ある日八幡は戸塚と出掛け(デート?)をする事になり…

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初めて二次創作を手掛けました…!!
拙い文ではありますが宜しくお願いします!!


やはり俺の青春ラブコメは間違っていなかった

部室で本を読んでいる中外では木枯らしが

吹きまくり窓が風圧でカタカタと音を立てていた。

とても気になると言う程でもないが

「なんか今日風強いわ~、やんなっちゃう」

程度である。

 

室内には見慣れた顔が2人。

部長の雪ノ下と部員である由比ヶ浜である。

雪ノ下はいつも通り本を読みたまに髪を耳に

かけ直している。

由比ヶ浜はポチポチとスマホをいじっていて

たまに笑顔になったりムスッとしたり…

まぁ、百面相をしている。

そして1人見慣れない顔が居る。

それはクラスのヒロインと呼んでもいい

戸塚彩加である。

何故居るのか。

そして何故俺の近くに座っているのか。

そんなに近かったら僕死にそうだよぉ……。

雪ノ下達も同じ事を思っているのかチラチラと

戸塚の方を見て、本人は俺が読んでいる本を

覗き込んでいる。

 

するととうとう聞く気になったのか雪ノ下が

コホン、と咳払いをした。

 

「……戸塚くん?」

 

「……どうしたの?」

 

「何故あなたがこの部屋に居るのかしら?

あなたは部員でも無いし…部活はどうしたのかしら?」

 

「それあたしも気になってた!

さいちゃん部活どうしたのかな~って!」

 

雪ノ下の発言に由比ヶ浜が乗っかる。

戸塚は2人の顔を交互に見てえっと、と

困った顔をする。

 

「今日は僕の部活が無くて……八幡の部活に

行こうかなって思ってて…。

八幡に行っても良い?って聞いたらうんって

言われたから……。」

 

「比企谷くん……?」

 

「……ヒッキー…。」

 

「えぇ……。」

 

一気に2人から"聞いてないんだけど?"と

言いたげな目線を向けられる。

俺そんな事聞かれたっけ?

もしかしてあの時か?

なんかの授業の時寝てて休み時間に目が覚めた時に

聞こえてた小鳥の囀りは戸塚だったのか?

あの時適当に空返事をしてしまったがまさか

これだったとは……。

俺はなんとか説明しようと本を閉じ2人の方へ

顔を向ける。

 

「……まぁ、あれだ。あの、俺が戸塚に

返事したのは事実だ。だがその……忙しくて

忘れてただけでな……。」

 

しどろもどろに弁解するが2人からの視線は

変わらず由比ヶ浜からは"授業中寝てたじゃん…。"

と小言を言われる。

仕方ないじゃん?瞼が勝手に降りてくるんだもん?

俺が頑張って居ると戸塚が"あの……"と

小さく声を出す。

どうしたのか、と3人は黙り戸塚に視線が集中する。

 

「……僕もその…伝え方悪かったかもしれないし…

八幡…疲れてたっぽいから……その…

あまり責めないであげて?」

 

あれ、天使が降臨したのかな?

俺は天使を見るかのように戸塚を見ていると

雪ノ下がため息をつく。

 

「……戸塚くん?その男を庇っても何も得しないわよ?

それにいつ喰われるかわからないのだから

あまり近くに居ない方が良いわよ?」

 

と俺を鋭い目で見てきた雪ノ下さん。

由比ヶ浜は意味がわかってないのかうーん、と

考えて「そっ、そうだよ!食べられちゃうよ!」

と言ったが絶対意味わかってないだろ。

そう言われて頭にハテナマークを浮かべていたが

俺の方に体を向き直して袖をキュッと軽く

握ってきた。

え、なにこれ…可愛い。もう嫁にして良いレベル。

そう考えているとズイっと身を乗り出してきた。

 

「……八幡は僕を食べちゃうの…?」

 

もうやめて!八幡のライフはもうゼロよ!

ほんとにやめてください……もう婚姻届出して

式挙げる所までビジョンが見えちゃったよ…。

身を乗り出してきたぶん俺は体を逸らし

距離を保つ。

 

「さ、さいちゃんが眩しいよぉ、ゆきのん!」

 

「えぇ……同感よ……。やるわね…。」

 

あいつらにも伝わったか……。

このとつかわいさが伝わらないはずも無いもんな…。

俺は息を吸い返答を述べる。

 

「……え、まぁ…普通食べないだろ?

てか人が人を食ったらカニバリズムってやつに

なるんだよな~…。」

 

少しおどけた口調で言うと戸塚は

大地に咲く一輪の花のように満面の笑みを浮かべる。

俺は戸塚を見てられずに本を開いて本に集中する。

 

風が強くなったのか窓を叩く音が激しくなった

ように思う。

帰り自転車漕げるかな、と考えながら本を

読んでいた時何分か経った際

戸塚が「あっ。」と声を出す。

何事か、と3人が顔を上げると顔を赤く染めて

「八幡に言うことがあってね…。」とコソコソ

話し出す。

いや、コソコソ話すのはその……耳に吐息かかるし

戸塚の声近いし……と思っていると喋り始める。

 

「あの……明日休みの日だよね?

良かったその……一緒に出掛けに行かない…かな?」

 

え。断るやつ居る?全世界で断るやつ

そうそう居なくね?

材なんとか座くんのは速攻断りますけどね!

もじ、と身を捩りながら返答を待つ戸塚が

可愛すぎてもう爆発しそうである。

 

「……えーと、どうせいつでも暇だし。

四六時中暇だから大丈夫だぞ?

何処に行く?ゲーセン?サイゼ?」

 

「なんかヒッキー超乗り気じゃん!?」

 

由比ヶ浜が驚いたように喋り雪ノ下は頭を抱えている。

そんなの俺は気にしない。気にしたら負けだ。

戸塚は嬉しそうにはにかむ。

 

「じゃあ明日駅前で集合でいいかな?」

 

「…おう。時間は何時だ?」

 

「えっと…9時で良いかな?」

 

良いぞ、と言わない代わりに頷く。

女子2人はうわぁ、と引いたようにこちらを見ている。

そんなのは僕知らない。

こうして部活は終わり胸を踊らせながら

家に帰宅した。

 

 

次の日。

俺は鏡の前で何度も髪型と目の腐り具合を見ていると

小町に突っかかられた。

 

「お兄ちゃん……何してるの……?」

 

半ばドン引きした声で話しかけてきた。

かまくらは俺を見もせずに居間へ直行して行った。

 

「俺の今日の髪と顔は大丈夫かなって

確認してたんだよ…。わりぃか?」

 

「別に悪くは無いけど……鏡見ながらニヤニヤ

してたから気持ち悪いなって……。」

 

あの…小町ちゃん?お兄ちゃんでもストレートに

言われたら立ち直れなくなっちゃうよ?

部屋からずっと出てこなくて撮り溜めてる

プリキュア見て1人で泣いちゃうよ?

 

「…今日は戸塚と出掛けるからな…。

格好良く行きたいだろ?」

 

小町はもう何も言わず俺の方を見ずに居間へ行った。

俺は小町を傍目に見ながら着ていく服を決め

家を出たのである。

俺が家を出るまで小町は俺に何も言わなかったのは

悲しかったけどね…。

 

そして約束の9時になった。

俺は早く着きすぎた為すでに冷えてしまっている

マッ缶を握りしめながら戸塚が来るのを待つ。

緊張して手汗が酷い。

なんだこれ……。

初めてのデートばりに緊張してるぞ。

取り敢えず俺はベンチに腰掛け入口付近を見ていると

すぐに見つけた。いや、見つけてしまった。

こちらを見るや否や嬉しそうにこちらに

駆けてくるではないか。

はぁ、と軽く息を切らして"おはよ"と微笑みながら

挨拶をする戸塚。

俺はすぐさま立ち上がり"おう"と返事をする。

何か言いたそうな顔をしていた為"どうした?"と

視線を送る。

 

「……待った?」

 

「別に、俺も今来たところだぞ?」

 

「八幡は…優しいね?」

 

「優しいか?…じゃあ行くか。」

 

1歩踏み出すとグイッと服を引かれる。

まだ何かあるのか、と思い振り返ると

"あの……"と言う。

 

「…今日1日僕の事を名前で呼んでくれないかな…?」

 

「……へ?」

 

ちょっと、戸塚さん?変なこと言わないで貰えます?

お陰で変な声が出たじゃありませんか。

下を見てもじもじとしている。

 

「……僕は八幡の事を名前で呼んでるし…

今日1日だけ……名前で呼んで欲しいな…?」

 

「……苗字はダメなのか?」

 

「…今日だけ…。」

 

子犬が『餌くれないの……?』と言っているかの

ようにこちらを見上げて問うてくる。

俺は戸塚には勝てない為承諾した。

 

「…良いぞ……さ、彩加…。」

 

「……へへ。名前で呼んでくれた…。」

 

とつ……彩加は恥ずかしそうに微笑む。

そして俺の手を取り走り出す。

何処へ向かうかも決めて居ないのに…。

 

 

着いたのは大型ショッピングモール。

色んな店が入っており色んな年齢層の人が

心から楽しめるモールとなっている。

俺と彩加は入口に立ち何処へ行くか決めていた。

 

「えっと…確か……ここにあの店が…。」

 

どうやらお目当ての店があるらしくデカいモールの

地図を一生懸命見て探していた。

何分後かに"あった!"と声を出して微笑む。

そんなに買いたいのがあったのか…。

俺は別な所にも行く理由が無いというので

ついて行く事にした。

 

着いたのは雑貨屋。

男女兼用なアクセサリーや女子だけのアクセサリーも

売っている場所だ。

彩加を待っている間椅子に腰掛けていた。

人混みって憂うつだよな…。

そんな中やっと会計を終えたのか彩加が小さい

紙袋を手に抱えて持って居た。

 

「何買ったんだ?」

 

「まだ八幡には内緒だよ~♪」

 

……知りたい。

とてつもなく知りたい。

だが今は彩加の言う通りに従っておく。

 

「他行く店あるのか?」

 

「これだけ買いたかったから…。

八幡があと見たい店あれば行くけど…。」

 

「俺は行きたい場所なんて無いな。

彩加が行きたいなら行くが……。」

 

さっきから『彩加』って発言する度に

心臓が口から出そうなんだが……。

目線を上にあげるとデカい時計が

12時になりかけていた。

 

「……そろそろ飯行くか?」

 

「うん!何食べようかな…。」

 

「俺はラーメンにしようかな…。」

 

「じゃあ僕もラーメンにしようかな…。

あったかいの食べたかったし…。」

 

フードコートに向かいながら食べるメニューを

話し合う。

昼近くの為か人が混みに混んでいる。

座る席は無いのか探すと端にポツンと空いている

席を発見。俺らの為に空いていたかのようだ。

彩加に目で合図をして端に移動する。

ラーメン屋に行き二人分注文して番号札を

代わりに貰う。

周りを見ていると番号札が振動して鳴った。

出来たのだろうか、と2人で店の前まで行き

ラーメンを受け取り席につく。

 

「いただきまーす」

 

彩加は割り箸をすぐに割り口の中にすする。

熱いのを食べているからなのか頬は軽く紅くなり

むぐ、と口に頬張っている。

この小動物可愛すぎて飼いたいんだが…。

見とれてる場合じゃねぇ…。

俺もすぐさま割り箸を割り口の中へ入れる。

 

……美味い。

麺は歯ごたえがありスープもパンチが効いて

麺本来の味を醸し出している。

そして飲み込むと口の中に広がる風味。

これは良いラーメンを見つけたかもしれない…。

彩加も満足そうに食べ進めあっという間に無くなった。

 

たらふく食った後はゲーセンに寄り

プリクラ機器の中に入った。

新しくプリクラを撮りたいと言うので

俺は承諾した。

電子音と共にパシャリ、とシャッター音が聞こえた。

俺は今目を瞑ったかもしれん……。

そう思ってるうちにまたパシャリ。

今の時代は凄いものだな、と感じてしまった。

 

 

あれこれしているうちにもう夕方になってしまった。

プリクラも撮りラーメンを一緒に食べ

名前呼びをする、という縛りもあったものの

中々楽しかったものである。

出口から外に出て駅前に着くと彩加は振り返る。

 

「八幡……これ…。」

 

「……なんだこれ…?」

 

「ブレスレット…僕とお揃いなんだよ?」

 

「……へえ。」

 

左手首に付けてみると深緑色の石が

夕日に照らされてキラキラと輝いていた。

てか彩加とお揃いとか死んじまうよ…。

彩加も左手首を見せてきて黄緑色の石が輝いていた。

これが友達ってやつか……。

嬉しさに浸っていると彩加は時計を見て慌てる。

 

「そろそろ行かないと!またねっ、八幡!」

 

「おう、また今度な。」

 

 

俺は戸塚が見えなくなったあと空を見あげて

こう思った。

やはり俺の青春ラブコメは間違ってなかった、と。




最後まで呼んで下さり有難うございました!!
次回はオリジナルを書くかもしれません!
またの機会にお会いしましょう!!


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