原作前の話は最新話と並行して少しずつ修正していきますので気長にお待ちください。
一部の方が不快に思う表現があります。作者がこの先の展開のために書いたものです。特定の人種や性別などを批判する意図はありません。また、原作キャラに対してのアンチ・ヘイトではありません。
side:心操
ヒーロー科の学生たちの活躍は体育祭で何度も目にしてきた。入学前から彼らのことは知っていた…と思っていた。しかし、目の前での同級生たちの実力を目の当たりにすると、自分の小ささを痛感する。
一部の学生は派手な爆発や氷の”個性”で場を支配していた。道具を創造し駆使する者、圧倒的な身体能力で敵を圧倒する者もいた。
騎馬戦で同じチームだった二人も俺より上の存在だった。一人は日本最大のヒーロー事務所『ボーダー』の代表者。もう一人はサポート科で数々のサポートアイテムを持っている。
ボーダーはプロヒーロー数百人、サイドキック1万人以上が所属しており、事務所は全国にある。
実態としてはヤクザの事務所を支部としてヒーロー免許を所持する組員をヒーロー、所持していない組員をサイドキックとしている。他にも代表がスカウトした一般ヒーローもいるらしい。
有名なヒーローだと『元No.1ヒーロー』ウィザ、バング、ボンブだろう。
悪い意味で有名なのは『迷惑配信者』ジェントル・ジャスティス、『
(いや、ぷりぷりプリズナーに関してはダメだよな?だって全裸だし…)
そんな奴らのトップで、入学から一週間で警察に捕まった奴なんてヤバすぎる。
(待てよ…あの対戦相手は神が~とか、正々堂々と~とか言ってたし…いけるか?)
ヤバい連中からヒントを得て、社会的に死ぬヤバい作戦が思いついたが…上手くいけば優勝できそうだ。
俺は色々と死ぬ覚悟をしながら試合に向かうが……本当に嫌だなぁ。
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(勝機は無いに等しい。それでも、あの堅物な性格なら)
「申し立て失礼いたします。刺客とはどういうことでしょう。私はただ勝利を目指してここまで来ただけであり…」
「なぁ、何ふざけたこと言ってるんだ?」
「はい?」
「あんなのただの出囃子だろ。グチグチ言って気持ち悪いんだよ」
「気持ち悪い…私はヒーローを目指す者として」
「ヒーローなんてただの暴力装置だろ?暴力で暴力を押さえつける”だけ”の存在だ」
会場から音が消えた。そりゃ、ヒーロー科トップ校でこんなこと言えば当然だろうな。
「それなのに”アイドルヒーロー”やら”俳優ヒーロー”やらが出てきた。そういえば、女ってまともにヒーロー活動しないでタレント活動ばっかりしてるよな。ほら、ウワバミとかはヒーローを副業にしてるだろ?」
「あ、あなたは……!あの方たちを侮辱するのですか!?」
「事実だろ?それに、それにヒーローになりたいような奴はどうせロクでもないやつしかいないさ」
「っ……!」
怒りに震える塩崎に対して、俺は言葉を続ける。
「そんな連中と付き合う必要なんかない。一緒にいたらお前までバカになるぞ?」
「……言いたいことはそれだけですか?」
「ん?ああ、そうだな。これで終わりだ。お前は俺の相手じゃないしな」
「……どういう意味です」
『一回戦第五試合!START!!』
試合開始の合図とともに、塩崎はツルを伸ばして攻撃してくる。
だが、それは悪手だ。
「はぁ!」
「なっ!?」
俺がツルを掴む。ただのツルじゃない、茨のツルを。
「本当にどうしようもない女だな。いきなり攻撃とかこれだから女はバカなんだよ。”教師に援交でもして入学したんじゃないか?”」
「あ、あなたはどこまでバカに……」
『おっと、これはどうしたことか!?塩崎選手が動かない!』
「そのまま線まで歩け」
やりたくない。だが、ここでやれば確実に次も勝てるんだ。
「これだからヒステリックな女は…」
俺は軽く足を振り上げ、線の前で止まった塩崎の背中を蹴り飛ばした。
『し、試合終了。勝者は心操……』
「俺の”個性”は『洗脳』触った相手を操る能力だ。迂闊にツルを出してきた時点で勝負ありだったな」
「そ、そんな……」
「それじゃあ、さようなら」
俺は塩崎を無視して控室に戻る。
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「やっちまった…確実に色んな人を敵に回した…」
俺の本当の”個性”は呼びかけに応えた相手に対して発動する。つまり、一回使ったらタイマン勝負じゃ勝てない能力。それでも勝つためには騙して相手を罠にハメるしかないから”触った相手”なんて嘘を吐いた。ついでに俺に暴言を吐いたり、噛みつきやすい様に態度を悪くして差別発言もした。それでも……絶対今後の学校生活で取り返しのつかない状況になった……
「お前凄いな!あそこまで堂々と言えるなんて」
「なっ!福佐、お前どうしてここに!」
「いやな、お前が覚悟を決めて凄い勝負に出たから賞賛しようと思ってな。あぁそうだ。揚げせんでも食べな」スッ
「食べない。それより、お前も相当ヤバいことしたな?女子を鈍器で殴るとか」
「うんうん」
「うんじゃねぇよ!!」
「そんなのどうでも良いじゃないかブラザー」
「気持ち悪い呼び方するな!」
「ほろこれ見ろよ」
そう言われたのはスマホだった。正確にはスマホに表示された掲示板だ。
『なんだあのクソ野郎』
『差別にもほどがあるだろ』
『あいつ”あの”福佐と一緒にいた奴じゃないか?』
『あの犯罪者集団の元締めか!』
『あいつ予選でも一緒にいたし…そっち系の人間?』
『絶対そうだよ!だって洗脳なんてヤバい”個性”持ちなんてヴィランと一緒じゃん!!』
「な、ナニコレ?何デコンナコト??」
「そりゃ、このご時世に差別発言を全国放送で堂々と発言、最後に無抵抗の女子の背中をバカにしながら蹴とばせば、ね」
「ち、違う!俺は作戦として行っただけで!」
「まぁ、やっちまったもんはしょうがないさ」
コイツ……楽しんでやがる……
「まぁ、大丈夫だろ。どうせ三銃士が揃うんだ」
「三銃士?」
「俺とお前、爆豪だよ。爆豪も対戦相手が女子だし、あいつの”個性”は爆破だから」
「女子を爆破したクソ野郎判定される、と」
「そう。だから心配するな。いざとなればボーダーに来れば良い。あそこまで覚悟決まってる奴はそういないからな」
「そうだな……」
俺はこれからの事を考えて頭を抱えた。俺はただヒーローになりたいだけなのに、このままでは反社会的組織への内定が決まりそうだ。
いや、もうほぼ決まったようなものだが……本当にどうしよう……
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side:雄英教師
「あの、あれって大丈夫なんですか?」
「そうだよな。どう考えても差別発言満載だし」
「いや、私は担任として関わってきましたがヒーロー科を目指したいと言っておりました。きっと彼の”個性”を考慮した上での作戦だと…」
「そうだと思うが、これは擁護も難しいぞ。いや、あの入試でこの”個性”は不利過ぎると思うし、タイマン勝負と考えたら合理的だが」
「合理的すぎるだろ。人権団体からの抗議まで来たぞ」
「まぁ、しばらく様子を見よう」
「そうですね。批判ばかりではないようですし」
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side:福佐
正直、心操は空前絶後のバカだろう。あんなことをすれば今後の人生終了レベルだ。
『心操君と言ったか?彼は凄いな』
『触っただけで相手を支配できるのなら最強の拘束系”個性”じゃないか!』
『彼は普通科なのか?是非ともうちの事務所に来て欲しいのだが』
『正確に問題があったとしても矯正すれば問題ないだろう。少し正せば未来のトップヒーローじゃないか』
それでも心操を評価している者は多い。それもヒーロー関係者にだ。
”個性”によっては通常の手錠やメイデンでも拘束できないヴィランがいる。逃走中に市民を負傷させるヴィランなんて珍しくもない。そのヴィランを拘束することはオールマイトやエンデヴァーでも難しいのだ。精々気絶させることくらい。
トップヒーローのベストジーニストも物理干渉無効や全裸のヴィランには弱い。
(心操の”個性”なら触った相手を確実に拘束できる。そう考えればどこの事務所も欲しいだろうな。これで”呼びかけに応えたら”という本来の条件が分かればエンデヴァー事務所からもスカウトが来るかもしれない)
ヴィラン向きの”個性”というがヒーローとして使えば”誰も傷つけずに捕縛できる力”に変わる。うちにも『相手を強制的に下痢にする』『周囲の思考力を低下させる』『外傷を与えずに痛みを与える』なんて”個性”持ちが大勢いるのだ。心操の戦い方やサポートアイテムのアイディアが溢れ出て来る。是非ボーダーに欲しい人材だ。
「と、もう一回戦が終わったのか。まぁ、順当といえば順当なんだろうな。それで二回戦は……」
第1試合 福佐VS緑谷
第2試合 轟VS飯田
第3試合 心操VS角取
第4試合 常闇VS爆豪
「一回戦を見るに、二回戦も順当に終わるだろうな。飯田は轟の大氷結を防げないし、常闇のダークシャドウと爆豪の爆破は相性が悪すぎる。角取も友人をバカにされて激怒してるし、アメリカ出身なら差別発言に敏感だろ。心操がタネ明かしで洗脳すればそれだけで勝ち確定だな」
むしろ、一番読めないのは緑谷だろう。制限アリの俺となら割といい勝負できるかもしれない。
その上で恐ろしいのは奴の”個性”の性質が分からないことくらいだろう。まぁどうにでもなるし、最悪服掴んで投げ飛ばすだけだし。
「できれば仲良くなりたいな~。そうすれば100%で戦えるようにしてあげるのに」
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side:オールフォーワン
「さて、陽介はどこかな」
ここは雄英高校の敷地内、テレビで孫の陽介の活躍を見ていたが、教育機関としてまともな対応をしていないことに抗議に来たのだが……どこに言えばいいのかな?とりあえずオールマイトに文句を言おう。
そもそも何故陽介が酷い目に遭う必要がある!全てはあの子の忠告を無視した雄英側と社会人として仕事をしなかったオールマイトのせいじゃないか!あの子はウィザやバング、ボンブを含め合計100人のヒーローを招集するつもりだったのに、それを無視して失敗したら責任転嫁するとはね!
「あいつはムカつくがヒーローとしては評価していたのに、無実の少年を攻め立てるなんて……計画とか関係なしにタルタロスの囚人を脱獄させようか。それともマキアでも暴れさせるか…」
「あっ!先生!」
ん?あの少女は…
「おぉ、波動さんか。君はどうしてここに?ここは1年生の会場だと思ったのだけど」
「それがね!聞いて!よう君が大変なんだよ!」
「陽介が?一体何かあったのかな?」
ま、まさかあのクズ共…うちの陽介に集団リンチでも仕掛けてきたのか!?だとすればもう計画なんて破棄だ。脳無ハイエンドとマキアで戦争を仕掛けるぞ!!
「よう君だけ理不尽な制限掛けられたらしいの!」
「…あぁ、そうか」
命拾いしたなヒーロー。
「なんでも自分から攻撃したら反則になるんだって」
「…ここは教育機関だったよね?拷問ショーの会場じゃないよね?」
「普通の学校…だと思うよ。多分、きっと」
「そうか教育委員会に抗議しよう。まぁ、”換装禁止”くらいなら当然だと思うけど」
「いや、換装したら誰も勝てないよ」
「分からないよ。ウィザは換装した陽介を切り刻んだし、スターアンドストライプなら攻撃できるだろう」
「それは世界の頂点の話だと思うけど…」
「そんな高校生がいてもおかしくない。今年の新入生には反社会的勢力の元締め、世界最強の予知能力者、トリオン研究の第一人者、元No.1ヒーローの教え子がいるんだ」
「それは全部よう君のことですよ~」
「もし陽介に傷一つでも付けたら……ボーダー隊員全員で襲撃をかけてやる」
「それはもはやテロだと思うけど…」
何やら波動さんが引いているがどうでも良い。いざとなれば
「そろそろよう君の二回戦の時間だし、それまでに応援でもしたいんだけど」
「それなら控室に行こう。大体の位置は分かるだろう?」
「分かるけど…どうやっていくの?」
「私の”個性”で転移して行こう。もし教師に見つかったら……あんな教育者の風上にも置けないクズ共には地獄を見せてやる」
待っていろ陽介!先生がついているからな!!
最近、呪術廻戦の2期(特に例のシーン)を見ていたら新しい作品のアイディアが出てきてたので、それが落ち着いたら投稿再開します。