を思った。

コネクトをするのはいい。だがそこに攻撃というのが加わるとどうしても失敗してしまった時の危険性が滲み出る。

実際失敗してしまうとそれはただ鶴乃に対してダメージを与えるだけになってしまうと、調整屋のみたまは言ったらしい。

よって攻撃を仕掛けるのは自然と彼女との付き合いが長いやちよになる。

それも異論はない。より性格を知っているであろう人間が担当するのになんら問題はない。

 

ただ、さやかには一つの懸念があった。

 

いつぞやかにマミたち3人で鶴乃の生家である中華料理屋に足を運んだ時のこと。

家族のことを聞いてしまったさやかが感じた違和感。いつも元気溌剌な彼女が一瞬だけ見せた陰が差し込んだ憂鬱とした表情。

あの表情が今になってさやかの脳裏に引っかかり出した。

 

(不味い………あの時の表情が気になって───ん?)

 

思考に意識が削がれ、集中を切らしていたところに視界の端から衝撃波のようなものが飛んでくる。

明らかに自分も巻き込まれる大きさと軌道だったために切り結んでいたところを急いで後退。

突然の後退にレグナントは考えるような素振りを感じさせない距離の詰め方をしてきたがさやかにばかり目が向いて、やはり横からくる衝撃波には気づいていなかったのかモロに巻き込まれ、吹き飛んでいった。

 

「どうやらあなたにかなりの執着を見せているわね。」

 

「まぁ、恨まれることはずっとしてきたからな。」

 

再びやってきたやちよにそう軽口を叩きながらも警戒心は一切緩めない。

 

「それで?方法は見つかったが、そこに行くまでにはどうする?」

 

「コネクトの対象はあくまで鶴乃よ。どうにかして動きを止めたいところだけど、あの外装は邪魔ね。」

 

つまりは鶴乃をあのウワサ(レグナント)から引っ張り出す上に行動不能にまでする必要はあると。

そう話しているとふっ飛ばされたレグナントが胸部から大出力のビームを発射した。

狙いはもちろんさやか、ついではその隣にいるやちよだ。

 

「ちなみに今の衝撃波は?」

 

「フェリシアと二葉さんのコネクトよ。」

 

つぎの瞬間、どこからともなく巨大化したようなさなの盾が落ちてきて、迫るビームを防いだ。

大出力のビームは拡散し、2人の周囲に降り注ぎ爆発を起こしたが、その雨に2人が晒されることはなかった。

 

「──一つだけ聞かせて欲しい。お前が思い描く由比鶴乃は一体どのような魔法少女だ?」

 

弾かれたビームに照らされる中、最終確認のようにやちよに問いかけるさやか。

突然の疑問にやちよは怪訝そうな表情を浮かべながら、はっきりとこう答えた。

 

「いつも底抜けに明るくて、誰よりも強い最強の魔法少女。それが私が思い描く由比鶴乃よ。」

 

そう確信めいた言葉と共に、やちよは盾から飛び出ていった。

迎え撃っているのかマシンガンのような発砲音とGN粒子のビームが出す音が交錯するなか、さやかは神妙な顔つきで考えに耽っていた。

 

どうしても、やちよと自身の間で思い描いている鶴乃の姿に齟齬が出始めているような気がしてならなかったからだ。

 

やちよはいつも笑顔を絶やさない元気溌剌なあの姿を彼女の素と思っているようだが、さやかはそうには思えなかった。

 

表情を表に出し続けることは難しい。元気で居続けるために気力や体力が必須だし、そこに自分を()()()()必要が出てくるのならなおのことだ。

 

(だが、それを私が言ったところで今のやちよには届かない)

 

コネクトが無事に発現できたということはうまく折り合いがつけられたということでいいのだろうが、今のやちよには一種の浮かれているような、悪く言えばまだ魔法少女のことを知ったばかりのころ、魔女から不意打ちを食らいかけたマミの調子に乗っている時に近い危うさを感じた。

 

(場合によってはこちらも切り札を切る必要があるか……)

 

そこまで考えたさやかは意識を切り替え、さなの出した盾から飛び出した。

どのみち鶴乃をあの復讐心の塊のようなウワサから引っ張り出さなければならない。あれを植え付けられている状態では届く思いも届かない。

 




ちなみに投稿者の中でさっさんとのコネクトで一番ヤバくなるのは今のところ天音姉妹(ここ大事)
次点フェリシアかさなだと思う

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない
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