ライダーがいないので、ショッカーを作りました。   作:オールF

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書きたかった話その1
初めに考えてたやつとかなり変わってるんですけどね!
仮面ライダーになりたいが放送されている間は更新頑張りたいと思います。
ちなみにあと書きたい話はオールマイト&ダブルライダーVSAFOという王道とオールマイトVS改造エンデヴァーとかいうトンチキだったりします。


鎌と霧のプレリュード

 仮面ライダー2号、一文字隼人は改造人間である。

 悪の秘密結社ショッカーに拉致された彼は仮面ライダー1号、本郷猛を倒すための改造手術を施された。

 1号よりも最適化された変身システム、強化された人工筋肉と変身後の肉体を維持し強化する様々なパーツを付けられ、一文字隼人だった肉体のほとんどは機械へと改造されていった。

 パワーは1号を凌ぎ、変身前に自ら風エネルギーを受け取る必要の無い変身システムを得て、最後にショッカーの忠実な下僕になるための脳改造の前に、彼が倒すはずの仮面ライダー1号に助けられた。

 それからは仮面ライダー2号として、一文字隼人はショッカーと戦う決意をした。

 本郷猛に諭されたからではない。

 自分をこんな身体にしたショッカーが憎いからではない。

 赤子や子犬といった慈しむべき存在を抱くことも難しくなった、力しかない悲しき身体になる人間をこれから作らないために。

 ショッカーが平和に生きる人々の日常を踏み荒らさせないために、一文字隼人は戦うことを決意したのだ。

 

「あちち……」

 

 そんな一文字隼人もショッカーという悪が動かなければ1人の人間のままだった。

 改造されたとはいえ、永久機関ではない肉体には適度なエネルギーの摂取が必要となる。

 改造前から愛飲していたコーヒーを飲むためカップに口をつけると、まだ冷めていない黒い苦味のある汁が舌に噛み付いてくるような熱さを与えてきた。

 

「改造人間とはいえこういうのは変わらないのね」

 

 ようやく力の扱い方にも慣れて、マグカップの持ち手を割らずになってきたというのに、まだまだ人間らしさを残している自身に苦笑してしまった。

 マグカップを静かに置き、冷めるのが待つ間、隼人は月刊ヒーロージャーナルなる雑誌を広げた。

 

「しかしまぁ、ヴィランだけでも大変なのにご苦労さんなことだ」

 

 開いたページには数週間前に起きたピラザウルスの毒ガステロ未遂事件の顛末が書かれていた。

 仮面ライダーとショッカーのことは伏せて、オールマイトが凶悪なヴィランたちが徒党を組んだテロリスト集団ピラザウルスなる組織を相手にして、死亡者0人で平和を守った内容になっている。

 しかし、ネットにあがっている記事には会場に居合わせた観客の一部からコメントがついていた。

「黒い覆面の男たちがいた」

「トカゲのバケモノがいた」

「マントを巻いた仮面の戦士もいただろ」

「仮面ライダーが相手だって言ってた!」

「なんだよ仮面ライダーって」

「火野議員の秘書かなんかがショッカーがどうとか言ってたぞ」

 と、せっかく伏せた内容が溢れ返って、今はコメント欄は封鎖され、事件の真相に関するコメントの数々は消されている。

 だが、これらを覚えていたり、スクリーンショットを撮っていた人間たちが不審がり、まとめ記事を作り出したので完全には消えていない。

 陰謀論だのオールマイトのプロパガンダだのと言われているが、事実が隠蔽されていることにより、その逆に火がついてしまっている状態だ。

 

「ヒトデンジャーやドクガンダーの記事は小さいし、被害者が少ないおかげで目立ってないが、時間の問題かもな」

 

 ショッカーに関連した記事はピラザウルスのものだけではない。

 隼人は少し冷めてちょうどよい熱さになったコーヒーを啜った。

 

 化石怪人ヒトデンジャーは霧が岳の山中にある建設中のミサイル基地を守るのが使命で、次々とミサイル基地に近づいた者を捕えていた。

 隼人がヒトデンジャーの存在に気付いたのは彼が捕え損ねた少年からヒトデのバケモノがいると聞いたからである。

 霧が岳失踪事件は以前から噂になっており、これまた近くでヒーロー活動をしていたオールマイトと協力し倒すことができた。

 基地を破壊する過程で火を放った際に、消火活動をしていた戦闘員が間違ってヒトデンジャーに水をかけてしまい

『気をつけろ! 俺に水をかけるなバカモノ!!』

 と彼の弱点が水とわかったのが功を奏した。

 

 ドクガンダーは幼虫、成虫態と2回にわたって対決することになった。

 立花藤兵衛を捕え、一文字隼人を罠にかけたが、幼虫態では仮面ライダー2号に勝つことができなかった。

 しかし、繭状態となり生き延びていたドクガンダーは死んでおらず、成虫態となっていたため、少し苦労したが大阪城での激闘の末、倒すことができた。

 

 どちらも誘拐事件が主で、異形型のヴィランの仕業ということで落ち着くかもしれないが、目撃者で生き残ったものは少なからずいる。

 腰に巻いたショッカーベルトのことを印象深く覚えていれば、これらもピラザウルスと同じように騒ぎ出すだろう。

 

「しかし、ショッカーめ。色んな場所に基地を作りやがって。一体何ヶ所あるんだ」

 

 コーヒーを飲み終え、悪態をつきながら立ち上がり、流し台にマグカップを置く。

 

「さて。そろそろ働きますか」

 

 一文字隼人の本業はカメラマンだ。

 フリーランスではあるが、いい写真を撮ると評判もある。

 最近はヒーローの写真も撮るようになってきた。

 ヴィラン絡みの事件は本業であるヒーロー達に任せようというのが隼人のスタイルであり、事件に遭遇した際はカメラマンに徹している。

 そこで撮った写真を新聞社や雑誌社に売るのが主流だ。

 愛車に跨り、エンジンをかける。

 ヘルメットを被り、被写体探しへと出かける。

 

「今日は何事もない平和な1日になりゃいいんだが」

 

 そうなれば風景写真やちょっとしたイベントの様子でも写すだけで済む。

 信号を待ちながらのどかな街並みでも見ようかと思ったその時だった。

 

「おい! 向こうのでヴィランが出たらしいぞ!」

「なんだって!?」

「爆弾魔のヴィランだってよ!」

 

 街が慌ただしくどころか、けたたましい爆発音が鳴り始めた。

 

「あっちか」

 

 隼人はカメラを携えて現場へと走る。

 ヴィラン案件であれば野次馬に徹するとはいえ、ヒーローの到着が遅れているなら要救助者の救護に入る。

 

「大丈夫か!」

「あ、あぁ」

 

 見たところ火傷を負っている市民を見つけて駆け寄ると、肩を貸してその場から離れさせる。

 そして、爆発音の鳴り響く方を見れば、爆破ヴィランが高らかに笑い声をあげていた。

 

「ハハハッ! 会社をクビになった! 私はもうおしまいだ! 彼女にも振られて、今の私にはこんなことしか出来ない!!」

 

 自暴自棄になり、ビル群を爆破し、狂喜乱舞するサラリーマン。

 丁寧に巻いていたのであろうネクタイは解かれ、シュッとキマっていたはずのスーツもよれてしまっている。

 元々は会社員だったこともあり、強力な個性ながらも爆発の規模は可愛らしいものだ。

 ただそれは改造人間であり、ショッカーと戦っている隼人だからそう感じるだけで、何の力も持たない市民からすれば脅威でしかない。

 

「くそ! ヒーローはまだなのかよ!」

「オレの昼飯がぁぁぁ!!」

 

 ちょうど昼休憩の時間帯ということもあり、逃げ惑う人々の中には憤る者や嘆く者もいる。

 爆発自体は小規模で、ビル群を崩落させるほどの威力は無くとも、散らばる破片から身を守るのが精一杯といった具合だ。

 

「ふふっ、ヒーロー? 来るなら来てみろ! この私の絶望に勝てるのならばな!」

 

 ヴィランは高らかに笑い続けるとコンビニのガラスやゴミ箱、電信柱やビルの壁などを破壊していく。

 まるで子供の癇癪のようだが、それが凶器になり得るのが個性社会である。

 

「私1人を助けられないのに何がヒーローだ!」

 

 ヴィランの笑い声が止まり、叫び声へと変わる。

 彼の絶望が言葉の棘となって逃げ惑う市民たちへ向かい続けた。

 

「こんな個性なんかいらなかった! 何が解体現場向きだ! 私は保険屋として、パワハラに耐えながら頑張ってきたのに、これから……彼女と一緒に……くそっ!!」

 

 涙ぐみながら拳を振り下ろせば小さな爆発が起こる。

 彼の周りにもう人はいないが、彼はまだ止まらない。

 彼の目的は傷害ではなく、やり場のない怒りをぶつけるだけだ。

 彼の言葉からは相当な理不尽な目に遭わされたことが窺えるが、それがこの破壊行為をしていい理由にはならない。

 

「待たせたな! ヒーロー参上! 一番乗りだぜ!」

「うるさい!! 私の邪魔をするな!」

「がぁっ!?」

 

 隼人がけが人を運び救急車の到着を待っていると、やっとヒーローの1人がやってくるが、そのヒーローは爆破の個性というよりはサラリーマンの動きがよく、あっさりとやられてしまった。

 動きから察するにどうやら少し鍛えているらしいと隼人は変身せずになんとかしてみるかと立ち上がると、足元に白い霧が駆け抜け始めた。

 

「なんだ、またヒーローか!?」

 

 爆破ヴィランもまた立ち込めた霧に怪訝な顔をすると、目の前に現れた存在に驚愕した。

 

「なっ!? バケモノ!?」

(ショッカーの改造人間!?)

 

 普通の人が見れば怪物。

 隼人のようにショッカーの存在を知るものが見れば改造人間。

 淡い桃色の体色に逆三角形の頭部と手に持った2本の鎌、細身ながらも捕食者の狂気を孕んだ姿はハナカマキリのようだった。

 複眼は血の色のように紅く光っており、長い触角が左右に揺れている。

 そしてなにより特徴的なのは、腰に巻かれたショッカーベルトだった。

 

「私はショッカーの改造人間、ハナカマキリオーグ。人類最適化のためにヴィランを掃討する」

 

 フルフェイスマスクに覆われた低い女性の声で名乗ったハナカマキリオーグは羽を揺らし霧を出す。

 

「最適化だと? ふざけるな!」

 

 爆破ヴィランの両手を掲げて手から爆発を放つが、ハナカマキリオーグはそれらを全て躱してしまう。

 

「遅い」

 

 躱しながらヴィランに接近すると鎌の先端で手を斬り裂き、二撃目で背中に大きく刃を入れて再び霧の中に消えた。

 

「がっ!? ぐっ……ぅっ……? な、なぜだ、から、だが、うごかな……」

 

 爆破ヴィランは地面に膝をつくが倒れず、切り傷からの出血も少なく痛みはあるが歩行はできるはず。

 脳から歩け、逃げろと指令を送るが、動くのは口のみで、ヴィランら動けない。

 

「きさま……なにをした……?!」

「この個性社会は弱肉強食。貴方のような弱者は淘汰する」

 

 ハナカマキリオーグの羽根の中からゆっくりと触手が伸び始める。

 それがヴィランの身体を這い回るように覆っていき、がしり、がしりと身体を包み込む。

 

「な、なんだ! これは! は、離せ……っ!」

「役たたずの貴方にも活躍できる機会を与えてあげる。その個性も身体もショッカーが貰ってあげる」

 

 ヴィランの腕も足も、身体中どこにも抵抗の意思はない。

 このまま終わってしまうのかと恐れる気持ちもなくなりつつあった。

 

「あ……あぁ」

 

 ヴィランは抵抗などできるはずもない。

 恐怖も何も感じない。

 ただただ虚無感と浮遊感を感じるばかりである。

 

「じゃあね。生まれ変わったらまた会いましょう」

 

 ぐしゃりと、ヴィランの身体が潰れるような音がしてハナカマキリオーグの羽根が収まったあとには何も残っていなかった。

 

「……」

 

 隼人はハナカマキリオーグの羽根からこぼれ落ちていく銀色の粉を見る。

 

「ヒーロー来なかったね、仮面ライダー?」

「ッ!!」

 

 ハナカマキリオーグの姿を見た時、一文字隼人はショッカーの改造人間だと思った。

 しかし、彼女の言葉を聞き、動きを見て、その思いはショッカーを模倣する何かだと思っていた。

 だが、自分が仮面ライダーだということを知られている事実に、本物のショッカーかもしれないという疑いが生じる。

 

「まさかショッカーがヒーローみたいに街の平和を守るとは驚いたな」

 

 一文字隼人はカメラを下げてゆっくりとハナカマキリオーグに向かっていく。

 

「ヒーロー? 私が? そう見えたの? 貴方には? 節穴、だね」

 

 霧が町を覆い、隼人が遠ざけたけが人たちの姿は見えなくなる。

 それはつまり、彼らもまた隼人の姿を認識できなくなったということだった。

 

「いくぞ、ショッカーの改造人間」

 

 隼人はそう宣言すると変身の構えをとった。





大首領「な、なんやあの怪人は……!?アマゾニアやぞ次は!?」

大首領はシン仮面ライダー放映前に死んでいるのでオーグメントシステムとか知りません。
まあオーグと名乗ってますけどオーグメントじゃないんですけどね。

ネタばらしするとアフォ(AFO)が勝手に作った改造人間です。

爆破魔のヴィラン(サラリーマン)は、隼人が家を出て町を通るとわかった段階で暴走するようにあらかじめ仕組まれていた捨て石です。
爆破の規模は爆豪未満。
爆破の個性を持っている。
ヒーロー志望だったが理想と現実のギャップからならず、普通に保険会社で働いていたが、AFOに洗脳された上司に突然解雇され自暴自棄になり破壊活動を行うことになる。恋人がいるらしい。

ヒーローの到着が遅れたのはヒーロー狩りと他の場所でもヴィラン事件が起きているため(ヒロアカ世界ではよくあること)


続きはまた来週で(仮面ライダーになりたいでテンション上がったらまた書けると思います)
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